日向夏を美味しく食べる!プロが教える切り方とおすすめの食べ方
太陽の恵みをたっぷり浴びた、爽やかな香りの日向夏。その見た目からは想像できない、独特の甘酸っぱさが魅力です。でも、どうやって切ったら美味しく食べられるの?白いワタって食べるものなの?そんな疑問を解決します!この記事では、日向夏の美味しさを最大限に引き出す切り方と、おすすめの食べ方を徹底解説。今日からあなたも日向夏マスターです!

日向夏とは?基本情報と特徴

日向夏は、淡いレモンイエローの色合いが目を引く柑橘系の果物です。温州みかんよりも一回り大きく、表面はつるりとしています。果肉は程よい酸味があり、特徴的なのは、果肉と一緒に、内側の白い部分(アルベド)を一緒に味わうことで生まれる、独特の爽やかな甘さです。ニューサマーオレンジや小夏といった呼び名も地域によっては使われており、学術的な名称には、この果物を普及させた田村利親氏の名が刻まれています。

日向夏の名前の由来と歴史

日向夏は、宮崎県が発祥の地であり、その歴史は江戸時代の終わり頃、宮崎市曽井地区での偶然の発見から始まりました。そのルーツは、タチバナという柑橘類にあるとされています。明治時代の1887年に「日向夏」という名が与えられました。発見当初は、酸味や苦味が強く、種も多い果物でしたが、その後の改良努力により、今日のような豊かな風味を持つ日向夏へと進化を遂げました。近年では、種なしの日向夏も栽培されています。

日向夏の主な産地

日向夏は、宮崎県を代表する特産品であり、国内生産量の大部分を占めています。その名の由来となった旧国名、日向国のあった宮崎県が、主要な産地となっています。

日向夏の旬な時期

日向夏は、ハウス栽培と露地栽培の両方の方法で育てられています。ハウス栽培されたものは、12月中旬頃から収穫が始まり、3月下旬頃まで市場に出回ります。一方、露地栽培のものは、3月上旬から5月下旬にかけてが旬の時期となります。日向夏は収穫後に追熟することはないため、お店に並んでいるものが、まさに食べ頃を迎えた状態です。

日向夏のカロリーと栄養成分

日向夏は、果肉、独特の白い綿、薄皮を含めた可食部100gあたり、およそ45kcalです。これは温州みかんとほぼ同じくらいのカロリーと言えるでしょう。

日向夏に含まれる栄養とその効果

日向夏は、ビタミンCをはじめ、クエン酸、食物繊維の一種であるペクチンなど、様々な栄養素を豊富に含んでいます。これらの栄養素は、私たちの健康と美容をサポートする多岐にわたる効果が期待できます。

ビタミンCの効能

ビタミンCは、強力な抗酸化作用を持つことで知られています。肌や血管の老化を遅らせ、免疫力を高める効果が期待できます。さらに、コラーゲンの生成を促進し、筋肉や骨を丈夫にし、肌のハリを保つ働きも担っています。その他、鉄分の吸収を助けたり、シミの原因となるメラニンの生成を抑えたり、精神的なストレスを軽減する効果も期待されています。

クエン酸の効能

クエン酸は、柑橘類に多く含まれる酸味成分です。ミネラルであるカルシウム、マグネシウム、鉄などの吸収を促進する効果があると言われています。

食物繊維(ペクチン)の効能

ペクチンは、水に溶けやすい食物繊維の一種で、特に果物に豊富に含まれています。日向夏は、果皮に近い部分に多くペクチンを含んでいるため、白い綿(アルベド)と呼ばれる部分と薄皮ごと食べることで、他の柑橘類よりも効率的に食物繊維を摂取できます。ペクチンは、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える効果や、腸内の不要物を吸着して便量を増やし、腸の動きを活発にして体外への排出を促す作用があります。

日向夏の切り方とむき方

日向夏特有のさわやかな風味を存分に味わうためには、適切な切り方と皮のむき方が大切です。白い綿を残してむくことで、日向夏ならではの甘みと酸味、ほのかな苦みの絶妙なバランスを楽しむことができます。

包丁を使った日向夏のむき方

包丁を使用し、リンゴの皮むきのように、白い綿を残しながら外側の皮をむいていきます。この方法でむくと、果肉と綿を一緒に味わうことができ、日向夏の美味しさをより深く感じられます。

日向夏のカット方法

果実の中心にある芯を避けるように、外側から削ぎ切りにしていきます。種は芯に近い部分に集まっていることが多いので、この切り方によって種を取り除きやすくなります。

日向夏の美味しい食べ方と活用レシピ

日向夏はそのままでも十分に美味しくいただけますが、工夫次第でさらに多彩な味わいを楽しめます。ここでは、地元宮崎県民がおすすめする食べ方から、様々なアレンジレシピをご紹介します。

シンプルにそのまま!お好みで砂糖をプラス

日向夏は、皮を剥いてそのまま食べるのが一番シンプルで美味しい食べ方です。特に、日向夏の産地である宮崎県では、カットした果実にたっぷりの砂糖をかけて食べるのが定番。酸味が和らぎ、より美味しくいただけます。酸味が気になる方やお子様にもおすすめです。

爽やかさ満点!日向夏ジュース

日向夏特有の爽やかな香りは、ジュースにすることでより際立ちます。フレッシュな手絞りジュースやコールドプレスジュースにする際は、酸味が強めに感じられる場合があるので、蜂蜜やシロップなどを加えて甘さを調整すると飲みやすくなります。また、スムージーにする際は、白い綿の部分(アルベド)も一緒にミキサーにかけることで、食物繊維を効果的に摂取することができます。

手軽に作れる!日向夏スムージーのレシピ


材料:
・日向夏 1個
・リンゴ 1/2個
・冷凍マンゴー ひとつかみ
・水菜 40g、水 50ml

作り方:
・日向夏は外側の皮を剥き、種を取り除いたら、他の材料と一緒にミキサーに入れ、なめらかになるまで撹拌します。
・種が入ってしまうと苦味の原因になるため、丁寧に取り除いてください。

柑橘系サングリア

日向夏で作るサングリアは、その鮮やかな見た目と爽やかな味わいが魅力です。自家製サングリアは、法律で作り置きが禁じられていますので、提供する直前に作り、その場で飲み切るようにしてください。

柑橘系サングリアの作り方


材料:
・お好みの冷えたワイン1本
・日向夏2個
・蜂蜜大さじ4
・シナモンスティック1本

作り方:
・日向夏は丁寧に洗い、8~10切れにカットし種を取り除きます。
・少量のワインに蜂蜜を溶かし、残りの材料と混ぜ合わせ、しばらく置いて味をなじませれば完成です。

日向夏の手作りジャム

日向夏ならではの美しい黄色を活かしたジャムは、皮から果肉まで余すことなく使用します。その爽やかな香りと、ほんのりとした苦みが特徴です。

日向夏ジャムの作り方


材料:
・日向夏5~6個
・砂糖(日向夏の重量の約50%)
・水適量

作り方:
・日向夏を外側の皮、薄皮、果肉に分け、外皮は細かく刻みます。
・刻んだ外皮は丁寧に揉み洗いし、約1時間水に浸します。
・鍋に外皮、薄皮、そしてひたひたになるくらいの水を入れ、中火で煮ます。
・柔らかくなったら、半量の砂糖と果肉を加え、煮詰めます。
・残りの砂糖を加え、軽くトロッとしたら火を止め、煮沸消毒した瓶に詰めて保存します。

日向夏ドレッシング

日向夏の爽やかな酸味が際立つドレッシングは、サラダやカルパッチョとの相性抜群です。酸味が気になる場合は、ハチミツを加えることでマイルドな味わいになります。

日向夏ドレッシングのレシピ


材料:
・日向夏 2個
・エキストラバージンオリーブオイル 大さじ3
・塩 小さじ1/2
・コショウ 少々

作り方:
・日向夏は丁寧に皮をむき、薄皮と果肉の間にナイフを入れ、果肉を取り出します。
・果汁はボウルなどで受け止めます。
・薄皮に残った果汁も絞り、すべての材料と混ぜ合わせます。
・取り出した果肉は、サラダなどに添えていただきましょう。

日向夏ピール

日向夏の皮で作るピールは、さっぱりとしたほろ苦さが魅力的な、大人のための上品なスイーツです。透き通るようなレモンイエローの色合いが美しく、見た目にも楽しめます。

日向夏ピールのレシピ


材料:
・日向夏の外皮 100g(厚めにむいたもの)
・グラニュー糖 100g
・水 100ml

作り方:
・日向夏の皮を丁寧に洗い、1cm幅の縦方向にカットします。
・鍋に皮を入れ、ひたひたになるくらいの水を加えて火にかけます。
・沸騰したら3分ほど煮て、ザルにあげる作業を3回繰り返します。
・鍋にグラニュー糖と水を入れ、火にかけて溶かします。
・皮を加え、全体にとろみが出てツヤが出るまでじっくりと煮詰めます。
・オーブンシートを敷いた天板に、煮詰めた皮を間隔をあけて並べ、100℃に予熱したオーブンで20~30分、乾燥焼きにします。
・粗熱が取れたら、グラニュー糖(分量外)を全体にまぶして完成です。

風通しの良い場所での自然乾燥でも美味しく作ることができます。

日向夏を味わうポイントは"わた"!美味しく栄養を摂取しよう

日向夏の醍醐味は、果肉と白い綿(わた)を一緒に味わうことです。この食べ方で、独特の風味と食感、そして豊富な食物繊維を同時に堪能できます。

まとめ

日向夏は、その個性的な風味と栄養価で、色々な楽しみ方ができる素晴らしい柑橘です。今回お伝えした食べ方やアイデアを参考に、ぜひ日向夏を色々と試してみてください。特に白い綿と一緒に食べることで、美味しさと健康を両立できます。

日向夏の白いわたは食べるべきですか?

もちろんです。日向夏の白い綿はぜひ食べていただきたい部分です。かすかな甘みがあり、果肉と一緒に食べることで酸味が和らぎ、日向夏ならではの奥深い味わいが生まれます。加えて、食物繊維も豊富に含んでいます。

日向夏はどのように保存すれば良いですか?

日向夏は比較的保存がきく柑橘ですが、風通しの良い涼しい場所で保存するのがベストです。乾燥を防ぐために、ビニール袋に入れるか、新聞紙で包んで保存すると、より鮮度を保てます。

日向夏は冷凍保存できますか?

はい、日向夏は冷凍保存も可能です。果皮を取り除き、中の果肉を食べやすい大きさにカットし、冷凍保存用の袋に入れて冷凍庫で保存してください。冷凍した日向夏は、スムージーやシャーベットなど、冷たいデザートの材料として活用いただけます。
日向夏