冬の食卓を彩るみかん。箱買いしたはいいものの、気づけばカビが生えていたり、乾燥して味が落ちてしまったり…そんな経験はありませんか?みかんは適切な保存方法を知っていれば、ぐっと日持ちさせることができます。今回は、野菜ソムリエプロの根本早苗先生に、みかんを長持ちさせる秘訣を教えていただきます。根本早苗先生は、冷凍生活アドバイザーや食生活アドバイザーなどの資格を持ち、「食を通して笑顔を」をテーマに料理教室を主宰。セミナー講師、レシピ開発、食に関するコラム執筆など、幅広く活躍する食のスペシャリストです。早生みかんなら約2週間、晩生(おくて)温州の代表的な品種である『青島温州』は約1ヶ月程度まで保存可能です(出典: 果物ナビ『みかん 温州みかん ミカン』, URL: https://www.kudamononavi.com/zukan/mikan.htm, 2022-02-21)。専門家が教える鮮度を保つコツをマスターして、みかんを最後まで美味しくいただきましょう。
鮮度を保つ基本原則と日持ち期間:野菜ソムリエプロ直伝
みかんのおいしさを最大限に引き出し、長持ちさせるには、いくつかのポイントがあります。温度と湿度の管理、そして通気性の確保は、カビや乾燥を防ぐための重要な要素です。特に、ヘタを下にして保存するのは、水分が蒸発するのを防ぐための大切な工夫。野菜ソムリエプロの根本早苗先生も、みかんの保存方法には注意が必要だと話します。不適切な保存は、品質低下や早期の傷みの原因になるからです。
先生が教える3つの基本原則を守ることで、みかんを新鮮な状態のまま、より長く楽しむことができます。みかんの種類や保存環境によって日持ち期間は異なりますが、温州みかんなら約2週間、貯蔵性の高い甘平のような品種なら、約1ヶ月もおいしさを保てます。適切な環境で保存すれば、みかんは約2週間から3週間はおいしく食べられます。冬場の常温保存なら約3週間、暖房の効いた部屋や冬以外の季節は、冷蔵庫の野菜室で約2週間保存可能です。ただし、これらの期間は、適切な方法を実践した場合に限ります。
【保存方法】季節と環境で選ぶ、みかん長持ちテクニック
みかんの保存方法は、季節や室温によって変わります。冬の寒い時期は常温保存がおすすめですが、暖かい部屋しかない場合や、春や秋は冷蔵庫の野菜室を活用しましょう。それぞれの方法には、みかんの特性に合わせた手順とポイントがあります。これらを守ることで、みかんをより長く、おいしく楽しむことができます。
冬場の常温保存:暖房なしの冷暗所で約3週間キープ
冬場、暖房を使っていない涼しい部屋があれば、みかんを常温で約3週間保存できます。この方法は、みかん本来の風味を損なわずに長期保存できるのが魅力です。玄関や廊下、北側の部屋など、温度変化の少ない冷暗所を選びましょう。直射日光が当たる場所や、温度が高くなる場所は避けてください。保存する際は、通気性の良いかごやざる、段ボール箱を用意し、底に新聞紙やキッチンペーパーを敷きます。その上に、みかんをヘタを下にして並べましょう。ヘタを下にするのは、乾燥を防ぐための重要なポイントです。一層並べたら、再度新聞紙やキッチンペーパーを敷き、みかんを重ねます。ただし、重みで傷むのを防ぐため、2段までにするのがおすすめです。最後に、上から新聞紙やキッチンペーパーをかぶせれば、湿度を保ちつつ通気性も確保でき、みかんを長持ちさせることができます。
冬以外・暖房の効いた部屋での冷蔵保存:野菜室保管で約2週間
冬以外の季節や、室内が暖かく涼しい場所がない場合は、冷蔵庫の野菜室がみかんの保管に適しています。野菜室に入れることで、約2週間程度は美味しさを保てますが、冷蔵庫内は乾燥しやすいため、乾燥対策をしっかりと行うことが大切です。効果的な方法として、まずみかんを一つずつキッチンペーパーなどで丁寧に包みます。この作業により、みかんから水分が失われるのを防ぎ、乾燥による品質低下を抑えます。次に、包んだみかんをまとめてポリ袋やビニール袋に入れます。袋の口は軽く閉じ、密閉しないようにすることで、適度な通気性を確保し、湿気がこもるのを防ぎます。最後に、ヘタを下にして野菜室へ。これらの手順で、乾燥からみかんを守り、約2週間美味しく保存できます。
大量のみかんを保存:段ボールでの管理
冬場に箱買いなどで大量のみかんを購入した場合、保存方法に困ることがあります。段ボールに入ったみかんも、適切な環境で管理することで、約3週間は美味しく保存できます。
段ボールみかんの保管場所
段ボールでみかんを保存する際は、涼しい場所を選びましょう。暖房の影響を受けない玄関や廊下、北側の部屋などが適しています。直射日光や温度変化の大きい場所は避け、一定の低温を保つことが重要です。
みかんを長持ちさせるコツ
みかんを美味しく長期間楽しむには、基本的な保存方法に加えて、いくつかのコツを意識することが大切です。特に箱買いしたみかんを保存する際は、品質を保ち、カビや傷みを防ぐために有効です。
保存のコツ1:購入後のチェックは入念に
みかんは出荷前に選別されるものの、輸送中の温度変化や衝撃で傷むことがあります。到着したら箱から出し、一つひとつ丁寧に状態を確認しましょう。もし腐敗していたり、カビが生えているものがあれば、すぐに取り除いてください。カビは他の果実に広がる可能性があるため、注意が必要です。周囲のみかんも水で洗い、早めに食べるようにしましょう。傷があるみかんも傷みやすいため、優先的に消費することが大切です。
保存のコツ2:箱買いなら下から食べる
箱買いしたみかんは、上から順に食べがちですが、下にあるみかんほど重みで傷みやすい傾向があります。そのため、箱の下のみかんから積極的に食べるのがおすすめです。傷みやすいものから消費することで、無駄を防ぎ、全体を長持ちさせることができます。下から取り出すのが面倒なら、箱をひっくり返して底から開けるのも良いでしょう。ただし、みかんが傷つかないように慎重に行ってください。
保存のコツ3:適切な温度と湿度を維持する
みかんの保存に適した温度は5℃~10℃です。高温になるとカビや細菌が繁殖しやすくなるため、涼しく風通しの良い場所に保管しましょう。暖房の効いた部屋に置く場合は、少量を取り出してカゴなどに入れ、残りは涼しい場所に保管するのがおすすめです。常温で適切な場所がない場合は、乾燥を防いで野菜室で保存すると良いでしょう。
保存しきれないみかんの賢い活用法:ジュース、ジャム、冷凍アレンジ
大量のみかんを生で食べきれない場合や、長期保存したい場合は、加工するのがおすすめです。みかんは加熱することでペクチンなどの栄養素が増え、甘みも増すため、美味しく保存できます。
みかんジュースとして堪能する
ご家庭で手軽にみかんを味わう方法として、シンプルながらも人気が高いのがジュースです。ジュースにすることで皮むきの煩わしさから解放され、冷蔵庫で保存すれば生のみかんよりも日持ちします。特に、加熱せずにそのままフレッシュジュースとして飲むことで、熱に弱いビタミンCや大切な栄養素を損なうことなく摂取できます。絞ったジュースはそのまま飲むのはもちろん、焼酎や炭酸水と割ってカクテルにしたり、製氷皿で凍らせて自家製シャーベットにするなど、アレンジも自在です。
みかんジャムで長期保存とアレンジを楽しむ
みかんを大量消費しつつ、保存期間も延ばせるのが手作りみかんジャムです。手軽に作れる自家製ジャムは、市販品にはないフレッシュな風味、みかん本来の甘みと酸味が魅力です。詳しいレシピは専門サイトを参照していただくとして、基本的には果肉と砂糖を煮詰めるだけで完成します。保存料不使用のため、冷蔵保存し早めに食べきるのがおすすめです。パンやヨーグルト、紅茶など、様々な用途で楽しめます。また、ジャムを作る際に残ったみかんの皮も有効活用できます。薄く切って煮詰めればマーマレード、少し厚めに切って煮詰めて乾燥させればピールとして、お菓子作りやデザートのアクセントとして活用できます。皮の香りとほろ苦さが、大人の味わいを添えてくれます。
冷凍みかんで長期保存
みかんをすぐに食べきれない場合や、長期保存したい場合は、冷凍保存がおすすめです。給食でおなじみの冷凍みかんは、家庭でも簡単に作れます。冷凍する際のポイントは「乾燥を防ぐこと」。冷凍庫内は乾燥しているため、対策をしないとみかんが乾燥して風味が損なわれてしまいます。まず、みかんを房に分け、薄皮をむいて冷凍するのがおすすめです。さらに、房に残った白い筋(アルベド)も取り除くと、解凍後の口当たりが良くなります。房を重ならないように容器や保存袋に並べ、急速冷凍するとより美味しく保存できます。丸ごと冷凍する場合は、1つずつラップで包み、さらにジップロックなどの密閉できる保存袋に入れることで、乾燥から守り品質を保てます。冷凍みかんは、そのままシャーベットとして楽しんだり、スムージーの材料として活用したりできます。
まとめ
みかんの鮮度を保つには、みかんの状態や保存期間、購入量に合わせた保存方法を選ぶことが大切です。冬場であれば、暖房のない涼しい場所での常温保存が最適で、約3週間ほど日持ちします。暖房を使用する部屋しかない場合は、みかんを一つずつキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存すると約2週間保存できます。箱買いした場合は、傷んでいるみかんがないか確認し、取り除くことが重要です。
また、箱の下のみかんから優先的に食べることで、品質の劣化を防ぐことができます。みかんの保存に適した温度は5〜10℃ですが、リビングに置く場合は1日分だけにし、残りは適切な場所で保存しましょう。もし大量にみかんが余ってしまった場合は、ジュースやジャム、冷凍みかんに加工することで、長期保存が可能です。特に冷凍みかんは、薄皮をむき、乾燥対策をしっかり行うことで、シャーベットやスムージーとして手軽に楽しめます。これらの保存方法と活用方法を参考に、みかんを最後まで美味しく味わいましょう。
みかんは冷蔵庫で保存すべき?
みかんの保存は、冬の涼しい時期であれば、暖房の入っていない場所での常温保存が基本です。しかし、気温の高い時期や暖房の効いた部屋しかない場合は、冷蔵庫の野菜室を利用するのがおすすめです。冷蔵保存する際は、みかんを一つずつキッチンペーパーなどで丁寧に包み、まとめてポリ袋に入れてから野菜室へ。袋の口はきっちり閉じずに、少し開けておくことで通気性を確保しましょう。
みかんの保存期間はどれくらい?
みかんの保存期間は、保存方法や種類によって変わります。冬場の涼しい場所での常温保存なら約3週間、冷蔵庫の野菜室なら約2週間程度が目安です。早生みかんなど種類によっては約2週間、青島みかんのように貯蔵に向くものでは約1ヶ月程度保存できるものもあります。冷凍保存すれば、数ヶ月間保存することも可能です。
みかんをより長持ちさせるコツは?
みかんを長持ちさせるためには、購入後すぐに傷んでいるものやカビが生えているものがないか確認し、取り除くことが大切です。保存する際は、風通しの良い場所を選び、ヘタを下にして並べるのが基本です。箱で購入した場合は、下にあるみかんから先に食べるようにしましょう。保存に適した温度は5~10℃程度。直射日光を避け、風通しの良い涼しい場所で保管しましょう。乾燥を防ぐために、キッチンペーパーで包んだり、ポリ袋に入れたりするのも効果的です。
箱買いしたみかんの保存方法と注意点
箱でみかんを購入した場合、暖房の影響を受けにくい玄関や廊下など、涼しくて温度変化の少ない場所に箱ごと保存しましょう。直射日光が当たらず、風通しの良い場所がベストです。最も大切なのは、箱を開けたらすぐに全てのみかんをチェックし、傷やカビのあるものを取り除くことです。また、配送中の衝撃や上にあるみかんの重みで、下のみかんが傷みやすいので、下から順に食べるようにすると、無駄なく消費できます。
食べきれないみかんを長期保存したり、余すことなく活用する方法は?
ご安心ください。たくさんのみかんを無駄にしないための、長期保存と活用術が豊富にあります。手軽でおすすめなのは、みかんジュース作りです。こうすることで、ビタミンCなどの大切な栄養を逃さず、おいしくいただけます。また、みかんジャムにすれば、大量のみかんを消費でき、朝食のパンやヨーグルトに添えるなど、様々な用途で楽しめます。長期保存には冷凍が最適です。薄皮を丁寧にむいたみかんを、一房ずつラップで包み、ジッパー付き保存袋に入れて冷凍すれば、乾燥を防ぎつつ、シャーベットのような感覚で味わえます。スムージーの材料としても重宝します。さらに、皮も捨てずにマーマレードやピールとして活用できます。