もうチーズを無駄にしない!種類別の冷凍保存術とパラパラ活用レシピ
「ちょっとだけ残っちゃったチーズ、どうしよう…」そんな経験、ありませんか?冷蔵庫で乾燥させてしまったり、カビを生やして泣く泣く処分したり。でも、もう大丈夫!実はチーズは種類に合わせて適切に冷凍することで、グッと長持ちさせることができるんです。この記事では、チーズを無駄にしないための冷凍保存術を徹底解説。保存方法だけでなく、冷凍したチーズを美味しく活用できる、とっておきの簡単レシピもご紹介します。もうチーズを腐らせてしまう心配はご無用!賢く冷凍保存して、チーズのある豊かな食生活を楽しみましょう。

チーズは冷凍できます!開封後のチーズは冷凍で1ヵ月以上の長期保存も可能

開封後のチーズは、冷蔵保存では乾燥しやすく、すぐに品質が低下してカビが生えることもあります。しかし、開封済みのチーズには「冷凍」が有効です。本来、開封後のチーズは賞味期限にかかわらず早めに消費するのが理想ですが、冷蔵保存では数日から数週間が限界です。適切な方法で冷凍すれば、一般的に約1ヶ月程度の長期保存が可能です。ハードチーズは冷凍に強く、最長で3〜6ヶ月保存可能とする情報もありますが、家庭用冷凍庫の環境や風味の維持を考慮すると、1ヶ月を目安に、長くとも3ヶ月以内に使い切るのがおすすめです。冷凍したチーズは、大幅に味が落ちてしまう前、6~9カ月以内に消費するのが理想的です。ただし、冷凍・解凍したチーズは風味や食感が変化しやすいため、加熱調理での使用をおすすめします。未開封のチーズは冷蔵(または常温)保存が推奨され、種類によっては数ヶ月保存できるものもありますので、パッケージの賞味期限を確認してください。この記事では、料理研究家&フードコーディネーターの吉田瑞子氏監修のもと、チーズの種類別の最適な冷凍・解凍方法と活用法を詳しく解説します。吉田瑞子(よしだ みずこ)は料理研究家&フードコーディネーター。おもちゃメーカーの企画部から料理家に転身し、家庭料理やレシピ開発で活動しています。 (出典: 宝島社 書籍『伝説の家呑みつまみ』著者プロフィール, URL: https://tkj.jp/book/?cd=12490201, 2022-08-26)

冷凍保存に適さないチーズの種類とその理由

食中毒予防には食品の適切な保存が重要であり、チーズも例外ではありません。多くのチーズは冷凍できますが、すべての種類に適しているわけではありません。特に、水分を多く含む柔らかいフレッシュチーズは冷凍には不向きです。リコッタチーズ、カッテージチーズ、マスカルポーネなどのフレッシュチーズは水分が多いため、冷凍すると組織が壊れ、解凍時に水分が分離して食感が悪くなります。滑らかな食感や風味が損なわれるため、美味しさが半減する可能性があります。これらのチーズは冷凍を避けるべきです。もし判断に迷う場合は、チーズ専門店や経験者に相談し、冷凍保存の経験や結果を聞いてみることをおすすめします。調理に適しているか、解凍後にそのまま食べられるかなどの判断材料を得ることができます。

チーズを冷凍保存するコツ:種類別の注意点と保存期間

適切な冷凍保存により、チーズの種類によっては風味や品質を比較的損なわずに長期間保存できます。特に、パルミジャーノ、チェダー、エメンタールなどのハードチーズは、正しい方法で保存すれば最大6ヶ月間保存可能です。ただし、家庭用冷凍庫では、一般的に「3ヶ月が限度」とされ、風味を最大限に楽しむには「1ヶ月以内」に食べきるのが理想的です。冷凍前には、適切なパッケージと包装が重要です。チーズを空気に触れさせないように、アルミホイルやラップでしっかりと包み、さらに冷凍用保存袋(ジッパー付きの保存袋など)に入れることをおすすめします。フリーザーバッグ内の空気をできるだけ抜き、口をしっかり閉じることで、冷凍焼けや乾燥を防ぎ、解凍後の品質劣化を防ぎます。保存状態が悪いと霜が付くなどの品質劣化が見られることもあるため、密閉作業は重要です。ハードチーズは、使いやすい量にカットしたり、すりおろしたりしてから保存すると便利です。必要な時に必要な分だけすぐに取り出して使えるため、解凍も容易になります。これらの方法を実践することで、多くのチーズは約1ヶ月、ハードチーズはそれ以上の期間、美味しさを保ちながら冷凍保存できます。

ピザ用チーズの冷凍:パラパラ保存で少量ずつ使える

ピザ用チーズは一度に使い切れず、冷蔵保存するとカビが生えやすい食材です。「使いきれずカビが生えて困っていた」という経験を持つ人も多いでしょう。しかし、購入後すぐに冷凍用保存袋に入れ替えて冷凍保存することで、カビの心配を減らし、パラパラのまま少量ずつ使えるようになります。具体的な方法としては、ピザ用チーズをそのまま冷凍用保存袋(ジップロックなど)に入れます。袋の空気を抜き、口をしっかり閉じて冷凍庫で保存します。チーズを薄く平らに入れることで、均一に冷凍され、使いやすくなります。冷凍庫に入れて1時間ほどしたら一度取り出し、袋ごとよく振るか軽くもみほぐすと、チーズがパラパラの状態になり、使う際に固まるのを防ぐことができます。この「パラパラにするために一度袋をよく振る」という工程が、冷凍チーズをより使いやすくするコツです。このように冷凍したピザ用チーズの保存期間は、冷凍庫で1ヶ月程度が目安です。解凍する際は、凍ったまま加熱調理に使用してください。例えば、凍ったまま食パンやグラタンにのせてオーブントースターで加熱するほか、オムレツやチーズタッカルビに加えても美味しくいただけます。

粉チーズの冷凍:風味をキープする保存方法

粉チーズは長期保存できるイメージがありますが、開封後は湿気や雑菌の影響を受けやすく、カビが発生しやすい食品です。そのため、本来は早めに使い切るのが理想的です。しかし、冷凍保存を上手に活用することで、カビの発生を抑え、より長くおいしく保存することが可能です。冷凍する際は、使用する量ごとに小分けするのがポイントです。例えば、パスタやリゾットに使う量をラップで丁寧に包み、さらに冷凍保存用の袋に入れて冷凍庫へ。約1ヶ月を目安に保存できます。使用する際は、凍ったまま加熱調理するのがおすすめです。もし固まっている場合は、軽くほぐしてから使用してください。パスタやリゾットの仕上げはもちろん、スープやシチューにコクを出すのにも最適です。

スライスチーズの冷凍:個包装の活用と保存の注意点

スライスチーズは、冷蔵保存では開封後に空気に触れるとカビが生えやすい食品です。冷凍保存を活用することで、カビの発生を防ぎ、乾燥も防ぎながら長期保存が可能になります。冷凍する前に、チーズに水分が出ていないか確認しましょう。水分が多いと解凍後の食感が損なわれる可能性があります。個包装されたスライスチーズは、そのまま冷凍用保存袋に入れて冷凍してください。個包装が乾燥から守り、品質を保ちます。カットされたスライスチーズや個包装されていないものは、1枚ずつクッキングシートやラップで包み、チーズ同士がくっつかないように工夫しましょう。重ねてフリーザーバッグに入れ、空気を抜いて冷凍庫へ。保存期間は約1ヶ月を目安にしましょう。解凍せずに、凍ったまま加熱調理するのがおすすめです。ラクレットチーズやフォンデュチーズなど、加熱して食べるチーズは冷凍保存に特に適しています。チーズトーストやハンバーグのトッピング、チーズカツなど、様々な料理に活用できます。

プロセスチーズの冷凍:カットして保存、手軽に使える

プロセスチーズは、特に個包装タイプは冷蔵保存でも比較的長持ちしますが、冷凍することでさらに保存期間を延ばし、乾燥やカビの発生を抑えることができます。冷凍する際は、使いやすい大きさにカットしておくと便利です。カットしたチーズは、1切れずつラップでしっかりと包み、空気に触れる面積を減らします。ラップで包んだチーズをまとめて冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍庫へ。約1ヶ月保存可能です。凍ったまま加熱調理して使用するのが基本です。餃子や春巻きの具材として、また、オムレツやコロッケに加えるなど、手軽に風味豊かな料理が楽しめます。

クリームチーズの冷凍:小分け保存でお菓子作りにも

クリームチーズは、開封後に冷蔵保存するとカビが生えやすいデリケートなチーズです。冷凍保存することで、この問題を解決し、長期間品質を保つことができます。冷凍する際は、1回に使う分量ずつ小分けにすることが重要です。例えば、30gや50gなど、使いやすい量に分けておくと便利です。小分けにしたクリームチーズは、それぞれラップでしっかりと包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。約1ヶ月保存可能です。基本的には凍ったまま加熱調理して使いますが、お菓子作りに使う場合は、冷蔵庫でゆっくり解凍してください。30gあたり3〜4時間程度が目安です。煮込み料理やパスタソースに凍ったまま加えたり、解凍後にチーズケーキやクッキーの材料として活用したりできます。

モッツァレラチーズの冷凍:水気を切っておいしさキープ

モッツァレラチーズ、特に生タイプは水分が多く、開封後は傷みやすいのが難点です。しかし、適切な冷凍方法を用いれば、おいしさを長く保ち、使い切れなかった分も無駄なく保存できます。冷凍する際は、キッチンペーパーなどで丁寧に水分を取り除くことが大切です。水分が残っていると、冷凍時に氷の結晶ができ、食感を損ねる原因になります。次に、用途に合わせた大きさにカットしましょう。ピザにはスライス、サラダには角切りなど、使いやすいように調整します。カットしたチーズは、一つずつラップで包み、空気に触れる部分をできるだけ少なくします。その後、冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて袋を閉じ、冷凍庫で保存します。この方法で、約1ヶ月間はおいしさを保てます。使うときは、解凍せずにそのまま加熱調理するのがおすすめです。ピザやグラタンに凍ったまま乗せて焼いたり、オムレツの具材として加えたり、様々な料理に手軽に使えます。

カマンベールチーズの冷凍:カット後の乾燥を防ぐ保存法

カマンベールチーズなどの白カビチーズは、カットすると切り口から乾燥が進み、風味や食感が損なわれがちです。冷凍保存することで、乾燥を防ぎ、より長くおいしさを楽しめます。冷凍する際は、まず使いやすい大きさにカットします。1/4や1/8など、一度に使う量を考えてカットすると便利です。カットしたチーズは、一つずつラップで丁寧に包み、表面が空気に触れないようにしっかり密閉します。ラップで包んだチーズを冷凍用保存袋に入れ、中の空気をできるだけ抜いて口を閉じ、冷凍庫で保存します。この方法で、約1ヶ月間の保存が可能です。解凍せずに加熱調理するのが基本です。凍ったままチーズフォンデュに加えたり、フライにして加熱したりするのも良いでしょう。ハンバーグの具材として包んで焼けば、とろけるチーズの味わいが楽しめます。

ブルーチーズの冷凍:風味を保つための保存テクニック

ブルーチーズは、他のチーズに比べて賞味期限が短い傾向がありますが、冷凍保存で長持ちさせることができます。また、乾燥を防ぐ効果も期待できます。独特の風味を損なわずに保存できるので、少しずつ使いたい場合に便利です。冷凍する際は、使いやすい大きさにカットします。料理のトッピングには小さな塊、パスタには薄切りなど、用途に合わせて調整します。カットしたチーズは、一つずつラップでしっかりと包み、空気に触れないように密閉します。ラップで包んだチーズを冷凍用保存袋に入れ、空気を抜いて口を閉じ、冷凍庫で保存します。冷凍庫で約1ヶ月間保存可能です。解凍せずに加熱調理するのが一般的ですが、チーズケーキなど、なめらかな状態が必要な場合は、冷蔵庫で解凍するのがおすすめです。30gあたり2〜3時間程度で解凍できます。その後、加熱調理して使用してください。凍ったままパスタやグラタンに加えたり、冷蔵庫で解凍してからチーズケーキの材料にしたりと、様々な使い方ができます。

まとめ

チーズは、適切に冷凍保存することで、開封後の品質劣化やカビの発生を抑え、約1ヶ月、種類によってはそれ以上の期間、おいしく保存できます。使いきれないピザ用チーズや、カビが生えやすいクリームチーズも、ご紹介した方法で無駄なく活用できます。ただし、リコッタチーズなど、水分が多いフレッシュチーズは冷凍に向きません。食感や風味が損なわれる可能性があるため、注意が必要です。冷凍したチーズは、風味や食感が変化するため、加熱調理に向いています。凍ったまま料理に使える手軽さも魅力です。ハードタイプのチーズは最長6ヶ月、スライスチーズは最大3ヶ月保存できるなど、種類や方法で保存期間が異なります。この記事を参考に、お好みのチーズを上手に保存し、食卓で楽しんでください。

チーズはどんな種類でも冷凍可能ですか?

いいえ、チーズには冷凍に向かない種類も存在します。特に、リコッタ、カッテージ、マスカルポーネといった水分を多く含むフレッシュチーズは、冷凍すると水分が分離してしまい、食感が損なわれやすいため、冷凍保存は推奨できません。しかし、ハードチーズやピザ用チーズ、スライスチーズなど、多くのチーズは冷凍保存に適しています。

冷凍したチーズの保存期間は?

適切な方法で冷凍保存すれば、大抵のチーズは約1ヶ月間は冷凍庫で保存できます。ただし、ご家庭の冷凍庫では、専門的な設備に比べて品質を維持できる期間に限りがあります。一般的には3ヶ月以内を目安とし、風味や美味しさを最大限に楽しむためには、1ヶ月以内に消費するのがおすすめです。実際に3ヶ月間冷凍したチーズをグラタンに使用した例では、問題なく溶けて食べることができましたが、保存状態によっては霜が付くなど品質が劣化する可能性もあります。特に、パルミジャーノ・レッジャーノやチェダーチーズのような硬質なチーズは、適切な保存方法であれば最長6ヶ月、圧搾されたスライスチーズであれば最長3ヶ月まで保存可能な場合もあります。未開封のチーズは、パッケージに記載されている賞味期限を参考に、冷蔵(または常温)での保存が推奨されることもあります。

冷凍したチーズの解凍方法について

基本的に、冷凍したチーズは解凍せずに、凍ったまま加熱調理に使用することをおすすめします。ピザ、グラタン、オムレツ、パスタソースなどに、凍った状態で加えて調理してください。もし、クリームチーズやブルーチーズをスイーツ作りに使用するなど、滑らかな状態が必要な場合は、冷蔵庫で時間をかけて解凍(30gあたり2〜4時間程度)してから使用してください。

冷凍後のチーズは生で食べても大丈夫?

一度冷凍して解凍したチーズは、風味や食感が変化してしまうため、加熱調理して食べることを強く推奨します。生で食べることはあまりおすすめできませんが、完全に解凍し、風味の変化が気にならない場合は例外的に食べられることもあります。

ピザ用チーズをサラサラに冷凍保存する秘訣は?

はい、あります。ピザ用チーズを冷凍保存する際は、保存袋に入れて薄く広げ、冷凍庫で約1時間冷やします。その後、袋の上から軽く揉んだり、よく振ったりすると、チーズがバラバラになり、固まりを防いで必要な分だけ取り出しやすくなります。

賞味期限が過ぎたチーズを冷凍すれば問題なく食べられますか?

賞味期限は、食品が最も美味しく食べられる期間を示すものです。期限を過ぎたからといって直ちに食べられなくなるわけではありませんが、品質が保証される期間ではありません。特にチーズは、賞味期限切れ後に冷凍したり、長期間冷凍保存したりした場合の安全性には注意が必要です。賞味期限間近のチーズを冷凍した場合、適切に冷凍されていれば、冷凍後1ヶ月(最大3ヶ月以内)を目安に加熱調理して消費してください。しかし、賞味期限を大幅に過ぎたもの(半年以上経過など)や、冷凍前にカビ、異臭、変色などの劣化が見られる場合は、食中毒のリスクがあるため、加熱しても食べないでください。見た目や匂いで判断しづらい細菌が繁殖している可能性があるため、廃棄が推奨されます。購入後すぐに冷凍した場合でも、冷凍庫での保存は1ヶ月程度を目安にしましょう。

開封前のチーズにカビが生えていたら、食べても大丈夫ですか?

未開封のチーズでも、保存状況によってはカビが発生することがあります。特に、ピザ用チーズのように細かくカットされたものや、水分が多いチーズは、一部分にカビが見られる場合、目に見えない菌糸が内部に広がっている可能性が高いです。賞味期限内であっても、カビが生えたチーズは食中毒のリスクがあるため、安全のためには食べずに廃棄してください。ハードタイプのチーズであれば、カビ部分を大きく切り落とせば食べられるという考え方もありますが、細かくカットされたチーズや柔らかいチーズでは判断が難しく、リスクが高まります。


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