水出しコーヒー
水出しコーヒーって?
日本におけるコーヒーの楽しみ方といえば、一般的に温かいコーヒーを淹れた後に冷やして飲むアイスコーヒーが最もポピュラーです。ところが近頃、「水出しコーヒー」というアイスコーヒーとは技法が大きく異なる新潮流が出現し、注目を浴びています。
一見すると、水出しコーヒーはアイスコーヒーの一種であるように思われがちですが、その製法や特徴を理解すればその魅力と新しさがわかるでしょう。
水出しコーヒーは、その名の通り、水でゆっくりとコーヒー豆を抽出する方法を用いたもので、ここ近年、アメリカのコーヒー専門店の間でCOLD BREWという名で誕生し、その後日本へと広がりを見せました。
水出しコーヒーの製法は、コーヒー豆を多量の水に浸し、数時間から一日をかけてコーヒー豆の風味や成分をゆっくりと引き出す方法です。これは、温かいコーヒーを冷やす通常のアイスコーヒーとは全く違った、じっくりと時間をかけた贅沢な製法です。
水出しコーヒーで特筆すべき特徴の一つは、そのマイルドな味わいです。通常、熱湯でコーヒー豆を抽出すると、豆の油分も抽出され苦味やえぐみが増えますが、水出しコーヒーは油分が少なく、コーヒー本来の風味がダイレクトに味わえるため、マイルドでありながらも豊かな味わいが楽しめます。
また、油分が少ないため、空気に触れても味が変わりにくく、長時間保存しても風味が落ちにくいのも特長的です。そのため、忙しい朝でも前日に作っておけば、すぐに美味しいコーヒーを楽しむことができ、夏場のアイスコーヒーとして最適です。
一度、そのまろやかな味わいと便利さを体験すれば、きっとあなたのコーヒーライフをさらに豊かにしてくれるでしょう。
水出しコーヒーを作る準備
水出しコーヒーの作り方はキャンプの酒だしと同じ、特別な準備は一切必要ありません。ドリップコーヒーと同じ要素、つまりコーヒー豆、水、そしてフィルタを使用する容器があればコーヒーは作れます。しかし、カフェで提供されるようなクオリティの水出しコーヒーを自宅で作るためには、いくつか覚えておくポイントがあります。
まず一つ目、コーヒー豆の種類と焙煎の度合いです。水出しコーヒーの魅力は、味のクセが弱く、豆本来の風味がダイレクトに楽しめること。そのため、どんな豆を使っても良いのですが、より美味しいコーヒーを楽しむためには、上質なコーヒー豆を選びたいところ。また、豆の味を引き立てるためにも、深煎りの豆を選びましょう。ビターさを抑えつつ、コーヒー本来の豊かな味を引き出すことができます。
次にポイントとなるのが、抽出に使う水の種類。美味しい水出しコーヒーを作るには、高純度の水がおすすめ。ただし、ミネラルウォーターが良いとは限りません。マグネシウムなどのミネラル成分が多い硬水は、コーヒーの味わいに影響を与えてしまいます。ミネラルウォーターを使うのであれば、軟水が最適。
さらに、専用の水出しポットがないからといって、水出しコーヒーの作り方は変わりません。水出しコーヒーを作るのは、麦茶の水出しと同じ感覚で十分。コーヒー豆をパックに入れ、水を注ぎ、時間を置いてからフィルターで濾すだけです。
これで、あなたも自宅で上質な水出しコーヒーを楽しむことが可能になります。無理に専用のポットを用意する必要はありません。まずは手元にあるもので試してみましょう。
お店の味を再現!美味しい水出しコーヒーの作り方
好きなカフェの水出しコーヒーの風味と爽やかさを思い起こしてみてください。それを自宅で再現できるとしたら、どんなに素晴らしいでしょう。今回は、そのステップをご紹介します。始めに、中煎りから深煎りのコーヒー豆を粗挽きにし、豆と水の比率は1:10にします。このとき、しっかりと豆の風味を引き出すために、水との接触面積を大きくしましょう。
水出しコーヒーは一見「薄い?」というイメージを持ちがちですが、その想像は覆されるでしょう。豆本来の旨味と香りをダイレクトに味わうことができ、ホットブリューとはまた違った楽しみ方ができます。
次に考慮すべきは時間。8時間以上(10時間〜12時間が理想的)の浸出時間を設け、空気との接触を許して香りを増幅させましょう。そのためには、前の夜に準備をして冷蔵庫で寝かせるのが最適です。そうすれば、翌朝には美味しい水出しコーヒーが待っています。
以上の方法で、お店の水出しコーヒーが自宅でも手軽に楽しめます。季節を問わず清々しい風味の水出しコーヒーでゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
水出しコーヒーは、じっくりと時間をかけて抽出することで独特のスムーズな風味と華やかな香りを引き出します。ホットブリューとは違い、苦みや酸味が少なく、コーヒーの新しい一面を楽しむことができます。また、自宅で作る際には特別な器具がなくても手軽に挑戦できるのも魅力です。体験しながら、その深い味わいと自分だけの一杯を見つけてみてください。