冬の味覚として親しまれるみかん。一口にみかんと言っても、品種によって甘み、酸味、香り、食感は大きく異なります。濃厚な甘さが特徴のもの、爽やかな酸味が際立つもの、芳醇な香りが広がるもの…。まるで個性豊かなキャラクターが集まっているかのようです。この記事では、数あるみかんの品種の中から、特に注目すべき品種をピックアップ。それぞれの特徴を詳しく解説し、奥深いみかんの世界へとご案内します。
みかん・柑橘類の種類と特徴:早見表と旬の理解
多種多様な柑橘類は、それぞれが独自の美味しさと魅力を秘めています。様々な品種を試して、お好みの味を見つけてみてはいかがでしょうか。なお、ここでご紹介する情報は、絶対的な品質を示すものではなく、収穫前の独自基準で評価したものです。また、栽培地域や品種によって特性が異なる場合があるため、あくまで参考としてお役立てください。
温州みかんの成熟期別分類とその特徴
日本において「みかん」として広く知られ、最もポピュラーなのが「温州みかん」です。温州みかんは、9月上旬から3月下旬までと比較的長い期間、市場に出回るのが特徴です。成熟時期によって、極早生、早生、中生、晩生の4つのグループに分けられ、それぞれのグループ内で様々な品種が栽培されています。この分類を知ることで、季節ごとに変わる味わいをより深く堪能できます。
極早生温州:フレッシュな酸味と初秋の息吹
極早生温州は、温州みかんの中で最も早く収穫される品種群であり、9月から10月下旬頃に市場に出回ります。この時期の極早生みかんは、まだ緑色の残る果皮を持つことが多いものの、果肉は鮮やかなオレンジ色をしており、爽やかな酸味とすっきりとした風味が特徴です。喉越しの良い、さっぱりとしたみかんがお好きな方におすすめです。収穫時期が終わりに近づくにつれて、徐々に酸味が穏やかになり、甘みが増していきます。夏の終わりを感じさせながら、秋の訪れを告げる味覚として楽しむことができます。代表的な品種としては、日南1号、高林早生、上野早生などがあります。
早生温州:甘みと酸味の調和
早生温州は、11月中旬から12月上旬にかけて旬を迎える温州みかんです。この時期になると、極早生に比べて味が濃くなりはじめ、酸味と甘みのバランスがより一層良くなります。果皮はより鮮やかなオレンジ色に変わり、甘さが際立って感じられるようになります。温州みかんの中でも早生みかんは特に人気が高く、そのバランスの取れた美味しさに加え、薄皮(じょうのう)が薄く、手軽に剥いて食べられる点も魅力です。本格的なみかんシーズンの到来を感じさせてくれる品種として、多くの人に親しまれています。代表的な品種には、宮川早生、興津早生、田口早生などがあります。
中生温州:甘さと保存性のバランス
中生温州は、おおよそ11月下旬から12月にかけてが旬の温州みかんです。この時期になると、甘みが一段と増し、酸味が穏やかになるため、より甘さが際立つのが特徴です。果皮は濃いオレンジ色をしており、やや厚めで大きめの楕円形をしています。早生品種と比較すると果皮が厚いため、日持ちが良いとされています。そのため、年末年始にかけてゆっくりと味わうのに適しています。代表的な品種としては、いしじみかんや南柑20号などが挙げられます。特にいしじみかんは、後述するように温州みかんの中でも高級品として、その糖度の高さが評価されています。
晩生温州:貯蔵が生み出す深い味わい
晩生温州は、12月下旬から翌年の3月頃まで収穫される、温州みかんの中で最も遅い時期に旬を迎える品種です。代表的な品種としては青島温州が挙げられ、その他には十万温州や寿太郎温州などがあります。晩生品種の多くは、甘みをさらに引き出し、酸味をまろやかにするために、収穫後1ヶ月程度の貯蔵期間を経てから出荷されます。果皮は厚く、果肉を包む薄皮(じょうのう)も厚くなる傾向がありますが、その分、貯蔵によって濃厚な甘みとまろやかな酸味が引き出され、冬から春にかけて長い期間楽しめるのが魅力です。
和歌山県:みかん生産量日本一
和歌山県は、日本で最もみかんの生産量が多い県であり、その中でも有田地域は特に有名な産地です。和歌山県では、早生温州みかんに分類される「田口早生」や、極早生品種である「ゆら早生」などが特に知られています。「田口早生」は、「興津早生」の枝変わりとして発見された品種で、11月上旬に旬を迎え、高い糖度と早い減酸が特徴です。一方、「ゆら早生」は、「宮川早生」の枝変わりとして生まれた和歌山県発祥の極早生品種で、糖度と酸味のバランスがとれた味わいが魅力です。これらの品種は、長年の経験と技術を持つ生産者によって大切に育てられています。
愛媛県:柑橘王国が生み出す絶品みかん
全国屈指のみかん産地として知られる愛媛県は、その生産量において全国第2位を誇ります。温暖な気候と豊かな自然に恵まれたこの地では、多種多様な高品質みかんが生み出され、その名は全国に知れ渡っています。代表的な温州みかんとしては、「宮川早生」や「南柑20号」が挙げられます。宮川早生は、福岡県で偶然発見された早生温州みかんで、その栽培しやすさから多くの農家で栽培されており、安定した収穫量が見込めます。一方、愛媛県生まれの南柑20号は、濃厚な甘みと比較的日持ちが良い点が特徴の中生みかんです。愛媛県は、温州みかんに留まらず、紅まどんな、甘平、せとかといった高級柑橘の育成にも積極的に取り組んでいます。
静岡県:多彩な温州みかんが揃う産地
みかん生産量で全国第3位に位置する静岡県は、多様な温州みかんの品種を誇ります。「青島」、「興津早生」、「寿太郎」などが特に有名です。青島みかんは、静岡県で発見された晩生みかんで、貯蔵によって甘みが増し、酸味が穏やかになる性質を持ち、年明けから美味しく味わえるのが特徴です。興津早生は、宮川早生に比べてより濃厚な味わいと豊かな風味が楽しめる品種として人気があります。寿太郎温州も晩生みかんの一種で、貯蔵に適しており、年明けに出荷される頃には糖度がさらに増すため、長期間にわたってその美味しさを堪能できます。
熊本県:先駆けの極早生品種を育む地
みかん生産量第4位の熊本県では、「肥のあかり」や「豊福早生」といった品種がよく知られています。肥のあかりは、熊本県が独自に選抜・育成した極早生温州みかんで、平均65gと小ぶりながらも、黄緑色の果皮と爽やかな味わいが特徴です。豊福早生もまた、熊本県が開発した極早生みかんであり、早い時期から楽しめる品種として親しまれています。熊本県は、温州みかんに加えて、不知火(デコポン)発祥の地としても有名であり、高品質な柑橘類の生産に大きく貢献しています。
人気のみかん・柑橘類品種を徹底解説
近年、消費者からは多種多様な柑橘品種が人気を集めています。ここでは、特に人気を集める定番品種から、まだあまり知られていない珍しい品種まで、その特徴や由来を詳しく解説します。外観、味わい、食感はもちろんのこと、それぞれの品種が持つ歴史や背景にも焦点を当て、その魅力を深掘りしていきます。
紅プリンセス:優雅な風味と極上の味わいを誇る柑橘界の新星
紅プリンセスは、愛媛県が誇る新たな高級柑橘の代表格です。この美味なる果実は、愛媛県の南予地方で誕生し、愛媛県農林水産研究所果樹研究センターみかん研究所で丹精込めて育成されました。その名前が示す通り、見た目の美しさと気品あふれる味わいを兼ね備えた逸品として、注目を集めています。
系譜:紅まどんなと甘平が奏でる至高のハーモニー
紅プリンセスは、その人気を博す紅まどんなと甘平という、二つの秀逸な品種を掛け合わせて生まれた新世代の柑橘です。この交配によって、紅まどんなならではのゼリーのような独特な食感が継承され、さらに甘平が持つ芳醇な風味と濃密な甘さが融合しました。その結果、まるで高級デザートを堪能しているかのような、他に類を見ない味わいを実現し、多くのフルーツ愛好家を虜にしています。
紅まどんな:とろけるような「奇跡のぷるぷる感」が魅力
国内屈指のみかん産地として名高い愛媛県で生まれた「紅まどんな」は、その類まれなる食感と美しい外観から「愛媛の貴婦人」と讃えられる高級柑橘です。濃厚な甘みと爽やかな酸味の調和が絶妙な「南香」と、豊かな果汁と柔らかな果肉が持ち味の「天草」を交配することにより、1990年に愛媛県の果実試験場で誕生しました。ゼリーのような滑らかな果肉と、芳醇な甘さ、そして独特の柑橘系の香りが特徴です。旬の時期が短く、12月のみに出会える貴重な味であり、愛媛県でのみ栽培されているオリジナルの品種です。外皮が繊細で傷つきやすいため、主にビニールハウスなどの施設で丁寧に栽培されています。
紅まどんなの最大の魅力:ゼリーのようなとろける食感
紅まどんなの最も顕著な特徴は、いよかんや一般的なオレンジには見られない、果肉のとろけるような食感です。まるでゼリーを口にしているかのような舌触りの果肉は、「みかんの形をしたスイーツ」と評されるほどで、一度味わうと忘れられない感動を与えてくれます。
外観の美しさ:愛媛の誇り高き姫君
その名の通り、果皮は鮮やかな紅色で、表面は滑らか。まるで宝石のように美しい紅まどんなは、「愛媛の姫君」と呼ぶにふさわしいでしょう。この繊細な果皮を守り、最高の状態でお届けするため、生産者は一つ一つ心を込めて丁寧に栽培しています。
容易な食べやすさ:種ほぼ無し、薄皮ごと味わえる手軽さ
紅まどんなの大きな魅力は、種がほとんどなく、薄い皮ごと食べられる点です。ただし、外側の皮と内側の薄皮がぴったりとくっついているため、手で剥くのは少し難しいかもしれません。そのため、くし形にカットする「スマイルカット」がおすすめです。
スマイルカットの推奨:紅まどんなを堪能するカット方法
紅まどんなをより美味しく、手軽に味わうには、「スマイルカット」が一番です。果実を半分にカットし、切り口が笑顔のように見えるよう放射状にカットします。薄くてデリケートな紅まどんなは、手で剥くと果肉を傷つける可能性があります。スマイルカットは、果肉を傷つけずに、その美味しさを最大限に引き出すための知恵なのです。
「あいか」:紅まどんなの風味を気軽に味わう
「あいか」は、紅まどんなの基準にわずかに満たないものですが、その味と香りは紅まどんなと引けを取りません。手頃な価格で、紅まどんなならではのゼリーのような食感、芳醇な甘さ、そして豊かな香りを楽しむことができます。紅まどんなと同様に皮が薄く剥きにくいため、スマイルカットで召し上がるのがおすすめです。
甘平:格別な食感と際立つ甘さ
甘平(かんぺい)は、愛媛県で生まれたオリジナルの柑橘品種です。愛媛県立果樹試験場にて、「西之香」と「ポンカン」を交配して誕生しました。市場に出回る量が少ないため希少価値が高く、贈答品としても非常に喜ばれています。
食感:独特の粒々感ともっちり感
甘平の大きな魅力は、口に入れた瞬間に広がる、弾けるような粒感ともっちりとした食感が同時に楽しめる点です。この他に類を見ない食感が、食べた人に新鮮な驚きと格別な満足感をもたらします。
味わい:まろやかな酸味と、凝縮された甘み、芳醇な香り
甘平は、酸味が穏やかで、際立って濃密な甘さと、華やかな香りが特徴です。その絶妙なバランスの取れた味わいは、お子様からご年配の方まで幅広い層に愛され、一度味わうと忘れられないほどの美味しさです。
手軽さ:手で簡単に剥ける手軽さ
甘平は、種がほとんどなく、外皮も薄いため、手軽に食べられるのが特徴です。普通のみかん(温州みかん)と同じように手で容易に皮を剥いてそのまま食べられるため、手軽に美味しい柑橘を味わいたい方にぴったりです。
せとか:とろける果汁が魅力の柑橘
せとかは、21世紀に誕生した新しい品種で、2001年に登録された、まさに柑橘界のサラブレッドです。「清見」と「アンコール」の交配種に、さらに「マーコット」を掛け合わせるという、複雑で高度な育種技術によって生み出されました。「清見」は「宮川早生」と「トロビタオレンジ」、「アンコール」は「キング」と「地中海マンダリン」の交配から生まれた品種であり、せとかは、これらの優れた遺伝子をバランス良く受け継いでいます。瀬戸内地方での栽培に適しており、その芳醇な香りが名前の由来となっています。とろけるような食感と、濃厚でジューシーな味わいが特徴で、旬は2月上旬から4月初旬ですが、生産量・流通量が限られているため、希少な柑橘として珍重されています。
食感と味わい:濃厚な甘さと爽やかな酸味のハーモニー
せとかの魅力は、何と言ってもそのジューシーさ。オレンジのような濃厚な甘みが口いっぱいに広がり、後から追いかけてくる上品な酸味が、味全体をバランス良く引き締めます。きめ細かい果肉はとろけるようで、酸味が穏やかなため、濃厚な甘さと豊かな香りを心ゆくまで堪能できます。お子様からご年配の方まで、幅広い世代に愛される味わいです。
見た目と特徴:薄くて柔らかな皮と、存在感のあるサイズ
せとかは、やや大きめのサイズ感で、一見すると普通のみかんのようにも見えます。しかし、外皮も内皮(じょうのう)も非常に薄くて柔らかい点が、他の柑橘とは一線を画します。この薄い皮のおかげで、果肉のジューシーさを余すところなく味わうことができ、手で簡単に剥けるため、手軽に食べられるのも魅力です。
不知火(しらぬい):デコポンとして愛される、濃厚な甘さと食べ応え
不知火(しらぬい)は、そのユニークな外観、つまり頭部に飛び出した「デコ」が特徴的な柑橘で、「デコポン」という名前で広く知られています。国の研究機関である農研機構果樹研究所口之津支場(長崎県)で、「清見」と「ポンカン」を交配して開発されました。特に、不知火の中でも、糖度が13度以上、酸度が1度以下といった厳しい基準を満たしたものだけが、「デコポン」というブランド名で販売されます。不知火は熊本県が発祥の地であり、現在も生産量日本一を誇ります。ハウス栽培のものは12月頃から、露地栽培のものは2月頃から市場に出回り始め、4月上旬頃まで収穫が続けられます。
風味:ポンカンの血を引く、爽やかさと奥深さ
デコポン(不知火)は、そのルーツであるポンカンから受け継いだ、清々しい香りが特徴です。加えて、他にはない深みのある味わいが、多くの人々を魅了しています。柑橘類がお好きな方には特におすすめで、その豊かな風味と満足感のある食べ応えは、一度食べたら忘れられないでしょう。
甘みと酸味のハーモニー:時間とともに変わる味
デコポンは、もともと高い糖度を誇り、濃厚な甘さと心地よい酸味が共存しています。収穫後、適切な環境で保存することで、酸味が穏やかになり、甘さが際立ってきます。保存状態や期間によって風味が変化するため、ご自身の好みに合わせたタイミングで味わうのがおすすめです。この変化こそが、デコポンの大きな魅力と言えるでしょう。
食卓を彩る:サラダやメインディッシュのアクセントに
デコポンは、そのまま食べるのはもちろんのこと、サラダや魚、肉料理など、様々な料理との相性も抜群です。薄皮を剥いて加えるだけで、いつもの料理がより一層美味しく、見た目も華やかになります。デコポンの爽やかな風味と甘酸っぱさが、料理全体の味を引き立てます。
石地みかん:温州みかんの中でも特別な存在、際立つ甘さと食べやすさ
瀬戸内の温暖な気候で育まれた石地みかんは、その卓越した甘さと、誰にでも愛される食べやすさで、温州みかんの中でもひときわ高い人気を誇ります。杉山温州から生まれた偶然の出会いが生んだ奇跡の品種であり、その品質の高さは、市場でも高く評価されています。
特徴:果皮の浮きが少なく、樹上熟成による高い糖度
石地みかんの際立った特徴は、一般のみかんにありがちな浮皮(果肉と果皮の間に隙間ができる状態)が少ないことです。この性質のおかげで、木の上でじっくりと熟成させることができ、非常に高い糖度を実現しています。糖度は13~15度にもなり、果糖の割合が高いため、他のみかんに比べて、より強い甘さを堪能できます。
食べやすさ:薄い内皮で幅広い世代に好評
また、石地みかんは、果肉を覆う薄皮(じょうのう)が非常に薄く、手で容易に皮がむけるため、お子様からご年配の方まで、どなたでも気軽に味わえます。この手軽さは、特に食べやすさを求める方にとって大きな魅力となり、幅広い世代から愛されています。
旬と出荷時期
石地みかんは、11月中旬から12月末にかけて収穫のピークを迎え、中でも12月上旬から下旬にかけて市場への出荷が最も活発になります。この時期にしか味わえない、芳醇な甘さとみずみずしさをぜひお楽しみください。石地みかんの自然の恵みと、生産者の丹精込めた愛情を感じながら、心豊かな時間をお過ごしいただけることでしょう。
知っておきたい「このみかん何?」気になる柑橘品種の魅力
お店や産地で見かける様々なみかんたち。「これ、どんなみかんだろう?」と興味を持ったことはありませんか?ここでは、そんな魅力あふれる柑橘品種の秘密と特徴を掘り下げてご紹介します。個性豊かなそれぞれの品種を知ることで、新しい味覚の世界が広がるかもしれません。
みはや:知る人ぞ知る、鮮やかな橙赤色の魅力
主に九州地方で栽培されている「みはや」は、他のみかんとは少し違う、特別な存在感を放つ柑橘です。その魅力は、見た目、品種のルーツ、味わい、食感など、様々な側面に隠されています。ここでは、あまり知られていないこの品種の魅力を詳しく見ていきましょう。
見た目の特徴:輝く橙赤色の宝石
「みはや」は、少し平たい形をしており、表面はつややかで、濃いオレンジ色に赤みが加わった「橙赤色」をしているのが特徴です。皮は薄くて手で簡単にむけるので、手軽に味わうことができます。果肉も鮮やかな橙赤色をしており、そのジューシーな見た目は、食欲をそそります。
系譜:優れた品種の遺伝子を受け継ぐ新星
「みはや」は、「津之望(つのかがやき)」(清見とアンコールの交配種)と「No.1408」(アンコール、興津早生、清見、イヨカンを掛け合わせた品種)を掛け合わせて生まれた品種です。優れた親品種から、高い糖度、豊かな風味、病気への強さを受け継いでいます。これらの特徴が組み合わさることで、「みはや」は甘さと酸味のバランスが良く、誰にとっても親しみやすいみかんとして誕生しました。
味の特徴:甘みと酸味の調和が織りなす美味
「みはや」は、際立つ甘さが持ち味でありながら、酸味も程よく感じられるのが特徴です。甘さと酸っぱさのバランスが秀逸で、口にした時の奥深い風味は、お子様からご年配の方まで、幅広い世代に愛されています。その親しみやすい味わいは、普段の食卓にぴったりの品種と言えるでしょう。
食感の特徴:とろけるような果肉と豊かな果汁
果肉は非常にやわらかく、繊維質が少ないため、口当たりがなめらかで、とろけるような食感が楽しめます。また、果汁をたっぷり含んでおり、ひと口ごとにみずみずしいおいしさが広がり、そのジューシーさは格別です。
はれひめ:太陽を浴びて育った、輝く柑橘
はれひめは、熟すと黄金色に輝く美しい外観が印象的な柑橘です。なめらかな皮の質感と、手に持った時のずっしりとした重みが、上品さを感じさせます。日本の豊かな太陽光をたっぷり浴びて育った、その名の通り「晴れ」やかな味わいが魅力です。
見た目の特徴:オレンジ色の宝石のような美しさ
はれひめは、鮮やかなオレンジ色の皮と、つるりとした表面が目を引きます。その美しい見た目は、店頭でも一際存在感を放ち、まるで宝石のような輝きを放っています。
系譜:受け継がれる遺産、未来への架け橋
「はれひめ」は、日本人に馴染み深い「温州みかん」と、柑橘の女王とも称される「清見オレンジ」という、二つの優れた品種を親に持つ交配種です。温州みかんの持ち味である手軽さと、清見オレンジが持つ芳醇な香りを良いとこどりし、両親の長所をバランス良く受け継ぐことで、食味と香りの両立を追求した、次世代を担うみかんとして誕生しました。
味の特徴:甘味と酸味のシンフォニー
「はれひめ」の果肉は、果汁が豊富でジューシー。口に含んだ瞬間、甘さと酸味が織りなすハーモニーが広がります。その甘さは、しつこさのない上品な甘さで、後味には柑橘ならではの爽やかな風味が感じられます。酸味は、味全体を引き締める名脇役。この絶妙なバランスが、「はれひめ」を特別な存在へと押し上げています。生食はもちろんのこと、サラダやデザートに添えたり、ジュースやスムージーに加工することで、その美味しさを存分に堪能できます。
食感の特徴:とろける舌触りと心地よい食感のコントラスト
「はれひめ」の果肉は、非常にやわらかく、とろけるような口当たりが特徴です。果肉を包む薄皮も柔らかいため、口の中で皮が残るような不快感もありません。しかし、個体によっては、薄皮がややしっかりとしているものもあり、その場合はプチプチとした食感も楽しめます。生育環境や収穫時期によって食感が変化するのも、「はれひめ」の魅力の一つ。口にするたびに新しい発見があり、私たちを飽きさせない奥深さを持っています。
ゆら早生(わせ):秋の食卓を彩る先駆けの味
ゆら早生は、和歌山県有田地方で生まれた極早生みかんで、宮川早生から生まれた枝変わり品種です。その魅力は、他に類を見ない美しい外観、先祖から受け継がれる血統、調和の取れた味わい、そして印象的な食感に凝縮されています。秋の訪れを告げるように旬を迎える、まさに秋の味覚の先駆けと言えるでしょう。
外観の特徴:鮮やかなオレンジとグリーンのコントラスト、熟度のサイン
「ゆら早生」の外観は、目を引く鮮やかなオレンジ色を基調としつつ、部分的に緑色が残る独特の風合いが特徴です。この緑色は未熟さを表しているのではなく、むしろ新鮮さの証。果肉は十分に熟しており、美味しくいただけます。緑色が薄れ、全体がオレンジ色に染まるにつれて、酸味が穏やかになり、甘みと柔らかさが増していきます。この色の変化もまた、「ゆら早生」の魅力的なポイントです。
ルーツ:受け継がれる伝統、早生みかんの逸品
「ゆら早生」は、和歌山県有田地方で大切に育てられてきた温州みかんの血統を受け継ぐ品種です。数ある早生みかんの中でも特に品質が高く評価されており、その背景には長い歴史と、生産者の熟練した技術、そして情熱があります。先人たちの努力によって磨き上げられた味わいは、今も多くの人々を魅了し続けています。
味の特長:甘みと爽やかな酸味の絶妙な調和
「ゆら早生」のみかんは、その味のバランスの良さが際立っています。口にした瞬間、芳醇な甘さが広がり、その後に心地よい酸味が追いかけてきます。この甘みと酸味の絶妙なコンビネーションが、秋の訪れを感じさせるようなフルーティーな風味を生み出し、一口ごとに新鮮な感動と満足感をもたらします。特に、収穫初期の緑色が残る「ゆら早生」は、爽やかな酸味が特徴ですが、熟していくにつれて酸味がまろやかになり、甘さが際立ってきます。
食感の特長:ジューシーで果肉の存在感がある食べ応え
「ゆら早生」のみかんは、食感の豊かさも魅力の一つです。果肉は非常にジューシーで、かぶりつくと口いっぱいにみずみずしい果汁が溢れます。果肉自体は柔らかく、熟度が増すにつれてさらにとろけるような食感へと変化します。また、果肉を包む薄皮(じょうのう膜)が程よい食感のアクセントとなり、全体として満足感のある食べ心地を実現しています。この柔らかさとジューシーさの絶妙なバランスが、「ゆら早生」ならではの格別な食感を生み出しているのです。
まとめ
本記事では、代表的な温州みかんから高級柑橘、個性的な品種まで幅広く紹介しました。旬の時期や甘み・酸味のバランスといった特徴を知ることで、自分好みの柑橘を見つける楽しみが広がります。ぜひ、この情報を参考に、奥深い柑橘の世界をお楽しみください。
紅まどんなと「あいか」の違いは何ですか?
「紅まどんな」は、愛媛県が誇る至高の柑橘で、その最大の特徴は、まるでゼリーのようにとろける、極上の口当たりです。「紅まどんな」は、JA全農えひめが定めた厳しい品質基準(たとえば、糖度10.5度以上・酸度1.2%未満・美しい外観など)を満たした果実だけに与えられるブランド名です。これに対して「愛果(あいか)」は、同じ品種でありながら、JA出荷の基準に届かなかったものや、JAを通さずに出荷されたものに付けられる名称のひとつです。
みかんを食べすぎると手が黄色くなると聞きましたが、本当ですか?
はい、それは事実です。みかんを過剰に摂取すると、手のひらや足の裏などが黄色く変色する「柑皮症」と呼ばれる現象が起こることがあります。これは、みかんに豊富に含まれるカロテノイド色素が皮膚に沈着するために起こるもので、健康上の心配はなく、摂取量を調整することで自然に元の色に戻ります。ただし、これは肝機能の異常によって引き起こされる黄疸とは全く異なるものです。
みかんの薄皮や白い筋は取り除いた方が良い?
いいえ、ぜひお召し上がりください。みかんの薄皮や白い筋には、「ヘスペリジン」というポリフェノールの一種が豊富に含まれています。ヘスペリジンは、毛細血管を強くする作用や、ビタミンCの吸収を促進する効果があると言われています。若干の苦みを感じるかもしれませんが、健康のためには一緒に食べるのがおすすめです。
温州みかんはいつ収穫されたものが美味しいですか?
温州みかんは、収穫時期によって味わいが変化します。大きく分けて「極早生(9月~10月頃)」、「早生(11月~12月上旬頃)」、「中生(11月下旬~12月頃)」、「晩生(12月下旬~3月頃)」があります。極早生はさっぱりとした酸味が特徴で、時期が進むにつれて酸味が穏やかになり甘みが増していきます。中生は甘さと日持ちの良さが魅力で、晩生は貯蔵することでより甘みが増し、春先まで美味しくいただけます。
デコポンと不知火の違いは何ですか?
「デコポン」は、「不知火(しらぬい)」というみかんの品種のうち、糖度や酸度などの厳しい品質基準をクリアしたものだけに与えられる特別な名称(登録商標)です。不知火は熊本県が発祥の地であり、生産量も日本一を誇ります。つまり、デコポンは不知火の中でも特に品質が優れていると認められた、ブランドみかんと言えるでしょう。
日本でみかんがたくさん採れる場所はどこですか?
日本におけるみかんの主な産地としては、生産量が多い順に、和歌山県、愛媛県、静岡県、熊本県が挙げられます。これらの地域では、それぞれ特徴的なブランドみかんが栽培されており、例えば「有田みかん(和歌山県)」、「愛媛みかん(愛媛県)」、「三ヶ日みかん(静岡県)」など、様々な種類の美味しいみかんが生産されています。