みかんは1日に何個が適切?効果を最大化する食べ方とタイミングを解説

冬の味覚として親しまれるみかん。手軽に美味しく食べられるだけでなく、美容や健康にも嬉しい効果がたくさんあることをご存知でしょうか?しかし、みかんのパワーを最大限に引き出すには、食べるタイミングが重要です。この記事では、みかんを食べるのに最適な時間帯や、効果的な食べ方を徹底解説。みかんの知られざる魅力を発見し、日々の生活に取り入れて、より健康的な毎日を送りましょう。

みかんの適切な摂取量とベストなタイミング

みかんは、その美味しさにつられて、ついつい手が伸びてしまう果物ですが、適切な量を意識することが大切です。厚生労働省と農林水産省が共同で作成した「食事バランスガイド」では、健康を維持するために、1日に200gの果物を摂ることを推奨しています。これは、みかんで言うとMサイズなら約2個、Sサイズなら約3個に相当します。一般的に、一般的に、皮をむいたMサイズのみかん1個の可食部が約75g~100gなので、1日の目安は2~3個と考えて良いでしょう。ただし、この目安はあくまで大人向けです。小さなお子さんにみかんを与える場合は、量を調整する必要があります。例えば、2歳までの赤ちゃんには1日に1/2個、2歳以上の幼児には1日に1個を目安にすると良いでしょう。みかんには果糖が多く含まれているため、摂りすぎると糖の代謝に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、小さなお子さんには注意が必要です。

ダイエット中の摂取目安量

みかんは、100gあたり約49kcalと、他の果物と比べてもカロリーが低いので、ダイエット中でも比較的安心して食べられる果物です。さらに、食物繊維が豊富に含まれており、この食物繊維は消化に時間がかかるため、満腹感が持続しやすく、空腹感を抑える効果が期待できます。これにより、食事全体の量を減らし、カロリーコントロールに役立つと考えられます。ただし、カロリーが低いからといって、たくさん食べて良いわけではありません。みかん以外にも、普段から色々な果物を食べている場合は、みかんと他の果物の量を調整して、1日の果物摂取量の目安である200gを超えないように注意しましょう。また、シロップ漬けの缶詰みかんは、甘くて食べやすいですが、砂糖がたくさん使われているため、生のみかんに比べてカロリーが高くなっています。ダイエット中にみかんを食べるなら、できるだけ生のものを食べるようにしましょう。缶詰みかんを食べる場合は、量を控えたり、シロップを減らしたりするなどの工夫が必要です。生のものを適量食べることで、みかんの栄養をしっかり摂りながら、ダイエットをサポートすることができます。

みかんを食べるおすすめのタイミング

みかんを食べるタイミングに、特に決まりはありません。基本的には、自分のライフスタイルや好みに合わせて、好きな時に食べればOKです。健康面で大きな差が出ることはありません。しかし、ダイエットや便秘解消など、特定の効果を期待して積極的にみかんを食べる場合は、食べるタイミングを工夫することで、その効果をより高めることができるかもしれません。ダイエット中なら、食事の前にみかんを食べるのがおすすめです。みかんに含まれる食物繊維は、食事の前に摂ることで、胃の中で水分を吸収して膨らみ、満腹感を得やすくなります。これにより、その後の食事の量を減らすことが期待できます。また、食物繊維は腸の働きを活発にし、便通を良くする効果もあるため、消化吸収のサポートにもつながります。便秘気味の方には、朝にみかんを食べる「朝みかん」がおすすめです。朝にみかんを食べることで、豊富な食物繊維が腸を刺激し、腸のぜん動運動を活発にする効果が期待できます。これにより、朝の排便を促し、便秘の解消につながる可能性があります。皮をむくだけで手軽に食べられるみかんは、忙しい朝にぴったりの食べ物と言えるでしょう。

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みかんの食べ過ぎで気をつけるべき3つのこと

みかんは体に良い栄養がたっぷり詰まったフルーツですが、どんな食べ物もそうであるように、摂りすぎには注意が必要です。みかんを必要以上にたくさん食べると、主に以下の3つの点に注意が必要な症状が出ることがあります。これらのリスクをしっかり理解して、適切な量を守ることが、みかんの良さを安全に享受するためにとても大切です。

1. 手足が黄色くなる「柑皮症」

「みかんをたくさん食べると手が黄色くなる」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。この特徴的な症状は、医学的には「柑皮症(かんぴしょう)」と呼ばれています。柑皮症の直接的な原因は、みかんのあの鮮やかなオレンジ色を作り出している「カロテノイド」という色素を摂りすぎることです。カロテノイドは、体に吸収された後、皮膚の表面に近い角質層や表皮、さらに皮下脂肪に蓄積されやすい性質を持っています。そのため、みかんを大量に、そして毎日食べることで体の中にカロテノイドがどんどん溜まり、その結果として肌が黄色っぽく見えるようになるのです。特に、角質層が厚い手のひらや足の裏は、カロテノイドが特に溜まりやすく、黄色が濃く見えることが多いです。しかし、柑皮症はあくまで色素が沈着しているだけで、今のところ、この症状によって体に悪い影響が出たという報告はありません。一時的なもので、みかんを食べるのをやめれば、体内のカロテノイドの量が徐々に減り、肌の黄色い症状は自然に消えていきます。ただし、元の肌色に戻るまでには数ヶ月かかることもあるので、気になる場合は少しの間、食べる量を減らすと良いでしょう。

2. 体重増加につながることも

みかんはフルーツの中でも比較的カロリーが低いので、みかんだけを食べて急に太るということはあまりありません。日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年によると、主要な果物の100gあたりエネルギー(kcal)は以下の通り

  • みかん(温州みかん、生)49kcal
  • 柿(甘がき、生)60kcal
  • ぶどう(デラウェア、生)59kcal
  • キウイフルーツ(緑肉種、生)53kcal
  • りんご(ふじ、生)56kcal
  • バナナ(生)93kcal
  • いちご(生)31kcal 

一般的に考えると、みかんは低カロリーなフルーツと言えるでしょう。しかし、どんな食べ物にも言えることですが、摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、体重は増えてしまいます。みかんも例外ではありません。例えば、ご飯一杯(約150g)のカロリーは約240kcalですが、みかんを4〜5個(約500g)食べると、ご飯一杯と同じくらいのカロリーを摂ることになります。健康を維持したり、体重を管理するためには、みかんが低カロリーだからといって油断せずに、全体の食事量や摂取カロリーを考えて、適量を守って楽しむことが大切です。バランスの取れた食事の一部としてみかんを取り入れることで、みかんの良いところを最大限に活かすことができるでしょう。

3. お腹が痛くなったり、下痢をしたりする可能性

みかんをたくさん食べると、お腹が痛くなったり、下痢をしたりすることがあります。みかんには、健康に良いとされるビタミンCや、水溶性食物繊維である「ペクチン」がたくさん含まれています。食物繊維、特にペクチンは、腸内環境を良くして、便通をスムーズにする効果がある一方で、摂りすぎるとお腹に負担をかけ、腹痛や下痢の原因になることがあります。これは、食物繊維が腸の中で発酵する時にガスが発生したり、水分を吸収しすぎて便の量を増やしすぎたりするためです。特に、普段から胃腸が弱い人や、過敏性腸症候群などの症状がある人は、みかんをたくさん食べることで症状が悪化し、腹痛や下痢を繰り返すことがあるかもしれません。また、一度に大量のみかんを食べると、消化器官が処理しきれずに消化不良を起こしたり、みかんに含まれる水分が多いため、体が必要とする以上の水分を摂ってしまい、お腹がゆるくなることもあります。これらの症状が頻繁に起こることは少ないですが、お腹の調子が悪くならないように、みかんはできるだけ適量を心がけ、特に胃腸の調子が悪い時は食べる量に注意することが大切です。

みかんのカロリーと主な栄養素

冬の味覚としておなじみのみかんは、小さいながらも栄養満点なフルーツです。健康や美容に役立つ様々な栄養素が凝縮されています。ビタミンCは、体の酸化を防ぐだけでなく、コラーゲンの生成を助け、シミの元となるメラニンの生成を抑える効果も期待できます。

また、みかんの薄皮には、水溶性食物繊維のペクチンが豊富です。ペクチンは、腸の中で水分を吸収して便を柔らかくし、排便を促します。さらに、善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える効果も期待できます。みかんの白い筋には、ポリフェノールの一種であるヘスペリジンが含まれています。ヘスペリジンは、血管を丈夫にし、血流を良くする働きがあり、高血圧や冷え性の改善に役立つと言われています。

そして、みかんのオレンジ色の色素成分であるβ-クリプトキサンチンは、体内でビタミンAに変換され、抗酸化作用によって細胞を守ります。がん予防や骨粗しょう症、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病のリスクを減らす効果も報告されています。これらの栄養素を効果的に摂取するためには、白い筋や薄皮も一緒に食べるのがおすすめです。Image

みかんとの組み合わせで便秘改善を促進する食品

みかんには、便秘解消に役立つ水溶性食物繊維であるペクチンが豊富に含まれていますが、特定の食品と組み合わせることで、その効果をさらに引き出すことが可能です。異なる栄養素や食物繊維を一緒に摂取することで、腸内環境を整え、よりスムーズな排便を促すことができます。以下に、みかんと一緒に食べると便秘解消効果が期待できる食品とその理由をご紹介します。

乳酸菌豊富なヨーグルト

みかんに含まれる水溶性食物繊維のペクチンは、ヨーグルトに含まれる乳酸菌などの善玉菌にとって、格好のエサとなります。ペクチンが善玉菌の栄養源となることで、腸内で善玉菌が増殖し、腸内環境が改善され、便秘解消を促進する効果が期待できます。さらに、みかんの爽やかな酸味と、ヨーグルトのまろやかな風味が絶妙にマッチし、美味しく続けやすい組み合わせです。便秘にお悩みの方や、腸内環境を整えたい方は、朝食にみかんとヨーグルトを食べる習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。手軽に始められるこの組み合わせは、健康的な腸内環境づくりをサポートしてくれるでしょう。

玄米や全粒粉パンなどの不溶性食物繊維

みかんは水溶性食物繊維であるペクチンが豊富ですが、快便のためには水溶性と不溶性の食物繊維をバランス良く摂ることが大切です。水溶性食物繊維が便を軟らかくする一方、不溶性食物繊維は便の量を増やします。便の体積が増えることで腸壁が刺激され、ぜん動運動が促され、排便がスムーズになります。不溶性食物繊維は、未精製の穀物、例えば玄米や全粒粉パン、ライ麦パンなどに多く含まれます。これらの食品は、食物繊維だけでなく、ビタミンやミネラルも豊富です。朝食の白米を玄米おにぎりに、食パンを全粒粉パンやライ麦パンのトーストにするなど、工夫次第で便秘改善の効果を高めることができます。みかんと一緒に、朝食に不溶性食物繊維が豊富な食品を選び、水溶性と不溶性の相乗効果で、より効果的な便秘対策をしましょう。

みかんを美味しく保つ保存方法

みかんは繊細な果物なので、適切な方法で保存することで、美味しさと鮮度を長く保つことができます。保存方法が適切でないと、すぐに傷んだり、風味が損なわれたりするため、以下の点に注意して保存しましょう。みかんを長持ちさせるためには、風通しの良い、3~8℃程度の涼しい場所で保存することが大切です。みかんは高温多湿を嫌う性質があるためです。保存できる期間は購入時期によって異なりますが、旬の時期である12月頃の寒い時期であれば、適切な条件下で約2週間程度は鮮度を保つことができます。夏場など気温の高い時期や、暖房の効いた室内で保存する場合は、劣化が進みやすいため、冷蔵庫での保存も有効です。ただし、冷蔵庫内は乾燥しやすいため、みかんが乾燥しないように、新聞紙で一つずつ包んだり、ポリ袋に入れるなどの工夫をすると、より長持ちします。箱買いした場合は、箱の蓋を開けたままにして、通気性を良くし、湿気がこもらないようにしましょう。箱の中に腐ったみかんが一つでもあると、他の健康なみかんにも腐敗が広がる可能性があるため、定期的に確認し、取り除くことが重要です。また、箱の底にあるみかんは、重みで潰れやすく傷みやすいので、下にあるみかんから優先的に食べるようにすると、無駄なく消費できます。これらの保存方法を実践することで、みかんをより長く美味しく楽しむことができるでしょう。

まとめ

適量を守ることで、みかんが持つ健康・美容効果を安全に得ることができます。食べ過ぎると、一時的に肌が黄色くなる柑皮症になったり、食物繊維やビタミンCの過剰摂取により腹痛や下痢を引き起こしたり、果糖の摂りすぎによる糖代謝への影響などが考えられます。適切な保存方法(風通しの良い涼しい場所、または冷蔵庫での乾燥対策)で鮮度を保ち、日々の食生活にみかんを取り入れることで、健康的な生活を送ることができるでしょう。みかんの特性を理解し、上手に活用することで、より健康的な生活を送ることができるでしょう。

みかんは、1日にどれくらいまでなら大丈夫?

みかんは、1日に2~3個を目安にすると良いでしょう。これは、厚生労働省が推奨する1日の果物摂取量である200gに相当します。ただし、みかんの大きさによって個数は異なり、Mサイズであれば2個、Sサイズであれば3個程度が適量です。果糖の過剰摂取を避けるためにも、この目安量を守ることが大切です。

みかんの摂りすぎで肌が黄色くなるのはどうして?

みかんをたくさん食べると肌が黄色っぽくなることがありますが、これは「柑皮症」という状態です。原因は、みかんに豊富な「カロテノイド」という色素成分を摂りすぎることで、この色素が皮膚の表面に近い部分や皮下脂肪に蓄積されるためです。健康上の心配はなく、みかんの摂取量を減らせば、数か月程度で元の肌色に戻ります。

減量中にみかんを食べるのはOK?

はい、減量中でもみかんは問題なく食べられます。みかんは100グラムあたり約49キロカロリーと、比較的カロリーが低い果物です。また、食物繊維も豊富なので、満腹感を得やすく、食事の量を抑えるのに役立ちます。ただし、他のフルーツと合わせて1日に200グラム程度を目安にするなど、食べる量には気をつけましょう。シロップ漬けの缶詰は避けた方が良いでしょう。

みかんを食べすぎるとお腹の調子が悪くなる?

みかんをたくさん食べると、お腹が痛くなったり、下痢をしたりすることがあります。これは、みかんに含まれる食物繊維の一種である「ペクチン」やビタミンCを過剰に摂取することが原因と考えられます。食物繊維は腸の調子を整える効果がありますが、一度に大量に摂りすぎると、消化不良を起こしたり、ガスが溜まったり、水分が多くなりすぎてお腹がゆるくなることがあります。特に胃腸が弱い人は、過敏性腸症候群のような症状が出やすいので、食べる量に注意が必要です。

みかんは便秘の改善に役立つ?

はい、みかんは便秘の改善に効果が期待できます。特に、水溶性食物繊維である「ペクチン」が豊富に含まれており、腸内で便を柔らかくし、排便を促す働きがあります。さらに、ペクチンは善玉菌の栄養源となり、腸内環境を整えることで便秘解消につながります。ただし、みかんで効果が期待できるのは、主に生活習慣などが原因の「機能性便秘」の場合です。

便秘改善を狙うなら、みかんを食べるタイミングは?

便秘にお悩みの方には、朝にみかんを食べるのがおすすめです。朝食にみかんを取り入れることで、みかん由来の食物繊維が腸を心地よく刺激し、活発な動きをサポートします。その結果、自然な便意が促され、規則正しいお通じのリズムを作る手助けとなります。

みかんの栄養を余すところなく摂るには?

みかんの恵みを最大限に享受するには、果肉はもちろん、薄皮や白い筋も一緒に食べるのがポイントです。これらの部位には、水溶性食物繊維であるペクチンや、ポリフェノールの一種であるヘスペリジンといった、健康に役立つ成分が豊富に含まれています。果肉だけでは得られない栄養を補給できます。

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