ふわふわで美味しいシフォンケーキ、一度は手作りしてみたいですよね。でも、「専用の型がないから…」と諦めていませんか?実は、シフォンケーキ型がなくても大丈夫!ご家庭にあるものや、手軽に手に入るもので、驚くほど簡単に代用できるんです。この記事では、シフォンケーキ型がないピンチを救う、目からウロコの代用アイデアを大公開!今日からあなたも、気軽にシフォンケーキ作りを楽しめますよ。

シフォンケーキは専用の型でないと作れない?
ふわふわのシフォンケーキは、独特の形をしていて、焼き上げるときに生地が型にくっついて膨らむため、専用の型が必要だと思われがちです。しかし、工夫次第で、家にある型や道具で美味しく作ることができます。大切なのは、型の特徴を理解して、生地の量や焼き時間を調整することです。これから、シフォンケーキ型の役割や、代わりになるもの、レシピの調整方法について詳しく説明していきます。型がないからといって諦めずに、ぜひシフォンケーキ作りに挑戦してみてください。
シフォンケーキ型の中央に穴がある理由
シフォンケーキ型の真ん中に穴が開いているのは、均一に焼き上げ、型崩れを防ぐための大切な工夫です。この穴は、シフォンケーキならではのふわっとした食感と高さを実現するために、とても重要な役割を果たしています。
生地の中心までしっかり火を通すため
シフォンケーキは、たくさんのメレンゲを含んでいるため、生地の量が多くなりがちで、中心まで均等に熱を通すのが難しいお菓子です。もし底が丸い型で焼くと、表面は焼き色がついているのに、中が生焼けという状態になることがあります。しかし、真ん中に筒状の穴があることで、生地が両側から熱を受けやすくなり、火の通りがよくなります。これによって、生地全体に効率よく熱が伝わり、中心までしっかりと焼き上がり、理想的なふわふわの食感になるのです。筒の部分に生地がくっつくことで、さらに高く膨らむのを助ける効果もあります。
型崩れを防ぐため
シフォンケーキを焼き終えたら、型から取り出して逆さまに冷ますのが一般的です。これは、焼きたてのデリケートな生地が自重で潰れてしまうのを防ぐため。焼縮みと呼ばれる現象です。中央の筒状の穴は、逆さまにした際にケーキ全体を支える大切な役割を果たします。特に、ケーキの底を浮かせた状態で冷ますことで、ケーキの重みが筒の部分に集中。生地が下へ沈むのを防ぎ、ふっくらとした高さをキープできます。こうすることで、しっとりとしたきめ細やかな状態が安定し、美しい形を保てるのです。
身近なもので代用できる!
シフォンケーキ型がなくても、ご家庭にあるアイテムでシフォンケーキ作りは十分に楽しめます。代用品にはそれぞれメリットとデメリットがあり、準備にはちょっとしたコツも必要です。ここでは、シフォンケーキ型の様々な代用品と、その活用方法を詳しくご紹介します。

ホールケーキ型
底取れタイプのデコレーション型、いわゆるホールケーキ型は、シフォンケーキ型の代わりとして非常に役立ちます。特に底が外せるタイプなら、焼き上がったケーキをスムーズに取り出せます。本来、シフォンケーキ型は焼き上がった生地が型に付くことで膨らみを支えますが、ホールケーキ型を使う際は、内側を剥がれやすい素材で覆う工夫が必要です。例えば、クッキングシートを側面に沿わせることで、ケーキが膨らむ際にシートに張り付き、ある程度の高さを保ちやすくなります。型のサイズに合わせて生地の量を調整するのがポイント。丸い形なので、シフォンケーキに近い見た目に仕上がります。
パウンドケーキ型
パウンドケーキ型は、長方形の形を活かして、四角いシフォンケーキを作るのに適しています。パウンドケーキ型で焼いたシフォンケーキは、カットする際に通常の丸いシフォンケーキとは違った形になり、おしゃれな印象を与えます。パウンドケーキ型も、内側にクッキングシートを敷き詰めることで、生地の張り付きを助け、型から取り出しやすくします。深めの型を選ぶと、より高さのあるシフォンケーキを焼くことができます。ただし、真ん中に穴がないため、熱の通りが少し悪くなることがあります。焼き時間や温度を調整し、中までしっかり火が通っているかを確認しましょう。
マフィン型
マフィン型を使えば、可愛らしいサイズのシフォンケーキを一度にたくさん作れます。小さくて食べやすく、プレゼントにもぴったりです。使う時は、グラシンケースやマフィンカップを敷いてから生地を入れます。シフォンケーキはよく膨らむので、カップの高さより少し少なめに生地を入れるのがポイントです。また、型が小さい分、焼き時間も短くなるので、焦げないように、焼き色をよく見てください。シフォンケーキは型に生地がくっつくことで膨らみを支えるため、マフィン型で焼くと高さは出にくいですが、ふんわりとした食感は楽しめます。
紙コップ
使い捨てのアルミ製マフィンカップや、厚めの紙コップも、シフォンケーキの型として使えます。特に紙コップは、焼いた後で型から出す手間がなく、そのまま器として使えるので、パーティーやピクニックに便利です。紙コップを使う場合は、生地をコップの半分くらいまでにして、膨らみすぎないように注意しましょう。また、紙コップは金属の型より熱が伝わりにくいので、少し焼き時間が長くなることがあります。焼き色を見ながら、オーブンの温度や時間を調節してください。紙製なので、側面が生地の重さで曲がらないように、できるだけ丈夫なものを選びましょう。紙コップを使用する際は、必ず『オーブン使用可』と記載のある耐熱性の製品を選んでください。耐熱性でないものを使用すると、発火や有害物質の発生につながる危険があります。
トールカップ
トールカップは、高さのあるカップで、お店で売っているような、背の高いミニシフォンケーキを作るのに向いています。特に、耐熱性のある紙製のトールカップは、型から取り出しやすく、とても便利です。マフィン型と同じように、生地はカップの八分目くらいまでにして、焼き上がりの膨らみを考えて入れます。トールカップを使うと、側面がしっかり支えてくれるので、焼き縮みを防ぎやすく、ふんわりとした高さが出しやすいのが特徴です。色々なデザインのトールカップがあるので、好きなものを選んで、見た目も楽しいシフォンケーキ作りに挑戦してみてください。
アルミホイル、クッキングシート
もし型がない場合は、アルミホイルやクッキングシートを使って、自分で型を作ることもできます。例えば、厚手のアルミホイルを何重にも重ねて筒状にしたり、底と側面を作ったりして、簡単な型として使えます。また、持っている型にクッキングシートを敷いて高さを出したり、型崩れを防いだりするのにも役立ちます。この方法の良いところは、どんな形や大きさの型でも作れることですが、型が安定しにくいので、生地の重さで曲がらないように注意が必要です。特に、アルミホイルだけで底を作る場合は、生地が漏れないようにしっかり作り、何重にも重ねて強くすることが大切です。
代用品や自作の型を使用する際は、ご家庭のオーブンの取扱説明書をよく確認し、各素材メーカーが推奨する使用方法に従ってください。調理中の事故やトラブルについて、当記事では責任を負いかねます。
お手持ちの型で理想のスイーツを!分量調整の秘訣
挑戦したいお菓子があるのに、レシピ指定の型がない...。そんな経験はありませんか?実は、お手持ちの型に合わせて材料の分量を調整すれば、どんなお菓子だって作れるんです!ここでは、丸型はもちろん、四角い型や変形型まで、あらゆる型に対応できる分量計算のテクニックを詳しく解説します。

丸型での分量計算:基本と応用
丸型ケーキを作る際、レシピの型とは違うサイズの型を使う場合、生地の量を適切に調整する必要があります。そのために利用するのが「半径の二乗」の比率です。この計算方法は、焼き上がりの高さを変えずに分量を調整したい場合に特に役立ちます。
計算式:半径の二乗比を使った調整
使いたい型の半径をr₁、レシピに記載されている型の半径をr₂とします。調整倍率Xは、以下の計算式で求められます。
(使いたい型の半径)² ÷ (レシピの型の半径)² = X
算出した調整倍率Xをレシピのすべての材料にかけることで、希望の型に合わせた最適な分量を導き出すことができます。
具体例:20cmレシピを12cm型で作るには?
例えば、20cmの丸型レシピを、手持ちの12cmの丸型で作りたいとしましょう。20cm型の半径は10cm、12cm型の半径は6cmです。これらの数値を計算式に当てはめてみましょう。
6² ÷ 10² = 36 ÷ 100 = 0.36
計算の結果、20cmレシピの分量に0.36を掛けることで、12cm型に最適な分量になることがわかります。例えば、20cmケーキのレシピで小麦粉が100gの場合、100g × 0.36 = 36gとなります。他の材料も同様に計算して調整してください。
実践例2:15cm用レシピを18cm型で作るには
次に、直径15cmのレシピを、少し大きめの18cm丸型で作りたいケースを考えてみましょう。
(9cm × 9cm)÷(7.5cm × 7.5cm)= 81 ÷ 56.25 = 1.44
この計算から、15cm型のレシピの材料をすべて1.44倍(およそ1.4倍)にすることで、18cm型に合わせた分量を算出できます。この方法なら、1g単位まで正確に調整できます。もっと手軽に計算したい場合は、「15cmの型:18cmの型 = 1:1.5」という比率で調整する方法もあります。実際にこの比率で焼いた結果、高さがほぼ同じになったという報告もありますので、状況に応じて使い分けてみてください。
スクエア型での分量計算:手順と例
正方形の型を使う場合も、丸型と同様に比率を利用して生地の量を調整します。ポイントは、底面積の比を計算に用いること。これにより、焼き上がりの高さを変えずに分量を調整できます。
計算式:底面積比で分量を決める
使いたい型の底面積をA₁、レシピに記載されている型の底面積をA₂とします。調整倍率Xは、以下の式で求められます。
(使いたい型の底面積) ÷ (レシピの型の底面積) = X
この倍率Xをレシピの各材料にかけることで、希望の型に合った分量を算出できます。
実践例1:18cmレシピを15cm型で作りたい
例えば、18cm角のレシピを15cm角の型で作りたいとします。18cm角型の底面積は18cm × 18cm = 324cm²、15cm角型の底面積は15cm × 15cm = 225cm²です。
(15cm × 15cm) ÷ (18cm × 18cm) = 225 ÷ 324 = 0.694…
この計算結果から、18cm角のレシピの材料を約0.7倍にすると、15cm角の型に合う分量になることが分かります。
実践例2:15cmレシピを18cm型で代用する場合
それでは、15cmのレシピを18cmの型で作りたいケースを見ていきましょう。
(18 × 18) ÷ (15 × 15) = 324 ÷ 225 = 1.44
この計算結果から、15cmレシピの材料を約1.4倍(1.44を四捨五入)にすることで、18cm型に合う分量を算出できます。注目すべきは、丸型であっても正方形型であっても、15cmから18cmへ、あるいは18cmから15cmへ変更する際の倍率は変わらないということです。例えば、15cmで作るブラウニーのレシピを参考に、すべての材料を1.4倍すれば、18cm型でも美味しく作れる分量が簡単に求められます。
異なる形状の型への代用:正方形型⇔丸型
レシピは正方形型だけど丸型で作りたい、またはその逆のケースでも大丈夫です。型の底面積を利用すれば、材料の分量を調整できます。ここでは、焼き上がりの高さが同じになることを前提として計算を進めます。
計算式:底面積の比率を利用
異なる形状の型で代用する場合も、基本は同じです。「使いたい型の底面積 ÷ レシピに記載されている型の底面積 = X」という計算式で調整倍率Xを求めます。丸型の底面積は「半径 × 半径 × 円周率(約3.14)」で求められます。
正方形型レシピを丸型で代用する場合
正方形型のレシピを、同じサイズ(例えば、15cm角→15cm丸型)の丸型で作りたいケースを考えてみましょう。
15cm角のレシピを15cm丸型(半径7.5cm)で代用する場合:
(7.5 × 7.5 × 3.14) ÷ (15 × 15) = 176.625 ÷ 225 = 0.785
18cm角のレシピを18cm丸型(半径9cm)で代用する場合:
(9 × 9 × 3.14) ÷ (18 × 18) = 254.34 ÷ 324 = 0.785
この計算結果から、正方形型のレシピを丸型で代用する際は、レシピの分量に約0.8(0.785を四捨五入)を掛ければ良いことが分かります。サイズが異なっても倍率は同じになる点がポイントです。
丸型のレシピをスクエア型で作りたい場合
反対に、丸型のレシピを、同じ数値の大きさ(例えば、15cm丸型を15cm角型)のスクエア型で作りたい場合を考えてみましょう。
15cm丸型(半径7.5cm)のレシピを15cm角型で作りたい時は:
(15 × 15) ÷ (7.5 × 7.5 × 3.14) = 225 ÷ 176.625 = 約1.27
18cm丸型(半径9cm)のレシピを18cm角型で作りたい時は:
(18 × 18) ÷ (9 × 9 × 3.14) = 324 ÷ 254.34 = 約1.27
この計算から、丸型のレシピをスクエア型で代用する際は、レシピの材料の量に1.27(概算で1.3)を掛けるのがおすすめです。このように、丸型とスクエア型でレシピを置き換えることは、底面積の比率を理解していれば容易にできます。
覚えておくと便利!型サイズの変更倍率一覧
毎回、面積や体積を計算するのは手間だと感じる方もいるかもしれません。そのような時は、頻繁に使う型サイズの変更倍率を事前に把握しておくことを推奨します。これらの倍率を記憶しておけば、レシピの材料の分量に乗じるだけで簡単に調整でき、お菓子作りがより手軽になります。一度覚えてしまえば、お菓子作りの頼もしい存在になるでしょう。
18cm→15cmへサイズダウン
材料 × 0.7
(18cmの型で作るレシピを15cmの型で作りたい時に使用します。)
15cm→18cmへサイズアップ
材料 × 1.4
(15cmの型で作るレシピを18cmの型で作りたい時に使用します。)
同サイズのスクエア型を丸型で代用
材料の分量をおよそ0.8倍に調整
(例えば、15cm角型のレシピを15cm丸型で作りたい場合に適用します。)
同サイズの丸型をスクエア型で代用
材料の分量をおよそ1.3倍に調整
(例えば、15cm丸型のレシピを15cm角型で作りたい場合に適用します。)
様々な形状の型における分量の調整
シフォンケーキ作りには、丸型や正方形の型だけでなく、パウンド型やタルト型、リング型など、様々な形状の型が用いられます。これらの型でレシピを応用したい場合も、基本的な考え方は変わりません。それぞれの型の「容積」を把握し、レシピで使用されている型との容積比を計算することで、最適な生地の量を決定できます。
容積比を用いた計算方法
使用したい型の容積をV₁、レシピに記載されている型の容積をV₂とした場合、以下の計算式で調整係数Xを算出します。
(使用したい型の容積) ÷ (レシピの型の容積) = X
この調整係数Xをレシピの各材料の分量に乗じることで、必要な分量を割り出すことができます。多くの型は、製品情報ページやメーカーのウェブサイトに容積が記載されている場合が多いため、そちらを参考にすると良いでしょう。
水の重さで体積を測る効果的な方法
もし、お使いの型の正確な容量が不明な場合や、形状が複雑で計算が難しい場合は、水を利用して体積を測るという非常に有効な手段があります。水は1mlがほぼ1cm³に相当するため、型に水をいっぱいに入れてその重さを量ることで、容易に体積を把握できます。例えば、あるケーキ型に水を満たして重さを測った結果が550gだった場合、その型の体積は「約550cm³」と推定できます。この方法を用いれば、どんなに特殊な形状の型でも正確な体積を知ることができ、レシピの材料調整に役立ちます。特にプリンやムースなどの冷菓を作る際にも、この水の重さで体積を測る方法は非常に役立ち、様々なお菓子作りに応用できます。
型を変更した場合の加熱時間調整の重要性
型を変更してお菓子を作る際には、材料の分量調整はもちろんのこと、焼き時間の調整が非常に大切です。型の形や大きさ、それに伴う生地の量の変化は、オーブン内での熱の伝わり方に大きく影響を与えるためです。例えば、小さい型に分量を少なくして焼く場合は、通常よりも早く焼き上がるため、焼き時間を短縮する必要があります。逆に、大きい型に分量を増やして焼く場合は、中心部までしっかりと火を通すために、焼き時間を延長する必要があります。
オーブンの温度設定はレシピ通りで問題ありませんが、焼き時間は調整が必要です。まずはレシピに記載された焼き時間から、5分程度短くしたり長くしたりするのを基準に調整を始め、焼き加減を観察しましょう。竹串を刺して生地が付着してこないか、焼き色が適切か、中まで十分に火が通っているかなどを確認しながら、ご自宅のオーブンの特性に合わせて最適な時間を見つけることが成功への鍵です。型や生地の種類によっては、焼き上がりの判断が難しいこともありますが、試行錯誤を重ねることで経験値が上がり、より美味しいお菓子作りができるようになるでしょう。
一見すると複雑に思える分量計算ですが、一度そのやり方をマスターすれば、様々な型に応用して利用できます。もう、レシピで指定された型を持っていないからといって、作りたいお菓子を諦める必要はありません。今お持ちの型を最大限に活かして、自由にお菓子作りを楽しみ、色々な種類のスイーツ作りに挑戦してみましょう。
シフォンケーキの失敗しないコツ
せっかく丁寧に焼き上げたシフォンケーキが、冷める時に縮んでしまうのは残念ですよね。シフォンケーキの縮みを防ぎ、最高の状態を維持するためには、いくつかの重要なポイントがあります。生地の準備から焼き上がった後の処理まで、詳しく見ていきましょう。

作り方のコツ
シフォンケーキの軽やかな食感を左右するのは、何と言っても「メレンゲ」の出来具合です。卵白を泡立てる際は、しっかりとツノが立つまで、ただし泡立て過ぎには注意が必要です。きめが細かく、光沢があり、ボウルを逆さにしても落ちてこないくらいの固さが理想的です。メレンゲが柔らかすぎると生地が十分に膨らまず、硬すぎると混ぜ合わせる際に均一にならず、生地の質感が悪くなってしまいます。また、卵黄生地とメレンゲを混ぜ合わせる際は、メレンゲの気泡を壊さないように、ゴムベラを使って底から持ち上げるように優しく、かつ素早く混ぜ合わせるのが大切です。混ぜ過ぎは良くありませんが、混ぜ方が不十分だと粉っぽさが残ることがあります。生地を型に流し込む際は、高い位置から勢いよく流し込むと空気が入り過ぎる可能性があるため、型の縁からゆっくりと静かに流し入れ、型を軽く数回叩きつけて余分な空気を抜き、生地を均等に広げましょう。これらの工程を丁寧に行うことで、焼き縮みを防ぎ、しっとりとしたシフォンケーキの基礎が作られます。
焼き上がりの大切なポイント
焼き上がったばかりのシフォンケーキは非常にデリケートです。まだ熱を持っている状態の生地は、自らの重さによって形が崩れてしまう「しぼみ」という現象が起こりやすくなっています。 これを防ぐために最も重要な工程が、ケーキを「逆さにして冷ます」ことです。 シフォンケーキ専用の型をお使いの場合は、多くの場合、型に脚が付いていたり、逆さにできるような構造になっているので、それを利用して型ごと宙に浮かせて冷ましてください。 もし、シフォンケーキ型ではなく、お手持ちのケーキ型やパウンド型などで代用した場合は、例えば、瓶の口などを利用して型の中心を支えたり、二つのコップの間に型を渡すなどして、ケーキ全体が逆さまになった状態で浮くように工夫しましょう。 完全に冷めるまで(通常は数時間から一晩程度)その状態をキープすることが大切です。 まだ粗熱が残っている状態で型から外してしまうと、ケーキが崩れたり、しぼんでしまう原因になります。 しっかりと時間をかけて冷ますことで生地が安定し、理想的な美しい形と、ふわふわとした食感を保つことができるのです。
おいしさを保つ保存方法
心を込めて作ったシフォンケーキ。せっかく美味しく焼き上がったのなら、できるだけ長くその美味しさを楽しみたいですよね。 そのためには、適切な保存方法を知っておくことが大切です。正しい方法で保存して、最後まで美味しく味わいましょう。
冷蔵保存のコツ
完全に冷ましたシフォンケーキは、乾燥しないようにしっかりと対策をしてから冷蔵庫で保存しましょう。 ケーキ全体をラップで丁寧に包むか、密閉できる容器に入れるのがおすすめです。 特にカットしていない丸ごとのシフォンケーキの場合は、切り口から乾燥が進みやすいので、全体を隙間なくしっかりと覆うようにしてください。 冷蔵保存の期間は、おおよそ夏場なら2~3日、冬場なら3~4日が目安です。 ただし、生クリームやフルーツなどでデコレーションしたシフォンケーキの場合は、それらのトッピングの鮮度が美味しさを保つ期間に影響しますので、できるだけ早く食べきるようにしてください。 冷蔵庫で保存することで、しっとりとした食感をキープできるだけでなく、ひんやりとした口当たりも楽しむことができます。 食べる際には、冷蔵庫から出して少しだけ常温に戻すと、より一層ふんわりとした食感が際立ち、風味も豊かになります。
長期保存は冷凍で
もし3日以上シフォンケーキを保存したい場合は、冷凍保存がおすすめです。冷凍することで、焼き立ての美味しさをより長く保つことができます。 冷凍する際は、まずシフォンケーキをお好みの大きさにカットし、一切れずつラップで丁寧に包みましょう。 この時、ラップとケーキの間に空気が入らないように、しっかりと密着させて包むのが重要なポイントです。 その後、ジッパー付きの保存袋や密閉容器に入れて冷凍庫で保存します。 こうすることで、乾燥や他の食品の匂い移りを防ぎ、冷凍焼けも防ぐことができます。 冷凍保存の目安としては、約2週間から1ヶ月程度です。 食べる際は、冷蔵庫に移して自然解凍するか、常温で短時間解凍してからいただきましょう。 完全に解凍しきらずに、少し冷たい状態で食べるのも、また違った食感と味わいを楽しむことができます。
まとめ
シフォンケーキは、専用の型がなくても、ご家庭にあるケーキ型やパウンド型、マフィン型、または紙コップやアルミホイルなどを活用して作れます。重要なのは、それぞれの型の特徴を理解し、生地の量や焼き時間を適切に調整することです。ご紹介した分量計算の方法を参考にすれば、丸型だけでなく、四角い型や他の様々な形の型へのレシピ変更も簡単に行えます。水の重さで体積を測るテクニックや、焼き縮みを防ぐメレンゲの泡立て方、焼き上がりの冷まし方など、様々なコツやアイデアを参考にすることで、どんなキッチンでも、ふわふわで美味しいシフォンケーキ作りを楽しめます。今ある道具を最大限に活用し、「型がないから作れない」と諦めずに、お菓子作りの可能性を広げてみましょう。
シフォンケーキ型で分量計算をする際の注意点は?
シフォンケーキは中央に穴が開いており、焼き上げた後に型を逆さまにして冷ますことで、独特の高さとふんわり感を保つという特徴があります。そのため、通常の丸型の半径の二乗比で計算する方法では、高さの変化を考慮できないため、分量が正確に計算できない場合があります。シフォンケーキ型の場合は、型の「容積」を基準に計算するのがおすすめです。多くのシフォンケーキ型は、製品情報に容量がml(ミリリットル)やL(リットル)で記載されているので、それを参考にしましょう。例えば、17cm型の容量が1600mlで、20cm型の容量が2700mlの場合、17cm型のレシピを20cm型で作りたい時は、2700ml ÷ 1600ml = 約1.7となるため、材料を約1.7倍に増やします。逆に、20cm型のレシピを17cm型で作る場合は、1600ml ÷ 2700ml = 約0.6となるため、材料を約0.6倍に減らすと良いでしょう。シフォンケーキ型から四角い型への変更は一般的ではありませんが、容積比で計算すれば、対応可能です。
型がない場合、どんなものでも代用できますか?
シフォンケーキの型は、ケーキ型、パウンドケーキ型、マフィン型、紙コップ、背の高いカップ、さらにはアルミホイルやクッキングシートで作った手作りの型など、様々なもので代用できます。ただし、型によって焼き上がりの高さや食感が変わることがあります。特に、シフォンケーキ型のように生地が側面に付着して膨らむ構造ではない型を使う場合は、側面にクッキングシートを敷いて、生地がくっつきやすくする工夫が必要です。また、熱の伝わり方や型の安定性も異なるため、焼き時間や温度を調整し、焦げ付きや型崩れがないか確認しながら焼くことが大切です。
レシピの分量を計算する際、正確なグラム単位での計量は必要ですか?
お菓子作り、特に焼き菓子では、材料の分量が仕上がりに大きく影響するため、正確なグラム単位で計量することが理想的です。レシピの分量計算で算出した倍率をかける際も、デジタルスケールを使って1g単位で計量することをおすすめします。特に、メレンゲの安定性や生地の均一な膨らみには、正確な水分量や粉の量が重要です。しかし、家庭で作る場合は、ざっくりとした計算や、ご紹介した「早見倍率」を使って、おおまかに調整することも可能です。卵のサイズなど、調整が必要な場合もあるので、最終的には生地の状態を見て判断する柔軟さも大切です。
型を代用した場合、温度や焼き時間はどう変わりますか?
レシピの分量に合わせて型を代用した場合、オーブンの温度設定は基本的にレシピ通りで大丈夫です。しかし、焼き時間は必ず調整するようにしましょう。生地の量、型の素材による熱の伝わり方、そして形状が変化するため、火の通り具合も変わってくるからです。一般的に、小さい型を使用する場合は焼き時間を短縮し、大きい型を使用する場合は焼き時間を長くします。まずは、レシピに記載された時間からプラスマイナス5分を目安に焼き始め、竹串を刺して生地が付いてこないか、表面の色付き具合などを確認しながら、慎重に調整してください。特にシフォンケーキは、焼き加減が仕上がりに大きく影響するため、オーブンの特性やご家庭の環境に合わせて、焼き具合を見極めることが重要です。
焼き上がったシフォンケーキが縮んでしまうのはなぜ?
シフォンケーキが縮んでしまう主な原因としては、いくつかの要素が考えられます。まず、メレンゲの状態が重要です。泡立てが不十分だと生地が十分に膨らまず、逆に泡立てすぎるとキメが粗くなり、混ぜ合わせる際に泡がつぶれやすくなります。次に、メレンゲと卵黄生地を混ぜ合わせる際の混ぜすぎも原因となります。混ぜすぎは、せっかく泡立てたメレンゲの気泡を壊してしまい、生地の膨らみを妨げます。また、焼きが足りないと、ケーキの中心部までしっかりと火が通らず、冷める過程で生地の構造が耐えきれずに潰れてしまいます。そして、非常に重要なのが、焼き終わった後の冷まし方です。焼き立てのシフォンケーキは非常にデリケートで、自重で潰れてしまう可能性があるため、型に入れたまま逆さにして完全に冷ます必要があります。これらの点に注意することで、焼き縮みを防ぎ、ふんわりとしたシフォンケーキに仕上げることができます。