サクサク食感と、とろけるクリームのハーモニーがたまらないクッキーシュークリーム。専門店顔負けの味わいを、おうちで手軽に作れたら嬉しいですよね? でも、「なんだか難しそう…」「生地作りで失敗しそう…」と諦めていませんか? 大丈夫! この記事では、初心者さんでも失敗しない、サクサクとろけるクッキー生地のシュークリームの作り方を徹底解説します。憧れのクッキーシュークリーム作りを成功させましょう!
クッキーシューの歴史を紐解く|意外な発祥秘話とは?
シュー生地にクッキー生地を乗せるという革新的なアイデアは、一体誰が考え出したのでしょうか?膨らませるのが難しいシュー生地の上に、さらに膨らみにくくなる要因となるクッキー生地を乗せるなんて、きっと凄腕のシェフに違いない!と思いきや、実は、クッキーシューの明確な発祥は特定されていないようです。しかし、驚くことに、クッキーシューは16世紀にはすでに存在していたという説もあるのです。そんな昔に、これほど美味しいものを考案した人物とは一体誰なのでしょうか?それは、カトリーヌ・ド・メディシスではないかと言われています。彼女は、洋菓子界では知らない人はいないほど有名な、かつてのフランス王妃です。元々はイタリアの大富豪の娘でしたが、フランス王室に嫁ぐ際に、多くの料理人を連れてきました。彼らがフランスの食文化に大きな影響を与えたと言われています。その中にいた菓子職人のポプラン氏が、シュー生地をフランスに持ち込み、宮廷でシュー生地の上にサブレを乗せて焼いたものを提供していたそうです。
当時はまだシュー生地だけで楽しまれていたようですが、後にクリームを詰めたシュークリームが誕生しました。時々、「メロンパンの皮だけ」という商品を見かけますが、「クッキーシューの皮だけ」も、宮廷の人々を唸らせるほどの美味しさだったのかもしれません。
絶品クッキーシューを自宅で!基本とコツを伝授
手作りとなると、やはり難しいイメージがあるのではないでしょうか?そんなことはありません。しかも、クッキー生地は冷凍保存もできるので、ストックしておくと便利です。余った生地は、一緒にクッキーとして焼くこともできます。あの香ばしい風味をご自宅で味わうための作り方を、しっかり押さえていきましょう。美味しく、そして失敗なくクッキーシューを作るためには、いくつかの重要なポイントとコツを理解しておくことが大切です。これらのポイントをしっかり頭に入れて実践すれば、プロのようなサクサク食感と、とろけるクリームの絶品クッキーシューを、家庭でも再現することができます。
失敗しない!クッキーシューを美味しく作るための重要ポイント
クッキーシュークリーム作りにおいて、以下のポイントをしっかり頭に入れ、実践することで、失敗せずに美味しいクッキーシュークリームを作ることができます。
クッキー生地のサクサク感を左右する、バターと粉の扱い方
クッキー生地を作る際、バターは室温に戻してから使用し、電子レンジでの加熱は避けてください。ゴムベラで丁寧に練り、クリーム状にしてから砂糖を加えることが大切です。この工程をきちんと行うことで、理想的なサクサク食感のクッキー生地に仕上がります。さらに、クッキー生地、シュー生地、カスタードクリームに使う薄力粉は、事前にふるっておきましょう。ふるうことでダマを防ぎ、クッキー生地はよりサクサクに、シュー生地はふっくらと膨らみやすくなります。
シュー生地をしっかり膨らませるための大切な手順
シュー生地作りで重要なのは、鍋にバターと水を入れ、沸騰したら薄力粉を一気に加えて手早く混ぜ続けることです。粉をふるいながら加えたり、ゆっくり混ぜてしまうと、生地が硬くなり、うまく膨らみません。また、溶き卵を加える際は、少量ずつ加えながらよく混ぜ、ゴムベラから落とした時に生地が途切れず、ゆっくり三角形になる状態を見極めるのが重要です。生地がすぐに切れたり、すぐに落ちてしまう場合は、膨らまない原因になります。卵の量は目安として、生地の状態を見て調整してください。
オーブンの使い方と、しぼませないためのコツ
クッキーシューを焼いている間は、絶対にオーブンを開けないでください。温度が急に下がり、膨らんだシュー生地がしぼんでしまいます。焼き上がった後も、すぐに取り出さず、オーブン内に15分ほど置いて余熱で乾燥させることが大切です。こうすることで、シュー生地の水分が抜け、よりカリッとした食感になり、しぼむのを防ぎます。
なめらかで美味しいカスタードクリームを作る
シュークリームの美味しさは、中のカスタードクリームで決まります。カスタードクリームの出来が悪いと、全体の味が損なわれてしまいます。丁寧に作ることで、とろけるような、完璧なカスタードクリームを作ることができます。
絶品クッキーシューを作るための材料(11~13個分)
ここでは、ご家庭で最高のクッキーシューを作るために必要な材料を詳細にご紹介します。以下の分量を参考にして、ぜひ美味しいクッキーシュー作りに挑戦してみてください。
クッキー生地
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無塩バター: 55g
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薄力粉(ふるいにかけておく): 50g
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グラニュー糖: 40g
シュー生地
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無塩バター: 45g
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水: 90cc
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塩: ひとつまみ
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薄力粉(あらかじめふるっておく): 50g
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卵: Lサイズ 約2個半
ディプロマットクリーム
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卵黄: 4個
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グラニュー糖: 75g
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牛乳: 350cc
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薄力粉(ふるい済み): 30g
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生クリーム: 150cc
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バニラビーンズ(またはバニラエッセンス6滴): 1/5本
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無塩バター: 10g
クッキーシュー作りの事前準備:手際よく進めるために
おいしいクッキーシューを作るには、始める前の準備がとても大切です。きちんと準備をしておくことで、調理中に慌てることなく、失敗する可能性も低くなります。
材料の計量と粉類の処理
無塩バターと卵は、必ず冷蔵庫から出して、室温に戻しておきましょう。夏場は30分程度でバターが柔らかくなりますが、冬場は2~3時間かかることもあります。時間がない場合は、軽く湯煎して柔らかくしてください。また、クッキー生地、シュー生地、ディプロマットクリームに使う薄力粉は、使う前に2回以上ふるっておきましょう。こうすることで、ダマになるのを防ぎ、生地やクリームがなめらかに仕上がります。シュー生地に使う卵は、別のボウルにあらかじめ割り入れて、よく混ぜておきましょう。
絞り袋と天板の用意
シュー生地を絞り出すための絞り袋には、直径1.2センチほどの口金を取り付け、ディプロマットクリームを詰める絞り袋には、直径5~6mmの口金を取り付けておきます。口金に絞り袋をしっかりと固定し、袋をコップなどに立てて開けておくと、クリームなどを入れる作業がスムーズになります。天板には、クッキングシートを敷いて準備完了です。そして、シュー生地を天板に絞り出す前に、オーブンを200℃に温めておきましょう。
失敗知らず!サクサククッキーシューの詳しい作り方
さあ、いよいよサクサク食感がたまらないクッキーシューの作り方を詳しく説明していきます。先ほどお伝えしたポイントやコツを意識しながら、各工程を丁寧にこなしていきましょう。
クッキー生地の作り方
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まず、やわらかくした無塩バターをボウルに入れ、ゴムベラで丁寧に混ぜて、なめらかなクリーム状にします。この下準備をしっかり行うことが、サクサクとした食感のクッキー生地を作る秘訣です。
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バターがクリーム状になったら、グラニュー糖を加えて、全体が均一になるまで混ぜ合わせます。
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次に、ふるっておいた薄力粉を加え、切るようにさっくりと混ぜます。
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生地がまとまってきたら、ラップで挟み、めん棒で均一に約3mmの厚さに伸ばします。
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伸ばした生地は、焼く直前まで冷凍庫でしっかりと冷やし固めます。
カスタードクリームの作り方
クッキー生地を冷やしている間に、カスタードクリームを作ります。詳細なレシピは別の記事でご紹介していますが、ここでは基本的な手順を説明します。
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卵黄とグラニュー糖を混ぜ合わせ、ふるった薄力粉を加えて混ぜます。
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温めた牛乳を少しずつ加えながら混ぜ、鍋に戻して弱火で加熱し、とろみがつくまで混ぜ続けます。バニラビーンズを使う場合は、ここで加えて香りを移し、加熱後に取り出します。
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火から下ろし、無塩バターを加えて溶かし、なめらかになるまで混ぜたら、濾し器で濾して冷蔵庫で冷やします。この際、カスタードクリームは、後で作るディプロマットクリームの分量に合わせて作ってください。
カスタードクリームのなめらかさが、シュークリームの風味を大きく左右するので、丁寧に作業しましょう。
シュー生地の準備と見極め
次にシュー生地を作ります。
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鍋に無塩バター、水、塩を入れ、中火にかけます。
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バターが溶けたら、一度にふるっておいた薄力粉を加え、手早くゴムベラで混ぜ合わせます。
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中火のまま1分ほど混ぜ続け、生地が鍋底から離れるようになり、粉っぽさがなくなったら火を止めます。
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火を止めてから、シュー生地をボウルに移し、溶き卵を少しずつ加え、その都度ゴムベラでよく混ぜます。生地をゴムベラですくい上げてゆっくり落としたときに、生地が途切れずに三角形になる状態が目安です。
最初は生地が重く感じますが、卵を加えるにつれて徐々に柔らかくなっていきます。卵を入れすぎると生地がゆるくなるので注意が必要です。このタイミングで、オーブンを200℃に予熱し始めましょう。
シュー生地の成形と焼き上げ
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シュー生地がまだ温かいうちに、直径1.2cmの口金を付けた絞り袋に入れます。
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オーブンシートを敷いた天板に、直径4〜5cmの円を描くようにシュー生地を絞り出します。
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冷凍庫から取り出したクッキー生地を、同じく4〜5cmの丸型で抜き、絞り出したシュー生地の上にそっと乗せます。
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200℃に予熱したオーブンでまず10分焼き、その後180℃に温度を下げて20分焼きます。
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焼き上がったらすぐにオーブンを開けずに、庫内で15分間そのままにして余熱で乾燥させます。こうすることで、シュー生地がよりサクサクになり、しぼむのを防ぎます。
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15分後、オーブンから取り出して冷まします。
ディプロマットクリームの仕上げとシューへの詰め込み
シュー生地が十分に冷めたら、いよいよディプロマットクリームを仕上げ、シューに詰めていきましょう。
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まず、ボウルを氷水にあてながら、生クリームをハンドミキサーでしっかりと泡立て、角が立つ状態を目指します。
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次に、冷蔵庫で冷やしておいたカスタードクリームを取り出し、泡立て器でなめらかになるまで丁寧に混ぜます。バニラビーンズを使用しない場合は、ここでバニラエッセンスを数滴加えて混ぜ合わせ、風味を加えます。
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カスタードクリームがなめらかになったら、泡立てた生クリームを少しずつ加え、その都度泡立て器で優しく混ぜ合わせ、ふんわりとしたディプロマットクリームを完成させます。
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ディプロマットクリームが完成したら、お好みの口金をつけた絞り袋に詰めます。
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冷ましたシュー生地の裏側に、竹串などで小さな穴を開け、そこからディプロマットクリームをたっぷりと絞り入れます。シュークリーム1個あたり、クリームの量は調整してください。
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最後に、お好みで粉糖をふりかければ、外はカリカリ、中はとろーりとした、至福のクッキーシューが完成です!
クッキーシューの美味しさを保つ保存方法と賞味期限
丹精込めて作ったクッキーシューは、正しい方法で保存することで、その美味しさをより長く楽しむことができます。たくさん作りすぎた時や、少しずつ味わいたい時に役立つ、保存方法をご紹介します。
冷蔵保存と消費期限について
クッキーシューを一つずつ丁寧にラップで包み、さらに密閉できる容器や保存袋に入れて、乾燥を防ぎながら冷蔵庫で保存します。生クリームを使用しているため、傷みやすい点に注意が必要です。冷蔵保存の場合は、できるだけ早めに、2~3日以内を目安に食べきるようにしましょう。
冷凍保存とその解凍方法
すぐに食べきれない場合は、冷凍保存がおすすめです。同様に、一つずつラップでしっかりと包んでから、密閉できる容器やジップロックに入れて冷凍庫へ。冷凍保存することで、1~2週間程度の保存が可能になります。冷凍したクッキーシューを解凍する際は、冷蔵庫で時間をかけて自然解凍するのがおすすめです。食べる前日に冷蔵庫に移しておくと、翌日には美味しく味わえる状態になります。
お菓子作りに役立つおすすめ道具
クッキー生地シュークリーム作りをより一層楽しく、スムーズにするために、いくつか推奨するお菓子作りツールをご紹介します。これらの道具を揃えることで、よりプロフェッショナルな完成度を目指すことが可能です。
ハンドミキサー
ハンドミキサーは、お菓子作りのマストアイテムと言えるでしょう。生クリームや卵白のホイップ、生地のミキシングなど、様々なプロセスで重宝します。ハンドミキサーを使うことで、混合時間を大幅に短縮できるだけでなく、クリームの滑らかさや焼き菓子のテクスチャー、フレーバーにも良い影響を与えます。まだお持ちでない方は、ぜひこの機会に手に入れてみてはいかがでしょうか。
絞り袋と口金
今回のクッキー生地シュークリームのクリーム充填でも使用した絞り袋と口金は、お菓子作りの様々なシーンで活躍します。クリームを美しく充填できるだけでなく、デコレーションケーキをキュートに彩ったり、チュロスやクッキーを絞り出す際にも役立ちます。多種多様な口金がセットになったものをチョイスすれば、色々なデコレーションに対応でき、お菓子作りのクリエイティビティが飛躍的に向上します。
まとめ
自家製の焼き立てクッキー生地シュークリームを口にした瞬間、その美味しさに感動することでしょう。外側のクリスピーなクッキー生地の食感と、中からとろけ出すような滑らかなディプロマットクリームの組み合わせは、まさに至福の味わいです。要点とコツをしっかり押さえて作れば、失敗することなく、専門店にも引けを取らない絶品クッキー生地シュークリームに仕上げられます。製造には多少手間がかかるかもしれませんが、各工程を丁寧に、楽しみながら進めてみてください。できたてのクッキー生地シュークリームを食卓に並べれば、家族や友人から歓声が上がること請け合いです!おもてなしにも、頑張っている自分へのご褒美にも、できたて&絞りたてのクッキー生地シュークリームは最高の選択です。自分で手作りしたクッキー生地シュークリームは、きっとお店で買うものよりもずっと美味しく感じられるはずです。
クッキーシューの皮がうまく膨らまないのはなぜ?
シュー生地が期待通りに膨らまない場合、いくつかの理由が考えられます。例えば、薄力粉を生地に混ぜ込む際に、粉っぽさが残って均一にならなかったケースです。また、卵の分量が適切でないと、生地の硬さが理想的な状態になりません。生地がヘラからゆっくりと落ち、三角形を保つのが目安です。加えて、焼き上げの途中でオーブンの扉を開けてしまうと、庫内の温度変化で生地がしぼんでしまうことがあります。これらの点に注意して、丁寧に作りましょう。
クッキー生地がサクサクにならない時の対策は?
クッキー生地がサクサクとした食感にならない原因として、バターの扱い方が重要です。バターは必ず冷蔵庫から出して室温に戻し、電子レンジで溶かすのではなく、ゴムベラで丁寧に混ぜてクリーム状にするのがポイントです。そこにグラニュー糖を加えて混ぜ合わせることで、理想的なサクサク感を引き出せます。さらに、薄力粉はふるってから使用し、生地を均一な厚さ(約3mm)に伸ばした後、冷凍庫でしっかりと冷やすことも大切です。
カスタードクリームがなめらかにならないのはどうして?
カスタードクリームを作る際、ダマを防ぐためには、最初に薄力粉をしっかりとふるっておくことが重要です。牛乳を卵黄、砂糖、薄力粉を混ぜたボウルに加える際は、少しずつ注ぎながら、その都度丁寧に混ぜ合わせることでダマになるのを防ぎます。加熱する際は、中火で焦げ付かないように絶えず混ぜ続け、とろみがついたらすぐに火から下ろしてください。最後に、濾し器で濾すことで、より一層なめらかで口当たりの良いクリームに仕上がります。
手作りクッキーシューの賞味期限はどれくらい?
クッキーシューは、特にカスタードクリームや生クリームを使用している場合、冷蔵保存で2〜3日を目安に食べきるのがおすすめです。保存する際は、一つずつラップで丁寧に包み、密閉できる容器に入れて冷蔵庫で保管してください。すぐに食べきれない場合は、冷凍保存も可能です。冷凍すれば1〜2週間程度保存できますが、解凍する際は冷蔵庫でゆっくりと自然解凍するのが、風味を損なわずに美味しくいただくためのコツです。食べる前日に冷蔵庫へ移しておくと良いでしょう。
クッキーシュー作りに最適な道具は?
クッキーシュー作りをより簡単にするには、電動ミキサーと絞り出し袋、そして口金があると重宝します。電動ミキサーは、生クリームを泡立てたり、生地を混ぜ合わせたりする時間を短縮し、均一な出来栄えをサポートします。絞り出し袋と口金は、シュー生地をきれいに絞り出したり、クリームを美しく詰めたりするのに役立ち、お菓子作りの可能性を広げてくれます。
焼き上がったシュー生地が萎んでしまうのですが。
シュー生地が萎む一番の原因は、オーブン内の急な温度変化です。焼いている途中でオーブンの扉を開けてしまうと、冷たい空気が入り込み、温度が下がってしまうため、膨らんだ生地が萎んでしまいます。さらに、焼き終わってからもすぐにオーブンから取り出さず、オーブンの中に15分ほど置いて、余熱でじっくりと乾燥させることが大切です。そうすることで、生地の水分が適切に抜け、しっかりとした食感を維持しつつ、萎むのを防ぐことができます。