春の訪れを告げる野菜、そらまめ。あの独特の香りとほっくりとした食感は、まさに旬の味覚です。でも、そらまめが一番美味しい時期っていつなのでしょうか?実は、4月から6月にかけての初夏が旬なんです。この記事では、そらまめの旬の時期はもちろん、新鮮なそらまめの選び方、美味しさを長持ちさせる保存方法、そして、食卓を彩る絶品レシピまで、そらまめの魅力を余すところなくご紹介します!
そらまめとはどんな野菜?
そら豆はマメ科の植物で、特徴は何と言っても、空に向かって大きく膨らんださやの中に、数個の豆が詰まっていること。その姿から「そらまめ」と呼ばれるようになったと言われています。独特の甘みと、ほくほくとした食感は、昔から日本の食卓で愛されてきました。旬の時期に収穫されたそら豆は、格別な風味を持ち、様々な料理でそのおいしさを楽しむことができます。
そらまめの栄養価
鮮やかな緑色が食欲をそそるそら豆には、私たちの体に必要な栄養素がたっぷり。特に、エネルギー源となるたんぱく質や糖質、そしてお腹の調子を整える食物繊維がバランス良く含まれています。さらに、ビタミンB群やビタミンC、カリウム、鉄分などのミネラルも豊富。疲労回復や美肌効果、むくみ解消、貧血予防など、嬉しい効果が期待できます。低カロリーながら栄養満点なので、ぜひ積極的に食生活に取り入れたい野菜の一つです。
そらまめの旬と出回り時期
そらまめの旬は、一般的に4月から6月にかけての初夏の時期です。中でも、5月から6月にかけてが最もおいしい時期とされ、市場にもたくさん出回ります。この時期のそらまめは、実が大きく、ふっくらとしていて、甘みと香りが際立っています。地域によっては、3月下旬頃からハウス栽培されたものが出回り始め、夏にかけては高冷地で栽培されたものも流通しますが、やはり露地栽培で太陽をたっぷり浴びた旬のそらまめは、別格のおいしさです。ぜひこの短い旬の間に、新鮮なそらまめを味わってみてください。
そらまめの選び方
そら豆を選ぶ際には、いくつかの重要な点に注意を払いましょう。まず、豆を包むさやが全体的にふっくらとして、丸みを帯びているかを確認します。さやには、ピンと張ったハリと、みずみずしいツヤがあるものが良質です。色は、鮮やかな緑色であることが望ましく、傷や色の変化、黒ずみがないかを確認しましょう。手に取った際に、見た目よりもずっしりとした重さを感じるものは、中の豆がしっかりと育っている証拠であり、豊かな水分と甘みが期待できます。また、さやの端にある黒い部分、通称「お歯黒」が黒く変色している場合は、鮮度が低下している可能性があるため、避けるのが賢明です。これらの点を考慮して、新鮮で質の高いそら豆を選びましょう。
そら豆の下処理の基本(塩ゆで)
そら豆を美味しく味わうためには、丁寧な下処理が不可欠です。中でも、最も一般的な調理法である塩ゆでを行う際には、まずさやから豆を取り出す作業から始めます。さやの両端を少し切り落とし、さやについている筋に沿って開くことで、容易に豆を取り出すことができます。次に、取り出した豆の黒い筋(お歯黒)とは反対側の部分に、包丁でごく浅く切り込みを入れます。この一手間を加えることで、茹でた後に薄皮が剥きやすくなるだけでなく、豆に塩味がより染み込みやすくなります。この丁寧な下処理を行うことで、そら豆本来の自然な甘みと、ほっくりとした食感を最大限に引き出すことが可能になります。
塩ゆで方法
下処理を終えたそら豆を、より美味しく茹で上げるためには、以下の手順とポイントをしっかりと守ることが大切です。
まず、鍋にたっぷりの水を入れ、その水に対して2〜3%の塩分濃度になるように塩を加えます(水1リットルに対して、およそ大さじ1〜1.5杯の塩が目安です)。
強火で水を沸騰させます。お湯が完全に沸騰したら、切り込みを入れたそら豆を鍋に入れ、2〜3分を目安に茹でます。茹ですぎてしまうと、そら豆特有の食感が失われ、水っぽくなってしまうため、鮮やかな緑色を保ちつつ、わずかに歯ごたえが残る程度が理想的です。
茹で上がったそらまめは、冷水で急冷すると風味が損なわれる恐れがあるため、自然に冷ますのがおすすめです。茹でたてのそら豆は、薄皮を剥いてそのまま塩を軽く振って食べるのが、最もシンプルながらも美味しい食べ方です。
冷蔵での保存方法
そら豆は非常に鮮度が落ちやすい野菜であるため、購入後はできるだけ早く食べることが推奨されます。しかし、どうしてもすぐに食べきれない場合は、適切な方法で冷蔵保存することで、ある程度の期間、鮮度を保つことができます。冷蔵保存する際には、そら豆をさやに入れたまま、新聞紙やキッチンペーパーで丁寧に包み、さらにポリ袋に入れて野菜室で保存するのが効果的です。さやから豆を取り出してしまうと、鮮度が一気に低下してしまうため、調理する直前までさやから出さないようにしましょう。この方法を用いることで、およそ3〜5日程度は比較的鮮度を保った状態で保存することが可能です。保存する際は、湿度を適切に管理し、乾燥させすぎないように注意することが重要です。
冷凍保存
そら豆は、さやから取り出すとすぐに鮮度が落ちてしまうため、長期保存には冷凍が最適です。旬の時期である初夏の味覚を、長く堪能することができます。冷凍保存の手順としては、まず豆をさやから取り出し、薄皮に軽く切れ目を入れます。次に、塩茹でしますが、茹で時間は短く2~3分程度にとどめ、少し硬めに仕上げるのがコツです。茹で上がったらすぐに冷水にさらし、水気をしっかりと切ります。その後、冷凍保存用の袋に入れ、空気をしっかり抜いて平らにし、冷凍庫へ。急速冷凍することで、風味と食感をより良い状態で保てます。購入する際はさや付きのものを選び、新鮮なうちに下処理と冷凍を行うことが、美味しさを保つ秘訣です。冷凍したそら豆は、凍ったまま煮物や炒め物、スープの具材として利用したり、自然解凍して和え物にするなど、様々な料理に活用できます。
焼きそらまめ
お酒のお供にぴったりの「焼きそら豆」のレシピと作り方をご紹介します。そら豆は、さやごとフライパンで焼き色がつくまで焼くだけで、簡単においしく仕上がります。この調理方法では、さやの中で蒸し焼き状態になるため、そら豆本来の旨みと香りを最大限に引き出すことができます。香ばしい風味とホクホクの食感が特徴で、シンプルな調理法ながらも奥深い味わいが楽しめます。
材料(2~3人分)
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そら豆:7本
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サラダ油:大さじ1
作り方
1. フライパンにサラダ油を少量ひき、中火で温めます。そら豆を重ならないように並べ入れます。均等に火が通るように、間隔をあけて並べるのがポイントです。
2. 3~5分程度焼き、そら豆のさやに焼き色がついたら裏返します。この工程で、外側のさやが加熱され、中の豆が蒸し焼きになる準備ができます。
3. 裏返したら弱火にし、さらに5~8分ほどじっくりと焼き上げます。両面にしっかりと焼き色がつき、中の豆が柔らかくなったら完成です。熱いうちにさやから取り出し、お好みで塩を少量ふってお召し上がりください。さやごと焼くことで、そら豆の旨みが閉じ込められ、香ばしさとほくほくとした食感を同時に楽しむことができます。
コツ・ポイント
香ばしい焼きそら豆を作る秘訣は、火加減を上手にコントロールすることです。最初は中程度の火で焼き色をつけ、その後はじっくり弱火で加熱することで、そら豆全体に均一に火が通り、ほっくりとした食感になります。また、さや付きのまま焼くことで、蒸し焼きのような状態になり、そら豆本来の甘さと香りが際立ちます。塩は、焼きたてあつあつのタイミングでふりかけると、味がよくなじみます。
そらまめごはん
そら豆の風味と、ほくほくとした食感を堪能できる、シンプルながらも味わい深い「そら豆ごはん」の作り方をご紹介します。ここでは、そら豆を美味しく調理するためのコツや、新鮮なそら豆の下ごしらえの方法を詳しく解説します。
材料
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そら豆(さやつき):500g(正味150g)
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米:2合
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昆布:10cm角
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酒:大さじ1
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塩:小さじ1/2
そら豆ごはんの基本の作り方
下ごしらえ:米は洗ってざるにあげ、30分ほどおく
1. そら豆を茹でる
そら豆をさやから外し、黒い筋がない側に包丁で浅く切り込みをいれる。熱湯に塩少々(分量外)を加え、そら豆を入れ2~3分ゆでる。ざるにあげ、粗熱が取れたら薄皮をむく。
2. 米を炊く
炊飯器の内釜に米、塩、酒を入れ、2合の目盛まで水を加えます。昆布をのせ、普通炊きで炊飯する。
3. そら豆とご飯を混ぜる
ご飯が炊き上がったら昆布を取り除き、そら豆を加えて混ぜ合わせます。茶碗に盛って完成です。
味付けのポイント
そら豆ごはんの味付けには、白だしを使うことで、だしの旨味と塩味が絶妙に調和し、手軽に料亭のような上品な味わいに仕上がります。白だしは、素材そのものの風味を活かしつつ、色味も損なわないため、そら豆の美しい緑色を際立たせます。やさしい味わいながらも奥深く、そら豆の甘みを最大限に引き出す効果があります。
そら豆ごはんをさらに美味しくする食材
そら豆ごはんの味わいを一層引き立てる、おすすめの食材をご紹介します。まず、「溶かしバター」を少量加えるのがおすすめです。バターの芳醇な香りとコクが、そら豆本来の甘みを際立たせ、まるで洋食のような奥深い風味になります。お子様にもきっと喜ばれるでしょう。また、「刻み塩昆布」も素晴らしい選択肢です。塩昆布の凝縮された旨味がごはんに広がり、手軽に本格的な和のテイストを加えることができます。塩味と旨味のバランスが、そら豆の甘さと見事に調和します。さらに、「焼き鮭フレーク」を混ぜ込むと、魚介の風味がプラスされ、栄養価もアップして食べ応えのある一品になります。これらの食材は、そら豆ごはんの風味に変化をもたらし、毎回新鮮な気持ちで楽しめるので、ぜひお試しください。
そら豆ごはんによく合う献立
そら豆ごはんの美味しさを最大限に引き出す、相性抜群の献立を3つ提案します。メイン料理には、上品な味わいの「出汁巻き卵」が最適です。出汁の優しい風味が、そら豆ごはんの繊細な味わいを損なうことなく、食卓を温かく彩ります。ふっくらとした食感と出汁の旨みが、ごはんと絶妙に調和します。副菜としては、食感も楽しい「筍のきんぴら」はいかがでしょうか。旬の野菜を取り入れることで、食感のアクセントと栄養バランスが向上します。筍のシャキシャキ感と甘辛い味が、ごはんと見事にマッチします。汁物には、具材たっぷりの「豚汁」がおすすめです。豚肉と野菜の旨味が溶け込んだ豚汁は、そら豆ごはんとの相性が抜群で、満足感のある食事になります。温かい汁物は、心も体も温めてくれるでしょう。
そら豆とベーコンのチーズ焼き
旬のそら豆を使った、手軽でおいしいレシピです。主役は、そら豆、ベーコン、チーズの3つ。これらをトースターで焼き上げるだけで、香ばしい風味とカリカリの食感が楽しめます。そら豆は事前に電子レンジで加熱することで、下茹での手間を省き、時短調理が可能です。料理動画では、作り方を丁寧に解説しているので、料理初心者でも安心して挑戦できます。おかずとしてはもちろん、お酒のお供にもぴったり。食卓を豊かに彩ってくれる一品です。
材料(2人分)
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そら豆(正味):120g
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塩:少々
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ブロックベーコン:50g
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塩:少々
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粗挽き黒こしょう:少々
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とろけるチーズ:40g
作り方
下ごしらえ:
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そら豆はさやから取り出し、黒い部分に切り込みをいれます。
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ベーコンは5mm幅の短冊切りにします。
1. 耐熱ボウルにそら豆を入れて塩をまぶし、ふんわりとラップをかけ、600Wのレンジで2分30秒加熱します。
2. 取り出したら粗熱をとり、薄皮をむきます。
3. 耐熱容器に(2)、ベーコンを入れ、塩、粗挽き黒こしょうをふって軽く混ぜます。とろけるチーズをのせて、トースターで7~8分焼いたら完成です。
まとめ
そらまめは、春から初夏にかけての限られた時期に旬を迎える、栄養満点で風味豊かな食材です。鮮度が落ちやすいという特性があるため、選び方、下処理、保存方法を工夫することで、その美味しさを最大限に引き出すことができます。特に、鞘ごと香ばしく焼き上げる「焼きそらまめ」は、そら豆本来の甘みと香りをシンプルに味わえる調理法で、お酒のお供にもぴったりです。また、今回ご紹介した「そら豆ごはん」のように、昆布だしで上品に味付けしたり、鶏ひき肉や油揚げなどの具材を加えてアレンジすることで、さらに様々な風味を楽しむことができます。その他、ディップやサラダ、アヒージョなど、和洋を問わず様々なレシピに応用でき、旬のそら豆を存分に味わうことができます。この記事でご紹介した選び方やレシピを参考に、ぜひ、食卓に彩り豊かなそらまめを添えて、初夏の味覚を心ゆくまでお楽しみください。
そらまめの旬はいつですか?
そらまめの旬は、おおよそ4月から6月にかけての時期です。この時期は、そらまめが最も美味しく、スーパーなどでも手に入りやすくなります。新鮮なそらまめを選ぶことで、独特の風味とほっくりとした食感を最大限に楽しめます。
おいしいそらまめの選び方は?
美味しいそらまめを選ぶポイントは、まず、さやがふっくらとしていて、全体的にハリとツヤがあるかどうかを確認することです。さやの色は、鮮やかな緑色で、傷や黒ずみがないものが新鮮です。また、手に取った時にずっしりと重みを感じるものは、中の豆がしっかりと詰まっている証拠です。
そらまめの保存で注意すべき点は?
そらまめは、残念ながら日持ちがあまり良くありません。手に入れたら、できるだけ早く食べるのがベストです。もし保存するなら、さやに入ったまま冷蔵庫の野菜室へ。これでいくらか鮮度を保てます。長く保存したい場合は、さやから豆を取り出し、軽く塩茹でしてから冷凍保存しましょう。こうすることで、風味を損なわずに保存期間を延ばせます。
そらまめは、さやも一緒に食べられますか?
そらまめは通常、さやから取り出した豆を食べるのが一般的です。しかし、調理方法によっては、さやごと調理することも可能です。例えば、さやごと焼く調理法があります。さやごと焼くことで、豆が蒸し焼きのような状態になり、そらまめ本来の甘みと香りがより一層引き立ちます。ただし、さや自体は硬いため、食べるのは中の豆の部分です。
そらまめを一番手軽に調理する方法は?
そらまめの簡単な調理法として、まずおすすめしたいのが塩茹でです。豆をさやから取り出し、薄皮に少し切れ目を入れて、塩を入れたお湯で2~3分茹でるだけ。これだけで、ほっくりとした食感を楽しむことができます。また、フライパンやオーブントースターでさやごと焼くのもおすすめです。手間をかけずに、そらまめを美味しく味わえます。













