大粒で鮮やかな赤色が目を引く「レッドグローブ」。皮ごと食べられる手軽さと、上品な甘さが人気のぶどうです。近年、輸入量が増え、身近な存在になってきました。この記事では、レッドグローブをより美味しく味わうための情報が満載!選び方のポイントから、日持ちさせる保存方法、そして、毎日の食卓を彩る絶品レシピまで、レッドグローブの魅力を余すところなくご紹介します。
レッドグローブとは?人気の理由と特徴
財務省貿易統計によると、日本のぶどう(生鮮)の輸入量は、2019年に約24,000トン、2023年に約33,000トンと、過去5年間で増加傾向にある。 (出典: 日本の果実の貿易概況 2024年版(財務省貿易統計), URL: https://www.japanfruit.jp/Portals/0/resources/JFF/kaigai/jyoho/jyoho-pdf/KKNJ_172.pdf, 2024-03) その中でも「レッドグローブ」は、皮ごと食べられる手軽さから人気を集めています。本記事では、レッドグローブの選び方、保存方法、そして最も美味しい食べ方をご紹介します。さらに、レッドグローブを使ったおすすめのスイーツやサラダレシピもご紹介します。(最終更新日:2024年3月29日)

品種の魅力と美味しさ
レッドグローブは、名前が示すように鮮やかな赤色が印象的な、大粒で楕円形のぶどうです。カリフォルニア大学デービス校でハロルド・P・オルモ博士とアルバート・T・コヤマ博士によって開発され、1980年頃から輸入ぶどうの代表的な品種として、スーパーマーケットなどで広く販売されています。(出典: Vitis International Variety Catalogue (VIVC) – Red Globe, URL: https://www.vivc.de/index.php?r=passport%2Fview&id=10094, 2024-06-01)果皮は鮮紅色から濃い赤紫色をしています。 (出典: 山梨県果樹試験場報告第16号『満開期の環状はく皮処理がブドウ'シャインマスカット'の果粒肥大に及ぼす影響』, URL: https://www.pref.yamanashi.jp/documents/90030/h31houkoku04.pdf, 2019)果肉は肉厚でしっかりとした食感があり、果汁も豊富。甘みが強く酸味が少ないため、幅広い世代に好まれています。香りは穏やかですが、果肉の歯切れが良く、ジューシーさを楽しめます。皮が薄いため、洗ってそのまま丸ごと食べられる点が大きな魅力で、手軽にサクサクとした食感を味わえます。ただし、レッドグローブには種が含まれている場合があり、また、皮にわずかな渋みを感じる人もいます。実際に購入したユーザーからは、「種を取り除くのが面倒」「皮の渋みが気になる」といった意見も聞かれます。特に、種がなく皮ごと食べても渋みがほとんどないシャインマスカットのような高級品種と比較すると、食感や風味には違いがあります。例えば、贈答用にもなるシャインマスカットが1房2,000円前後で販売されることもある一方、レッドグローブはより日常的に購入しやすい価格帯で流通していることが多く、気軽にぶどうを楽しみたい人にとっては魅力的な選択肢となります。価格帯の違いにより、種や渋みの有無といった特性にも差が生じることが一般的であり、消費者は自身の好みや用途に合わせて選ぶことができます。
旬と収穫時期
レッドグローブは、主に輸入ぶどうとして流通しており、世界中の様々な地域で栽培されています。アメリカのカリフォルニアの他、南半球のチリやオーストラリア、北半球のアメリカやメキシコなど、幅広い地域で栽培されているため、年間を通して比較的安定して手に入れることができます。最も多く出回るのは秋から初夏にかけてで、カリフォルニア産は9月から12月頃、チリ産やオーストラリア産は1月から5月頃に出荷量が増加します。一般的に9月が旬とされていますが、これは世界的な供給サイクルの目安であり、輸入ルートや産地によって時期は異なります。ぶどうは、桃やバナナのように収穫後に追熟して甘くなる性質が弱く、傷があると腐りやすいため、購入時に食べ頃のものを選ぶことが大切です。輸送性と貯蔵性に優れており、一年を通して入手しやすいことから、季節を問わず食卓を彩る果物として親しまれています。なお、果物の流通時期は、産地や天候によって変動するため、あくまで目安としてお考えください。
冬に手頃な価格で手に入る理由と国産品との比較
レッドグローブは輸入ぶどうであるため、国産ぶどうの収穫時期ではない冬場でも安定した供給が可能です。この安定供給と大量輸入によるコストメリットにより、国産ぶどうが出回らない時期や価格が高騰する時期に、より手頃な価格で入手できる傾向があります。国産ぶどうが高価になりがちな冬から春にかけても、レッドグローブはお手頃な価格で提供されることが多く、消費者は一年を通して気軽にぶどうを楽しめます。この価格の安定性こそが、レッドグローブが「普段使いのぶどう」として広く受け入れられている理由の一つと言えるでしょう。

見分け方:美味しいレッドグローブを見極めるポイント
美味しいレッドグローブを選ぶには、いくつかの重要な点があります。まず、果粒全体の色の濃さに注目しましょう。均一で深みのある、鮮やかな赤色をしているものが理想的です。色がまだらに薄いものは、熟度が足りない可能性があります。次に、果粒のハリとツヤを確認します。ふっくらとしていて、みずみずしさが感じられるものが新鮮です。しなびていたり、柔らかすぎる果粒は、鮮度が落ちている兆候です。また、果粒が房にしっかりと付いているかどうかも大切です。軸の色が緑色で生き生きとしており、乾燥していないものが新鮮な証です。軸が茶色く変色しているものは、収穫から時間が経過していると考えられます。房全体を観察し、果粒が密集していて隙間が少なく、房の形が整っているものを選ぶと、より質の高いレッドグローブを見つけやすくなります。補足ですが、輸入ぶどうは、房がカットされた状態でパック詰めされていることが多く、日本産のぶどうのように房付きで販売されていることは少ないです。レッドグローブは比較的保存がきくぶどうですが、時間が経つにつれて果皮のハリがなくなり、軸が乾燥して茶色くなることがあります。
長期保存を可能にする正しい保存方法
レッドグローブの美味しさを長く保つためには、適切な保存方法が不可欠です。ぶどうは乾燥に弱いため、購入時のパックのまま、またはポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存することをおすすめします。房ごと保存する方が鮮度を維持しやすいですが、すぐに食べきれない場合は、房から丁寧に果粒を外し、乾燥を防ぐために密閉容器に入れるか、キッチンペーパーなどで包んで保存袋に入れて冷蔵庫で保管します。この際、果粒を水洗いするのは食べる直前にしましょう。洗ってから保存すると、水分によって傷みやすくなります。さらに長期間保存したい場合は、冷凍保存も有効です。果粒を房から外し、軽く水洗いして水気を丁寧に拭き取った後、保存袋に入れて冷凍庫に入れます。冷凍したぶどうは、半解凍の状態でシャーベットとして楽しんだり、スムージーやジャムの材料として利用できます。冷蔵保存では1週間程度、冷凍保存では1ヶ月程度を目安に消費することをおすすめします。輸入ぶどうは店頭に並ぶまでに時間がかかることがあるため、購入後はできるだけ早めに食べきるようにしましょう。
レッドグローブをよりおいしく食べるには?
レッドグローブは、皮が薄いのが特徴で、基本的に皮ごと食べられます。輸入ぶどうの農薬について心配される方もいるかもしれませんが、日本に輸入される食品は食品衛生法に基づき厳格な検査が行われています。そのため、食べる前には流水でよく洗うことで、安心してお召し上がりいただけます。水洗いの際は、ボウルにぶどうを入れ、流水で優しく、丁寧に汚れを洗い流すようにします。ぶどうの表面についている白い粉(ブルーム)は、鮮度の証であり、農薬ではないので、洗い流しすぎないように注意しましょう。ただし、日本のぶどう品種、特に巨峰やピオーネのように皮がつるんと剥けるタイプとは異なり、レッドグローブの皮は剥きにくいことがあります。無理に剥こうとすると実が崩れてしまうこともあります。中には皮にわずかな渋みを感じる方もいますが、皮の風味に対する評価は人それぞれです。皮に少しでも渋みを感じる場合は、皮を剥いて食べるとよいでしょう。デラウェアのように吸い出すように食べることは難しいので、一つずつ手で皮を剥いてから食べる必要があります。しかし、皮ごと食べることでぶどう本来の風味やポリフェノールなどの栄養素を余すことなく摂取できます。ぶどうの食べ方に「正しい」「正しくない」といった決まりはなく、食べる人が一番美味しいと感じる方法で楽しむのが良いでしょう。レッドグローブは基本的に種ありの品種なので、種が気になる場合は取り除いてください。レッドグローブは基本的に種あり品種ですが、種が気になる方、特にお子さんに食べさせる際は、簡単に種を取り除く方法があります。まず、洗って水気を切ったぶどうを横向きに置き、中心を包丁などでカットします。果粒が大きいレッドグローブは、カットすることで断面に種が露出し、フォークや竹串で簡単に取り除くことができます。実を少しずつ回しながら切ると、よりスムーズに種を取り除けます。生のまま食べる場合は、冷やしてそのまま食べるのが一番シンプルで美味しい食べ方です。また、しっかりとした果肉と甘み、鮮やかな赤色は、スイーツやサラダ、肉料理の付け合わせなど、加熱調理にも適しています。さまざまな料理に活用することで、新しい魅力を発見できるでしょう。

レッドグローブを使った絶品レシピ4選
お菓子や料理にも!レッドグローブを美味しく味わいましょう。ここでは、レッドグローブの甘さと食感を活かした、スイーツやサラダのレシピを4つご紹介します。
1. 皮ごとじっくり。手作りレッドグローブジャム
レッドグローブならではの美しい色合いと、甘みと酸味の絶妙なバランスを活かした自家製ジャムは、皮ごと煮詰める簡単レシピで実現します。準備するものは、新鮮なレッドグローブ、グラニュー糖、そして風味を引き立てるレモン果汁。まず、ぶどうを丁寧に水洗いし、一粒ずつ房から外して水気を切ります。鍋に移したら、グラニュー糖を加えてしばらく時間を置き、ぶどうから自然な水分を引き出します。レモン果汁を加え、中火でじっくりと煮詰めていきます。焦げ付かないように丁寧に混ぜ、表面に浮いてくるアクを丁寧に取り除きながら、お好みのとろみ加減になるまで煮詰めます。皮に含まれる成分が溶け出すことで、より風味豊かで奥深い味わいのジャムに仕上がります。朝食のトーストにはもちろん、ヨーグルトやベイクドチーズケーキのアクセントとしても最適です。保存性にも優れているため、たくさん手に入った際にはぜひお試しください。
2. 自由な発想で。レッドグローブのオリジナルパフェ
レッドグローブの鮮やかな赤色と、口いっぱいに広がるジューシーな果肉は、パフェを彩る最高の素材です。透明なグラスの底に、香ばしいグラノーラやふんわりとしたスポンジケーキを贅沢に敷き詰め、その上に滑らかなヨーグルトやコクのある生クリーム、冷たいアイスクリームを重ねていきます。そして、主役となるレッドグローブを惜しみなくトッピング。丸ごと飾り付けることで、その存在感を際立たせ、見た目にも華やかなパフェに仕上がります。さらに、他のフルーツやフレッシュなミントの葉を添えれば、彩り豊かで食感も楽しいパフェに。一口食べるごとに異なる食感と味わいが楽しめる、世界でたった一つのオリジナルパフェを気軽に作ることができます。特別な日のデザートや、大切なゲストへのおもてなしにも喜ばれること間違いなしです。
3. 簡単なのに美味。レッドグローブとにんじんのシンプルサラダ
一見意外な組み合わせですが、レッドグローブの爽やかな甘酸っぱさは、にんじん特有の風味と驚くほど相性が良いのです。まず、にんじんを細めの千切りにし、軽く塩もみして余分な水分を絞ります。レッドグローブは、半分にカットしても、丸ごとのままでも大丈夫です。ボウルに準備したにんじんとレッドグローブを入れ、エキストラバージンオリーブオイル、風味豊かな白ワインビネガー、そして塩胡椒でシンプルに和えるだけで、見た目も鮮やかなサラダが完成します。お好みで、香ばしいナッツや甘酸っぱいレーズン、塩味がアクセントになるフェタチーズなどを加えると、食感と味わいがさらに豊かになります。食卓の箸休めにはもちろん、肉料理の付け合わせとしても最適です。
4. 食感が楽しい!レッドグローブとブロッコリーの彩りサラダ
レッドグローブの弾けるような食感と、ブロッコリーの程よい歯ごたえが楽しめる、食感豊かなサラダです。ブロッコリーは小房に分け、さっと茹でてから冷まします。レッドグローブは丁寧に洗い、房から外して半分にカットします。下準備したブロッコリーとレッドグローブをボウルに入れ、マヨネーズをベースにした特製ドレッシング(マヨネーズ、ヨーグルト、粒マスタード、塩胡椒など)で和えます。仕上げにレモン果汁を少量加えることで、後味がさっぱりとし、ぶどう本来の甘みがより一層引き立ちます。グリルチキンやエビなどを加えれば、ボリューム満点なメインディッシュとしても楽しむことができ、食卓を華やかに彩ります。栄養バランスも優れているため、お子様にも喜んでいただけるサラダです。
まとめ
レッドグローブは、その皮の薄さと手軽な食べやすさから、生で味わうのはもちろん、バラエティ豊かな料理やデザートに活用できる、非常に魅力的なぶどうです。アメリカのカリフォルニア大学で開発され、輸送性と保存性に優れているため、輸入ぶどうとしての厳しい品質管理のもと、一年を通じて安定的に供給されています。皮ごと食べられる手軽さと、求めやすい価格帯が人気の理由です。選び方や保存方法をしっかり押さえれば、一年を通してその美味しさを満喫できます。この記事でご紹介したジャムやパフェ、サラダなどのレシピを参考に、ぜひご家庭でレッドグローブの新たな魅力を発見してみてください。手軽に楽しめるレッドグローブで、日々の食卓をより豊かに彩りましょう。
レッドグローブは皮ごと食べられますか?
はい、レッドグローブは皮が非常に薄く、渋みも少ないため、基本的に皮ごと美味しく食べられます。輸入ぶどうではありますが、日本への輸入の際には残留農薬の検査が厳格に行われているため、通常通り水洗いすれば安心して食べられます。海外ではぶどうを皮ごと食べるのが一般的であり、皮ごと食べることで、ぶどう本来の風味や、ポリフェノールをはじめとする栄養素を余すことなく摂取できるというメリットがあります。もし皮の渋みが気になるようでしたら、皮を剥いてから食べることも可能です。
レッドグローブは種なしぶどうですか?
レッドグローブは、基本的に種ありの品種です。一粒が大きく、皮も薄いため、そのまま食べやすいと感じる方も多いでしょう。しかし、種が気になる場合は、半分にカットして種を取り除いてから食べるか、シャインマスカットのように種なしの品種を選ぶのがおすすめです。特にお子様には、横向きにカットして種を取り除く方法が簡単で安全です。
レッドグローブの旬はいつですか?
レッドグローブは主に輸入されており、南半球と北半球の両方で栽培されているため、ほぼ一年中市場に出回っています。具体的には、アメリカのカリフォルニア産が9月から12月頃、チリ産とオーストラリア産が1月から5月頃に多く流通します。そのため、季節を問わず手軽に購入できます。特に冬の時期には、国産ぶどうに比べて比較的安価に入手しやすいという特徴があります。
美味しいレッドグローブの選び方を教えてください。
新鮮で美味しいレッドグローブを選ぶには、粒の見た目が重要です。粒にピンとしたハリとみずみずしいツヤがあり、全体的に均一で深みのある赤色をしているものがおすすめです。また、軸の部分が鮮やかな緑色をしており、粒が房から簡単に落ちないものが良いでしょう。しなびていたり、色が褪せているものは避けるようにしましょう。輸入されたレッドグローブは、房が ছোট করে কেটে パック詰めされていることが多いですが、その場合でも、粒の状態と軸の色をしっかりと確認することが大切です。
レッドグローブの保存方法は?
レッドグローブを長持ちさせるには、乾燥を防ぐことが重要です。購入時のパックや袋に入れたまま、または新聞紙などで包んで、冷蔵庫の野菜室で保管するのがおすすめです。房から粒をばらして保存する場合は、洗わずに密閉できる容器に入れるか、キッチンペーパーで包んで保存袋に入れ、冷蔵庫で保存してください。冷凍保存も可能で、約1ヶ月程度保存できます。輸入ぶどうは、お店に並ぶまでに時間が経っている場合があるので、購入後はできるだけ早く食べるようにしましょう。
レッドグローブを使ったおすすめのレシピはありますか?
レッドグローブは、そのまま食べるのが一番美味しいですが、様々な料理にも活用できます。ジャムやパフェなどのデザート、サラダの材料としても最適です。皮ごと煮込んで作るジャムは、手軽に作れて風味も豊かでおすすめです。また、ニンジンやブロッコリーなどと一緒にサラダにすると、彩りも鮮やかになり、食感のアクセントとしても楽しめます。大粒で果肉がしっかりしているので、加熱料理にも適しています。
ぶどうは買ってきた後に追熟しますか?
ぶどうは、桃やバナナとは異なり、収穫後に追熟して甘みが増すということはほとんどありません。そのため、購入する時点で、最も美味しい状態のものを選ぶことが大切です。粒にハリがあり、色が濃く、十分に熟しているものを選びましょう。ぶどうは傷みやすい果物なので、購入後はなるべく早く食べることをおすすめします。













