家庭菜園で人気のミニトマト。その甘くて美味しい実を収穫するためには、適切な時期とタイミングを知ることが不可欠です。収穫時期が早すぎると酸味が際立ち、遅すぎると実が裂けてしまうことも。この記事では、ミニトマトを最も美味しく味わえる完熟のサイン、甘みを引き出す栽培方法、最適な収穫の仕方、そして収穫後の保存方法まで、家庭菜園に役立つ情報を詳しく解説します。ミニトマト栽培初心者の方も、ベテランの方も、この記事を参考に、最高のミニトマト収穫体験を実現してください。
ミニトマトの収穫時期を見極める
ミニトマトの収穫は、家庭菜園の楽しみの一つ。適切な時期とタイミングで収穫することで、完熟した最高のミニトマトを味わえます。
一般的な収穫時期と栽培期間
ミニトマトの収穫時期は夏、特に7月から8月が最盛期です。春先に苗を植えた場合、6月下旬頃から初収穫を迎え、7月に入ると株の成長はピークに。次々と実をつけ、収穫量もぐんと増えていきます。品種によって差はありますが、一番花が開花してから約50日程度で実が熟し始めるとされています。
ミニトマトは、通常のトマトに比べて収穫時期が1〜2週間程度早い傾向があります。これは、実のサイズが小さいため、成熟に必要な時間が短いことが理由です。ただし、気候条件や栽培環境、品種によって収穫時期は大きく左右されます。そのため、日付だけでなく、株や実の状態をよく観察することが、美味しいタイミングで収穫するための重要なポイントです。
完熟ミニトマトを見分けるサイン
ミニトマトの美味しさを最大限に引き出すには、完全に熟した「完熟」のサインを見逃さないことが重要です。完熟したミニトマトは、糖度が最も高くなり、最高の甘みと風味を堪能できます。以下のポイントを参考に、完熟ミニトマトを見分けましょう。
色づき具合と萼(がく)の様子
収穫時期を見極める上で最も頼りになるのが、実の色付き具合です。十分に熟したミニトマトは、果実全体がムラなく鮮やかな赤色に染まります。もし、まだ緑色やオレンジ色の部分が残っているようであれば、もう少し時間を置いて完熟するのを待ちましょう。また、実の色だけでなく、萼(がく:ヘタのこと)の状態も参考にしましょう。熟度が進むにつれて、萼はピンと張った状態から少しずつ反り返り、ふっくらとしてきます。この変化は、実が十分に成熟したサインと言えるでしょう。
実の張り具合と摘み取りやすさ
見た目のチェックに加え、実の感触も確かめてみましょう。完熟したミニトマトは、表面に適度なハリがあり、指で軽く押すとわずかに弾力を感じます。硬すぎたり、逆にブヨブヨと柔らかすぎる場合は、収穫適期を逃している可能性があります。そして、最も確実な判断材料となるのが、枝からの摘み取りやすさです。完熟状態であれば、実に軽く触れるか、軽く引っ張るだけで、容易に枝から外れます。もし、力を入れて引っ張らないと取れない場合は、まだ完熟には早いと考えられます。
最高の美味しさを見極める
これらのサインが全て揃った時こそが、ミニトマトが最も甘く、美味しくなった「収穫のベストタイミング」です。愛情込めて育てた完熟ミニトマトは、スーパーで買うものとは比べ物にならないほど濃厚な甘さを持ち、格別の味わいです。ぜひ、上記のポイントを参考にして、最高の状態の採れたてミニトマトを味わってみてください。完熟した実を収穫することで、その品種が本来持つ風味と甘みが最大限に引き出され、家庭菜園の醍醐味をより一層感じられるはずです。
家庭菜園で甘いミニトマトを作るコツ
収穫したミニトマトの甘さは、栽培方法によって大きく左右されます。「昔ながらのトマトの味が好き」という方もいますが、多くの方が求めるのは、口の中に広がる芳醇な甘みでしょう。ここでは、甘いミニトマトを育てるために欠かせない栽培のポイントを詳しくご紹介します。
水分管理は甘さの要
ミニトマトの味わいを大きく左右する要素の一つに、水分のコントロールがあります。「水分を控えた栽培方法がトマトを甘くする」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。これは、トマトが水分不足の状態になると、果実の中に糖分を蓄えようとする性質を利用したものです。過剰な水やりは果実の水分量を増やし、味がぼやける原因となります。
「乾燥気味栽培」の考え方と方法
ミニトマトの根は順応性が高く、多湿にも乾燥にも対応できる能力を持っています。しかし、甘いミニトマトを育てるには、やや乾燥気味に育てることが効果的です。具体的な水やりのタイミングとしては、土の表面が乾いてから数日待って、土全体が十分に乾燥してからたっぷりと水を与えるのがポイントです。この方法によって、ミニトマトは水分を求めて根を深く張り、より丈夫な株に成長します。
ミニトマトは非常に生命力が強く、苗が少し萎れてから水を与えても、元気に回復します。その証拠に、大きく育った脇芽を土に挿しておくだけでも、乾燥に耐えながら根を張るほどです。この特性を生かし、適度な水分ストレスを与えることで、果実の中に糖分を凝縮させ、甘さを最大限に引き出すことが可能です。
水不足による実割れのリスクと調整
水分を控える栽培は甘さを増すために有効ですが、極端な水不足は別の問題を引き起こす可能性があります。特に、梅雨明けや長雨の後、急に晴天が続くような場合、水分が不足した状態から大量の雨や水を与えると、果実が急激に水分を吸収し、皮の成長が追いつかずに「裂果」と呼ばれる実割れを起こしやすくなります。裂果は収穫前の果実を傷つけ、品質を低下させる原因となります。したがって、甘さを追求しつつ、実割れのリスクを避けるためには、水分管理のバランスが非常に重要です。土の状態を常に確認し、極端な乾燥と急激な水分供給を避けることで、甘くて美しいミニトマトを育てることができます。
光合成を活発にし栄養を集中させる
ミニトマトの甘さを引き出すもう一つの重要な要素は、葉による光合成の促進です。光合成とは、植物の葉が太陽の光エネルギーを使って、空気中の二酸化炭素と根から吸収した水から、デンプンなどの栄養を作り出す活動のことです。この光合成によって作られた糖分が果実に蓄積されることで、ミニトマトは甘くなります。
葉の役割:光合成と甘さの密接な関係
ミニトマトの甘さを引き出すためには、元気な葉をたくさん茂らせることが重要です。なぜなら、葉は光合成を行うための器官であり、光合成によって作られた糖分が実の甘さにつながるからです。もし、水やりなどの管理をしっかり行っているのに、ミニトマトがあまり甘くならないと感じたら、葉の状態をチェックしてみましょう。葉が十分に茂っていない、または活力がなく光合成が十分に行われていない可能性があります。葉はミニトマトにとって、糖分を生産する「工場」なのです。
光合成を促進!葉の状態をチェック
もし葉が少ない、または元気がない場合は、これまで摘んでいた「わき芽」を伸ばしてみるのも一つの方法です。わき芽を伸ばすことで、光合成を行う葉の面積が増え、より多くの養分が生成され、結果として実が甘くなります。ただし、葉を増やしすぎると風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすくなるため、バランスが大切です。
健全な光合成のためには、葉の状態を常に良好に保つことが重要です。病気になった葉や、黄色く変色して光合成能力が低下した葉は、株全体の養分を浪費するだけでなく、病気の原因にもなりかねません。見つけたらすぐに取り除くようにしましょう。健康な葉を残し、適切な管理をすることで、光合成が活発になり、甘い実へとつながります。
追肥と日光:甘さを左右する要素
植物が光合成を行うには、土壌からの栄養補給も必要です。ミニトマトの場合は、植え付け時に肥料を与えた後も、実がつき始めたら定期的に追肥(2週間に1回程度)を行い、株の生育をサポートしましょう。特に、リン酸やカリウムは実の甘みや風味を向上させる効果があると言われています。
また、ミニトマトは日光を好む植物です。日照不足になると光合成が十分に行われず、生育が悪くなり、実の甘みも減少します。プランター栽培の場合は、日当たりの良い場所に移動させ、できるだけ長く日光に当てるようにしましょう。畑で栽培する場合も、周囲の建物や植物の影にならない、日当たりの良い場所を選ぶことが大切です。
品種選びも重要なポイント
ミニトマトの甘さは、栽培方法だけでなく品種によっても大きく左右されます。現在では数多くの品種が存在し、それぞれ糖度、食感、風味に特徴があります。甘いミニトマトを育てるためには、品種選びも重要な要素の一つです。
昔ながらの風味も良いですが、近年ではフルーツのように甘い高糖度品種が人気を集めています。「アイコ」や「千果」は、糖度が高く安定した収穫量で知られています。これらの品種は、栽培環境が多少悪くても甘い実をつけやすい傾向があります。種苗店やホームセンターで苗を選ぶ際は、パッケージに記載されている糖度や品種の説明を参考に、好みの甘さの品種を選びましょう。品種の特性を理解し、栽培環境と組み合わせることで、さらに甘くて美味しいミニトマトの収穫が期待できます。
ミニトマトの収穫:タイミングと色を見極める
愛情を込めて育てたミニトマト、最高の味で味わいたいですよね。そのためには、収穫のタイミングが非常に重要です。適切な時期に収穫することで、ミニトマト本来の美味しさを引き出すだけでなく、株への負担を減らし、今後の生育にも良い影響を与えます。ここでは、収穫時期の見極め方と、美味しく収穫するためのポイントを詳しく解説します。
収穫時期を見極める3つのポイント
ミニトマトの収穫時期を見極めるには、色、形、そして触った感触の3つが重要です。これらのポイントを総合的に判断することで、最適な収穫タイミングを見つけることができます。焦らずじっくりと観察し、最高の状態のミニトマトを収穫しましょう。
色:鮮やかな赤色への変化
ミニトマトの色の変化は、収穫時期を知る上で最も分かりやすい指標の一つです。未熟な状態の緑色から、徐々に黄色、オレンジ色へと変化し、最終的には鮮やかな赤色になります。全体が均一に赤く染まり、色ムラがなくなった状態が収穫のサインです。品種によっては、赤色だけでなく、黄色やオレンジ色のミニトマトもありますので、それぞれの品種特有の色づき方を事前に確認しておきましょう。また、日光がよく当たる部分から色づき始めるため、日陰になっている部分の色も確認することが大切です。
形:ふっくらとした丸みとハリ
ミニトマトは、十分に熟すと果実がふっくらと丸みを帯びてきます。未熟な状態では、果実が硬く、表面に張りがないことが多いですが、完熟に近づくにつれて、果皮にピンとハリが出てきます。指で軽く触れた時に、硬すぎず、柔らかすぎない、適度な弾力を感じるのが理想的です。ただし、触りすぎると実を傷つけてしまう可能性があるため、優しく触れるようにしましょう。また、雨が続いた後は、水分を多く含んで実が割れやすくなるため、注意が必要です。
触感:指先で感じるわずかな柔らかさ
ミニトマトを指で軽く触れた時の感触も、収穫時期を判断する上で重要な要素となります。完熟したミニトマトは、未熟なものに比べてわずかに柔らかさを感じます。ただし、強く押しすぎると実を傷つけてしまうため、ごく優しくに触れるようにしてください。また、実の表面にベタつきが出てくるのも、完熟のサインの一つです。これは、果実内の糖分が増加し、表面に滲み出てくるためです。これらのサインを見逃さず、最適なタイミングで収穫しましょう。
効率的な房ごと収穫のコツ
ミニトマトが一房にたくさん実をつける場合、特にすべての実、またはほとんどが熟しているときは、房ごと収穫するのが効率的です。この場合もハサミを使用し、房の根元からまとめて切り取ります。この方法なら、収穫時間を短縮できるため、収穫量が多いときや時間がないときに役立ちます。ただし、まだ青い実が混ざっている房を無理に房ごと収穫すると、未熟な実まで収穫してしまいます。そのため、房全体をよく見て、それぞれの実の熟し具合を確認してから判断しましょう。青い実がいくつか残っている場合は、その実だけを残して房を切り取るか、一つずつ手で摘み取るなどの工夫が必要です。
収穫適期を過ぎた場合のリスク
ミニトマトは熟したてが一番美味しいですが、収穫時期を逃すと、いくつか問題が起こる可能性があります。特に気をつけたいのが、実が裂けてしまう「裂果」です。すでに述べたように、これは急な水分量の変化によって起こりやすい現象ですが、実が熟しすぎて皮が薄くなった状態でも起こりやすくなります。収穫が遅れると、実が株についている時間が長くなり、皮が硬くなったり、反対に柔らかくなりすぎて破れやすくなることがあります。また、熟した実は鳥や虫にも狙われやすくなるため、食害にあうリスクも高まります。最高の状態でミニトマトを味わうためには、完熟のサインを見つけたら、できるだけ早く収穫するようにしましょう。
収穫期のトラブルとその対策:害虫や実の傷み
愛情込めて育てたミニトマトも、収穫期には色々なトラブルに見舞われることがあります。特に実を傷つけたり、食べられなくしたりする害虫や、生理現象によって起こる実の傷みは、家庭菜園での悩みの種です。ここでは、そのようなトラブルの原因と、その対策について解説します。
ミニトマトに穴をあける害虫「オオタバコガ・タバコガ」
収穫間近のミニトマトの実を、次々と穴をあけて食害していく困った害虫がいます。その主な原因は、「オオタバコガ」や「タバコガ」という蛾の幼虫です。これらの幼虫は、ミニトマトのヘタの近くから実に侵入することが多く、中を食い荒らしてしまいます。幼虫は実の中に隠れているため、発見が遅れることが多く、気づいたときには被害が広がっていることも珍しくありません。
一度穴をあけられた実は、商品価値がなくなるだけでなく、そこから細菌が入り込んで腐ってしまう可能性が高まります。被害を最小限に抑えるためには、定期的に株全体を観察し、実に小さな穴や幼虫のフン(黒い粒)を見つけたら、その実をすぐに取り除くことが大切です。また、幼虫が発生するのを防ぐために、ネットをかけるなどの物理的な対策や、初期段階での農薬散布も有効です。早期発見と早めの対策が、ミニトマトを守るための重要なポイントです。
実の傷や裂果への対処
ミニトマトに傷やひび割れが発生した場合、その原因は害虫だけではありません。見た目の問題だけでなく、品質にも影響が出ることがあります。
物理的な接触による傷
ミニトマトは成長するにつれて、支柱や他の部分と接触し、表面に傷がつくことがあります。表面にかさぶたのような跡がある場合、多くはこのケースです。表面的な傷であれば、基本的に食べても問題ありません。ただし、傷口から雑菌が入る可能性もあるため、注意深く観察し、早めに収穫して食べるようにしましょう。
梅雨明けに多い裂果とその原因
ミニトマトによく見られる深刻な問題が「裂果」です。梅雨明けや長雨の後によく発生し、実が赤くなる前に皮が割れてしまう状態を指します。主な原因は、土壌水分の急激な変化です。長雨で土が湿った後、急に晴れて乾燥すると、ミニトマトは大量の水を吸収します。その結果、実の内部が急激に膨張し、皮がそのスピードに耐えきれずに裂けてしまうのです。乾燥と多湿の繰り返しに加え、肥料の与えすぎや、品種の特性で皮が薄いことも原因となります。
傷や裂果があるミニトマトの食べ方と注意点
傷があったり、裂果してしまったミニトマトでも、基本的には食べられます。ただし、裂け目や深い傷から雑菌が入り込み、腐敗が進みやすい状態です。虫食いやカビ、異臭がある場合は絶対に食べないでください。傷や裂けた部分が乾燥している場合や、表面的な傷であれば、その部分を取り除いて食べることができます。しかし、味が落ちていたり、皮が硬くなっていることもあります。食べる前に状態をよく確認し、少しでも異常を感じたら食べるのをやめましょう。コンポストとして再利用するなど、適切に処分してください。早めの収穫や適切な水管理をすることで、裂果のリスクを減らすことができます。
収穫後の賢い活用と株の片付け
ミニトマトの収穫シーズンが終わると、残った実の有効活用や、育ててきた株の整理が必要になります。ここでは、まだ熟していない緑色のミニトマトを美味しく食べるためのヒントと、翌年の栽培に備えて、株を適切に処理する方法をご紹介します。
青いミニトマトを美味しく活用する追熟テクニック
ミニトマトを収穫していると、どうしてもまだ青くて完全に熟していない実がいくつか出てきます。特に、シーズン終盤や、台風などの天候不順が予想される場合、完全に熟す前に収穫せざるを得ない状況も出てくるでしょう。しかし、これらの青いミニトマトも、少し工夫することで美味しくいただくことができます。
青いトマトの生食と調理法
青いミニトマトは、完熟したトマトと比べて、食感が非常に硬く、独特の青臭さと強い酸味が特徴です。そのため、生のまま食べるのはあまりおすすめできません。しかし、この硬さや酸味を活かした調理方法であれば、美味しく食べられます。例えば、ピクルスにすれば、シャキシャキとした食感と爽やかな酸味が楽しめ、保存食としても便利です。また、炒め物や煮込み料理の材料として使うと、加熱によって青臭さが和らぎ、料理に奥深い風味を加えることができます。
ただし、まれに青いトマトには「トマチン」という天然の成分が含まれており、大量に摂取するとお腹の不調を感じることがあります。一般的に販売されているトマトの品種では問題になるほどの量ではありませんが、気になる場合は加熱調理をおすすめします。加熱することでトマチンは分解されます。
効果的な追熟方法
青いミニトマトを赤く熟させ、甘みを引き出す「追熟」も可能です。以下の方法を試して、収穫した青い実を無駄なく美味しく変身させましょう。
最も手軽な方法は、常温で保存することです。風通しの良い日陰で、ヘタを下にして、重ならないように並べて置くと、徐々に赤く色づいてきます。直射日光が当たる場所や、湿度が高い場所は避けてください。追熟の進み具合は、定期的にチェックしましょう。
追熟をより早く進めたい場合は、エチレンガスを放出する果物と一緒に置くのが効果的です。エチレンガスは、植物ホルモンの一種で、果物の成熟を促進する働きがあります。青いミニトマトを、バナナやリンゴなど、エチレンガスを多く発生させる果物と一緒にビニール袋に入れ、軽く口を閉じて常温で保管すると、より早く赤く熟します。この時も、袋の中が高温になりすぎないように、風通しの良い場所を選んでください。
また、湿らせた新聞紙で包む方法も有効です。青いミニトマトを一つずつ、軽く濡らした新聞紙で包み、風通しの良い場所に置きます。新聞紙の湿り具合を時々確認し、乾燥していたら霧吹きなどで水分を補給しながら追熟させましょう。適度な湿度を保つことで、実の乾燥を防ぎながら、ゆっくりと熟成が進みます。これらの方法を試すことで、青いミニトマトも完熟した甘いトマトへと変化させることができ、無駄なく美味しく楽しむことができます。
収穫後のミニトマトの株の処理と土の管理
ミニトマトは一年草であり、通常は一つの栽培シーズンで役割を終えます。収穫が全て完了し、実がならなくなったら、次の家庭菜園の準備として、株の整理に取り掛かりましょう。適切な後処理を行うことは、土壌を健康に保ち、翌年の病気や害虫のリスクを減らすことに繋がります。
株の片付け手順
ミニトマトの株は、通常、晩秋の寒さによって自然に枯れていきます。収穫可能な実がなくなったのを確認したら、整理を開始します。まず、株を支えていた支柱や、誘引に使用した紐などを丁寧に外します。茎が太く処分が難しい場合は、剪定ばさみやノコギリで扱いやすい長さに切断しておくと、後の作業がスムーズに進みます。
次に、株を根から引き抜きます。根が深く張っている場合は、スコップなどで株の周囲を掘り起こしながら引き抜くと良いでしょう。株を引き抜いた後は、畑やプランターに残った落ち葉や枯れ枝、雑草などを綺麗に取り除きます。これによって、病害虫が冬を越す場所をなくし、翌年の栽培環境を清潔に保つことが大切です。
土や植物残渣の適切な処分方法
ミニトマトの株や根、収穫後の残りは、一般的に可燃ごみとして処分できます。しかし、地域によっては生ごみとして扱われたり、特定の植物ごみとして分別する必要がある場合もありますので、必ずお住まいの地域の自治体の分別ルールを確認し、指示に従って適切に処分してください。
また、ミニトマトを栽培していた土壌は、連作障害を引き起こす可能性があるため、同じ場所に続けてナス科の野菜を植えることは避けるようにしましょう。連作障害とは、同じ種類の作物を同じ場所で栽培し続けることで、特定の病原菌や害虫が増加したり、土壌中の特定の栄養素が不足したりして、作物の生育が悪化する現象です。プランターの土を再利用したい場合は、天日消毒をしたり、土壌改良材(堆肥や腐葉土、石灰など)を混ぜて土壌環境を改善してから使用することを検討しましょう。土壌の健康を維持することは、持続可能な家庭菜園の基礎であり、毎年美味しいミニトマトを収穫するための重要なポイントです。
まとめ
ミニトマト栽培は、最適な収穫時期とタイミングを見極めることから始まり、甘みを最大限に引き出すための水やり調整や光合成の促進、そして適切な収穫方法と収穫後の手入れまで、様々な知識と丁寧な作業が求められます。ゴールデンウィーク頃の植え付けから6月後半の初収穫、7月から8月の本格的な収穫期にかけて、実の色付き具合、ヘタの反り返り具合、そして枝からの外れやすさを確認することで、最高の完熟ミニトマトを味わうことができます。
甘いミニトマトを育てるためには、土の表面が乾いてから水を与える「乾燥気味の栽培」と、健康な葉を維持して光合成を盛んにすることが重要です。わき芽を有効活用したり、定期的に肥料を与えたり、日当たりの良い場所で栽培することを心がけましょう。収穫する際には、手またはハサミを使って丁寧に実を傷つけないように注意し、オオタバコガなどの害虫や実割れに対する対策も忘れずに行いましょう。
もし、未熟な青い実を収穫してしまった場合でも、ピクルスにしたり、バナナやリンゴと一緒に追熟させることで美味しく食べることができます。また、収穫を終えた株は、お住まいの自治体のルールに従って適切に処分し、土壌の健康を維持することで、翌年も豊かな収穫に繋げることができます。この記事でご紹介した知識とノウハウを活用して、ぜひご自宅で感動的な甘さのミニトマト栽培を成功させてください。
まだ緑色のミニトマトは食べられますか?
はい、まだ緑色のミニトマトも食べることが可能です。しかし、完全に熟したミニトマトと比較すると、果肉が硬めで、青臭さや酸味が際立つため、そのまま食べることはあまりおすすめできません。緑色のミニトマトは、ピクルスや炒め物、煮込み料理など、加熱調理することで美味しくいただけます。また、エチレンガスを放出するリンゴやバナナと一緒に置いておくと、追熟が進み、赤くなるのを促すことができます。
収穫したミニトマトが甘くない原因は何ですか?どうすれば甘くなりますか?
ミニトマトの甘さが足りない主な原因として、「過剰な水やり」、「十分な光合成ができていない(日照不足)」、「品種選択」などが考えられます。水を与えすぎると、果実内の水分量が増加し、味が薄くなってしまいます。また、日照時間が不足すると、光合成が円滑に行われず、糖分の生成が抑制されます。対策としては、土壌が乾いてから水やりを行う「乾燥気味の栽培」を心がけ、一日を通して日光が当たる場所で栽培することが重要です。加えて、健康な葉を維持し、必要に応じてわき芽を伸ばして光合成を促進することも効果的です。さらに、元々糖度が高い品種を選ぶことも大切です。
熟したミニトマトの収穫が遅れるとどうなりますか?
熟したミニトマトの収穫が遅れると、実が割れてしまう「裂果」が発生しやすくなります。これは、果皮が薄くなった状態で、急激な水分量の変化が起こることが原因です。また、実が硬くなったり、逆に熟しすぎて柔らかくなりすぎたりする可能性もあります。さらに、鳥や害虫による食害を受けやすくなるため、完熟の兆候を見つけたら、できるだけ早く収穫することが望ましいです。
収穫する前に傷や穴を見つけたミニトマトは食べても大丈夫ですか?
傷や穴があるミニトマトでも、状態によっては食べることができます。例えば、支柱に擦れたことによる表面的な傷は、内部の品質に影響がない場合は問題ありません。また、裂果したミニトマトも、味が多少落ちたり、皮が硬くなることがありますが、基本的には食べられます。ただし、虫が付着していたり、裂け目から細菌が侵入して腐敗している可能性もあるため、食べる前に必ず状態をしっかりと確認し、異臭がしたり、カビが生えていたりするものは避けるようにしてください。
ミニトマトの収穫後の株の適切な処理方法
ミニトマトは一年草として扱われるため、収穫期間を終えると自然と枯れていきます。最終的な収穫を終えたら、支えとして使用していた支柱や誘引に使っていた紐などを取り外し、株を根から丁寧に引き抜いて整理しましょう。茎が太く、処分しにくい場合は、扱いやすいサイズにカットしてください。土や植物の残りの部分の廃棄方法は、お住まいの地域の自治体の指示に従ってください。さらに、連作障害のリスクを減らすために、同じ土壌や場所に続けてナス科の植物を植えることは避け、土壌改良を実施することを推奨します。













