ジューンベリーの甘酸っぱさが凝縮された自家製ジャムは格別。でも、あの小さな種が気になる方もいるのでは? 種を取り除くのは手間がかかると思われがちですが、実は簡単な方法があるんです。この記事では、ジューンベリージャム作りの際に種を効率的に取り除くコツと、口当たりなめらかに仕上げる秘訣を伝授します。自家製ジャムで、ジューンベリーの美味しさを最大限に引き出しましょう。
ジューンベリージャムとは
ジューンベリーは、その名の通り6月頃に赤く色づく果実で、甘みと酸味が調和した味わいが特長です。そのジューンベリーを活かして作る自家製ジャムは、格別な美味しさを堪能できます。ご自身で育てたジューンベリーはもちろん、購入した果実でも手軽に作れるのが嬉しいポイントです。
ジューンベリージャム作りのメリット
手作りジャムの醍醐味は、市販品とは異なり、甘さや酸っぱさを自分の好みに合わせて調整できる点にあります。添加物の使用を自分でコントロールでき、素材本来の風味を活かしたジャム作りが楽しめます。さらに、ジューンベリーの収穫からジャム作りまでの一連のプロセスを楽しめるのも、自家製ならではの魅力です。

ジューンベリージャムの基本材料
ジューンベリージャム作りに欠かせない材料は、ジューンベリー、砂糖、そしてレモン汁の3つです。ジューンベリーの量に対して、砂糖は30%程度を目安に、お好みで加減してください。レモン汁は、ジャムの風味を際立たせ、保存性を向上させる役割を果たします。
- ジューンベリー:約800g(お好みの量で調整可能)
- 砂糖:ジューンベリーの重量の3割程度(約240g)
- レモン汁:大さじ3
ジューンベリージャムの作り方:簡単ステップ
ジューンベリージャムの作り方は、以下の手順で誰でも簡単に行えます。材料の下ごしらえから煮詰め作業、そして保存方法まで、順を追って詳しく説明していきます。
ステップ1:材料の下ごしらえ(ジューンベリーの下処理)
最初に、摘み取ったジューンベリーを優しく水で洗い、しっかりと水気を切ってください。熟した、黒みがかっていて、軽く触るだけで簡単に摘める実を選びましょう。この最初の準備が、風味豊かなジャムを作る上で非常に重要です。
ステップ2:砂糖を混ぜてなじませる
水気を切ったジューンベリーと砂糖を鍋に入れ、砂糖が全体にいきわたるように混ぜ合わせます。そのまま約10分間置き、ジューンベリーから自然な水分を引き出します。砂糖の種類は、お好みで選びましょう。例えば、風味豊かなきび砂糖や、一般的な上白糖などが適しています。
ステップ3:弱火でじっくり煮詰める
鍋を弱火から中火にかけ、焦げつかないように注意しながらゆっくりと加熱します。砂糖が溶けてジューンベリーから果汁が出てきたら、浮いてくるアクを丁寧に取り除きながら煮詰めていきます。焦げ付きを防ぐために、耐熱性のあるヘラを使って鍋底を優しく混ぜることをおすすめします。
ステップ4:種を取り除く作業(裏ごし)
ジューンベリーの種は加熱によって硬くなるため、口にした時の食感を損なうことがあります。気になる場合は、ここで一度火を止め、果肉を裏ごしして種を取り除きましょう。目の細かい裏ごし器よりも、やや粗めのザルを使う方がスムーズに作業できます。パンチングザルと硬めのシリコン製スパチュラを組み合わせると、より効率的に裏ごしできます。種を取り除くかどうかは、最終的にはお好みで決めてください。「特に気にしない」という場合は、この工程を省いても問題ありません。
ステップ5:レモン果汁を加えてさらに煮詰める
丁寧に裏ごしした果肉を鍋に戻し、レモン汁を加えます。再び弱火でじっくりと、焦げ付かないよう丁寧に混ぜながら、お好みの硬さになるまで煮詰めていきましょう。
ステップ6:煮詰めの見極め方
煮詰まっていくにつれて、全体に艶が増し、とろりとしたなめらかな状態へと変化していきます。ジャムは冷めると硬さが増すため、「もう少し煮詰めたい」と感じる少し手前で火を止めるのがコツです。木べらですくって落とした際に、ジャムが線を描きながらゆっくり落ちる程度や、冷水に少量垂らしたときにジャムが散らずに固まる状態などが目安です。
ステップ7:瓶詰めと脱気処理
事前に煮沸消毒し、完全に乾燥させた保存瓶に、熱々のジャムを詰めていきます。瓶の口ギリギリまで詰めずに、少しだけ空間を残しておきましょう。蓋をしっかりと閉めたら、脱気処理を施します。

ジャムの保存処理:煮沸消毒から脱気、追加加熱まで
ジャムを詰める前に保存瓶を煮沸消毒することで、より長く保存することができます。煮沸消毒は難しい作業ではありません。鍋にたっぷりの水を張り、瓶と蓋を沈めて沸騰させ、そのまま約10分間煮沸します。取り出す際は、清潔なトングなどを使い、火傷には十分ご注意ください。煮沸後は、瓶を自然乾燥させることをおすすめします。
ジャムの脱気方法
脱気処理は、ジャム瓶内の空気を減らし、カビが生えにくい状態にするための重要な工程です。いくつか方法がありますが、ここでは手軽にできる方法をご紹介します。ジャムを詰めた瓶の蓋を軽く閉めて、沸騰したお湯で約10分間煮てください。その後、蓋をしっかりと締めれば脱気は完了です。
長期保存のための追加加熱
さらに長期間保存したい場合は、瓶詰めの後に再度加熱殺菌することをおすすめします。鍋の底に布を敷き、瓶を間隔をあけて並べます。瓶の肩口から5cmほど上まで水を入れて、約15分間煮沸します。加熱後、瓶を取り出して自然に冷ましてください。急激な温度変化は瓶が割れる原因になるため避けましょう。ゴムパッキン付きの瓶を使用している場合、パッキンのタブが下がっていれば、きちんと密封されたサインです。
ジューンベリージャムの保存方法
適切な脱気処理を行ったジューンベリージャムは、日の当たらない涼しい場所で長期間保存できます。開封後は冷蔵庫に入れ、なるべく早くお召し上がりください。保存状態が良ければ、1年以上美味しくいただける場合もあります。
ジューンベリージャムのアレンジレシピ
ジューンベリージャムは、トーストやヨーグルトに添える定番の食べ方以外にも、様々な料理やデザートに活用できます。例えば、レアチーズケーキのソースにしたり、お肉料理の風味付けに使ったりするのも良いでしょう。また、ジャムを使った焼き菓子を作ったり、スムージーに混ぜて風味をプラスしたりするのもおすすめです。
ジューンベリージャム作りの注意点
ジューンベリーで手作りジャムを作る際、特に気をつけたいのは、焦げ付きと煮詰めの程度です。焦げ付かせないためには、火加減を弱めに保ち、丁寧に煮詰めることがポイントです。また、煮詰めすぎると、ジャムが硬くなりすぎる原因になりますので、頃合いを見て火を止めましょう。さらに、瓶詰めの際の煮沸消毒や脱気は、ジャムの保存性を高め、カビの発生を抑えるために欠かせない手順です。
ジューンベリーの種類と選び方
ジューンベリーには様々な種類が存在し、それぞれ風味や実の大きさが異なります。ジャム作りに適しているのは、熟していて甘味が強い品種です。また、実の状態をよく確認し、傷がなく新鮮なものを選ぶようにしましょう。
ジューンベリーの栽培方法
ジューンベリーは直射日光を好むが、部分的な日陰にも耐えることができる。最適な成長のためには、1日に6~8時間の直射日光を目指す。(出典: PictureThis『ジューンベリーはどのくらいの日光を必要とするか?』, URL: https://www.picturethisai.com/ja/care/sunlight/Amelanchier_canadensis.html, 不明)。

ジューンベリーの栄養価
ジューンベリーは、マンガンやカルシウム、ビタミンB6などが豊富に含まれています。100gのジューンベリーを摂取することで、マンガンの1日摂取目安量の約半分を摂取できるとされています。(出典: わかさの秘密『ジューンベリー | 成分情報』, URL: https://himitsu.wakasa.jp/contents/amelanchier/, 2014-05-16)
ジューンベリージャム作りに必要なもの
ジューンベリージャムを作る際に、あると便利な道具をご紹介します。必須となるのは、ジャムを煮込むための鍋、混ぜ合わせるヘラ、種を取り除く裏ごし器、保存するための瓶、そして瓶を扱うトングなどです。中でも、裏ごし器は種を取り除く工程で重宝します。また、ジャムを長期保存するためには、煮沸消毒が可能な保存瓶を選びましょう。
ジューンベリージャム:砂糖選びのポイント
ジューンベリージャムに使う砂糖の種類によって、ジャムの風味や色合いは大きく変わります。例えば、上白糖は広く使われており、ジャムの色を美しく仕上げる効果があります。きび砂糖や甜菜糖を使うと、風味に深みが増し、ミネラルも豊富になります。グラニュー糖は、ジャムをあっさりとした仕上がりにし、果実本来の色を際立たせたい時に適しています。それぞれの砂糖の特徴を知り、自分好みのジャム作りに活かしましょう。
ジューンベリージャム作りのトラブルシューティング
ジューンベリージャム作りで起こりがちな失敗として、焦げ付き、煮詰め過ぎ、そしてカビの発生などが考えられます。焦げ付きを防ぐには、弱火でじっくりと煮詰めるのがコツです。もし煮詰め過ぎてしまった場合は、少しずつ水を加えながら再度加熱することで、柔らかさを調整できることがあります。カビを防ぐためには、保存瓶の煮沸消毒と脱気処理を丁寧に行うことが非常に大切です。残念ながら、カビが生えてしまったジャムは、食べずに処分しましょう。
ジューンベリージャムのおすすめの食べ方
ジューンベリージャムは、さまざまな食品と組み合わせて美味しく楽しむことができます。定番のパンやヨーグルトはもちろんのこと、チーズやクラッカーとの相性も抜群です。さらに、肉料理のソースとして、あるいはドレッシングに少し加えて風味を豊かにすることもできます。いろいろな食材との組み合わせを試し、あなただけのオリジナルレシピを発見してみてください。
ジューンベリージャムを贈るアイデア
心を込めて作ったジューンベリージャムは、素敵なギフトとして喜ばれます。洗練された瓶に詰め替えて、リボンやオリジナルのラベルで飾れば、さらに特別な贈り物に変わります。手書きのメッセージカードを添えることで、感謝の気持ちがより深く伝わるでしょう。親しい友人や大切な家族へのプレゼント、ちょっとしたお祝いの品として、自家製ジューンベリージャムを贈ってみてはいかがでしょうか。
ジューンベリージャムのレシピをアレンジ
基本のジューンベリージャムのレシピを土台にして、多種多様なアレンジを加えて楽しむことができます。たとえば、シナモンパウダーやバニラビーンズを加えて香りを豊かにしたり、他の果物(リンゴやレモンなど)と組み合わせて、独自のジャムを作り出すのもおすすめです。さらに、スパイスを少量加えて、少し大人向けの味わいのジャムに挑戦するのも面白いでしょう。いろいろなレシピを試してみて、あなただけのお気に入りの味を見つけてください。
ジューンベリージャムの栄養を逃さないための秘訣
ジューンベリージャムを作る際に、栄養価をできる限り高く保つためには、いくつかの注意点があります。まず、新鮮で十分に熟した実を使用することが非常に大切です。また、加熱時間をできるだけ短くすることで、ビタミンなどの栄養成分が失われるのを最小限に抑えられます。加えて、砂糖の使用量を控えめにすることで、カロリーを抑えながら、ジューンベリー本来の自然な風味を堪能することができます。
みんなでジューンベリージャムを作ろう
ジューンベリージャム作りは、家族や親しい仲間たちと一緒になって楽しめる素晴らしいイベントです。ジューンベリーの収穫からジャムの製造まで、すべてのプロセスを体験することで、食べ物に対する感謝の気持ちや、手作りの喜びを実感することができます。また、お子様にとっては、食育の貴重な機会にもなります。ご家族みんなで、ジューンベリージャム作りをエンジョイしてみませんか。
ジューンベリージャムのラベルを彩る
手作りのジューンベリージャムには、オリジナルのラベルを添えて、さらに特別な一品にしませんか。手書きで温かみのあるデザインにしたり、パソコンで洗練されたラベルを作成したり、表現方法は様々です。ラベルには、ジャムの名称はもちろん、製造年月日や使用した材料などを記載すると便利です。さらに、イラストや写真を加えることで、他にはない個性的なラベルに仕上がります。自作のラベルで、手作りジャムの魅力を一層引き立てましょう。
ジューンベリージャムが語る歴史
今から1万~1万5千年前、旧石器時代後期の人類が、みつばちの巣から蜜を取り、蜜を使って果実を煮たことが、現在のジャムの起源であるとされています。(出典: アヲハタ『ジャムの起源|ジャムの豆知識』, URL: https://www.aohata.co.jp/experience/knowledge/jamstory.html, 不明)ジューンベリーは、比較的歴史の浅い果樹であり、ジャムとしての歴史もまだ短いですが、その独特な風味と豊富な栄養価が注目を集め、近年人気が高まっています。自家製ジューンベリージャム作りを通して、食文化の奥深さに触れてみるのも、また格別な体験となるでしょう。
終わりに
自家製ジューンベリージャム作りは、時間と手間はかかりますが、完成した時の喜びと美味しさは格別です。旬の恵みを最大限に活かし、愛情を込めて作ったジャムは、食卓をより一層豊かなものにしてくれるでしょう。この記事を参考に、ぜひあなただけの自家製ジューンベリージャム作りに挑戦してみてください。
質問1:ジューンベリージャムを作る際、種は必ず取り除くべきでしょうか?
回答:いいえ、必ずしも取り除く必要はありません。種を取り除くことで、より滑らかな口当たりになりますが、手間をかけたくない場合は、種をそのままにしてジャムを作っても美味しくいただけます。
質問2:ジャムが硬すぎて困った時の対処法は?
回答:ジャムが予想以上に固まってしまった場合は、ほんの少しずつ水を足しながら弱火で温め直すと、滑らかな状態に戻ることがあります。ただし、水の量を増やしすぎると風味が損なわれる可能性があるため、慎重に調整してください。
質問3:保存瓶の消毒方法で、煮沸消毒の手順を教えてください。
回答:保存瓶を煮沸消毒するには、まず鍋に水をたっぷりと入れ、瓶と蓋を沈めます。その後、水を沸騰させ、約10分間煮沸を続けます。取り出す際は、清潔なトングなどを使用し、火傷しないように注意してください。煮沸後は、瓶を清潔な場所で自然乾燥させることを推奨します。