幾重にも重なるクレープとクリームが織りなす、ミルクレープ。口の中でやさしくほどける食感と、美しい断面が印象的なスイーツです。名前はフランス語風ですが、実は日本で誕生した洋菓子で、1990年代に専門店の登場とともに広まり、今や家庭でも人気の定番レシピとなっています。この記事では、ミルクレープの特徴や歴史を簡単にご紹介しながら、初心者でも作れる基本レシピとアレンジ方法までわかりやすく解説します。
ミルクレープとは?その歴史と名前の由来

「ミルクレープ」は日本生まれの洋菓子
ミルクレープは、何層にもクレープとクリームを重ねた断面が特徴的なスイーツで、日本で生まれました。1988年、西麻布のカフェ「ルエル・ドゥ・ドゥリエール」に勤務していた関根俊成シェフによって考案され、ラザニアの層構造から着想を得たとされています。その後、1996年にドトールコーヒーが関根氏の許可を得て商品化し、全国に広まったと言われています。
名前の意味とフランス語風の由来
「ミルクレープ」という言葉は、「mille(千)」「crêpe(クレープ)」を組み合わせた和製フランス語で、「千枚のクレープ」という意味を持ちます。実際に使われるクレープの数は10〜20枚程度ですが、その層の美しさを象徴的に表現した名前といえます。
なお、フランスには似たスタイルのケーキはほとんど存在せず、日本独自に発展した洋菓子です。
専門店から広がった人気スイーツの背景
ミルクレープは、1990年代に青山や銀座などに登場した洋菓子専門店で人気を博し、やがて家庭用レシピや冷凍スイーツとしても普及しました。現在ではホットプレートやフライパンで作れる簡単スイーツとして、季節のフルーツや抹茶などのアレンジレシピも楽しまれています。
ミルクレープの魅力と特徴
美しい層と口どけの良さ
ミルクレープの最大の魅力は、何と言ってもその断面の美しさです。クレープとクリームが交互に重なった層は、カットした瞬間に思わず歓声が上がるほど。薄く焼かれたクレープと、ふんわりとしたクリームが一体となり、フォークを入れるとすっと切れるやわらかさと、口に入れたときのなめらかな口どけがたまりません。
ひとくちごとに重なりがほどけていくような繊細な食感は、他のケーキにはない特別な味わいです。
シンプルなのに奥深い味わい
ミルクレープは、材料がシンプルな分、ごまかしがきかないスイーツとも言えます。クレープの香ばしさ、クリームのコク、そして甘さのバランスが大切で、ひとつひとつの素材の良さがそのまま味に表れます。
甘さを控えめにしたり、バニラや洋酒の香りをほんのり加えるなど、ちょっとした工夫で味に奥行きを持たせることができるのも、このスイーツならではの楽しみ方です。
冷やして作り置きもOKな便利さ
ミルクレープは、作ったあとしっかり冷やすことで層が安定し、味もなじみます。一晩置いておくと、クレープとクリームがより一体化し、しっとりとした仕上がりに。
冷蔵庫で保存すれば、翌日のおやつや来客用のデザートにもぴったり。あらかじめ仕込んでおけるので、忙しい日にも重宝します。
基本のミルクレープレシピ|家庭で簡単に
特別な型や道具がなくても、フライパンひとつで手軽に作れるミルクレープ。ここでは、初心者の方にもおすすめの基本レシピをご紹介します。
材料(4〜6人分)
〈クレープ生地〉
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薄力粉…100g
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卵…2個
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牛乳…300ml
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砂糖…大さじ2
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無塩バター…20g(溶かしておく)
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バニラエッセンス…少々(お好みで)
〈クリーム〉
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生クリーム…200ml
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砂糖…大さじ2〜3(お好みで調整)
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バニラエッセンスまたは洋酒…少々(香りづけに)
クレープ生地の作り方とコツ

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ボウルに卵と砂糖を入れてよく混ぜ、牛乳を少しずつ加えながらさらに混ぜます。
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ふるった薄力粉を加え、ダマにならないように混ぜます。
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溶かしバターとバニラエッセンスを加え、なめらかな生地にします。
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生地を冷蔵庫で30分ほど休ませると、焼きやすくなります。
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フライパンを弱火で熱し、薄く油をひいて、生地をおたまで流し入れて円形に広げます。両面を軽く焼いて、クレープを15枚ほど焼きましょう。
※薄く均一に焼くことが美しい層を作るコツです。
クリームと重ね方のポイント
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生クリームに砂糖を加え、7〜8分立てに泡立てます(ゆるめのホイップが理想)。
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お皿や回転台にクレープを1枚のせ、クリームを薄く均一に塗ります。
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クレープ→クリームの順に繰り返し、全体で15枚ほど重ねます。
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最後のクレープを乗せたら、ラップで全体を包み、冷蔵庫で3〜4時間以上冷やします。
冷やし時間とカットのコツ
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冷やすことで層がなじみ、きれいにカットしやすくなります。
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切る際は、包丁を温めてから使うと断面が崩れにくく、美しく仕上がります。
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カット後にフルーツや粉糖を飾れば、より華やかに見せることができます。
アレンジで楽しむミルクレープのアイデア
ミルクレープは、生地とクリームを自由にアレンジできるのも魅力のひとつ。味や見た目の変化を楽しみたいときには、以下のようなバリエーションがおすすめです。
チョコ・抹茶・フルーツ入りなどのアレンジ例
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チョコレートミルクレープ: 生地にココアパウダーを混ぜたり、クリームにチョコレートを加えてビターな味に。トッピングに削ったチョコを散らすと見た目も華やかです。
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抹茶ミルクレープ: 抹茶パウダーを生地に混ぜれば、和の風味が楽しめる一品に。甘納豆や白玉を挟んでも美味しく仕上がります。
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フルーツミルクレープ: クリームの間にスライスしたイチゴやバナナ、キウイなどを挟めば、色鮮やかでフレッシュな印象に。季節のフルーツで楽しみましょう。
ホール仕立てやカップ仕立ての違い
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ホール仕立て: ケーキのように切り分けられるスタイルで、見た目のインパクトがあります。お祝いごとやパーティー向き。
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カップ仕立て: 透明なカップやグラスにミニサイズで層を作れば、個別に食べやすく、見た目もおしゃれ。ピクニックや持ち寄りにも最適です。
特別な日のためのデコレーションヒント
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上から粉糖やココアパウダーをふりかけるだけでも、ぐっと華やかに。
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ホイップクリームやフルーツ、エディブルフラワーを飾れば、ケーキのような仕上がりに。
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透明フィルムで側面を包むと、層が際立ち、さらに映える見た目になります。
手作りならではの楽しみ方が広がるミルクレープ。少しの工夫で、おもてなしスイーツにも変身します。
まとめ|重ねるごとに美味しさ広がる、手作りミルクレープの魅力
ミルクレープは、日本で生まれたクレープとクリームの層が織りなす繊細なスイーツ。特別な道具がなくても、フライパンひとつで手軽に作れるうえ、アレンジの幅も広く、味も見た目も楽しめます。重ねるたびに完成に近づく工程も、手作りならではの醍醐味。冷やしておけば作り置きも可能なので、忙しい日にもぴったりです。 あなたもぜひ、家庭で作るミルクレープの優しい美味しさを味わってみてください。
クレープは何枚くらい必要ですか?
一般的には12〜15枚程度が目安です。層が多いほど断面が美しくなりますが、無理なく重ねられる枚数で大丈夫です。
生クリーム以外のフィリングでも作れますか?
はい。カスタードクリーム、水切りヨーグルト、マスカルポーネなども使えます。好みに応じてアレンジしてください。
前日に作っておいても大丈夫?
はい、冷蔵庫で一晩冷やしておくと、クレープとクリームがなじみ、切りやすくなります。保存は冷蔵で2日程度を目安に。
冷凍保存はできますか?
冷凍も可能ですが、解凍時に水っぽくなることがあるため、できるだけ当日か翌日までに食べるのがおすすめです。
クレープがうまく焼けません…
フライパンはしっかり温め、薄く油をひいてから弱火で焼くのがコツです。生地は休ませると滑らかになり、扱いやすくなります。