イタリアンパセリ徹底解剖:特徴、保存方法、活用レシピ、普通のパセリとの違い
料理に彩りを添えるだけでなく、刻んで食材の一部として使ったり、風味付けに使ったりと、様々な用途で活躍するイタリアンパセリ。この記事では、イタリアンパセリの基本的な情報から、普通のパセリとの違い、日々の食卓で活用できる様々な使い方までを徹底的に解説します。

イタリアンパセリとは?旬の時期や家庭菜園での育て方

イタリアンパセリは、ヨーロッパで広く利用されているパセリの一種です。イタリアでは「プレッツェモーロ」と呼ばれ、本場のイタリア料理やフランス料理店で頻繁に使われる、なくてはならないハーブです。年間を通してスーパーなどで見かけますが、特に3~5月と9~11月頃は葉が柔らかく、香りも豊かになり、最も美味しく味わえる旬の時期です。家庭菜園でも比較的簡単に栽培でき、収穫までの期間は2カ月かかりますが、初心者でも育てやすいのが魅力です。

普通のパセリとイタリアンパセリの違いを徹底比較!風味、見た目、使い方

パセリとイタリアンパセリは、どちらも同じパセリ属に分類されますが、その特徴は大きく異なります。まず見た目ですが、一般的なパセリの葉は縮れていて丸みを帯びているのに対し、イタリアンパセリの葉は平たく、ミツバやコリアンダー(パクチー)のような形をしています。この見た目の違いが、料理の見栄えにも影響します。風味については、普通のパセリは独特の苦味が強く、主に料理の添え物として使われることが多いです。ただし、加熱することで苦味が和らぎ、食べやすくなるという特徴も持っています。例えば、天ぷらにするとサクサクとした食感とさっぱりとした後味が楽しめますし、細かく刻んでドレッシングに加えれば、風味豊かなアクセントになります。

一方、イタリアンパセリは、普通のパセリに比べて苦味が少なく、葉をちぎると爽やかな香りが広がります。クセが少ないため、生のままでも美味しく食べられ、加熱料理にも幅広く使えるのが大きな特徴です。柔らかい食感なので、サラダやカルパッチョなどの生食にも適しており、料理全体の風味を引き立て、彩りを添えてくれます。また、肉料理、魚介料理、スープ、パスタなど、様々な洋食でその万能性を発揮します。さらに、イタリアンパセリをオリーブオイルに漬け込み、自家製ハーブオイルとして活用することも可能です。このハーブオイルを使うことで、料理に爽やかな香りと深みが加わり、一段上の味わいになります。このように、イタリアンパセリは普通のパセリとは異なる独自の魅力と汎用性を持っています。

イタリアンパセリの鮮度を長持ちさせる保存方法:冷蔵保存と冷凍保存

イタリアンパセリの鮮度をより長く保つための効果的な保存方法を具体的にご紹介します。主に「容器を使った保存方法」と「袋を使った保存方法」の2種類があり、どちらも簡単にできます。容器で保存する場合は、イタリアンパセリの茎の切り口を水に浸し、葉が水に浸からないように注意して立てて入れます。毎日水を交換することで、雑菌の繁殖を抑え、鮮度を長く保てます。この方法であれば、イタリアンパセリの風味を最大限に楽しむために、2~3日を目安に使い切るのがおすすめです。長期保存したい場合は、冷凍保存袋を使った冷凍保存が便利です。イタリアンパセリを刻んでから、またはそのまま袋に入れ、空気を抜いて密閉し、冷凍庫で保存します。冷凍することで約1ヶ月程度保存でき、使いたい時に必要な量だけ取り出して使えます。

イタリアンパセリの多彩な活用法:食卓を飾る名脇役から風味豊かな食材へ

イタリアンパセリは、その汎用性の高さから様々な料理で重宝されています。ここでは、料理の彩りとしての活用から、風味付けのアクセント、さらには食材としての利用まで、具体的な使い方とアイデア溢れるレシピをご紹介します。

料理を華やかに演出する飾りとしてのイタリアンパセリ

穏やかな風味で食べやすいイタリアンパセリは、新鮮な葉をそのまま料理に添えたり、細かく刻んで散りばめたりするだけで、料理全体の見た目を格段に向上させ、食欲をそそる一皿へと変貌させます。特に、その鮮やかな緑色は料理に活力を与え、まるでプロが手掛けたかのような洗練された印象を与えます。

【飾り付けレシピ】オイルサーディンとトマトの冷製パスタ

トマトとレモンの酸味が際立つ、爽やかな冷製パスタには、刻んだイタリアンパセリが絶妙にマッチします。イタリアンパセリはパスタやソースと見事に調和し、そのフレッシュな香りが料理全体に広がり、食欲をそそります。さらに、その鮮やかな緑色が加わることで、料理の彩りが一層豊かになり、見た目にも美しい一皿が完成します。細めのパスタやショートパスタを使うのがおすすめです。ワインとの相性も抜群です。

材料【2人分】
  • パスタ(カッペリーニ):160g
  • オイルサーディン:1缶
  • トマト:1個
  • 玉ねぎ:1/2個
  • レモン(国産):1/2個
  • 塩:小さじ1/3
  • こしょう:少々
  • イタリアンパセリ:適量
  • オリーブオイル:大さじ2

手順
1. イタリアンパセリを丁寧に細かく刻みます。
2. 玉ねぎはできるだけ細かく刻み、トマトはヘタを取り除き、半分にカットして種を取り除いた後、1cm角に切ります。レモンは縦半分に切り、薄い輪切りにします。
3. ボウルに刻んだ玉ねぎ、角切りにしたトマト、レモンの薄切りを入れ、塩、こしょう、オリーブオイルを加えて混ぜ合わせます。そこにオイルサーディンを加え、優しく和えます。
4. パスタはパッケージの表示時間よりも1分長めに茹で、茹で上がったら素早くザルにあげ、冷水で冷やしてしっかりと水気を切ります。器にパスタを盛り付け、先ほど和えた具材を上に乗せ、最後に刻んだイタリアンパセリを散らして完成です。

肉や魚介の臭みを抑え、本格的な風味を引き立てるイタリアンパセリ

イタリアンパセリは、その豊かな香りを活かして、煮込み料理などで食材特有の気になる臭いを抑えたり、料理全体の風味を格上げしたりするのに役立ちます。特に、フランス料理でよく使用される「ブーケガルニ」の材料としても欠かせない存在です。

【におい消しや香味づけレシピ】香り豊かな自家製ブーケガルニの作り方

ヨーロッパの煮込み料理には欠かせないブーケガルニは、数種類のハーブを束ねて作られ、肉や魚介の臭い消しや、料理に奥深い香りを加えるために使用されます。イタリアンパセリを中心に、様々なハーブを組み合わせて使用することで、手軽に本格的な風味を料理にプラスできます。ハーブの種類に特に決まりはないので、料理の種類や好みに合わせて組み合わせを考えるのも楽しみ方の一つです。自家製のブーケガルニでいつもの家庭料理をワンランクアップさせてみましょう。

材料
【フレッシュハーブで作る場合】
  • ローズマリー:適量
  • イタリアンパセリ:適量
  • タイム:適量
  • セロリ(筋をとったもの):適量
  • ローリエ(乾燥):適量

【ドライハーブで作る場合】
  • ローズマリー(乾燥):小さじ1/2
  • イタリアンパセリ(乾燥):小さじ1/2
  • タイム(乾燥):小さじ1/2
  • セロリシード:小さじ1/2
  • ローリエ(乾燥):1枚

手順
1. 【生のハーブを使う場合】用意した生のハーブをすべて束ねて、タコ糸でしっかりと縛ります。ハーブが長すぎる場合は、適度な長さにカットしてください。ばらけやすい場合は、数か所を糸で結ぶと良いでしょう。
2. 【乾燥ハーブを使う場合】用意した乾燥ハーブをすべてお茶パックに入れます。ハーブを詰め込みすぎると香りが十分に引き出せなくなるため、お茶パックに少し余裕を持たせて入れ、封をします。

ブーケガルニは、煮込み料理に加えることで、肉や魚介類の気になる臭みを抑え、料理全体に豊かな風味を加える便利なアイテムです。煮込み料理に入れるだけで、いつもの家庭料理が、まるでレストランで味わうような本格的な一品へと変わります。さらに詳しい作り方は、動画「本格的な香り♪ ブーケガルニの作り方」で確認できます。

刻んで料理に混ぜ込むイタリアンパセリを使ったレシピ

細かく刻んだイタリアンパセリは、その爽やかな香りと鮮やかな緑色を生かして、様々な料理に手軽に風味と彩りを添えることができます。ドレッシングやソースに加えたり、メイン料理のアクセントとして使用したりと、非常に汎用性が高い食材です。

【混ぜ込みレシピ】タラのパセリフリット

フリットの衣に細かく刻んだイタリアンパセリを加えることで、見た目も華やかになり、食欲をそそる料理に仕上がります。イタリアンパセリ独特のさっぱりとした香りが、揚げたてのタラの旨味をより一層引き立ててくれます。酸味が効いたマスタードソースを添えてお召し上がりください。特製マヨマスタードソースとの組み合わせは、風味豊かなハーモニーを生み出します。

材料【2人分】
  • タラ(切り身):3切れ(300g)
  • イタリアンパセリ:5g
  • 塩こしょう:少々
  • サラダ油:適量

☆衣
  • 薄力粉:50g
  • 片栗粉:大さじ1
  • ベーキングパウダー:小さじ1
  • 水:70cc

★マヨマスタードソース
  • マヨネーズ:大さじ1
  • 粒マスタード:大さじ1
  • レモン汁:小さじ1

手順
1. タラの水気を丁寧に拭き取り、一口大にカットします。塩と胡椒で下味をつけます。
2. イタリアンパセリを丁寧に細かく刻みます。
3. ボウルに★印の材料を入れ、混ぜ合わせます(マヨマスタードソース)。
4. 別のボウルに☆印の材料、刻んだイタリアンパセリを入れ、混ぜ合わせます。タラに衣をまんべんなくつけます。
5. フライパンにサラダ油を注ぎ、170℃に熱します。タラを入れ、3分ほど揚げます。
6. 器に盛り付け、マヨマスタードソースを添えて完成です。

まとめ

イタリアンパセリは、通常のパセリに比べて苦味が少なく、やわらかい食感が特徴で、様々な食材と相性が良い万能なハーブです。料理の彩りとして生の葉を使うのはもちろん、細かく刻んで料理に加えることで、さわやかな風味と鮮やかな色合いを添えることができます。生でも美味しく食べられるので、ご紹介したレシピを参考に、ぜひご家庭の食卓でイタリアンパセリを活用し、料理のバリエーションを広げてみてください。


イタリアンパセリと一般的なパセリ、どう違うの?

イタリアンパセリは、平らで広がった葉が特徴で、まるでミツバやコリアンダーのような見た目です。一方、一般的なパセリは葉が縮れていて、ふんわりとした丸みがあります。香りについても違いがあり、イタリアンパセリは穏やかな苦みと、よりフレッシュで清々しい香りを持っています。対して、一般的なパセリは苦味が強めで、料理の飾りとして使われることが多いようです。イタリアンパセリは、そのクセの少なさから、生のままサラダに加えたり、加熱調理にも適しています。

イタリアンパセリって、生で食べても大丈夫?

はい、イタリアンパセリは生のまま美味しくいただけます。苦味が控えめで、風味も穏やかなため、サラダやカルパッチョに添えて、彩りと風味を添えるのにぴったりです。細かく刻んでドレッシングに混ぜ込んだり、お料理の仕上げに散らしたりするのもおすすめです。

イタリアンパセリの保存方法、教えて!

イタリアンパセリを長持ちさせるには、茎の根元を水に浸し、葉が水に触れないように容器に入れて冷蔵庫で保管すると、2~3日程度は新鮮さを保てます(毎日お水を交換してください)。もっと長く保存したい場合は、冷凍保存袋に入れて冷凍庫で保存することも可能です。冷凍すればおよそ1ヶ月ほど保存でき、必要なときに必要な量だけ取り出して使うことができます。

イタリアンパセリ、一番美味しい時期はいつ?

イタリアンパセリは一年を通して手に入りますが、特に葉が柔らかく、香りが際立つ旬のシーズンは、春先の3月~5月頃と、秋口の9月~11月頃と言われています。

イタリアンパセリの効果的な活用方法は?

イタリアンパセリは、その用途の広さが魅力です。料理に彩りを添えるのはもちろん、肉や魚の臭みを和らげる効果も期待できるため、ブーケガルニといった香味づけにも利用されます。細かく刻んでサラダに加えたり、パスタや揚げ物と和えたりするのもおすすめです。生のまま刻んで使うことで、清涼感あふれる香りと鮮やかな緑色が料理を引き立て、風味豊かな一皿に仕上がります。


イタリアンパセリ