太陽をたっぷり浴びた香川県で生まれた香緑キウイは、まさに緑の宝石。ニュージーランド原産のヘイワード種をルーツに持ち、偶然の自然交雑から誕生した奇跡の果実です。香川県農業試験場によって大切に育てられ、品種登録された香緑キウイは、その名の通り、芳醇な香りと鮮やかな緑色が特徴。一口食べれば、甘みと酸味の絶妙なバランスが口の中に広がり、忘れられない味わいです。さあ、香緑キウイの魅力をたっぷりご紹介しましょう。
香緑(こうりょく)キウイとは?その歴史と希少性
香緑(こうりょく)キウイは、ニュージーランドから導入されたヘイワード種が偶然にも自然交雑して誕生した、香川県オリジナルの特別なキウイです。香川県農業試験場府中分場において研究、育成され、1983年(昭和58年)に品種登録が出願され、1987年(昭和62年)に正式に登録されました。その際立った品質と他に類を見ない風味は、キウイフルーツを愛する人々から高く評価されています。

香川が生んだ特別なキウイ「香緑」の誕生秘話
香緑キウイが生まれた背景には、ニュージーランド原産のキウイ品種「ヘイワード」が、香川県の土地と気候の中で自然に交配し、今までになかった特徴を備えた果実を結んだという偶然があります。香川県農業試験場府中分場は、この優れた特性に注目し、地道な品種改良を重ねた結果、「香緑」という新品種が誕生しました。この開発には、地域農業を活性化させ、消費者にさらに高品質な果物を提供したいという強い願いが込められていました。育成権は2005年に期間満了となりましたが、香川県が長い年月をかけて培ってきた高度な栽培技術と徹底した品質管理が、今もなお香緑キウイの卓越した品質を支える土台となっています。
なぜ香緑キウイは「希少」と呼ばれるのか
香緑キウイは、市場にはあまり出回らない「希少価値の高い品種」として広く知られています。その理由の一つとして、生産量が限られていることが挙げられます。通常のキウイフルーツと比較して、収穫できる絶対数が少ないことに加え、市場に出回る時期も限られているため、一般的なスーパーマーケットや果物店で見かけることは稀です。香緑キウイの栽培においては、一本の枝に実らせる数を一般的なキウイの約半分に制限することで、一つ一つの果実にしっかりと栄養を行き渡らせ、大きく、そして濃厚な甘さを持つ最高品質の果実を育てています。このような特別な手間と時間をかけた栽培方法も、生産量が限定される大きな要因となっています。そのため、香緑キウイを求める消費者は、デパートや専門のオンラインストア、または産地から直接購入する手段を選ぶことが一般的です。
香緑キウイの比類なき特徴:甘さと食感の秘密
香緑キウイは、他のキウイ品種とは一線を画す、他にはない独特の風味と食感、そして非常に高い糖度を誇っています。その特徴は、見た目の印象から味わい、口当たりに至るまで、あらゆる点において際立っています。
一般的なキウイとは一線を画す、特別な風味と甘さ
香緑キウイが人々を魅了する最大の理由は、その圧倒的な甘さにあります。目を引く濃いエメラルドグリーンの果肉は、他のキウイ、例えばゴールドキウイやレッドキウイなどでは味わえない、緑実キウイならではの深く、そして濃密な甘さを秘めています。さらに、爽やかな香りと心地よい酸味が絶妙なバランスで調和し、複雑で豊かな風味を創り出しています。通常のキウイの糖度が平均して12~14度程度であるのに対し、香緑キウイは15度、高いものでは18度を超えることも珍しくありません。この驚くべき糖度の高さが、キウイ特有の酸っぱさをほとんど感じさせず、穏やかな酸味と際立つ甘さだけが口の中に広がる、特別な体験をもたらします。そのため、キウイの酸味が苦手な方や、小さなお子様にも安心しておすすめできる品種として、広く支持されています。
香緑キウイならではの外観と、そのサイズの魅力
香緑キウイは、見た目にも個性が光ります。果実は縦長の俵型をしており、一般的なヘイワード種と比較して、やや大きめに成長します。果皮はしっかりとしており、表面全体がヘイワード種よりも長く、そして硬い産毛で覆われているのが特徴です。この長い産毛は、手に取ると、ぽろぽろと取れやすい感触があります。また、果実のサイズも特筆すべき点で、通常のキウイが平均100g程度であるのに対し、香緑キウイは150g前後のものが一般的で、中には300gにも達する大きなものも存在します。
専門機関が認める、香緑キウイの優れた品種特性(農林水産省データベースより)
農林水産省の品種登録データベースには、香緑キウイの際立った特性が詳細に記録されています。「果形は円筒形であり、果実の最大横径は果頂部に見られ、果形指数は大きい。果実の大きさは中程度(平均104g)、果皮の色は褐色、果実表面の毛じ密度は非常に高く、硬い。毛じの長さは中程度である。果梗の長さと太さは中程度である。果肉の色は濃緑色で、果心の形は長楕円形である。甘味は強く(追熟後の11月上旬で糖度約18度)、酸味は弱い。開花期は育成地において中程度(5月25日頃)、成熟期は早い(10月下旬)」。これらの情報は、香緑キウイが他の品種と比較して、果実の形、際立つ甘さ、そして成熟期の早さにおいて、明確な違いを持っていることを示しています。
香緑キウイの産地と旬:いつ、どこで出会えるのか
香緑キウイは香川県生まれ。その栽培と出荷の中心は、今もなお香川県です。この土地ならではの気候と、長年培われた栽培技術が、他に類を見ない香緑キウイの個性を生み出しています。
香川県が誇る主産地と生産量
香緑キウイは、香川県オリジナルの品種として、長らく同県のみで栽培され、出荷されてきました。主な産地は、高松市、善通寺市、三豊市、土庄町などです。これらの地域では、およそ30ヘクタールの広さで栽培が行われ、2020年の統計では年間約100トン以上の出荷量を誇ります。特筆すべきは、国内で唯一「袋掛け栽培」を採用している点。この丁寧な栽培方法からも、生産者のこだわりと努力が伝わってきます。地域に根ざした生産体制こそが、香緑キウイの品質と希少性を守り続けているのです。
香緑キウイの収穫時期と最適な食べ頃の旬
香緑キウイは早生品種に分類され、収穫は10月下旬頃から始まり、12月初旬頃まで行われます。しかし、収穫後すぐに食べられるわけではありません。一定期間の追熟を経て、初めてその甘みと風味が最大限に引き出されるのです。そのため、市場に出回る食べ頃の旬は、追熟期間を含めて11月初旬から1月頃までとなります。また、一部の店舗では、保存状況によっては3月上旬頃まで出荷されることもあります。この限られた時期にしか味わえない希少性も、香緑キウイの魅力を一層高めています。旬の時期を逃さず、ぜひ一度、その特別な甘さを体験してみてください。
美味しく栄養を楽しむ:香緑キウイの魅力
香緑キウイは、香川県生まれの品種で、その爽やかな甘みと豊富な栄養が魅力の果物です。日々の食生活に取り入れることで、体調管理や美容を意識する方にも喜ばれています。

ヘルシー志向の方に嬉しいポイントとは?
香緑キウイは、100gあたり約53kcalと比較的カロリーが控えめな果物です。それにもかかわらず、ビタミンや食物繊維などの栄養がぎゅっと詰まっています。 特に、ビタミンCの含有量はフルーツの中でも多い部類で、日常の食事では不足しがちな栄養を手軽に摂れる果物として親しまれています。 ビタミンEなども含まれており、日々の元気やすこやかな毎日を意識する方にうれしい存在です。
2種類の食物繊維がうれしい理由
香緑キウイには、水に溶けるタイプの水溶性食物繊維と、溶けにくい不溶性食物繊維の両方が含まれています。 このバランスの良さがポイントで、一般的に食物繊維を意識している方の間でも好まれる理由のひとつです。 毎日の食生活で“腸内環境を整えたい”と感じている方や、すっきりとした生活を目指す方に選ばれています。
香緑キウイを心ゆくまで味わう:選び方、食べ方、保存方法
せっかく手に入れた貴重な香緑キウイ。その美味しさを最大限に引き出すためには、選び方から始まり、最適な食べ方、そして適切な保存方法を知っておくことが大切です。
美味しさを見抜く:香緑キウイ、食べ頃の見分け方
香緑キウイの一番美味しいタイミングを見極めるには、ヘタの周辺をそっと触って確かめるのがおすすめです。理想的な硬さの目安は、「自分の鼻先を軽くつまんだ時の感触」と同じくらいと言われています。キウイは一般的に、下部から熟していく性質があるため、ヘタに近い上部が柔らかくなっていれば、全体が食べ頃を迎えているサインです。また、熟してくると、キウイ独特の甘く爽やかな香りが強くなるので、これも食べ頃を判断する目安として活用できます。
香緑キウイ、とっておきの食べ方
香緑キウイの魅力である、あの濃厚な甘み、爽やかな酸味、そして何よりもフレッシュな香りを最大限に味わうには、やはり生のままいただくのが一番です。皮を丁寧に剥き、スライスするだけで、香緑キウイが持つ本来の美味しさをダイレクトに感じることができます。また、香緑キウイ特有の縦長の俵型は、輪切りにした時に均一な大きさのスライスがたくさん作れるという利点があります。そのため、タルトの飾り付けや、見た目も華やかなフルーツサンド、色とりどりのフルーツポンチなど、デザートの見た目をより一層引き立てたい時に最適です。もちろん、手軽にジューサーにかけてジュースにしたり、ヨーグルトに混ぜていただくのも、美味しく手軽に栄養を摂取できる人気の方法です。
鮮度を長持ちさせる:香緑キウイの保存方法
香緑キウイは、基本的に常温で保存し、熟していく過程を楽しみながら、食べ頃を見極めるのがおすすめです。手で優しく握ってみて少し柔らかさを感じたり、甘く良い香りがしてきたら食べ頃のサインです。食べ頃になったらできるだけ早く召し上がることをおすすめします。すぐに食べきれない場合は、食べ頃を迎えたキウイを冷蔵庫に入れることで、熟成のスピードを緩やかにすることができます。長期間保存したい場合は、食べ頃になったキウイをカットして冷凍保存することも可能です。
まとめ
香緑キウイは香川県生まれの希少品種で、糖度15度以上の上品な甘さとやさしい酸味が魅力。ビタミンC・Eや食物繊維も豊富で、美容や日々の健康管理にもぴったりです。旬は11月〜1月。オンラインショップや産地直送を活用すれば、手軽に味わえます。追熟して食べ頃を見極め、ぜひ一番おいしい瞬間をお楽しみください。
香緑キウイはどんな味ですか?
香緑キウイは、一般的なキウイの糖度を大きく上回る15度以上、時には18度を超えるほどの高い糖度を誇り、非常に濃厚で甘い味わいが特徴です。酸味は比較的穏やかで、キウイ特有の酸っぱさが控えめなので、酸味が苦手な方でも美味しくいただけます。果肉は鮮やかなエメラルドグリーン色をしており、爽やかな香りも楽しむことができます。
香緑キウイはどこで買えますか?
香緑キウイは、生産量が限られており、市場に出回る期間も短いため、通常のスーパーマーケットや青果店ではなかなか見かけることができません。主に、高級百貨店や専門店の通販サイト、または生産地から直接購入する方法があります。
香緑キウイの旬はいつですか?
香緑キウイの収穫時期は、10月下旬頃に始まり、12月初旬頃までです。収穫後、追熟させることで甘みが増し、美味しく食べられる旬の時期は、11月初旬から1月頃までとなります。地域によっては、3月上旬頃まで出荷される場合もあります。
香緑キウイ、美味しく保存するには?
香緑キウイは、まず常温で保管し、熟成が進むのを待ちましょう。軸の部分をそっとつまんでみて、少し柔らかくなっていたり、甘い香りが漂ってきたら、いよいよ食べごろです。熟したキウイは、比較的早く柔らかくなってしまうので、できるだけ早く食べるのがおすすめです。もし、すぐに食べきれない場合は、冷蔵庫に入れることで、熟成のスピードを遅らせることができます。
香緑キウイの栄養、どれくらいあるの?
香緑キウイは、100gあたり約53kcalとヘルシーなのに、栄養がたっぷり。特にビタミンCはレモンの約2倍も含まれており、アンチエイジング効果で知られるビタミンEも豊富です。さらに、糖の吸収をゆっくりにする水溶性食物繊維と、お通じを良くする不溶性食物繊維の両方が含まれているので、美容や免疫力アップに嬉しい効果が期待できます。
香緑キウイ、どうやって追熟させる?
香緑キウイは、木になっている状態では熟さないため、収穫後に常温で追熟させる必要があります。手で優しく握って柔らかさを確かめたり、香りが強くなってきたら食べごろのサインです。中には、自然の力を借りて、キウイを胸の高さから地面に落としてから追熟させる、というユニークな方法を取り入れている生産者もいるようです。
香緑キウイ、その名前の秘密
香緑キウイの名前は、その生まれ故郷と特徴的な性質から名付けられました。香川県で誕生したオリジナル品種であること、そして、その果肉が持つ芳醇な香りと鮮やかなエメラルドグリーンの色合いが、名前の由来となっていると考えられます。