りんごは健康に良い果物として多くの人々に親しまれていますが、その甘さの背後にある糖質量についてはあまり知られていません。日常的に摂取するりんご一個には、果たしてどれほどの糖質が含まれているのでしょうか?この記事では、りんごに含まれる糖質の量を詳しく紐解きながら、知られざる甘さの秘密に迫ります。健康を気にする人やダイエット中の方も必見の内容です。
りんご1個のカロリーは約158キロカロリー
おおよそ158kcalが1個のりんごのカロリーと言われています。
重さは品種によって異なるため、ここでは日本で最も生産されている「ふじ」の重さ350gを例に計算しています。
りんごで太る?太りにくい食べ方を紹介
りんごは、他のフルーツと比べて特にカロリーが高いわけではありません。
それにもかかわらず、ダイエット中においては、その糖質量が気になるポイントとなることがあります。
ここでは、りんご1個に含まれる糖質量や、ダイエットに適したりんごの取り入れ方をお伝えします。
りんごの糖質含有量は高いのか?
りんご1個に含まれる糖質はおおよそ42gとされています。100g中の可食部では、りんごの糖質は14.1gです。
りんごの100gあたりの糖質量は、カロリー面でもバナナより低めで、他のフルーツとは大差ありません。さらに、りんごのGI値は36と低いので、低GI食品に分類されます(GIは食後の血糖値の上昇度を計る指標です)。
ダイエット中の食品選びでは、糖質の総量だけでなく、血糖値の上昇のしやすさにも注意が必要です。急激な血糖値の上昇はインスリンの過剰分泌を引き起こし、肥満の原因になります。低GI食品であるりんごは血糖値をゆるやかに上げるため、ダイエット時に適した食品とされています。ただし、ジャムにするなど砂糖を用いる調理法では、糖質量が増加し、血糖値も上がりやすくなるので注意が必要です。
皮ごと食べるのが推奨される理由
ダイエットの際には、皮付きのりんごをそのまま食べるのが推奨されています。りんごには、優れた抗酸化作用を持つ「ポリフェノール」が豊富に含まれています。このりんごに含まれるポリフェノールの総称として、「りんごポリフェノール」と呼ばれることもあります。
その中でも、「プロシアニジン類」が約60%を占めています。プロシアニジン類の抗酸化能力は、緑茶中の「カテキン」や赤ワインに含まれる「レスベラトロール」よりも高いとされています。ポリフェノールは主にりんごの皮の部分に存在しますので、美容や健康を維持したい方は、皮ごと食べると良いでしょう。
痩せたいときに嬉しいりんごの栄養成分
りんごには、ポリフェノールをはじめ、豊富な栄養素が含まれています。
ヨーロッパでは「1日1個のりんごを食べれば医者は不要」ということわざがあるほど、栄養が豊富な食品です。ダイエット中にも役立つりんごの栄養素について詳しく紹介します。
「ビタミンC」で肌トラブルを防ぐ
りんごには、肌のシミ対策や抗酸化作用が期待できるビタミンCが含まれています。このビタミンCは、肌の保湿やターンオーバーの促進といった効果も期待される栄養素です。ダイエット中の栄養制限で不足しがちなビタミン類、特にビタミンCが不足すると肌が乾燥しやすくなります。ビタミンCは水に溶けるため、体に溜まらずすぐに排出されるので、頻繁に補給することが必要です。
「カリウム」でむくみを和らげる
カリウムは欠かせないミネラルの一つであり、高血圧を引き起こす主な要因となるナトリウムの排出を助ける働きがあります。このミネラルが不足すると体がむくむ可能性があるため、りんごを食べてカリウムを補給することにより、体重管理に役立ちます。特に塩分の多い食事を日常的に摂っている方には、りんごを意識的に取り入れることをおすすめします。
「食物繊維」による糖質吸収の緩和作用
食物繊維は、体内の酵素で分解されない食品成分であり、水溶性と不溶性の2種類に分類されます。りんごには、これらの異なるタイプの食物繊維がバランスよく含まれています。りんご中の水溶性食物繊維「ペクチン」は、血糖値の急上昇を抑える働きがあるとされ、糖分の吸収を緩やかにします。
さらに、コレステロールを抑制する効果も期待できるため、ダイエット中の利用に向いています。不溶性食物繊維である「セルロース」は、りんごの細胞壁を構成する物質です。この成分は腸内の有害物質を吸着し、便通を促進するため、便秘の予防に寄与します。また、食物繊維はポリフェノールと同様に、りんごの皮に多く存在しています。