栄養満点!知られざるナッツのパワーと効果的な食べ方
カリッとした食感と香ばしい風味で、ついつい手が伸びるナッツ。おやつやおつまみとして親しまれていますが、実はその小さな一粒に、驚くほどの栄養パワーが秘められているのをご存知でしょうか?美容と健康をサポートするビタミンやミネラル、良質な脂質、食物繊維などがバランス良く含まれており、日々の食生活に取り入れることで、様々な嬉しい効果が期待できます。この記事では、ナッツの栄養価と、効果を最大限に引き出すための賢い食べ方をご紹介します。ナッツの種類、それぞれのナッツに豊富に含まれる栄養素、期待できる効果、効果的な食べ方、食べ過ぎた場合に起こりうる問題点などを解説します。

ナッツとはどのような食品なのか?

おつまみや間食としてだけでなく、近年ではダイエット食品としても注目されているナッツ。私たちの食生活に身近な食品ですが、ナッツの定義や、ダイエットに有効な理由を知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。ここでは、ナッツの定義、歴史、そしてダイエットへの効果について解説します。

ナッツの定義とは?

ナッツの定義は、厳密には定められていません。狭義の「ナッツ」は、堅果(けんか)と呼ばれる木の実の種子の一部を指しますが、草の種子や一部の豆類を含むこともあります。私たちが普段口にしているナッツの多くは、「種実類」に分類され、植物の種子や木の実を食用とするものです。例えば、ピーナッツは厳密には堅果ではないため、ナッツとは言えませんが、一般的にはナッツとして認識されています。また、種実類にも様々な種類があり、カシューナッツや種子類は種子そのものを、アーモンドやクルミは種の中にある「仁(じん)」と呼ばれる部分を、ヘーゼルナッツは果実そのものを食べています。

ナッツの歴史とは?

ナッツの歴史は非常に古く、古代から保存食や祭事の供え物として利用されてきました。最も古い歴史を持つナッツはクルミと言われ、紀元前の中国やエジプトでは、王の墓にクルミなどのナッツが供えられていたそうです。日本でも、縄文時代の遺跡から木の実が貯蔵された状態で発見されています。現代ではあまり食べられないドングリも、当時は重要な食料であり、ナッツは穀物不足を補うための貴重な食物でした。

ダイエットにも効果的って本当?

近年、ダイエット食品としても注目されているナッツですが、なぜダイエットに良いと言われるのでしょうか。一方で、「カロリーが高そうだけど、太らないの?」と心配になる方もいるかもしれません。確かに、ナッツは脂質を多く含み、カロリーは決して低くありません。主なナッツ100gあたりのカロリーは以下の通りです。(文部科学省のデータをもとに作成)

  • アーモンド:608kcal
  • ピーナッツ(落花生、いり):585kcal
  • くるみ(日本種):674kcal
  • カシューナッツ(フライ、味付け):576kcal
  • マカダミアナッツ:720kcal

しかし、ナッツを食べたからといって必ず太るわけではありません。カロリーは高いものの、ナッツの脂質はすべてが肥満や不健康に繋がるわけではないのです。むしろ、ナッツには体に良いとされる「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」が豊富に含まれています。食べ過ぎに注意すれば、他の脂っこい食品よりも体への影響は少ないと考えられます。
脂質には、「肥満の原因になる」「生活習慣病を招く」といった良くないイメージがありますが、肥満や血中の悪玉コレステロールを増やし、心筋梗塞などの循環器系疾患のリスクを高めるのは、主に「飽和脂肪酸」と呼ばれる脂質です。飽和脂肪酸は体内で生成できるため、食事から積極的に摂取する必要はなく、摂りすぎると体に悪影響を及ぼします。
しかし、「一価不飽和脂肪酸」や「多価不飽和脂肪酸」は、必ずしも体に悪い影響を与えるものではありません。例えば、代表的な一価不飽和脂肪酸である「オレイン酸」には、血液中の悪玉コレステロールを減らす効果が期待されています。また、多価不飽和脂肪酸は血圧を下げたり、悪玉コレステロールを減らしたりする効果があります。ナッツの種類によって異なりますが、ナッツに含まれる脂質の多くは一価不飽和脂肪酸です。例えば、アーモンドの一価不飽和脂肪酸の約99%はオレイン酸です。多価不飽和脂肪酸にも、血圧を下げる、悪玉コレステロールを減らすといった効果が期待できます。
このように、ナッツの脂質には体に良い働きをするものも多く含まれているのです。さらに、近年の研究では、健康的な体重を維持するためには、摂取カロリーだけでなく、どのような食品からカロリーを摂取するかが重要であることが分かっています。
飽和脂肪酸が多い食品や血糖値が急激に上がりやすい食品を避け、野菜や果物、健康的な脂質を含む食品を選ぶことが大切です。ナッツに豊富に含まれる脂質は、まさに「健康的な脂質」と言えるでしょう。また、ナッツ類には不溶性食物繊維が豊富で、便の量を増やす効果が期待できます。食物繊維は糖質の含有量が少なく、脂質や糖質を吸着して体外に排出する働きがあるため、お腹の中でゆっくりと消化され、少量でも満腹感が得られやすく、腹持ちが良いというメリットもあります。さらに、ナッツ類を食べることで、美容に役立つビタミンB2などのビタミンB群を摂取できます。ビタミンB群は体のリズムを整えるのに役立ち、規則正しい生活習慣に繋がります。
これらの理由から、ナッツ類はダイエットに適した食品の一つと言えます。ただし、ナッツは高カロリーなので、ダイエット中に摂取する場合は、食べ過ぎに注意し、夜は避け、朝食や間食として食べるのがおすすめです。

ナッツに期待できる効果は?

ナッツは栄養価が高く、ダイエット以外にも様々な効果が期待できます。以下で詳しくご紹介します。

食物繊維が自然なお通じをサポート

ナッツには、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は、人の消化酵素では消化されにくい成分で、「第6の栄養素」とも呼ばれる重要な栄養素です。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、ナッツには特に不溶性食物繊維が多く含まれています。不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収して膨らみ、便を形成する働きがあります。また、腸の運動を促進する効果も期待できます。近年、日本人の食物繊維摂取量は減少傾向にあると言われていますが、ナッツを食生活に取り入れることで、手軽に食物繊維を補給できます。

「キレイ」に嬉しいビタミンEが豊富

アーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオなどには、ビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンEは脂溶性ビタミンの一種で、4種類のトコフェロールと4種類のトコトリエノールの総称です。ビタミンEは、肌の健康を内側からサポートする効果も期待できると言われています。

健やかな毎日を支えるミネラル

ナッツには、カルシウム、リン、カリウムといった多種多様なミネラルが含まれています。ミネラルは、私たちの体を構成する主要な元素である酸素、炭素、水素、窒素以外の元素の総称であり、「無機質」とも呼ばれる五大栄養素の一つです。これらのミネラルは、細胞機能の維持や骨や歯の形成に不可欠な役割を果たします。しかし、ミネラルは体内で生成することができないため、食事から摂取する必要があります。アーモンドやピスタチオなどのナッツは、ミネラルを手軽に補給できる優れた食品です。

ナッツに含まれる主要な栄養成分

ナッツの種類は豊富であり、それぞれに含まれる栄養素のバランスも異なります。ここでは、ナッツの種類ごとに特徴的な栄養素と、その健康効果について詳しく見ていきましょう。

タンパク質が豊富なナッツ「アーモンド」

ナッツといえば、まずアーモンドを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。アーモンドは、タンパク質と食物繊維を豊富に含んでいます。タンパク質は、炭水化物、脂質と並び、人間の体のエネルギー源となる重要な栄養素です。筋肉、臓器、皮膚、毛髪など、身体のあらゆる組織を構成し、ホルモン、酵素、抗体といった体内で働く成分の材料となるため、生命維持に不可欠です。食物繊維は、便通を整える効果がよく知られていますが、脂質、糖、ナトリウム(塩分)を吸着して体外に排出する働きもあり、肥満や生活習慣病の予防・改善に役立ちます。さらに、アーモンドは食品の中でもビタミンEを豊富に含んでいます。ビタミンEは、「抗酸化作用」を持ち、老化、免疫機能の低下、がんや動脈硬化などの原因となる物質の働きを抑制する効果が期待できます。

栄養満点な魅力「ピーナッツ」

ピーナッツは、日本では落花生とも呼ばれており、他のナッツ類とは異なり、植物学的には豆の仲間です。一般的には乾燥させたものを炒って食べますが、生の豆を茹でたり蒸したりして調理して食べることも可能です。ピーナッツは他のナッツと比較して脂質が少なく、タンパク質を豊富に含んでいるのが特徴です。

ピーナッツの栄養価

ピーナッツは、カリウム、ビタミンE、ナイアシン、食物繊維など、様々な栄養素を豊富に含んでいます。カリウムは、体内の余分な塩分を排出し、血圧の正常化をサポートするミネラルとして知られています。ビタミンEは、抗酸化作用により、シミやシワの原因となる物質の活動を抑制する効果が期待されています。食物繊維は、整腸作用に加え、脂質、糖質、塩分の排出を助ける働きがあります。さらに、ナイアシンは、脳神経機能をサポートし、血流を改善する効果があると言われています。

クルミ:多価不飽和脂肪酸の宝庫

クルミは、人類が最も古くから利用してきたナッツの一つであり、紀元前7世紀の古代メソポタミアでの栽培記録が残るほどです。「最古のナッツ」とも呼ばれ、その独特なほろ苦さが特徴で、パンや焼き菓子に良く用いられます。

クルミの栄養成分

クルミは、他のナッツと比較して、特に多価不飽和脂肪酸が豊富です。多価不飽和脂肪酸は、体内で生成できないため、食事から摂取する必要がある必須脂肪酸です。また、多価不飽和脂肪酸には、血圧の低下や悪玉コレステロールの減少を促す効果があり、高血圧や悪玉コレステロールが原因となる生活習慣病の予防に役立つと期待されています。

カシューナッツ:低カロリーなナッツ

特徴的な形状を持つカシューナッツは、南米原産のウルシ科の植物です。カシューアップルというリンゴのような果実の先にぶら下がっており、一つの果実に一粒しか収穫できない、種子が果実の外にある珍しい植物です。

カシューナッツに含まれる栄養素

カシューナッツは、他のナッツに比べて脂質が控えめで、比較的低カロリーであることが特徴です。さらに、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅といった必須ミネラルが豊富に含まれています。ミネラルは、身体を構成する上で不可欠な要素であり、体内では生成できないため、食事から積極的に摂取する必要があります。特にマグネシウムは、心疾患や高血圧の予防に役立つと言われています。また、鉄分は不足すると貧血を引き起こす可能性があるため、妊娠中の方や月経のある女性にとって特に重要な栄養素です。ミネラルは相互に作用し、吸収や働きに影響を与えるため、バランスの取れた摂取が大切です。

脂質の含有量が高い「マカダミアナッツ」

マカダミアナッツは、1857年に発見された比較的新しいナッツです。日本では、お菓子の材料として広く利用されており、その消費量は年々増加傾向にあります。他のナッツに比べて生産量が少ないため、やや高価ですが、上品でまろやかな甘みと軽い食感は、マカダミアナッツならではの魅力です。チョコレートやアイスクリームとの相性も抜群です。また、マカダミアナッツから抽出されるオイルは酸化しにくく、人の皮脂に近い組成を持つため、化粧品やスキンケア製品の原料としても活用されています。

マカダミアナッツに含まれる栄養素

マカダミアナッツは、他のナッツと比較して脂質含有量が多く、可食部の70%以上を脂質が占めています。そのため、カロリーは高めですが、その脂質の大部分は、悪玉コレステロールを減少させる効果が期待できるオレイン酸などの一価不飽和脂肪酸です。したがって、適量を摂取することで健康維持に役立つと考えられています。

ビタミンB6が豊富「ピスタチオ」

「ナッツの女王」とも呼ばれるピスタチオは、鮮やかな緑色が特徴的なナッツです。お菓子やアイスクリームの材料として使われるだけでなく、おやつとしても人気があり、日本での消費量も年々増加しています。緑色が濃く、鮮やかなものほど高品質とされています。

ピスタチオに含まれる栄養素

ピスタチオは、ビタミンB6を豊富に含む食品です。ビタミンB6は、健康な肌、美しい髪、丈夫な歯を育み、成長をサポートするとされています。不足すると、皮膚炎や口角炎、舌炎といった皮膚や粘膜のトラブル、さらには貧血を引き起こす可能性もあるため、積極的に摂取したい栄養素の一つです。また、ピスタチオは他のナッツと比較して、カリウムを多く含んでいる点も特徴です。カリウムは血圧を正常に維持する効果が期待されており、ナトリウム(塩分)の排出を促すため、塩分過多になりがちな現代人にとって特に重要な栄養素と言えるでしょう。加えて、カリウムは筋肉の機能をサポートするとも言われており、健康維持に不可欠な存在です。

貧血予防におすすめ「ヘーゼルナッツ」

ヘーゼルナッツは、その独特な風味と食感で愛されており、アーモンド、カシューナッツと並び、世界三大ナッツとして知られています。そのまま食べる機会は少ないかもしれませんが、ローストしたヘーゼルナッツを砕き、カラメルソースと合わせたプラリネは、チョコレート、アイスクリーム、ケーキなどの材料として広く利用されています。その濃厚で香ばしい風味は、一度食べたら忘れられない魅力があります。

ヘーゼルナッツに含まれる栄養素

ヘーゼルナッツは、カリウム、鉄、銅などのミネラルを豊富に含んでいます。カリウムは、塩分の排出を促し、血圧を下げる効果が期待できます。鉄は貧血の予防に役立ち、銅は体内のエネルギー生成に関与します。さらに、ヘーゼルナッツには、ビタミンB群の一種であるパントテン酸や葉酸も豊富に含まれています。パントテン酸は、皮膚や粘膜の健康を維持する働きがあり、葉酸は、口内炎や貧血を予防し、免疫力を高める効果があると言われています。そのため、妊娠中や月経のある女性にもおすすめのナッツです。

高カロリーだけど味わい深い「ピーカンナッツ」

ピーカンナッツは、ペカンナッツとも呼ばれ、アメリカ原産のクルミ科のナッツです。アメリカでは、ピーカンナッツをたっぷりと使ったピーカンパイが家庭の味として親しまれており、アメリカ大陸が発見される以前から、先住民にとって貴重な栄養源でした。食感はクルミに似ていますが、苦味が少なく、よりまろやかな味わいが特徴です。

ピーカンナッツの栄養価

ピーカンナッツは、数あるナッツの中でも特に高カロリーであり、その約7割が脂質です。ただし、脂質のほとんどは体に良いとされる不飽和脂肪酸で構成されており、飽和脂肪酸はごくわずかです。カロリーの高さが気になるかもしれませんが、その豊かな風味は格別です。ぜひ一度お試しください。

美容と健康をサポートするナッツ「ブラジルナッツ」

ブラジルナッツは、南米の熱帯雨林でのみ採取される希少なナッツです。日本ではまだ馴染みが薄いかもしれません。マカダミアナッツに似た食感で、濃厚なバターのような風味が楽しめます。アーモンドの約2倍という、その大きさも特徴的です。

ブラジルナッツの栄養成分

ブラジルナッツは、多様なミネラルをバランス良く含んでいます。特に、糖質の代謝を助けるビタミンB1が豊富です。ビタミンB1は、糖質やアルコールを多く摂取する方に積極的に摂っていただきたい栄養素です。美容と健康維持に役立つ食品ですが、セレンの含有量が多いため、過剰摂取には注意が必要です。

カリウムが豊富な「ココナッツ」

ココナッツは、ココヤシの果実であり、一般的にナッツとして扱われるのは、その果肉を乾燥させたものです。ココヤシの実は様々な用途に利用され、未熟な果実から得られる透明な液体はココナッツウォーター、果肉を搾った乳白色の液体はココナッツミルクとして、飲料や料理の材料として用いられます。また、ナタデココはココナッツウォーターを酢酸菌で発酵させて作られます。

ココナッツの栄養成分

ココナッツの白い果肉には、カリウムが豊富に含まれています。カリウムは、体内の余分なナトリウムを排出し、血圧の安定をサポートしたり、筋肉の機能を正常に保つ効果があると考えられています。しかしながら、ココナッツに含まれる脂質は、他のナッツ類と比較して特異で、過剰摂取は体重増加につながったり、血液中のLDLコレステロールを増加させ、心筋梗塞などの循環器疾患のリスクを高める飽和脂肪酸が主体です。そのため、摂取量には十分な注意が必要です。

ナッツの効果的な摂取方法

普段何気なく口にしているナッツですが、商品の選び方や食べ方を工夫することで、より効率的に栄養素を体内に取り込むことができます。ここでは、ナッツの利点を最大限に引き出すための効果的な摂取方法をご紹介します。

無添加・ロースト(素焼き)タイプを選ぶ

ナッツをより健康的に摂取するためには、食塩や植物油などが添加されていない、シンプルなロースト(素焼き)タイプを選ぶことが重要です。過剰な塩分摂取は、食べ過ぎ、むくみ、高血圧などの原因となる可能性があるため、注意が必要です。

酸化を防ぐ

ナッツ類に豊富に含まれる不飽和脂肪酸は、酸化しやすい性質を持っています。酸化した食品は、健康に悪影響を及ぼす可能性があると考えられています。開封後のナッツはできるだけ早く食べ終え、保存する際は、密閉できる容器に入れ、直射日光や高温多湿の場所を避けて保管しましょう。

適量を守る

手軽に食べられるナッツは、ついつい手が伸びてしまいがちです。確かにナッツは栄養満点ですが、同時に脂質も多く、カロリーも高めです。そのため、ナッツを食べる際は、1日に約25gを目安にするのがおすすめです。例えば、アーモンドやピーナッツなら20~25粒程度、カシューナッツなら12~18粒程度、マカダミアナッツなら7~10粒程度を目安にしましょう。

食べるタイミングを意識する

ナッツ類は食物繊維が豊富なので、食事の30分~1時間前に摂取することで、その後の食事の量を調整しやすくなります。また、ビタミンやミネラルも豊富に含んでいるため、運動をする前後に食べることで、汗と共に失われた栄養を効率的に補給できます。

ナッツの過剰摂取には注意!

栄養価の高さから、健康のためにと無意識に食べ過ぎてしまうことがあるナッツ。適量を守れば体に不可欠な栄養を補給できますが、過剰に摂取すると体に悪影響を及ぼす可能性があります。ここでは、ナッツを摂り過ぎることで起こりうる問題点について解説します。

カロリー過多による体重増加

ナッツ類は栄養豊富な食品ですが、同時に脂質とカロリーも高いため、食べ過ぎるとカロリーオーバーとなり、結果的に体重が増加してしまうことがあります。多種多様なナッツが存在しますが、いずれも100gあたり約600kcalと高カロリーです。どの種類のナッツを食べる場合でも、摂取量には十分注意しましょう。

肌荒れ(ニキビなど)の原因となる可能性

ナッツ類は、過剰に摂取するとニキビなどの肌トラブルを招くことがあります。ただし、これはナッツそのものの影響ではなく、加工に使われる油分、バター、塩分などが原因と考えられます。肌の健康を保つためには、食べ過ぎに注意し、できる限り無塩・素焼きのナッツを選ぶようにしましょう。

消化不良による下痢や便秘のリスク

ナッツ類には、食物繊維の一種である「不溶性食物繊維」が豊富に含まれています。不溶性食物繊維は、便のかさを増して腸の活動を促し、便秘の改善に役立つとされています。しかし、過剰に摂取すると便が硬くなり、逆に便秘を引き起こす可能性があります。

また、ナッツ類は脂質も多く含んでいるため、大量に食べると胃腸に負担がかかり、下痢、胃痛、腹痛などの不快な症状を引き起こすことがあります。ナッツを食べる際は、よく咀嚼し、適量を守るように心がけましょう。

吐き気や頭痛を引き起こす可能性

体質によっては、ナッツ類を摂取することで頭痛や吐き気を催すことがあります。これは、ナッツに含まれる「チラミン」という血管拡張作用を持つ物質が原因です。チラミンは、ナッツ類だけでなく、チーズや赤ワインなどにも含まれています。ナッツを食べて不快な症状が現れる場合は、摂取を控えることをおすすめします。

まとめ

一般的に「ナッツ」と認識されている食品は、植物学的に見ると多様な種類を含みますが、「脂質を豊富に含む種子」という点で共通しています。種子には、発芽や成長に必要な栄養素が凝縮されており、ナッツは非常に栄養価の高い食品と言えます。健康食品としても注目されるナッツは、種類ごとに風味や食感が異なり、料理やお菓子など様々なレシピに取り入れやすいのが魅力です。脂質の多さから、肥満やコレステロール値の上昇を懸念する方もいるかもしれませんが、ナッツに含まれる脂質の多くは、体に良い影響を与える不飽和脂肪酸です。適量を守れば、過度に心配する必要はないでしょう。さらに、ナッツにはタンパク質、食物繊維、ミネラル、ビタミンなど、健康をサポートする栄養素が豊富に含まれています。様々な健康効果が期待できる一方で、食べ過ぎは体に悪影響を及ぼす可能性もあります。多種多様なナッツの栄養価や風味を比較し、自分に合ったものを選び、摂取量や食べ方を工夫して、適切にナッツを食生活に取り入れましょう。

本記事で提供する情報は、一般的な知識の提供を目的としたものであり、個別の症状に対する医学的アドバイスではありません。アレルギーをお持ちの方、持病のある方、健康に不安のある方は、必ず事前に医師や管理栄養士などの専門家にご相談ください。


ナッツはダイエットの味方になる?

ナッツには、お腹の中で膨らむ不溶性食物繊維がたっぷり。この食物繊維のおかげで、便通がスムーズになる効果が期待できます。さらに、消化に時間がかかるため、少しの量でも満足感を得やすく、満腹感が長続きするという嬉しいポイントも。ビタミンB群も豊富なので、体のリズムを整え、ダイエットをサポートしてくれます。ナッツに含まれる脂質の多くは、体に良いとされる「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」。これらの良質な脂質は、健康的な体重管理にも貢献します。ただし、ナッツはカロリーが高いので、食べ過ぎには要注意。1日に25g程度を目安に、朝食やおやつに取り入れるのがおすすめです。

ナッツを食べ過ぎないためのコツは?

ナッツは栄養満点ですが、脂質もカロリーも高めな食品です。1日の摂取量は約25gを目安にしましょう。具体的には、アーモンドやピーナッツなら20~25粒、カシューナッツなら12~18粒、マカダミアナッツは7~10粒程度が適量です。また、できるだけ加工されていない無添加・素焼きのナッツを選び、塩分や油分の摂りすぎを防ぎましょう。ナッツに含まれる不飽和脂肪酸は酸化しやすいので、開封後は密閉容器に入れて、高温多湿を避けて保存し、早めに食べきるようにしましょう。

ナッツに含まれる主な栄養素は?

ナッツには、食物繊維(特に不溶性食物繊維)、ビタミンE、ミネラル(カルシウム、リン、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛など)、タンパク質、そして体に必要な多価不飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸などの良質な脂質が豊富です。特にタンパク質は、筋肉や内臓、ホルモンを作る上で欠かせない栄養素。食物繊維は、脂質や糖質の排出をサポートし、ビタミンEは、体のサビつきを防ぐ抗酸化作用があります。ナッツの種類によって、含まれる栄養素のバランスは異なります。

素焼きや無添加のナッツが良いのはなぜ?

ナッツをより効果的に食べるためには、塩や油などで味付けされていないシンプルな素焼きのものを選ぶのがおすすめです。塩分を摂りすぎると、食欲が増進したり、むくみの原因になったり、高血圧のリスクを高めたりする可能性があります。また、加工に使われる油やバター、塩分が、肌荒れの原因になることも。素焼きのナッツは、余計な添加物を避け、ナッツ本来の栄養を効率的に摂取できる、賢い選択と言えるでしょう。

ナッツの過剰摂取による健康への影響とは?

ナッツは栄養価が高い食品ですが、食べ過ぎには注意が必要です。過剰に摂取すると、高カロリーであるため体重増加につながる可能性があります。また、加工されたナッツに含まれる油分や塩分は、肌トラブルの原因となることもあります。食物繊維が豊富なナッツですが、過剰な摂取は便秘を悪化させることも。加えて、脂質の多さが消化器官に負担をかけ、下痢や腹痛を引き起こすことも考えられます。まれに、ナッツに含まれるチラミンという成分が、頭痛や吐き気を引き起こす人もいます。

ナッツナッツの栄養