有機チョコレートの選び方とおすすめ:有機JAS認証からフェアトレードまで
健康志向が高まる現代、チョコレート選びもより慎重になっている方も多いのではないでしょうか。農薬や化学肥料に頼らず栽培されたカカオ豆を使用したオーガニックチョコレートは、安心安全なだけでなく、環境にも配慮した選択肢として注目されています。この記事では、有機JAS認証をはじめとするオーガニック認証の種類、フェアトレードの意義、そして、それらを踏まえた上でのおすすめオーガニックチョコレートをご紹介します。ぜひ、あなたにとって最適なオーガニックチョコレートを見つけてみてください。

厳選オーガニックチョコレート21選:選び方の鍵とおすすめ

農薬や化学肥料を使用せずに育てられたカカオ豆で作られた、こだわりのオーガニックチョコレート。フェアトレードの視点も取り入れ、選び方のポイントから有機JASやUSDAオーガニックといった認証マークを持つおすすめ商品をご紹介します。

オーガニックチョコレートの定義

オーガニックチョコレートとは、カカオ豆の栽培からチョコレートの製造に至るすべての工程において、化学合成農薬や化学肥料などの化学物質を極力使用せず、環境への負担を最小限に抑えて製造されたチョコレートのことです。カカオ豆の栽培では、土壌の健康を保ち、生態系の多様性を尊重した農法が採用されています。また、製造過程においても、不必要な添加物をできる限り排除し、素材本来の風味を最大限に引き出す工夫が凝らされています。

オーガニック栽培(有機栽培)の重要性

オーガニック栽培(有機栽培)とは、化学的に合成された肥料や農薬に依存しない農法を指します。これらの化学物質を長期間使用すると、土壌中の微生物に悪影響を及ぼし、生態系のバランスを崩壊させ、土壌を劣化させて作物の生育を困難にする可能性があります。さらに、農薬や化学肥料は農業に携わる人々の健康にも影響を与えるリスクがあるため、使用量を減らし、環境への負荷を低減するオーガニック栽培が強く求められています。遺伝子組み換え技術を使用しないため、素材が持つ本来の美味しさを堪能できるのも魅力です。

チョコレートができるまで:原料と製造プロセス

チョコレートは、カカオ豆の栽培から、私たちが手にする製品となるまで、長い時間と手間をかけて作られています。ここでは、その製造プロセスを詳しく見ていきましょう。

カカオの栽培と収穫

チョコレートの根幹をなすカカオは、生育に適した場所が限られるデリケートな植物です。気温、湿度、降雨量、太陽光といった要素が不可欠で、種から育てたカカオが収穫できるようになるまでには、およそ3~4年の歳月を要します。丹精込めて収穫されたカカオの果実は、チョコレート作りの最初の段階へと進んでいきます。

カカオ豆の取り出しと発酵

収穫されたカカオの果実からカカオ豆を取り出し、豆の周りの果肉(パルプ)と一緒に木箱に入れたり、バナナの葉で覆ったりして、5日から7日ほど発酵させます。その後、太陽光や機械を用いて乾燥させ、麻袋に詰めて倉庫で保管します。この状態で、加工を行う場所へと輸送されます。発酵というプロセスは、カカオ豆の風味を決定づける非常に大切な工程です。

焙煎と粉砕

カカオ豆は焙煎されることで、芳醇な香りと奥深い風味が引き出されます。焙煎の時間や温度の違いによって、チョコレートの味わいは大きく変化します。焙煎後、カカオ豆を粗く砕き、外皮などを取り除き、カカオニブを取り出します。このカカオニブを丁寧にすり潰し、ペースト状にしたものがカカオマスとなり、チョコレートの主要な原料となります。

砂糖や乳製品との混合

カカオマスに砂糖、カカオバター、そして乳製品などを加えて混ぜ合わせます。時間をかけて練り上げることで、口の中でとろけるような滑らかなチョコレートが生まれます。温度を適切に管理し、型に流し込み、冷却して固め、型から取り出せば、チョコレートの完成です。材料の配合や練り加減が、チョコレートの品質を大きく左右します。

有機チョコレートの特別な魅力

有機チョコレートは、その製造方法と使用される素材に由来する、従来のチョコレートとは一線を画す様々な魅力にあふれています。

厳選された素材と少ない添加物

一般的なチョコレートには、風味を調整したり、保存性を高めるために、油脂、乳化剤、保存料などが加えられることがありますが、有機チョコレートは原材料を厳選し、高品質なものを使用しています。主原料であるカカオの風味を最大限に活かすため、使用する材料の種類を絞り、不要な添加物を極力排除しているものが多く、素材本来の味わいを堪能できます。

お子様にも安心な選択肢

有機チョコレートは、化学農薬や化学肥料に頼らずに栽培されたカカオ豆を使用しているため、栄養価が高く、より安全であると考えられています。添加物の使用を最小限に抑えている製品が多いため、小さなお子様や健康を意識する方々にも安心して選んでいただけます。

有機チョコレートの選び方

有機チョコレートを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントに注目することで、より高品質で、ご自身の好みにぴったりのチョコレートを見つけることができます。

オーガニック認証の有無を確認する

チョコレートを選ぶ際、オーガニック製品であるかどうかを見分ける重要な手がかりが各種認証マークです。オーガニックチョコレートを選ぶ際には、以下の認証に注目してみましょう。

B Corp認証

B Corp(Bコープ)は、環境だけでなく社会的な側面にも配慮した、公益性の高い企業を認証する国際的な制度です。環境への配慮、社会貢献、透明性、説明責任など、B Labが定める厳格な基準を満たした企業にのみ与えられます。

有機JASマーク

有機JASマークは、日本国内における有機食品の証です。2001年に定められたJAS法(日本農林規格等に関する法律)に基づき、登録された第三者機関が、有機JAS規格に沿った生産が行われているかを厳しく検査し、認証します。

USDAオーガニック認証

USDAオーガニックは、アメリカ合衆国農務省(United States Department of Agriculture、USDA)が管理・運営する、アメリカのオーガニック認証制度です。

EUオーガニック認証

欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が定める厳格なオーガニック基準に基づいて、生産および加工が行われたことを証明する制度です。EU加盟国において、製品を「オーガニック」として販売する際には、この認証が必要となります。

フェアトレード認証チョコレート

フェアトレードは、発展途上国の生産者や労働者の生活水準向上と経済的自立を支援することを目的とした、「公正な貿易」の仕組みです。これらの国々からの原材料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、弱い立場にある生産者や労働者の生活改善を目指します。オーガニック認証に加えて、現地の労働環境に配慮したフェアトレード製品を選ぶことを推奨します。

オーガニックチョコレート:認証マーク別おすすめ

多様な認証を受けたオーガニックチョコレートの中から、特におすすめの商品をご紹介します。

B Corp認証オーガニックチョコレート:Latitude Craft Chocolate

ウガンダ西部のカカオとブコンゾ地区のアラビカコーヒーを使用し、カカオ農園での栽培からチョコレート製造までを一貫して行う「Farm to Bar」を実現しています。カカオ分70%で、コーヒーのほろ苦さが絶妙なバランスを生み出しています。

有機JAS認証取得のオーガニックチョコレート:People Tree(ピープルツリー)フェアトレードチョコレート

「ピープルツリー」のチョコレートは、オーガニックとフェアトレードの理念を大切にしています。厳選された素材のみを使用し、乳化剤などの添加物は一切不使用。伝統的な製法で丁寧に練り上げ、カカオ本来の風味とまろやかさを最大限に引き出しています。ココアバターのみを使用し、砂糖には黒糖や粗糖を使用するこだわりも魅力です。

有機JAS認証取得のオーガニックチョコレート:PANA ORGANIC(パナオーガニック)パナチョコレート

生のままのカカオを使用した、こだわりのローチョコレート。原材料はすべてオーガニックで、ひとつひとつ丁寧に手作りされています。乳製品、大豆、小麦を一切使用していないため、アレルギーをお持ちの方やヴィーガンの方でも安心して楽しめるチョコレートです。

有機JAS認証取得のオーガニックチョコレート:Cocoa(ココア)オーガニックローチョコレート

カカオマス、ココナッツシュガー、ココアバターなど、使用する原材料のほとんどがオーガニック認証を取得しています。生のカカオ豆を焙煎せずに低温で粉砕し、製造工程全体を45度以下に保つことで、カカオ本来の栄養素を最大限に活かしたローチョコレートです。精製された砂糖は一切使用せず、ココヤシの花蜜を使用することで、自然な甘さを実現しています。

有機JAS認証取得のオーガニックチョコレート:Loving Earth(ラビングアース)オーガニックローチョコレート

オーストラリア発、「Loving Earth(ラビングアース)」社のオーガニックローチョコレートは、健康、持続可能性、公正さを理念としています。ペルーのアマゾンで栽培された高品質なカカオ豆を使用。すべての製造工程を低温で行うことで、カカオの栄養価が損なわれるのを最小限に抑えています。乳製品とグルテンは不使用で、砂糖の代わりにココナッツネクターを使用しています。

有機JAS認証取得のオーガニックチョコレート:ALMA TERRA(アルマテラ)オーガニックアガベチョコレート

ペルー産カカオ豆を贅沢に使用し、栽培から製品化までを一貫して行う「Tree to Bar」製法にこだわったオーガニックチョコレートです。砂糖の代わりに、低GIのアガベシロップを使用。アレルギー対応の専用工場で製造されているため、アレルギーをお持ちの方も安心してお召し上がりいただけます。

有機JAS認証取得のオーガニックチョコレート:NOX ORGANICS(ノックスオーガニクス)プレミアムオーガニックチョコレート

トランス脂肪酸、乳製品、精製された白砂糖を一切使用せず、厳選されたオーガニック原料のみで作られた、こだわりのダークチョコレートです。カカオ分70%のチョコレートに、アサイーをはじめとするスーパーフードをプラス。口溶けなめらかで美味しく、栄養価も高い、サプリメント感覚で楽しめるチョコレートです。

有機JAS認証取得のオーガニックチョコレート:第3世界ショップ ヘーゼルナッツチョコレート

乳化剤や植物性油脂は使用せず、カカオバターのみで丁寧に練り上げることで、とろけるような口どけとカカオ本来のアロマを引き出したチョコレートです。カカオや砂糖はフェアトレードにより調達。その他の材料も、農薬や化学肥料に頼らず、自然の力を最大限に活かして育てられたものだけを厳選しています。

有機JAS認証取得のオーガニックチョコレート:VIVANI(ヴィヴァーニ)オーガニックエキストラダークチョコレート

風味と味わいに定評のあるパナマ産カカオ豆を使用した、深みのあるダークチョコレートです。甘味料には、低GI食品として知られるココナッツシュガーを使用し、すっきりとした甘さに仕上げています。カカオマス、カカオバター、ココナッツシュガーなど、原材料はすべてオーガニック認証を取得。乳化剤は使用していません。

有機JAS認証取得のオーガニックチョコレート:Lubs(ルブス)チョコレートブラウニー

ドイツのルブス社製、有機フルーツバーのチョコレートブラウニーは、保存料や人工着色料を一切使用していません。有機栽培されたフルーツとナッツをベースに、可能な限り白砂糖を排除した製法が特徴です。濃厚なビターチョコレートの風味とナッツの食感が絶妙に調和した、栄養満点の一品。グルテンフリーかつ砂糖不使用で、フェアトレードにも積極的に取り組んでいます。

有機JAS認証取得のオーガニックチョコレート:bjornsted(ビヨンステッド)無添加オーガニックチョコレート

カカオ豆の選定からチョコレートバーの完成まで、一貫した製造工程を自社で行う「Bean to Bar」チョコレートです。中南米産カカオ豆が持つフローラルなアロマが特徴で、バランスの取れた味わいのダークチョコレートに仕上がっています。ドイツの老舗チョコレートメーカー「bjornsted(ビヨンステッド)」が、長年培ってきた伝統の技術でカカオ本来の風味と香りを最大限に引き出しています。

USDAオーガニック認証取得のオーガニックチョコレート:Raaka(ラーカ)バーボン・キャスク・エイジド

厳選されたオーガニック原料のみを使用した「Bean to Bar」チョコレート。ラーカの特徴は、カカオ豆を焙煎しない独自の製法です。これにより、カカオに含まれる酵素が損なわれず、身体のバランスを整える効果が期待できます。さらに、バーボンウイスキーの古樽で6週間熟成させることで、芳醇な香りをまとわせています。グルテンフリー、ナッツフリーのロー&ヴィーガンチョコレートです。

USDAオーガニック認証取得のオーガニックチョコレート:Dardenne(ダーデン)有機チョコレート

ペルー産のフェアトレードカカオをはじめ、使用する原材料はすべて有機認証を取得したもののみ。カカオニブ、カカオバター、ココアパウダーなどの原料は自社で製造しています。カカオ分100%でありながら、酸味が少なく、まろやかな苦味が特徴で、カカオそのものの味わいを存分に楽しめます。白砂糖は一切使用せず、低GI食品である有機アガベシュガーを使用しています。

USDA認証オーガニックチョコレート:RinWell CBDチョコレート

安全性と品質にこだわり抜いた、日本生まれのブランド「RinWell」。CBD(カンナビジオール)配合のチョコレートをお届けします。チョコレートのベースには、有機カカオマス、有機きび砂糖、有機カカオバターを使用。CBDは、USDA認証を受けたオーガニック農園で栽培・抽出されたものを使用しています。

EU認証オーガニックチョコレート:Cacao Crudo 有機ローチョコレート オレンジピール

イタリア発、ココナッツパルプとクリオロ種カカオを使用したローチョコレート。ココナッツパルプには、母乳にも含まれるラウリン酸が豊富です。非加熱のカカオ豆から、栄養をそのまま摂取可能。原材料はすべてオーガニック、白砂糖は不使用です。

EU認証オーガニックチョコレート:Cachet チョコレート5種

ベルギーで30年以上の歴史を持つ「Cachet」のチョコレート。チョコレートを通して人と地球を幸せにするという理念のもと、世界65カ国で愛されています。カカオの風味を最大限に活かすため、風味豊かなカカオとケインシュガー(サトウキビ糖)を使用。5種類のオーガニックフレーバーをお楽しみください。

EU認証オーガニックチョコレート:ROOSIKU オーガニックチョコレート10枚

エストニアの熟練ショコラティエが丁寧に作り上げるチョコレート。42℃以下で管理されたローチョコレートで、昔ながらの石臼を用いて手作りされています。また、動物性原料を一切使用しない、ヴィーガン対応の専用工場で製造されています。

EUオーガニック認証取得の有機チョコレート:alce nero(アルチェネロ)有機ダークチョコレート

イタリア発の著名なオーガニックブランド「alce nero(アルチェネロ)」が、チョコレート製造に特化したスイスの提携企業と共同開発した有機チョコレートです。南米の有機農園で栽培された、フェアトレード認証済みの有機原料を使用。カカオ分75%のダークチョコレートは、上品な苦みと爽やかな酸味が特徴です。

EUオーガニック認証取得の有機チョコレート:Chocolates From Heaven(チョコレートフロムヘブン)チョコレート5種

発展途上国のカカオ農家から適正価格でカカオを仕入れることで、生産者や労働者の生活水準向上を支援するフェアトレードチョコレートです。ココアバターのみを使用し、他の植物油脂は不使用。体温で溶けるため、口どけが非常に滑らかで優しい味わいです。

EUオーガニック認証取得の有機チョコレート:iChoc(アイチョコ)ホワイトヌガークリスプ チョコレート

植物性ミルクをベースにした、ヴィーガン対応のチョコレートです。ライスミルクをベースに、ヘーゼルナッツ、アーモンド、クリスピーライスを加えています。動物由来の原料を使用せずに、濃厚でクリーミーな味わいを実現しています。

まとめ

有機チョコレートは、環境保護への貢献、生産者支援、そして何よりもその美味しさにおいて、素晴らしい選択肢と言えます。認証マークを参考に、お好みの有機チョコレートを見つけて、その奥深い風味を存分にお楽しみください。健康を意識する方にも、チョコレート愛好家の方にも、有機チョコレートは新しい発見と満足感をもたらしてくれるでしょう。

有機チョコレートと通常のチョコレート、何が違う?

有機チョコレートの際立った特徴は、有機農法で育てられたカカオ豆を使用している点です。製造過程においても、化学的な肥料や農薬といった添加物をできる限り排除しています。これにより、よりナチュラルなカカオ本来の味わいを堪能でき、健康を意識する方にも適しています。通常のチョコレートとの違いは、原料と製造方法へのこだわりにあると言えるでしょう。

有機認証マーク、どうやって見分ける?

有機認証マークは、製品の包装に必ず記載されています。代表的な認証マークとしては、日本の有機JASをはじめ、アメリカのUSDAオーガニック、EUのEUオーガニックなどが挙げられます。これらのマークは、第三者機関が有機基準に適合していることを保証するものです。購入の際には、これらのマークを目印にすると良いでしょう。

フェアトレードチョコレートを選ぶ利点は?

フェアトレードのチョコレートを選ぶことは、発展途上国のカカオ生産者や労働者に対し、公正な価格での取引を支援することに繋がります。その結果、彼らの生活水準の改善や自立を促進し、持続可能な社会の実現に貢献できます。チョコレートを選ぶという行為が、社会貢献につながるのです。

有機チョコレートとは