クレームダンジュとは? ふわふわ食感の秘密から簡単レシピ、アレンジまで徹底解説
「天使のクリーム」を意味するクレームダンジュは、フランス・アンジュ地方生まれの絶品デザート。その名の通り、口に入れた瞬間とろけるような、ふわふわの食感が魅力です。本場フランスではフロマージュブランを使って作られますが、日本では水切りヨーグルトやクリームチーズで手軽に再現できます。この記事では、クレームダンジュの歴史や特徴はもちろん、ご家庭で簡単に作れる基本レシピから、おしゃれなアレンジレシピまで徹底解説。クレームダンジュの魅力をたっぷりお届けします。

クレームダンジュとは?

クレームダンジュは、フランスのアンジュ地方で生まれた、ふんわりと滑らかな食感が特徴的な、冷たいデザートです。フランス語で「クリーム」を意味する「クレーム(crème)」と、その発祥の地名である「アンジュ(Anjou)」が組み合わさった名前が付けられています。本場フランスでは、フレッシュチーズの一種であるフロマージュブランを贅沢に使用し、生クリームやメレンゲなどの乳製品を混ぜ合わせ、水分を切って、まるでムースのような軽やかな口当たりに仕上げます。日本では、フロマージュブランの入手が困難なため、クリームチーズや水切りヨーグルトを代用することが多く、家庭でも手軽に作れるデザートとして人気を集めています。

クレームダンジュの歴史

クレームダンジュは、20世紀初頭、およそ1900年頃にフランスのアンジュ地方で生まれたと言われています。当初は、フロマージュブランではなく、生クリームと卵を使って作られていました。酪農家が撹拌機を使いクリームをこねる過程で、機械のプロペラやまわりに付着したクリームをかき集め、ソースをかけてデザートとして食べたのがはじまりとされています。1920年代から30年代にかけては、「クレメダンジュ」を売る少女たちが、カゴに入れて街中で販売していたそうです。美食評論家のキュルノンスキーが、1921年に自著の中で「神々の食べ物だ」と賞賛したことがきっかけで、その名が広く知られるようになりました。アンジュ地方にあるレストランのウェブサイトでは、1890年に誕生したという記述も見られます。

クレームダンジュ、クレメダンジュ、クレームアンジュ:名前の違い

クレームダンジュと非常によく似た名前を持つスイーツとして、「クレメダンジュ」や「クレームアンジュ」が挙げられます。ここでは、これらの名前の違いについて詳しく見ていきましょう。主に『クレメ・ダンジュ(crémet d’anjou)』と呼ばれ、日本では『クレームダンジュ』という表記も広く使われています。その他、以下のようなバリエーションが見られます。「クレーム・アンジュ(crème anjou)」、「クレーム・アンジュ(crème d’ange)「Crémét」はクリーム状の菓子を意味し、「Anjou」はフランスのアンジュ地方を指します。したがって、クレメ・ダンジュは、アンジュ地方発祥のクリーム状の菓子、という意味合いになります。一方、クレーム・アンジュ(crème anjou)は、麹町にある洋菓子店「パティシエシマ」のシェフ、島田進氏がパリでの修行時代に賄いで食べていたフロマージュブランを、日本で広めるために考案したお菓子とされています。クレーム・アンジュは、フロマージュブランをベースにしたクリームの中に、フランボワーズソースを忍ばせたスポンジケーキを加えたもので、本来のクレーム・ダンジュにはスポンジケーキは含まれません。また、「crème d’ange」のように、「天使」という言葉が使われることもありますが、これは「anjou(アンジュ地方)」の音と、「ange(天使)」の音が似ていることから、言葉遊びとして使われるようになったと考えられます。

クレームダンジュの魅力とテイスト

クレームダンジュの最大の特長は、ふんだんに使われた新鮮なチーズが生み出す、軽やかでとろけるような口当たりです。熟成させないフレッシュチーズを使用するため、特有の強い風味やクセ、塩気はほとんど感じられません。ほんのりとした酸味と、フレッシュチーズや生クリームが持つミルクの風味が、味わいの中心を担っています。一般的なレアチーズケーキよりも、さらにエアリーで柔らかな食感を楽しめるのも人気の理由の一つです。本場フランスではフロマージュブランを用いるのが一般的ですが、日本ではクリームチーズや水切りヨーグルトを使って、ご家庭でも手軽に作ることが可能です。特に水切りヨーグルトを使用すると、フロマージュブランよりも酸味が際立ち、よりさっぱりとした爽やかな風味に仕上がります。

クレームダンジュの作り方:基本レシピ

クレームダンジュの本場流の作り方は、フロマージュブランを使用することですが、日本では入手しづらいため、水切りヨーグルトやクリームチーズで代用するのが一般的です。ここでは、水切りヨーグルトを使った簡単なクレームダンジュのレシピをご紹介します。

  • まずは、無糖ヨーグルトを約半日かけてじっくりと水切りします。この濃厚な水切りヨーグルトが、クレームダンジュ独特のふんわりとした食感を作り出す上で非常に重要です。
  • 水切りしたヨーグルトに、泡立てた生クリームやメレンゲ、砂糖などを加えて丁寧に混ぜ合わせます。
  • 型にガーゼやキッチンペーパーを丁寧に敷き、混ぜ合わせた生地を優しく流し込み、冷蔵庫でしっかりと冷やし固めます。
  • 仕上げに、お好みのフルーツソースや自家製ジャムを添えてお召し上がりください。

カッテージチーズとホイップクリームを混ぜて作る場合は、カッテージチーズをあらかじめ裏ごしすることで、より滑らかな食感を実現できます。クレームダンジュの中に、手作りのジャムを忍ばせて、食べるたびに違う味わいを楽しむのもおすすめです。

クレームダンジュのバリエーション:アレンジを楽しもう

クレームダンジュは、そのアレンジの幅広さが魅力のデザートです。基本のレシピに、お好みのフルーツソースやコンフィチュールを加えることで、無限のバリエーションを楽しむことができます。例えば、イチゴやラズベリーといったベリー系のフルーツソースは、クレームダンジュのさっぱりとした風味と絶妙にマッチします。また、マンゴーやパイナップルのような南国フルーツを使ったソースも、夏にぴったりの爽やかな味わいです。コンフィチュールを使うなら、ブルーベリーやアプリコットなどが良いでしょう。クレームダンジュの中にコンフィチュールを忍ばせて、食べる人を驚かせるのも面白いアイデアです。さらに、抹茶やココアのパウダーを混ぜたり、ナッツやドライフルーツを添えたりするのもおすすめです。世界でたった一つの、あなただけのクレームダンジュを創作してみましょう。

まとめ

クレームダンジュは、フランスで生まれた、まるで雲のような軽さが特徴の冷たいチーズケーキです。本来はフロマージュブランをベースに作られますが、日本では水切りヨーグルトやクリームチーズを使って、ご家庭でも簡単に作ることができます。色々なフルーツソースやジャムでアレンジして、自分好みの味を見つけるのも楽しいでしょう。その歴史は古く、20世紀初頭にフランスのアンジュ地方で生まれ、日本には1980年代頃から紹介されました。今では、スーパーやコンビニでも手軽に購入できる人気のスイーツとなりました。ぜひ、この機会にクレームダンジュを作って、その奥深い魅力を堪能してみてください。


質問1

クレームダンジュの最適な保存方法を教えてください。

回答1

クレームダンジュは、基本的に冷蔵保存が必須です。手作りの場合は、密閉できる容器に入れ、冷蔵庫で2~3日以内に食べきるようにしましょう。購入したものの場合は、パッケージに記載されている保存方法と賞味期限を必ず確認し、それに従って保存してください。保存状態によっては、風味や品質が損なわれる恐れがあるため、できるだけ早く食べることを推奨します。冷凍保存もできますが、解凍後の食感が変わってしまう可能性があるため、あまりおすすめできません。

質問2

クレームダンジュを作るときに、水切りヨーグルトの代わりにクリームチーズを使っても大丈夫ですか?

回答2

はい、水切りヨーグルトの代わりにクリームチーズを使用することもできます。クリームチーズを使う際は、常温に戻して柔らかくしてから、他の材料と混ぜ合わせると滑らかに仕上がります。クリームチーズで作ると、水切りヨーグルトで作るものよりも濃厚でコク深い味わいになります。好みや材料の都合に合わせて使い分けてみてください。ただし、クリームチーズの種類によっては風味が強すぎる場合があるので、癖の少ないものを選ぶのがおすすめです。

質問3

クレームダンジュにぴったりのトッピングは何でしょうか?

回答3

クレームダンジュは、色々な食材と組み合わせることで、さらに美味しくなるデザートです。特に相性が良いのは、いちごやラズベリーといったベリー類や、マンゴー、パイナップルなどの南国フルーツです。これらのフルーツは、クレームダンジュのさっぱりとした風味をより一層引き立ててくれます。また、ジャムを添えるなら、ブルーベリーやアプリコットがおすすめです。その他にも、ナッツやドライフルーツ、チョコレートソース、キャラメルソースなどを加えることで、味に深みが増します。旬のフルーツやお好みのトッピングで、オリジナルのクレームダンジュを味わってみてください。


クレームダンジュ