家庭菜園で人気の枝豆。しかし、その味は収穫時期で大きく変わります。適切な時期を逃すと、味が落ちてしまうことも。本記事では、プロ直伝の収穫時期の見極め方から、鮮度を逃さない保存・調理法までを網羅的に解説します。自宅で採れたての枝豆の風味を最大限に楽しみましょう。
枝豆の基礎知識:大豆との違いと品種について
枝豆は、大豆の未成熟な状態を指し、夏から秋にかけて旬を迎えます。鮮度が重要で、収穫後の時間経過とともに味が落ちやすいのが特徴です。家庭菜園で採れたてを味わう贅沢は格別でしょう。植物学的には大豆と同じダイズであり、収穫時期が異なるだけで、未熟なうちに収穫すれば枝豆、完熟後に収穫すれば大豆となります。この未熟な状態が、枝豆ならではの風味と甘みを生み出します。
枝豆は大豆になる前の状態
枝豆は、大豆がまだ若い緑色の状態の時に収穫します。どの品種も枝豆と大豆の両方で収穫できますが、日本では大豆の収穫時期が晩秋であるため、晩生品種が大豆として栽培され、多くの早生品種が枝豆専用として栽培されています。収穫されずに残った豆は、成熟を始め、糖分がでんぷんに変わり、発芽能力を持つ種子、つまり大豆へと変化します。収穫を遅らせることは、畑で枝豆を大豆に変えているのと同じことなのです。
豊富な品種とそれぞれの特徴
枝豆には、味、大きさ、収穫時期など、様々な特徴を持つ品種があります。中でも、香りが強く甘みが特徴の「茶豆」は人気が高く、だだちゃ豆などが有名です。茶豆は、さやの毛が茶色いのが特徴です。家庭菜園初心者には、育てやすく成長が早い早生種の茶豆を選ぶのがおすすめです。
品種によって異なる風味と特徴
枝豆には主に「早生」「中生」「晩生」といった品種があり、それぞれに個性があります。早生種は生育が早く、フレッシュな甘さと豊かな香りが特徴です。種まきからおよそ70~80日で収穫時期を迎え、少し早めに収穫することで、豆本来の甘みを強く感じられます。一方、晩生種は大きく育ち、豆も大きくなるため、食べ応えがあります。ホクホクとした食感と、深みのある風味が魅力です。種まきから収穫までは85~90日以上かかるのが一般的で、さやが十分に膨らみ、濃い緑色が少し薄れてきた頃が収穫の目安です。複数の品種を時期をずらして植えることで、長期間にわたって収穫を楽しんだり、異なる味わいを比較したりすることも可能です。
地域と時期で変わる枝豆の旬
枝豆は全国各地で栽培されていますが、地域の気候条件(気温や日照時間)によって収穫時期が異なります。一般的な家庭菜園では、ハウス栽培などをせず、4月から6月下旬に種をまくことが多いです。そのため、収穫時期は寒冷地で8月から9月、温暖な地域では6月から8月が中心となります。このように、それぞれの地域に適した時期に種まきをすることで、旬の美味しい枝豆を味わうことができます。
収穫時期を逃すとどうなる?品質低下の理由
枝豆の収穫適期は非常に短く、農家の方の中には「枝豆の収穫適期はわずか3日」と言う人もいるほど、タイミングが重要です。収穫が早すぎると、豆が小さく、実が十分に詰まっておらず、風味も十分に発達していません。逆に、収穫が遅れると、枝豆本来の美味しさが失われ、硬くなったり、甘味が減少したりするなど、品質が大きく低下します。この品質低下は、単に味が落ちるだけでなく、豆の中で起こる化学変化が原因です。家庭菜園で栽培する場合は、収穫時期を迎えてから1週間から10日以内を目安に収穫すると、美味しい枝豆を確実に味わうことができます。
収穫遅れによるさやと豆の色の変化
収穫時期を過ぎた枝豆に見られる特徴的な変化として、さやの色の変化が挙げられます。収穫適期の枝豆は、鮮やかで濃い緑色をしていますが、成熟が進むにつれて葉緑素(クロロフィル)が分解され、徐々に黄色みを帯びてきます。これは、植物が成熟期に入ったサインであり、見た目の鮮やかさが失われるだけでなく、枝豆特有の爽やかな風味が損なわれていることを示唆します。株全体が黄色や茶色っぽくなり、さやの中の豆が完全に成熟し、振るとカラカラと音がする場合は、枝豆ではなく大豆としての収穫適期を迎えた状態です。
豆の食感と甘みの変化:ショ糖からでんぷんへ
収穫が遅れると、枝豆ならではの食感である、ぷりっとした歯ごたえや、口の中に広がる甘さが損なわれます。これは、豆に含まれるショ糖といった甘味成分が、植物が成熟するためのエネルギー源であるでんぷんに変化してしまうためです。その結果、豆は硬くなり、甘みが薄れて、口当たりも粉っぽく変化します。これは「豆が硬くなる」と表現され、枝豆特有のジューシーさが失われる原因となります。つまり、収穫時期を逃すと、野菜としての美味しさのピークを過ぎ、種子としての成熟段階へと移行してしまうのです。これが、収穫の遅れによって風味が大きく低下する理由です。
収穫遅れの具体的なサインを見逃さない
家庭菜園で枝豆を栽培する場合、すべてのさやが完全に熟すのを待つのではなく、少し早いと感じるくらいのタイミングで試しに収穫し、味を確かめてから本格的な収穫を始めるのがおすすめです。さやの色が全体的に黄色っぽくなっていたり、触ったときに中の豆が硬いと感じたら、収穫適期を過ぎている可能性が高いと考えられます。早期発見と迅速な収穫が、枝豆の風味を保つために重要です。
枝豆の最適な収穫タイミングを見極める具体的なサイン
美味しい枝豆を収穫するためには、収穫時期を示すサインを見落とさないようにすることが大切です。収穫時期の判断基準としては、種まきからの日数、開花からの日数、そして見た目やさやの感触などが挙げられます。種をまいた日や花が咲いた日を記録しておくと、収穫時期の判断がしやすくなります。枝豆はさやができてからの成長が早く、花が咲いた後、さやができ始めるので、その後の観察が特に重要になります。日々の観察を怠らないようにしましょう。
日数による収穫目安:種まきと開花からの期間
種袋の裏面には、種まきから収穫までの日数が記載されていることが多く、おおよそ70~90日程度とされています。一般的に、極早生品種では70~80日、中生~晩生品種では80~90日以上が目安となります。ただし、これらの日数はあくまで目安であり、実際の収穫時期は気温や天候によって変動します。
気温と収穫時期の関係性
枝豆の成長速度は、気温に大きく左右されます。種袋に記載されている発芽からの日数は、あくまで目安として考えましょう。例えば、「種まきから80日」と記載されていても、その年の気候や気温によって収穫時期は前後します。特に気温の高い時期は、記載されている日数よりも早く収穫適期を迎えることもあります。日数だけに頼らず、実際の枝豆の状態を観察し、触って確かめることが重要です。
開花後の日数を目安にする
種まきからの日数だけでなく、開花からの日数も収穫時期を判断する有効な基準となります。一般的に、どの品種の枝豆も、小さな白い花が咲いてから30~40日程度で収穫適期を迎えます。開花後1ヶ月を過ぎた頃から、さやの状態を注意深く観察しましょう。ただし、開花からの日数も天候や気温によって変動するため、見た目での判断と合わせて総合的に判断することが大切です。
見た目と触感で判断!収穫時期を見極めるポイント
プロの農家も実践する収穫適期の見極めポイントは、「色」「膨らみ」「くびれ」の3点です。これらの要素を総合的に判断し、収穫を開始する時期を決定します。一つの株に付いている全てのさやが、同時に最適な収穫時期を迎えるわけではありません。通常、株の下の方にあるさやから成熟が進みます。全てのさやが完全に膨らむのを待つと、最初に成熟したさやが過熟となり、風味や食感が損なわれる可能性があります。そのため、株全体の約8割のさやがふっくらと膨らんだタイミングが、収穫開始の目安となります。特に早生品種の場合は、やや早めの収穫を心がけましょう。
さやの色:濃い緑色が熟したサイン
収穫に最適な状態のさやは、鮮やかで濃い緑色をしており、表面にツヤがあります。収穫が遅れると、葉や茎、さや全体が黄色っぽくなり、風味が低下します。少しでも黄色味を感じたり、色が薄く白っぽくなっていたりする場合は、成熟が進みすぎている可能性があるため注意が必要です。
さやのふくらみ:ハリと豆の形を確認
収穫時期を見極めるには、さやを指で軽く触れてみましょう。中の豆がしっかりと形作られ、さや全体にハリがあって、ふっくらとしているのが理想的です。もし、さやが薄くて平たい感じであれば、まだ豆が十分に育っておらず、風味も弱いです。逆に、さやがパンパンに張り裂けそうなほど膨らんでいる場合は、豆が硬くなっているかもしれません。さやの表面にある細かな毛の状態も、収穫時期の目安になります。
さやのくびれ:熟れ具合を形から判断
見過ごされがちですが、さやの形も重要なポイントです。豆と豆の間がくっきりとくびれて、さや全体がなめらかな曲線を描いている状態が良いでしょう。まだ若いさやは、くびれがあまりなく、全体的に寸胴な印象を受けます。くびれが深くなるにつれて、豆が大きく成長していることを示しています。
指で軽く押して豆が顔を出すときが収穫どき
株全体が鮮やかな緑色になったら、いよいよ収穫の準備です。さやを一つ摘み取り、指で軽く押してみてください。中から豆が顔を出すようであれば、収穫のサインです。これは、豆が十分に成熟している証拠と言えます。
早生と晩生:品種による収穫時期の目安
早生品種と晩生品種では、最適な収穫時期に若干の違いがあります。早生品種は、さやが少し膨らみ始めた頃合いで収穫するのがおすすめです。少し早めに収穫することで、豆本来の甘みをより強く感じられます。一方、晩生品種は、さやが十分に太り、濃い緑色が少し薄れてきた頃が収穫に適しています。早生種は甘さ、晩生種はコクと風味の豊かさを楽しむのがおすすめです。
早朝こそベスト!甘さを引き出す収穫タイミング
枝豆は、一晩かけて栄養を蓄え、夜明けから午前中にかけて糖度がピークを迎えます。植物は夜間に栄養分を葉や実に集中させるため、気温が低く、水分と栄養が豊富な早朝に収穫するのが最適です。日中の気温上昇とともに枝豆のエネルギー消費が活発になり、豆自体が熱を持ち呼吸量が増えることで、糖分が失われ風味が損なわれます。そのため、涼しい時間帯での収穫が推奨されます。収穫後は速やかに茹でるか、冷蔵庫で冷やすことで、更なる品質劣化を抑えられます。
枝豆の収穫方法と効率アップのコツ
枝豆の収穫には、「株ごと引き抜く方法」と「莢だけを摘み取る方法」の二通りが存在します。それぞれの方法には長所と短所があるため、栽培規模や用途に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。また、枝豆の莢や茎、葉には細かな毛があり、触るとチクチクすることがあるため、収穫作業時は手袋の着用をおすすめします。
株ごと収穫のメリット
株の根元をしっかり掴み、一気に引き抜く収穫方法です。広い畑で栽培している場合や、収穫した枝豆を大勢に分け与えるなど、一度に大量の枝豆を収穫したい場合に適しています。収穫後すぐに食べない場合でも、葉を適切に処理することで鮮度を維持しやすいという利点があります。根ごと引き抜くと土が付着しやすいため、莢の下の茎をハサミで切ると、その後の処理が楽になります。株元の茎が太い場合は、収穫バサミよりも剪定バサミの方が適していることがあります。
葉の処理で鮮度をキープ
枝ごと収穫した場合、葉が呼吸を続けることで鮮度が低下しやすくなります。葉を付け根から折り曲げて取り除くことで、かさを減らし、鮮度を保つことができます。葉を取り除いた枝豆を冷蔵保存した場合、美味しく食べられる期間は2~3日程度なので、早めに調理しましょう。
さやだけを摘み取る方法とその利点
完熟したさやを見極め、丁寧に一つずつハサミや手で収穫していくのが、さや摘みの方法です。この方法の最大の利点は、株に残った未熟なさやを育て続けられること。つまり、枝豆を無駄なく、最後まで収穫できるのです。特に、プランター栽培で場所が限られている場合や、できるだけ長く収穫を楽しみたい場合に適しています。手間はかかりますが、さやの状態を確認しながら、最適なものを選んで収穫できるのが魅力です。
さやの切り込みを深くして風味を高める
さやだけを収穫する際には、ハサミでさやの根元を少し深めに切るのがおすすめです。収穫後、軽く水洗いして塩茹でする際、この切り込みから塩味がしみ込み、より美味しく仕上がります。収穫後すぐに茹でるのがコツです。
状況に応じた収穫方法の選択
虫食いが少なく、さやが密集している場合は株ごと収穫し、虫食いが目立つなど、食べられるさやが少ない場合はさやだけを収穫するなど、状況に応じて方法を使い分けるのが賢明です。最適な方法を選ぶことで、効率良く、無駄なく枝豆を収穫できます。
収穫でハサミを使う時の注意点
枝豆の収穫作業において、清潔で切れ味の良いハサミを使うことは、品質維持に不可欠です。特にさやだけを摘む場合、無理に手で引きちぎると、茎や他の実を傷つけたり、さやの付け根がつぶれて栄養や水分が失われたりする可能性があります。ハサミを適切に使えば、株への負担を最小限に、美しい状態の枝豆を効率的に収穫できます。
ハサミの種類と使い方
枝豆の収穫には、園芸用ハサミや収穫専用のハサミが適しています。サビついていたり、切れ味が落ちているハサミの使用は避けましょう。植物を傷つけ、病気の原因となることがあります。使用前には必ず清潔にし、刃の状態を確認してください。収穫時は、さやの付け根をハサミで丁寧にカットします。こうすることで、さやを傷つけず、株への負担も最小限に抑えられます。
株ごと収穫時のハサミの活用
株ごと収穫した枝豆から、さやを一つずつ切り離す際にも、ハサミは大変役立ちます。手で無理やり剥ぎ取るよりも効率的で、さやを傷つける心配もありません。また、土が硬く株を引き抜けない場合は、無理に引っ張らず、ハサミで株元を切断する方法も有効です。
枝豆の栽培管理:ふっくらした実を育てる追肥のコツ
枝豆栽培で、実入りの良い美味しい枝豆をたくさん収穫するには、適切な追肥が重要です。ただし、枝豆はマメ科植物であり、肥料の与えすぎには注意が必要です。特に、窒素肥料を過剰に与えると、葉や茎が過剰に成長し、実のつきが悪くなる「つるぼけ」という状態になることがあります。追肥のタイミングと回数を守り、効果的な栄養補給を行いましょう。
追肥の最適なタイミングと回数
追肥は、枝豆の生育状況を見ながら1~2回行います。特に重要なタイミングは、株に白い花が咲き始めた頃です。この時期は、さやを形成し、豆を大きくするために多くの栄養を必要とするため、肥料切れを起こさないように注意が必要です。花が咲き終わって、さやができ始めた頃にもう一度追肥をすると、実の肥大を促進し、収穫量の増加につながります。
追肥と土寄せ:昔ながらの知恵
昔から行われている栽培方法として、追肥と土寄せを一緒に行うことが推奨されています。これは非常に理にかなっており、効果的な手法です。株元に土を寄せることで、株が倒れるのを防ぐだけでなく、新たな根の発生を促します。追肥を行う際は、肥料を株の周囲に施し、土と混ぜながら株元に優しく土を寄せてあげましょう。これにより、肥料が効率良く吸収され、株はより安定して成長します。土寄せは、枝豆の健康を維持し、豊かな実りをもたらすために欠かせない作業です。
肥料選び:バランスが重要
枝豆はマメ科植物であり、根に共生する根粒菌の働きによって、空気中の窒素を自ら取り込む能力があります。そのため、窒素成分が過剰な肥料は、葉ばかりが茂って実がつきにくい「つるぼけ」現象を引き起こす可能性があります。肥料を選ぶ際は、リン酸(P)やカリウム(K)がバランス良く含まれた、野菜用の化成肥料や有機肥料を選びましょう。肥料の成分表示を確認し、リン酸とカリウムの割合が多いものを選ぶのがおすすめです。適切な肥料を与えることで、枝豆は健康的で美味しい実をたくさんつけるでしょう。
収穫後の鮮度維持:美味しさを守るために
枝豆は、他の野菜と比べて特に鮮度が重要です。なぜなら、収穫した瞬間から豆内部で変化が始まり、美味しさの元となる糖分が急速に失われていくからです。常温で数時間放置するだけで、採れたての風味が大きく損なわれると言っても過言ではありません。収穫後の適切な処理と保存方法を実践することで、枝豆本来の美味しさを長く楽しむことができます。
収穫後のプロの技:予冷のすすめ
夏の畑で収穫された枝豆は、日光によって温度が上昇しています。この高温状態が続くと、豆の呼吸が活発になり、糖分が消費されて鮮度が低下します。収穫後は、速やかに日陰に移し、冷水に浸したり、氷水を入れたクーラーボックスに入れたりして、枝豆の温度を下げましょう。この「予冷」という一手間を加えることで、鮮度を効果的に維持できます。温度を下げることで、枝豆の劣化を遅らせ、美味しさを長く保つことが可能になります。
鮮度を保つ保存法:冷蔵と冷凍の使い分け
収穫した枝豆を美味しくいただくためには、すぐに食べない分は冷凍保存がおすすめです。冷凍することで、風味の劣化を抑え、収穫したてのおいしさを長く保つことができます。冷蔵保存は一時的な保管と考え、新聞紙に包んで野菜室に入れても、美味しく食べられるのは2~3日程度です。収穫当日に冷凍処理をすることで、美味しさを長く楽しめます。
硬めに茹でてから冷凍保存(推奨)
一番簡単で、調理しやすい冷凍保存方法です。枝豆を少し硬めに(通常の茹で時間より少し短く)塩茹でし、ザルにあげて扇風機などで冷まします。完全に冷めたら、キッチンペーパーで水気を拭き取り、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。食べるときは自然解凍で美味しく、凍ったまま炒め物やスープに使っても便利です。大手種苗メーカーのサイトなどでも推奨されている方法です。
生のまま冷凍保存
採れたてに近い風味を味わいたい場合におすすめの冷凍保存方法です。枝からさやを外し、きれいに洗って水気を丁寧に拭き取ります。冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。食べる際は、解凍せずに凍ったまま沸騰したお湯で少し長めに茹でるのがポイントです。生の風味に近いフレッシュな味わいを楽しめますが、茹でてから冷凍するよりも保存期間は短くなる傾向があります。
風味を最大限に引き出す!枝豆の美味しい茹で方
家庭菜園で採れた新鮮な枝豆の美味しさを引き出すには、茹で方が重要です。少しの工夫で、色鮮やかで風味豊かな絶品枝豆に仕上がります。最高の状態で収穫した枝豆も、茹で方を間違えると美味しさが半減してしまいます。
塩もみによる下処理の重要性
枝豆を調理する前に、塩を使った下処理は欠かせません。ボウルに枝豆を入れ、少し多めの塩をふりかけ、両手で丁寧に揉み込みます。この下処理には、美味しさを向上させるための重要な役割が3つあります。まず、枝豆の表面にある細かい毛や汚れを取り除き、口当たりを滑らかにします。次に、塩の浸透圧を利用してさやの表面を柔らかくし、茹でる際に塩味が豆の中まで浸透しやすくします。さらに、塩もみによる摩擦が、さやの色を鮮やかな緑色に保つ効果も期待できます。この一手間を加えることで、枝豆の風味と見た目の美しさが向上します。
適切な湯量と塩分濃度の重要性
枝豆を茹でる際には、たっぷりの湯を用意することが大切です。湯量が少ないと、枝豆を加えた際に温度が急激に下がり、茹でムラが生じたり、加熱時間が長くなることで風味が損なわれたりします。湯に入れる塩の量は、海水の塩分濃度に近い、湯に対して3~4%が理想的です(例:湯1リットルに対し塩30g~40g)。少ししょっぱいと感じるかもしれませんが、この塩分濃度が枝豆の甘みを最大限に引き出し、風味を際立たせます。適切な塩分濃度で茹でることで、枝豆本来の旨味が引き出され、美味しい塩加減に仕上がります。
茹で時間と冷却方法
沸騰した湯に、塩もみした枝豆をそのまま投入します。再沸騰後の茹で時間は3分から5分を目安にしましょう。茹ですぎると食感が悪くなり、風味が損なわれるため注意が必要です。一つ取り出して硬さを確認し、好みの茹で加減で火を止めます。茹で上がった枝豆は、すぐにザルにあげてください。水にさらすと水っぽくなり、風味が落ちてしまうため避けましょう。うちわや扇風機を使って素早く冷ますことで、美味しさを閉じ込めることができます。急速に冷ますことで、余熱による過加熱を防ぎ、さやのシワを防ぐ効果も期待できます。
まとめ
枝豆の収穫は、適切な時期と方法で行うことで、家庭菜園の楽しさをより深く味わうことができます。この記事では、収穫時期の見極め方、収穫方法、鮮度を保つための処理、そして美味しい茹で方について解説しました。これらの方法を実践することで、自宅で収穫した枝豆を最高の状態で楽しむことができるでしょう。枝豆は鮮度が重要なので、収穫後は迅速に処理を行い、できるだけ早く調理することが大切です。この記事を参考にして、旬の枝豆を家族や友人と共に味わい、夏の食卓を彩る自家製枝豆の豊かな風味と食感をぜひ体験してください。
枝豆の収穫時期を見極めるには?
枝豆の収穫時期は、品種、栽培地域、その年の気候条件によって左右されますが、目安としては種をまいてから70日から90日後、開花時期から30日から40日後くらいです。最高のタイミングはごく短い期間で、株全体の約8割の豆が、濃い緑色でふっくらと丸みを帯び、豆と豆の間にわずかな凹みが見られる状態です。毎日注意深く観察し、収穫適期を逃さないようにしましょう。
収穫時期を逃すとどうなる?
収穫が遅れると、枝豆の甘み成分であるショ糖などの糖類が減少し、代わりにでんぷん質が増えてしまいます。その結果、豆の食感が硬くなり、甘味が失われ、口当たりも悪くなります。また、さやの色も鮮やかな緑色からくすんだ黄色に変化し、枝豆ならではの爽やかな香りも弱まります。本来の瑞々しい美味しさを味わうためには、適切な時期の収穫が大切です。
収穫に最適な時間帯とは?
枝豆は、夜の間に養分を蓄え、夜明けから朝にかけて糖度が最も高くなる傾向があります。そのため、収穫は朝の涼しい時間帯に行うのが理想的です。日中の気温が高い時間帯に収穫すると、豆が高温になり呼吸量が増加し、糖分が消費されて風味が損なわれやすくなります。早朝に収穫することで、枝豆のみずみずしさと甘さを最大限に引き出すことができます。
株ごと?さやだけ?収穫方法の選び方
株ごと収穫する方法と、さやだけを摘み取る方法には、それぞれ利点があります。一度にたくさんの枝豆を収穫したい場合や、すぐに調理しない場合は、株ごと収穫し、葉を取り除くことで鮮度を保つことができます。一方、プランターで栽培している場合や、まだ熟していないさやを残して収穫期間を長く楽しみたい場合は、さやだけを摘み取るのがおすすめです。
収穫後の枝豆を美味しく保つ秘訣は?
枝豆は鮮度が非常に重要です。収穫後は速やかに予冷して温度を下げ、できるだけその日のうちに茹でて冷凍保存するのが理想的です。少し硬めに塩茹でした後、水気をしっかり取り除き、密閉できる袋に入れて冷凍すれば、数ヶ月間は風味を損なわずに保存できます。生のまま冷凍することもできますが、一般的には茹でてから冷凍する方法が推奨されます。冷蔵保存の場合は、2~3日程度が目安となります。
枝豆をより美味しく茹でるコツは?
枝豆を美味しく茹でるためには、下処理が大切です。まず、たっぷりの塩で枝豆を丁寧に揉み洗いし、表面の産毛や汚れを落とすと同時に、塩味が浸透しやすくなります。次に、沸騰したお湯に海水程度の塩分濃度(水1リットルに対し塩30~40グラム)になるように塩を加え、塩もみした枝豆を投入します。再び沸騰したら、3~5分を目安に少し硬めに茹で上げ、茹で上がったら素早くザルにあげて、うちわなどで扇ぎながら急速に冷ますのがポイントです。水にさらすと風味が落ちてしまうので避けましょう。
枝豆栽培における追肥の必要性とタイミングは?
はい、枝豆の収穫量を増やし、実を大きくするためには追肥が有効です。追肥のタイミングは、通常、株に小さな白い花が咲き始めた頃に1~2回行います。枝豆はマメ科の植物であり、根に共生する根粒菌が空気中の窒素を固定してくれるため、窒素肥料の与えすぎには注意が必要です。実のつきを良くするリン酸や、根の生育を促進するカリウムを多く含む肥料を選び、土寄せと同時に施すと効果的でしょう。













