食卓に彩りを添えるピーマンは、独特の苦味がアクセント。ピーマンの肉詰めや炒め物など、様々な料理で活躍しますよね。実はピーマンは、ビタミンCだけではない、驚くほどの栄養価を秘めているんです。この記事では、管理栄養士の視点から、ピーマンに含まれる栄養成分を徹底的に解説。免疫力アップや美容効果、疲労回復など、知っておきたい健康効果を詳しくご紹介します。さらに、色による栄養の違いや、栄養を逃さない調理法、保存方法まで、ピーマンを最大限に活用するための情報が満載です。今日からあなたも、ピーマンを賢く食生活に取り入れてみませんか?
ピーマンとは?特徴と歴史
ピーマンは、パプリカやししとうと同じナス科トウガラシ属の野菜です。原産地は中南米で、コロンブスがヨーロッパに持ち帰り、品種改良を重ねて現在の形になったと言われています。一般的に見かける緑色のピーマンは、実は完熟する前の状態です。この未熟な状態で収穫されることが、独特の苦みとシャキシャキとした食感を生み出しています。完熟すると赤色になり、甘みが増し、ビタミンCやカロテンなどの栄養素も増加します。日本では茨城県、宮崎県、高知県などが主な産地で、春から夏にかけて多く出荷されますが、ハウス栽培も盛んなため、一年を通して安定して手に入れることができます。

ピーマンは栄養が少ない?栄養価の真実
「ピーマンは栄養がない」という意見を聞くことがありますが、それは誤解です。他の緑黄色野菜と比べて、ビタミンCなどの栄養素の含有量が少ないと思われがちですが、ピーマンは抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンE、体内でビタミンAに変わるβ-カロテン、食物繊維など、健康維持に必要な栄養素をバランス良く含んでいます。ピーマンは100gあたり約20kcalと低カロリーで、可食部の90%以上が水分ですが、様々な栄養素を豊富に含んでいます。ピーマン1個(可食部約26g)あたりのカロリーは5kcalで、炭水化物1.33g(うち糖質0.73g)、たんぱく質0.23g、脂質0.05gが含まれており、特にビタミンCとビタミンKが豊富です。また、80kcalあたりだとピーマン約400gが目安量となります。ビタミンCや食物繊維が多く、鉄分やβ-カロテンもバランス良く摂取できるため、積極的に食事に取り入れたい野菜です。他の野菜と比較してもピーマンのカロリーは高くありません。 ※食品成分含有量を四捨五入し含有量が0になった場合、含まれていないものとし表示していません。 ※一食あたりの目安は18歳~29歳の平常時女性51kg、一日の想定カロリー1800kcalのデータから算出しています。 ※流通・保存・調理過程におけるビタミン・ミネラル・水分量の増減については考慮していません。 ※計算の過程で数kcalの誤差が生じる可能性があります。
ピーマンの主な栄養素とそれぞれの効能
一般的な緑色のピーマンは、熟す前に収穫されるため、鮮やかな緑色をしています。ここでは、緑ピーマンに含まれる主な栄養素について詳しく解説します。
ビタミンC
青ピーマンは、ビタミンCを豊富に含むことで知られる野菜です。日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、レモン果汁100gあたりのビタミンC含有量は50mgであるため、ピーマンはレモン果汁と比較して豊富なビタミンCを含んでいます。(出典: 日本食品標準成分表2020年版(八訂), URL: https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=01547, 2020-12-25)。同じナス科の野菜であるトマトと比較すると、その含有量は5倍以上です。ビタミンCは、人体にとって必要不可欠な水溶性ビタミンの一つであり、強力な抗酸化作用を持つ栄養素として知られています。この抗酸化作用によって、活性酸素の発生を抑制し、健康維持に役立つと考えられています。また、皮膚や腱、軟骨などを構成するコラーゲンの生成にも不可欠な役割を果たし、肌の健康を維持し、シミやくすみを予防する効果があるため、美容に関心のある方には積極的に摂取していただきたい栄養素です。さらに、消化管での鉄分の吸収を促進する働きもあります。一般的に、水溶性ビタミンは水にさらしたり、加熱したりすることで栄養素が失われやすい傾向にありますが、ピーマンに含まれるビタミンCは、その組織構造がしっかりしているため、加熱による影響を受けにくいという特徴があります。そのため、炒め物や煮込み料理など、加熱調理をしても効率的にビタミンCを摂取できます。ビタミンCの1日の推奨摂取量は、18~64歳の成人男女ともに100mgとされています[25]。ビタミンCが不足すると、倦怠感や疲労感、気力低下などを引き起こすことがあります。さらに不足が進むと、壊血病を発症し、歯肉や皮下からの出血、貧血、筋肉の減少、心臓障害、呼吸困難などの症状が現れることがあります。また、コラーゲン不足により血管がもろくなり、出血しやすくなるとも言われています。日々の食事にピーマンを取り入れることで、ビタミンCを手軽に摂取できます。

β-カロテン(体内でビタミンAに変換)
青ピーマンは、β-カロテンを豊富に含む代表的な緑黄色野菜の一つです。緑黄色野菜は、「可食部100gあたりのカロテン含有量が600μg以上」と定義されていますが、ピーマンは摂取量や頻度が考慮され、栄養指導上は緑黄色野菜として扱われる例外的な野菜です。同じように扱われるアスパラガスと比較しても、ピーマンのカロテン含有量は約1.1倍と優れています。β-カロテンは脂溶性ビタミンの一種で、摂取すると体内で抗酸化作用を持つビタミンAに変換されます。ピーマン100gあたりのビタミンA含有量は、レチノール活性当量で33μgです[4]。ビタミンAの主要成分であるレチノールには、体の抵抗力を高める効果があり、目の機能を正常に保ち、皮膚や粘膜の健康を維持するのに役立ちます。さらに、皮膚のターンオーバー(細胞の生まれ変わり)を促進する働きも報告されており、肌の健康維持に欠かせない栄養素と言えるでしょう。脂溶性であるため、油と一緒に摂取することで吸収率が高まります。食事摂取基準では、ビタミンAの1日の推奨摂取量は、18~64歳の成人男性で850~900μgRAE、18~64歳の成人女性で650~700μgRAEとされています[5]。ビタミンAが不足すると、夜盲症や皮膚、粘膜の乾燥などを引き起こす可能性があります。2019年の国民健康・栄養調査では、日本人のビタミンAの摂取量は大幅に少ないことが明らかにされています。男性の摂取量の平均は552μgRAE/日、女性は518μgRAE/日です。必要量は、成人男性で850~900μgRAE/日、成人女性で650~700μgRAE/日ですから、男女ともかなり不足していることが分かります。(出典: 2019年 国民健康・栄養調査(厚生労働省), URL: https://stellamate-clinic.org/blog/iryounews/13977/, 2025-04-10)
カリウム
青ピーマンに含まれるカリウムは、きゅうりと同程度の量を含んでおり、ピーマン100gあたり190mgのカリウムが含まれています[26]。カリウムは、人体にとって不可欠な「必須ミネラル」の一つであり、細胞内外の水分やイオンのバランスを調整し、体内のpHバランスを適切に保つ重要な役割を担っています。また、細胞内の浸透圧を一定に保つほか、神経の興奮や筋肉の収縮などにも関与しています。この働きにより、細胞の浸透圧を正常に保ち、むくみや脱水、電解質バランスの乱れなどを起こりにくくする効果が期待できます。特に、体内の過剰なナトリウムを排出しやすくする働きがあり、これによって血圧を下げる効果や、高血圧の重症化を防ぐ効果も期待されています。カリウムの1日の目標摂取量は、成人男性で3,000mg以上、女性で2,600mg以上とされています。高血圧予防のためには、WHO(世界保健機関)が定める摂取目標量は成人で3,510mg以上です。また、日本高血圧学会では、高血圧患者に対するカリウム摂取目標量を2,500mg以上、日本人の摂取目標量を男女ともに3,000mg以上と設定しており、生活習慣病予防に必要な量として、男女ともに600mg以上とされています[27]。ピーマンに含まれるカリウムには、血圧をコントロールする効果が期待できるため、積極的に摂取したい栄養素です。カリウムが不足すると、脱力感や食欲不振、筋力低下、筋無力症、精神障害、不整脈などの症状が現れることがあるため、ピーマンなどの野菜やイモ類など、カリウムを多く含む食品を意識的に摂取することが健康維持には不可欠です。
食物繊維
青ピーマンに含まれる食物繊維は、セロリの約1.5倍と豊富で、ピーマン100gあたり2.3gの食物繊維が含まれています[2]。食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があり、ピーマンにはどちらもバランスよく含まれています。食物繊維は、小腸ではほとんど消化吸収されずに大腸まで到達するという特徴を持つ栄養素です。大腸に到達した不溶性食物繊維は、便のかさを増やすとともに、腸のぜん動運動を促進し、便秘解消に役立つ効果が期待できます。さらに、腸内の善玉菌のエサにもなるため、善玉菌を増やし、腸内環境をより良好に保つ効果も期待できます。一方、水溶性食物繊維は、脂質や糖、ナトリウムを吸着し、体外へ排出する働きによって、食後の血糖値の急激な上昇を抑えたり、血中のコレステロール濃度を低下させたりする効果が報告されており、肌荒れの予防・改善効果も期待できます。食物繊維は肉や魚介類にはほとんど含まれないため、ピーマンのような野菜をはじめとする植物性の食品から積極的に摂取する必要があります。1日の目標摂取量は、18~64歳の成人男性で21g以上、18~64歳の成人女性で18g以上とされていますが、近年、多くの日本人が食物繊維不足であると言われています[3]。そのため、ピーマンを毎日の食事に取り入れることは、現代の食生活において特に推奨される栄養摂取方法の一つです。
ビタミンE
緑ピーマンに豊富に含まれるビタミンE(α-トコフェロール)は、他の野菜と比較しても多く、ピーマン100gあたり0.8mg含有されています[6]。ビタミンEは、α-トコフェロールをはじめとする複数の化合物からなる脂溶性ビタミンで、特にα-トコフェロールが摂取量の基準となります。ビタミンEは、ビタミンCやβ-カロテンと同様に、優れた抗酸化作用を持ち、体内の脂質が酸化するのを守り、細胞の健康維持に貢献します。また、動脈硬化の予防や悪玉コレステロールの低減といった、年齢とともに現れやすい症状の緩和にも役立ちます。1日に必要なビタミンEの摂取目安量は、18歳から64歳の成人男性で6.0~7.0mg、同じ年齢の女性で5.0~6.5mgとされています[7]。ビタミンEの欠乏は神経や筋肉に影響を及ぼす可能性がありますが、実際には稀です。脂溶性であるため、油を使った料理、例えば炒め物や揚げ物などで摂取すると、より効率的に体内に吸収されます。
ビタミンK
ピーマンはビタミンKも豊富に含んでいます。ピーマン100gあたり、ビタミンKは20μg含まれています[8]。ビタミンKは、血液を凝固させて止血する作用や、丈夫な骨の形成、動脈の石灰化を抑制する働きに関わっています。1日に必要なビタミンKの摂取目安量は、18歳から64歳の成人男女ともに150μgとされています[9]。骨や血管の健康を維持するために、日々の食生活にピーマンを取り入れて、手軽にビタミンKを摂取しましょう。
ビタミンB1
ピーマンには、ビタミンB1も多く含まれています。ピーマン100gあたりのビタミンB1含有量は0.03mgです[10]。ビタミンB1は、糖質の代謝をサポートする重要な役割を担っており、糖質の多い食事やアルコール摂取量が多い場合には、より多くのビタミンB1が必要となります。ビタミンB1が不足すると、糖質をエネルギーとして利用できなくなり、脳や神経といった、糖質を主なエネルギー源とする器官に悪影響を及ぼすことがあります。また、特に白米を主食とするアジア地域では、ビタミンB1不足による脚気(かっけ)が見られることがあります。脚気の主な症状としては、全身の倦怠感、手足の感覚障害、腱反射の消失、動悸や心臓肥大などが挙げられます。ビタミンB1の1日当たりの摂取推奨量は、18歳から64歳の成人男性で1.3~1.4mg、同じ年齢の成人女性で1.1mgとされています[11]。お米を食べる機会が多い私たち日本人は、ビタミンB1を補給するために、ピーマンを積極的に食事に取り入れることをおすすめします。

ビタミンB2
ピーマンにはビタミンB2も豊富に含まれています。ピーマン100gあたり、ビタミンB2は0.03mg含まれています[12]。ビタミンB2は、体内でエネルギー代謝に関わる補酵素として機能します。その他にも、成長を促進したり、皮膚や粘膜を保護する働きがあります。一方、ビタミンB2が不足すると、成長障害や皮膚炎、口内炎などを引き起こす可能性があります。1日に推奨されるビタミンB2の摂取量は、18歳から64歳の成人男性で1.5~1.6mg、同じ年齢の成人女性で1.2mgとされています[13]。皮膚炎や口内炎の予防に役立つビタミンB2を、ピーマンから手軽に摂取できるのは大きなメリットです。
ナイアシン
ピーマンはナイアシンの供給源としても優れています。ナイアシンはビタミンB群の一員であり、エネルギー生成や脂質、アミノ酸の代謝、さらにはビタミンCやEを活用した抗酸化作用など、多岐にわたる役割を担っています。ピーマン100gあたりには、ナイアシン当量として0.8mgが含まれています[14]。厚生労働省が定める食事摂取基準によると、18歳から64歳の成人男性におけるナイアシンの1日推奨摂取量は14~15mgNE、同様に成人女性では11~12mgNEとされています[15]。ナイアシン欠乏は、まれにペラグラという病気を引き起こし、皮膚炎、下痢、精神神経症状などが現れ、重症化するケースもあります。
ビタミンB6
ピーマンはビタミンB6も豊富に含んでいます。ピーマン100gあたりのビタミンB6含有量は0.19mgです[16]。ビタミンB6は、タンパク質、脂質、炭水化物の代謝や神経伝達物質の生成をサポートする補酵素として機能し、ホルモンバランスの調整にも関与しています。ビタミンB6が不足すると、湿疹、口角炎、貧血、麻痺性発作、聴覚過敏、脳波異常、免疫機能低下などが起こる可能性があります。1日に必要なビタミンB6の推奨摂取量は、18歳から64歳の成人男性で1.4mg、成人女性で1.1mgです[17]。ピーマンを積極的に摂取することで、代謝を促進し、ホルモンバランスを整えるビタミンB6の摂取量を増やしましょう。
葉酸
葉酸もまた、ピーマンに豊富に含まれる重要な栄養素です。ピーマン100gあたりには、26μgの葉酸が含まれています[18]。葉酸はビタミンB群の一種であり、DNA、RNA、タンパク質の合成、アミノ酸代謝など、細胞の増殖に不可欠なプロセスに関与しています。葉酸が不足すると、神経障害、腸機能障害、貧血などを引き起こすことがあります。特に、妊娠を計画している女性や妊娠中の女性が十分な葉酸を摂取することで、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを軽減できると報告されています。成人の1日あたりの葉酸推奨摂取量は、男女ともに240μgです[19]。ピーマンを食事に取り入れることで、葉酸の摂取量を効果的に増やすことができます。
パントテン酸
ピーマンはパントテン酸も豊富に含んでいます。ピーマン100gあたりのパントテン酸含有量は0.30mgです[20]。パントテン酸はビタミンB群の一種で、体内の代謝活動を補酵素としてサポートし、皮膚や粘膜の健康維持にも貢献します。18歳から64歳の成人男性におけるパントテン酸の1日あたりの摂取目安量は5~6mg、成人女性では5mgとされています[21]。バランスの取れた食生活を送っていれば、パントテン酸が不足する心配は少ないと考えられますが、ピーマンからも補給できるのは嬉しいポイントです。
ビオチン
ピーマンはビオチンも含む優れた食材です。可食部100gあたり、1.6μgのビオチンが含まれています[22]。ビオチンはビタミンB群の一種で、炭水化物の代謝やアミノ酸、脂肪酸の合成、エネルギー産生に関わる酵素を助ける役割を担います。1日に必要なビオチンの摂取推奨量は、18歳から64歳の男女ともに50μgです[23]。日々の活動を支えるビオチンを、ピーマンから手軽に摂取できるのは嬉しいポイントです。
マグネシウム
ピーマンには、マグネシウムも豊富に含まれています。ピーマン100gあたり、約11mgのマグネシウムが含まれています[28]。マグネシウムは、骨や歯の構成要素となるだけでなく、筋肉や神経の機能維持にも関わっています。300種類以上の酵素を活性化させ、筋肉の収縮、神経伝達、体温や血圧の調整など、多岐にわたる生理機能をサポートします[29]。マグネシウムが不足すると、骨形成への影響、不整脈、虚血性心疾患、高血圧、筋肉の痙攣などが起こる可能性があります。1日のマグネシウム摂取推奨量は、18~64歳の成人男性で340~370mg、成人女性で270~290mgです[30]。現代の日本人の食事では、マグネシウムが不足しがちであるため、ピーマンを積極的に摂取することで、マグネシウム不足の解消に役立つことが期待できます。
亜鉛
ピーマンは亜鉛の供給源としても期待できます。ピーマン100gあたり、0.2mgの亜鉛が含まれています[31]。亜鉛は、免疫機能の維持に不可欠なミネラルであり、細菌やウイルスに対する防御システムをサポートします。また、子供の成長、味覚や嗅覚の正常な維持、傷の治癒にも関与します。亜鉛が不足すると、味覚異常、皮膚炎、食欲不振などが起こりやすくなるほか、免疫力の低下、慢性的な下痢、貧血、精神的な不調を招くこともあります。特に、子供の場合は成長障害や性腺の発達に影響が出る可能性があります。亜鉛の1日推奨摂取量は、18~64歳の成人男性で11mg、成人女性で8mgです[32]。日本人の食生活では、亜鉛が不足しがちな傾向があります。複数の調査研究によると、日本人の20~30%が亜鉛不足であると報告されています[33]。亜鉛を含む食品を意識的に摂取し、不足を解消することが大切です。ピーマンを食生活に取り入れ、亜鉛を補給することで、免疫力を高め、季節の変わり目も元気に過ごしましょう。
鉄
ピーマンは鉄分も摂取できる野菜です。ピーマン100gあたり、0.4mgの鉄が含まれています[34]。鉄は、赤血球中のヘモグロビンの構成要素として、酸素の運搬や細胞呼吸に関わる重要な役割を担っています。また、様々な酵素の材料としても必要です。1日に必要な鉄の摂取推奨量は、18~64歳の成人男性で7.5mg、成人女性(月経なし)で6.5mg、成人女性(月経あり)で10.5~11mgとされています[35]。鉄分が不足すると、鉄欠乏性貧血を引き起こす可能性があります。特に、乳幼児、月経のある女性、妊産婦は鉄分が不足しやすい傾向にあるため、注意が必要です。日々の食事にピーマンを取り入れることで、鉄分を補給し、健康維持に役立てましょう。
銅
ピーマンは、健康維持に不可欠なミネラルである銅も豊富に含んでいます。ピーマン100gあたりには、約0.06mgの銅が含まれています[36]。銅は、骨、筋肉、血液など、身体の様々な組織に存在し、エネルギー産生や神経伝達物質の生成、鉄の代謝、そして活性酸素の除去といった重要な役割を担うミネラルです。特に、血液の生成を助ける上で欠かせない働きをしています。成人男性(18~64歳)の銅の1日推奨摂取量は0.9mg、成人女性(18~64歳)では0.7mgとされています[37]。通常の食生活で不足することは稀ですが、欠乏すると貧血、白血球減少、骨の異常などが現れることがあります。健康的な血液を維持するためにも、ピーマンは銅の摂取源として役立ちます。
ピーマン特有の苦味成分とその他の有用成分
ピーマンは、主要な栄養素に加え、私たちの健康をサポートする多様な有用成分を含んでいます。特に、ピーマン特有の香りや苦味には、健康に良い影響をもたらす成分が複数存在します。ピーマンの独特な香り成分である「ピラジン」は、ほうじ茶などにも含まれることで知られています。ピラジンには、精神を安定させるリラックス効果や、血液をサラサラにし、血行を促進する効果が期待されています。
クエルシトリンの抗酸化作用
ピーマンの持つ渋み成分であり、強力な抗酸化作用を持つポリフェノールの一種「クエルシトリン」は、ピラジンと組み合わさることで、ピーマン独特の苦味を生み出しています。クエルシトリンは、フラボノイドの一種で、クエルセチンにラムノース(糖)が結合した配糖体です。クエルセチン自体も、強い抗酸化作用を持つことで知られています。クエルシトリンを摂取することで、高血圧の予防や血中中性脂肪の抑制効果が期待できる他、脂肪細胞の分化過程に影響を与え、脂肪細胞への分化を抑制する可能性も示唆されています。
ピラジンの抗酸化作用
一部の研究では、ピラジン類にも抗酸化作用があることが示されていますが、その作用はクエルシトリンやビタミンCほど強くはないと考えられています。しかし、ピーマンに含まれる他の抗酸化成分(ビタミンC、カロテノイドなど)と相互作用することで、間接的に酸化ストレスを軽減する可能性が指摘されています。ピラジンとクエルシトリンの組み合わせにより、体内の活性酸素を抑える働きが期待できます。
さらに、同じくポリフェノールの一種である「ヘスペリジン」は、ビタミンPとも呼ばれ、ビタミンCの吸収を助ける働きがあります。そして、青ピーマンの鮮やかな緑色は、「クロロフィル」という葉緑素によるものです。クロロフィルもポリフェノールと同様に抗酸化作用を持ち、体内の酸化ストレスから細胞を保護する役割を果たします。
ピーマンの色が示す栄養価の違いとパプリカの関係性
スーパーなどでよく見かける緑色のピーマンや、赤色のピーマン、そしてピーマンよりも大きなパプリカ。これらは見た目の彩りだけでなく、栄養成分にも違いがあるのでしょうか?ここでは、ピーマンの色による栄養価の違いと、パプリカとの品種の違いについて詳しく見ていきましょう。
色の変化と栄養価の関係
ピーマンには、おなじみの緑色のものだけでなく、赤色、黄色、オレンジ色など、さまざまな色の種類があり、それぞれ栄養価が異なります。私たちが普段よく目にする緑ピーマンは、まだ成熟する前の段階で収穫されたものです。これをそのまま畑で完熟させると、鮮やかな赤色の「赤ピーマン」へと変化します。一般的に、ピーマンは熟していくにつれて甘みが増し、栄養価も向上します。特に、赤ピーマンの鮮やかな赤色は、「リコペン」という色素によるものです。リコペンは、トマトやスイカにも含まれるカロテノイドの一種で、強い抗酸化作用が期待されています。研究によると、リコペンには善玉コレステロールを増やしたり、血圧を穏やかにする効果も期待できるとされています。さらに、赤ピーマンにはβ-カロテンも豊富に含まれており、こちらも抗酸化作用が期待できます。黄ピーマンやオレンジピーマンもビタミンCを豊富に含んでおり、高い栄養価を誇ります。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚の健康を保ち、ターンオーバーを促進する効果があります。ビタミンCは、コラーゲンの生成を助け、シミやくすみを防ぐ美容効果も期待できます。リコペンやβ-カロテンは脂溶性であるため、油を使った炒め物や揚げ物で調理すると、より効率的に栄養を摂取できます。
パプリカはピーマンとは異なる品種
パプリカは、ピーマンと同じナス科トウガラシ属に分類されますが、厳密には「別の品種」として区別されます。一般的なピーマンに比べて、パプリカは大ぶりで肉厚、ジューシーな食感が特徴です。栄養面でも優れており、特にビタミンCの含有量はピーマンの2倍以上とされています。未成熟なパプリカは緑色をしていますが、完熟すると赤色、黄色、オレンジ色、紫色、白色、黒色など、多様な色に変化します。ピーマンに比べて青臭さや苦味が少なく、甘みが強いため、サラダなどの生食にも適しています。その彩りの豊かさから、食卓を華やかにする食材としても人気です。
栄養満点!ピーマンのおすすめ調理法と食べ方
独特の苦味を活かしたり、逆に苦味を抑えたりと、ピーマンは様々な調理法で楽しめる万能野菜です。ピーマンの肉詰めや天ぷら、チーズ焼きなど、様々なレシピで活用され、肉やナスなどの様々な食材とも相性抜群です。ここでは、ピーマンの栄養を最大限に引き出し、より美味しく食べるためのおすすめの調理法や食べ方をご紹介します。
加熱しても栄養が減りにくい理由
ピーマンはビタミンCが豊富ですが、通常、水溶性ビタミンは加熱に弱いとされています。しかし、ピーマンは組織がしっかりしているため、加熱してもビタミンCの損失が少ないという利点があります。そのため、炒め物、煮物、揚げ物など、様々な料理に活用できます。特に、ピーマンは茹でるよりも炒める方が、栄養を効率的に摂取できます。油で炒めることで、β-カロテンやビタミンEといった脂溶性ビタミンの吸収率が高まります。生のまま食べるのも良い選択肢です。ただし、長時間茹でると、カリウムなどの水溶性栄養素が溶け出すため、短時間で済ませるか、スープとして汁ごと飲むのがおすすめです。また、ピーマンは一年を通して手に入りやすく、毎日の食卓に取り入れやすいのも魅力です。
食感と苦みは切り方で調整
ピーマンの切り方によって、食感や苦みを調整できます。ピーマンを縦に置き、ヘタが上になるようにして、繊維に沿って縦に切ると、細胞が壊れにくく苦みが抑えられ、シャキシャキとした食感になります。これは、チンジャオロースなどにおすすめの切り方です。一方、繊維を断ち切るように横に切ると、細胞が壊れやすくなり苦みが出ますが、火が通りやすくなります。そのため、ピーマンの苦みを活かしたい料理や、時短調理に適しています。
種ごと食べる栄養メリット
ピーマンの種やワタを取り除く人が多いですが、実はこれらの部分にも栄養が豊富に含まれています。特に、ポリフェノールや食物繊維などの抗酸化物質が多く含まれています。種にはカリウムが、ワタにはピラジンやカプサイシンが含まれており、これらは血行促進効果や冷え性改善に役立ちます。加熱調理すれば種の口当たりは気にならなくなるため、一緒に食べるのがおすすめです。また、ピーマンの苦みを抑えたい場合は、丸ごと調理するのが効果的です。煮浸しや肉詰めなど、ピーマンを丸ごと使う料理なら、種も一緒に食べられ、栄養を無駄なく摂取できます。丸ごと食べる際は、ヘタ周りをしっかり洗うようにしましょう。このようにして、ピーマンの栄養価を最大限に引き出し、風味を存分に楽しむことができます。
日常的なピーマン摂取量の目安と注意点
健康的な食生活を送る上で、ピーマンの適切な摂取量を知り、過剰摂取のリスクを理解しておくことが大切です。
推奨される摂取量
健康を維持するために、1日に必要な野菜の摂取量は350gとされています。中でも、緑黄色野菜は120g以上摂ることが推奨されています。ピーマンは1個あたり約30~40gなので、1日に2~3個を目安に、他の野菜と合わせて摂取するとバランスが良いでしょう。ピーマンだけをたくさん食べる必要はありませんが、定期的に食卓に取り入れることで、ビタミンや食物繊維を少しずつ補給し、健康的な生活をサポートできます。
過剰摂取によるリスクや注意点
ピーマンは基本的に安全な野菜ですが、体調によっては注意が必要です。特に腎臓の機能が低下している方や、医師からカリウムの摂取制限を受けている方は、ピーマンに含まれるカリウムの過剰摂取により、高カリウム血症を引き起こす可能性があります。そのような場合は、医師や栄養士に相談し、適切な量を守るようにしましょう。
ピーマンの旬と鮮度の見分け方
新鮮でおいしいピーマンを選ぶことは、料理をおいしくするだけでなく、栄養を効率的に摂取するためにも大切です。ピーマンがおいしい時期や、新鮮なピーマンを見分けるためのポイントをご紹介します。
ピーマンの旬
ピーマンは夏、特に6月上旬から9月下旬にかけてが旬です。中でも7月から8月は、最もおいしい時期とされています。旬のピーマンは、果肉が厚く甘みが強く、香りも豊かであるのが特徴です。栽培技術の発達により、一年中手に入れることができますが、旬の時期には特に品質の良いピーマンを味わうことができます。
鮮度を見分けるポイント
新鮮なピーマンを選ぶためには、いくつかの注目すべき点があります。重要なのは、色が鮮やかで、表面にハリとツヤがあることです。まず、皮がピンと張り、みずみずしさを感じられるものを選びましょう。鮮やかな色合いであることはもちろん、ヘタがしなびておらず、切り口が変色していないかどうかも大切なチェックポイントです。手に取った際に、ずっしりとした重みを感じられるものは、水分をたっぷりと含んでおり、新鮮である証拠です。また、ほどよい苦味も期待できます。反対に、皮がしわっぽく柔らかいものや、色がくすんでいるもの、ヘタが乾燥して変色しているもの、あるいはヘタの色が黒ずんでいたり、皮にシワが目立つものは、鮮度が落ちているため避けるべきです。これらのピーマンは、調理した際の食感や風味が損なわれやすいため注意が必要です。
ピーマンの保存方法:冷蔵と冷凍の注意点
ピーマンを美味しく、そして栄養をできるだけ損なわずに保存するには、適切な方法を知っておくことが重要です。冷蔵保存と冷凍保存、それぞれにおける注意点を見ていきましょう。
冷蔵保存の基本
冷蔵庫でピーマンを保存する際には、乾燥から守ることが大切です。ピーマンを一つずつポリ袋に入れるか、ラップでしっかりと包んでから、冷蔵庫の野菜室で保存してください。こうすることで、鮮度をより長く保つことができます。ピーマンは比較的保存がきく野菜であり、保存袋に入れて野菜室に置くと長持ちします。水分に弱い性質があるため、もし水気があれば拭き取ってから保存しましょう。カットしたピーマンは傷みやすいため、できる限り一度に使い切ることをおすすめします。やむを得ず保存する場合は、種とワタを取り除き、ラップで包んで早めに使用してください。適切な方法で保存すれば、冷蔵庫で1週間程度は新鮮さを保つことができます。
冷凍保存の方法とメリット
一度にたくさんのピーマンを購入した場合や、長期保存を考えている場合には、冷凍保存が便利です。冷凍保存する際は、まずピーマンの種とヘタを取り除き、使いやすい大きさにカットしてください。輪切り、細切り、乱切りなど、後々の調理で使う形状にカットしておくと、解凍後すぐに使用できて便利です。カットしたピーマンは、重ならないようにフリーザーバッグに入れ、できるだけ空気を抜いてから冷凍庫に入れましょう。冷凍するとピーマンの細胞が破壊されるため、解凍後の食感はやや劣りますが、炒め物やスープ、カレー、煮物など、加熱調理には問題なく活用できます。冷凍したピーマンは約1か月保存可能で、使用する際は解凍せずにそのまま炒め物やスープに加えることができるため、調理の手間を省けます。
さらに時間を短縮したい場合は、冷凍する前に軽く下茹でするか、少量の油でサッと炒める「油通し」をしてから冷凍すると良いでしょう。これにより、解凍後の色味や食感がより良く保たれ、忙しい時の調理に役立ちます。冷凍保存は、特にビタミンCの減少を抑え、栄養価を比較的維持しやすいという利点もあります。
食生活のお悩みは管理栄養士へ相談を!
健康的な毎日を送るための第一歩は、日々の食生活を見直すことから始まります。「何から手をつければ良いかわからない」「自分一人ではなかなか続けられない」と感じる方も少なくないはずです。そんな時は、ぜひ栄養相談をご利用ください。健康状態やライフスタイルに合わせた食生活の改善は、専門家である管理栄養士に相談することで、より効果的なプランを立てることができます。健康という目標に向かって、私たちと一緒に最初の一歩を踏み出してみませんか?
まとめ
ピーマンは、その鮮やかな色合いだけでなく、私たちの健康と美容を様々な面からサポートする、栄養満点の野菜です。ピーマンのカロリーは100gあたりわずか20kcalと低く、カロリーを気にすることなく安心して食べられます[38]。ピーマン1個あたり(可食部約26g)は約5kcalと非常に低カロリーであり、炭水化物、たんぱく質、脂質もバランス良く含まれているのが特徴です。ピーマンは、体の調子を整えたり、美容に良い効果をもたらしたりと、まさに「健康の強い味方」と言えるでしょう。ビタミンC、β-カロテン、カリウム、食物繊維、ビタミンEといった代表的な栄養素に加え、ビタミンK、ビタミンB群(B1, B2, ナイアシン, B6, 葉酸, パントテン酸, ビオチン)、そしてマグネシウム、亜鉛、鉄、銅などの様々なミネラル、さらにはピラジンやクエルシトリン、ヘスペリジン、クロロフィルといった特有の成分も含まれており、それぞれが強力な抗酸化作用や血行促進、腸内環境の改善、そして脂肪細胞の抑制など、多岐にわたる効果を発揮します。特に注目すべきは、未熟な緑色のピーマンから、完熟した赤や黄色のピーマンへと変化する過程で、甘みが増すと同時にリコピンやビタミンC、β-カロテンなどの栄養価がさらに高まる点です。また、ピーマンに含まれるビタミンCは加熱による損失が少ないため、様々な調理方法で効率良く栄養を摂取できます。皮を剥く手間もなく手軽に調理できるため、忙しい時でも積極的にピーマンを摂取し、健康な体を維持しましょう。切り方によって食感や苦味を調整できるだけでなく、ヘタ、種、ワタにも栄養が豊富に含まれているため、丸ごと食べる調理法もおすすめです。厚生労働省が推奨する野菜摂取量を参考に、1日に2~3個のピーマンを他の野菜と組み合わせて摂取することで、その豊富な栄養と効果を最大限に引き出し、健康的で彩り豊かな食生活を送ることができるでしょう。旬の時期に新鮮なピーマンを選び、適切な方法で保存し、日々の食卓に上手に取り入れることで、健康維持と美容の両立を目指しましょう。手軽に食事に取り入れられるピーマンを、毎日の健康づくりにぜひ役立ててください。
ピーマンは本当に栄養価が低いのでしょうか?
いいえ、それは間違いです。ピーマンは「栄養がない」と思われがちですが、実際にはビタミンC、β-カロテン、カリウム、食物繊維、ビタミンEなど、健康維持に欠かせない様々な栄養素をバランス良く含んでいます。特にビタミンCはレモン果汁の約1.5倍、食物繊維はセロリの約1.5倍も含まれており、100gあたり約20kcalという低カロリーでありながら、効率的に栄養を摂取できる優れた野菜です。さらに、ピーマン1個(可食部約26g)あたりのカロリーはわずか5kcalであり、炭水化物、たんぱく質、脂質もバランス良く摂取することができます。
ピーマンのビタミンCは加熱しても損なわれない?
ご安心ください。ピーマンに含まれるビタミンCは、比較的加熱に強い性質を持っています。これは、ピーマンの組織がしっかりしていることや、ビタミンP(ヘスペリジン)という成分がビタミンCの働きを助けるためです。水溶性ビタミンでありながら、炒め物や煮物など、加熱調理後も効率的に摂取できます。さらに、油と一緒に調理することで、β-カロtenといった脂溶性ビタミンの吸収率も高まります。ただし、カリウムなどの水溶性栄養素は、長時間ゆでると流出する可能性があるため、短時間での加熱や、スープにして汁ごといただくのがおすすめです。
ピーマンの色によって栄養価は変わる?
はい、ピーマンは成熟度によって色と栄養価が異なります。一般的に流通している緑ピーマンは、未熟な状態で収穫されたものです。これが完熟すると、赤、黄、オレンジ色などに変化します。赤ピーマンには、抗酸化作用が強いリコピンやβ-カロtenが特に豊富に含まれています。黄ピーマンやオレンジピーマンは、ビタミンCが多く、甘みが強いため、苦味が苦手な方にもおすすめです。また、パプリカはピーマンとは異なる品種で、果肉が厚く甘みが強いのが特徴です。特にビタミンC含有量は、ピーマンの2倍以上と豊富です。
ピーマンの苦味成分にはどんな効果がある?
ピーマン独特の苦味や香りには、健康に良いとされる成分が含まれています。苦味成分の一つであるクエルシトリンは、ポリフェノールの一種で、強力な抗酸化作用により、体内の活性酸素を抑制する効果が期待できます。また、血圧上昇の抑制や、血中中性脂肪の低下、脂肪細胞の分化を抑制する可能性も示唆されています。香り成分であるピラジンには、精神安定効果やリラックス効果、血液をサラサラにする効果があると言われています。さらに、ピーマンのワタにはピラジンやカプサイシンが含まれており、血行促進や冷え性改善にも繋がると考えられています。
ピーマンは1日にどのくらい食べるのが良い?
厚生労働省は、1日に350g以上の野菜を摂取することを推奨しており、そのうち緑黄色野菜は120g以上が目安とされています。ピーマン1個あたり約30~40gなので、1日に2~3個程度を、他の野菜と組み合わせて摂取することで、バランス良く栄養を摂取できます。無理にたくさん食べる必要はありませんが、日々の食卓に積極的に取り入れることで、ビタミンや食物繊維を継続的に補給し、健康維持に役立てましょう。
ピーマンの種やワタは食べても大丈夫?苦味を軽減させるコツは?
もちろん、ピーマンのヘタ、中心部分、そして種やワタも問題なく食べられます。むしろ、これらの部分にはポリフェノールや食物繊維といった栄養成分が豊富に含まれているのです。特に種にはカリウムが、ワタにはピラジンやカプサイシンが含まれており、血行促進や冷えの改善といった効果が期待できます。加熱調理すれば口当たりもほとんど気にならず、栄養を余すことなく摂取できます。苦味を抑えるには、繊維に沿って縦方向に切るのがおすすめです。こうすることで細胞が壊れにくく、苦味が軽減されます。さらに、横切りに比べてシャキシャキとした食感も保たれます。その他、丸ごと調理する肉詰めや煮浸し、下茹でや油通しといった下処理も苦味を和らげるのに役立ちます。丸ごと食べる場合は、ヘタ周辺の汚れや細菌を丁寧に洗い落としましょう。
ピーマンは冷凍保存できる?
はい、ピーマンは冷凍保存に適しています。種とヘタを取り除き、用途に合わせた大きさにカットしてから、フリーザーバッグに入れて冷凍しましょう。冷凍するとどうしても食感は若干変化しますが、炒め物、スープ、カレーなど、加熱調理する料理には問題なく活用できます。冷凍したピーマンは約1ヶ月保存可能で、使う際は解凍せずにそのまま調理できるので、手間を省けます。また、冷凍によるビタミンCの損失も比較的少ないため、長期保存したい時や、時間がない時の調理に重宝します。