「溶けないアイス」徹底比較!おすすめ商品と選び方のポイント【葛・寒天・新技術も解説】
夏の新定番スイーツとして話題の「溶けないアイス」。従来の「アイスは溶ける」という概念を覆し、ゆっくりと味わえるのが魅力です。中でも、葛を使った溶けないアイスは、独特のプルプルとした食感となめらかな口どけが人気を集めています。本記事では、様々なメーカーから販売されている「くず」を使った溶けないアイスを徹底比較!選び方のポイントやおすすめ商品を紹介し、あなたにぴったりの一品を見つけるお手伝いをします。

溶けないアイスとは?新感覚デザートの魅力

溶けないアイスは、一般的なアイスクリームとは異なり、室温でもある程度の形を保ち、溶けにくいように工夫された新しいタイプのデザートです。「アイスはすぐに溶ける」というこれまでのイメージを覆し、時間をかけてゆっくりと味わえるのが魅力です。葛、寒天、イチゴポリフェノール、おから、米粉など、様々な材料や成分の特性を活かして作られており、それぞれ異なる口当たりや風味を堪能できます。

溶けないアイスの仕組み:主要な5つの要素


溶けないアイスを実現する主なメカニズムは、使われている材料の特性にあります。ここでは、代表的な5つの要素について解説します。

葛粉(くずこ)の使用

葛粉は、マメ科植物である葛の根から採取されるデンプンです。このデンプンがアイスの水分をしっかりと保持し、溶け出すのを防ぐ役割を果たします。時間が経つにつれて、シャリシャリとした食感からゼリーのような食感に変わるのが特徴で、一度溶けても再冷凍できるという利点があります。

寒天の使用

寒天は、テングサなどの海藻から抽出される多糖類で、加熱して溶かし、冷やすと固まる性質があります。70℃程度まで溶けないため、室温でも形状を保ちやすく、溶けないアイスの材料として最適です。ゼラチンも同様に使用されることがありますが、寒天の方がより溶けにくい性質を持っています。

イチゴポリフェノールの活用

イチゴに含まれるポリフェノールは、その抽出物を活用することで、アイスクリームの独特な品質向上に貢献します。特に、水分を脂肪分でコーティングする性質があり、これによりアイスが溶け出す速度を抑制します。この技術については、金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 創薬科学専攻 分子生薬学研究室による博士論文『植物に由来する健康機能性成分の探索』第2章において、単離したイチゴ由来ポリフェノール類の脂肪蓄積阻害活性評価が記載されています。(出典: 博士論文『植物に由来する健康機能性成分の探索』(金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 創薬科学専攻 分子生薬学研究室), URL: https://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/record/45051/files/Full-MP-1429012011-abe-tetsuro.pdf, 2011-03-24)この技術が「金座和アイス」をはじめとする製品に応用されています。

おからと米粉の活用

食品製造過程で生まれるおからに含まれる豊富な食物繊維と、米粉に含まれるアミロペクチンという成分が、アイスの水分を保持する上で重要な役割を果たします。これらの成分が作り出す網目状の構造が、水分の流出を防ぎ、結果として溶けにくいアイスクリームが実現します。85度でも溶けない「熱いソフトクリーム」を10月10日、金沢の「日本海藻食品研究所」(金沢市本江町)が開発しました。(出典: 金沢経済新聞, URL: https://kanazawa.keizai.biz/headline/3130/, 2018-10-23)

その他の工夫

上記以外にも、様々なアプローチで溶けにくさを追求したアイスクリームが存在します。例えば、卵や生クリームをベースにしたムース状のアイスや、杏仁豆腐を凍らせたようなアイスなど、独自の工夫が凝らされています。また、安定剤や乳化剤といった食品添加物を使用することで、溶けにくさを高めている製品も見られます。

溶けないアイスの多様性:葛アイス、ムース、寒天アイスなど

溶けないアイスクリームは、使用される材料や製造方法によって、その種類は多岐にわたります。代表的なものとしては、葛粉を主原料とした葛アイス、ふんわりとしたムースのような食感が特徴のムースアイス、そして寒天をベースにした寒天アイスなどが挙げられます。これらのアイスは、それぞれ異なる味わいと食感を提供し、消費者の選択肢を広げています。

溶けないアイスのメリット・デメリット

従来の、口の中で溶けるアイスクリームとは異なり、溶けないアイスには独自の長所と短所があります。

メリット

  • 時間をかけてじっくりと味わうことができる
  • 溶けて手が汚れてしまう心配が少ない
  • 商品によっては再冷凍できるものもある
  • これまでにない食感や味が楽しめる

デメリット

  • 一般的なアイスクリームと比較して、価格設定が高めである場合が多い
  • 商品によっては、独特の食感に馴染めないことがある
  • 販売しているお店が少ない場合がある

人気の溶けないアイスおすすめ商品

多種多様な溶けないアイスクリームの中から、特にイチオシの商品をご紹介します。

五穀祭菓 をかの『葛キャンディアイス』

埼玉県の桶川市で長年愛される和菓子店「五穀祭菓 をかの」では、こだわりの葛キャンディアイスを提供しています。選び抜かれた本葛粉を贅沢に使用し、熟練の職人が一つ一つ丁寧に作り上げています。苺ミルクをはじめ、パイン、爽やかなホワイトレモン、みかん、あずき、そして人気の甘酒と、バラエティ豊かな6種類のフレーバーが楽しめます。口にした時のなめらかな舌触りと、後味すっきりとした上品な甘さが魅力です。

善収庵 大こくや『くずバー』

埼玉県さいたま市に店を構える和菓子店「善収庵 大こくや」のくずバーは、豊富なフレーバーが自慢です。抹茶の奥深い味わいから、マンゴーみかん、爽快なラムネ、上品な白桃など、様々な味が楽しめます。たっぷりのフルーツ果肉と果汁が織りなす、シャリシャリとした食感と、とろけるような柔らかい食感のコントラストが楽しめます。牛乳や卵は不使用のため、これらのアレルギーが気になる方も選びやすい一品です。ただし、その他の原材料については、必ず公式サイトや商品パッケージでご確認の上、お召し上がりください。

金座和アイス『金座和アイス』

石川県金沢市に本店を置く「金座和アイス」は、独自の製法により、溶けにくいアイスクリームを提供しています。秘密は、イチゴポリフェノールを使用していること。ふわふわ、もっちり、シャリシャリといった、他では味わえない食感が特徴です。使用する素材は天然由来のもののみにこだわっているため、お子様からご年配の方まで、安心して召し上がっていただけます。

フランベ金沢鞍月店『葛アイスバー』

金沢市にある人気の洋菓子店「フランベ金沢鞍月店」では、素材本来の美味しさを追求した葛アイスバーが人気を集めています。フルーツミックス、マンゴー、苺、みかん、ブルーベリー、巨峰、パイナップル、ラムネ、桃、抹茶と、多彩な10種類のフレーバーをご用意。プルプル、もっちりとした独特の食感に加え、シャーベットのような爽やかな口当たりが特徴です。低カロリーでありながら、しっかりとした満足感が得られるのも嬉しいポイントです。

金澤寿翁軒『フルーツ王国わかやまの溶けないアイスくずバー』

老舗和菓子店「金澤寿翁軒」が手掛ける、新感覚の溶けないアイス。ストロベリー、ピーチ、ブルーベリー、みかん、ぶどう、和梨、レモン、びわ、梅と、バラエティ豊かな9種類のフレーバーが魅力です。和歌山県産の厳選フルーツを惜しみなく使用し、素材そのものの風味を最大限に引き出しています。保存料は一切使用せず、果実本来のジューシーな味わいを堪能できます。

Cake.jpオリジナル『テンミニーツ パルフェ(ハンディケーキ)』

Cake.jpから登場した「テンミニーツ パルフェ(ハンディケーキ)」は、まるでアイスのような見た目の可愛らしいケーキです。フレーバーは、ショートケーキ、モンブラン、ムースショコラ、フランボワーズの4種類。冷凍庫から取り出してわずか10分で食べられる手軽さが嬉しいポイント。ホームパーティーなどにもぴったりです。

自宅で作る溶けないアイス:簡単レシピ

特別な材料や道具がなくても、溶けないアイスはご自宅で手軽に作れます。ここでは、基本的なレシピをご紹介します。

材料

  • 葛粉:30g
  • 水:200ml
  • 砂糖:30g
  • お好みのフルーツ(カット):適量

作り方

  1. 葛粉、水、砂糖を鍋に入れ、ダマにならないよう丁寧に混ぜ合わせます。
  2. 弱火にかけ、鍋底に焦げ付かないよう絶えずかき混ぜます。
  3. 全体が透明になり、とろりとしたら火からおろします。
  4. カットしたお好みのフルーツを加え、均一に混ぜます。
  5. 型に流し込み、粗熱を取ってから冷凍庫でしっかりと冷やし固めてください。

材料

  • 粉寒天:4g
  • 水:200ml
  • 砂糖:30g
  • 牛乳またはジュース:100ml
  • お好みのフルーツ(カット):適量

作り方

  1. 水と粉寒天を鍋に入れ、粉寒天が溶けるように丁寧に混ぜ合わせます。
  2. 火にかけ、沸騰したら弱火にし、かき混ぜながら2分ほど煮溶かします。
  3. 砂糖を加え、完全に溶けたら火を止めます。
  4. 牛乳またはジュースを加え、ムラなく混ぜ合わせます。
  5. お好みのフルーツを加え、全体を混ぜ合わせます。
  6. 型に流し込み、粗熱が取れたら冷凍庫でしっかりと冷やし固めます。

溶けないアイスに関する注意点:アレルギー、保管方法

溶けないアイスを選ぶ際は、アレルギー物質の有無と、適切な保存方法の確認が不可欠です。必ず原材料表示を詳細に確認し、アレルギーの原因となる成分が含まれていないか確かめましょう。また、各商品の推奨する保存方法に従って、品質を維持するように注意してください。

溶けないアイスの最新トレンドと今後の展望

昨今、健康への意識の高まりや、様々な食感への欲求から、溶けないアイスへの関心が高まっています。これからは、より体に優しい素材を使用した製品や、これまでにない食感や味の商品が登場することが期待されます。

まとめ:溶けないアイスで新しい食感の世界へ

溶けないアイスは、その独特な食感と溶けにくさで、新しいデザートの選択肢として注目を集めています。葛、寒天、イチゴポリフェノールといった、様々な素材を活かした商品が開発されており、それぞれ異なる風味や食感を堪能できます。ぜひ、あなたにとって最高の溶けないアイスを見つけて、新たな食感の冒険を楽しんでみてください。

質問:溶けないアイスは本当に完全に溶けないのですか?

回答:完全に溶けないというわけではありません。通常のアイスクリームと比較して溶けにくいというだけで、時間が経過すれば徐々に柔らかくなっていきます。素材や製造方法によって溶けにくさは異なります。

質問:溶けないアイスはどこで購入できますか?

回答:全国各地の和菓子店や洋菓子店、インターネット通販などで購入可能です。

質問:葛アイスは小さなお子さんやご年配の方にも適していますか?

回答:基本的に、葛アイスはなめらかで口当たりが優しいため、小さなお子様やご高齢の方でも比較的安心して召し上がっていただけます。ただし、商品によってはアレルギーの原因となる成分が含まれていることもありますので、原材料表示をしっかりと確認してからお渡しください。




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