すぐりの実とは

すぐりの実とは

すぐりの実とは

すぐりは日本の伝統的な野菜のひとつで、古くから食文化に深く根付いています。その小さな実は、縁起が良いとされ、正月料理の一品として欠かせない存在です。しかし、すぐりの実にはただ風習を継承するだけでなく、栄養価の高さや驚くべき健康効果があることが最近の研究で明らかになってきました。今回は、すぐりの実の魅力と効能、そして賢明な食べ方について詳しくご紹介します。

スグリの実はどんな果物?

スグリという名前は聞いたことがあるけれど、その実体を知る人は少ないかもしれません。熱帯や亜熱帯が原産の不思議な果実、スグリの実の魅力に迫ってみましょう。
スグリの実は、ブドウのように小さな実が房になって生る珍しい姿をしています。色はオレンジがかった赤で、味は甘酸っぱく果肉が多いのが特徴です。スグリの木は常緑高木で、10mほどに成長します。
沖縄や小笠原諸島などで古くから親しまれてきたスグリの実には、豊富なビタミンCが含まれています。かつては風邪予防や滋養強壮の民間薬として利用されていたほか、赤い染料としても使われていました。現代でも観賞用や料理の素材として重宝されており、南国ならではの香りと風味が楽しめる魅力的な果実なのです。
ビタミンCやミネラル、食物繊維が豊富に含まれるスグリの実は、健康にも良い働きがあると期待されています。血液をサラサラにする効果もあるアントシアニンも含んでいるそうです。身近にありながら、まだ奥深い魅力を持つスグリの実。是非一度、味わってみてはいかがでしょうか。

スグリの実の種類

代表的なスグリの種類


【レッドカラント(赤房スグリ・red currant)】

実が赤色で、酸味が強く、甘さは控えめです。ジャムやゼリー、果実酒など、加工品によく利用されます。

生食はあまり一般的ではありません。


【ブラックカラント(黒房スグリ、ブラック カシス)】

実が黒紫色で、レッドカラントよりも甘みが強く、風味が濃厚です。

ビタミンCが非常に豊富で、健康食品としても注目されています。

ジャム、ジュース、リキュールなど、様々な食品に使用されます。


【ホワイトカラント】

実が白色で、他の種類よりも甘みが強く、爽やかな風味があります。

生食や菓子作りに利用されます。

スグリは何科?

以前は、スグリはユキノシタ科スグリ属に分類されていました。しかし、遺伝子の研究が進んだ結果、スグリは他の植物とは異なる特徴を持っていることが分かり、スグリ科スグリ属として独立することになったのです。

なぜ科が変わったの?
植物の分類は、見た目だけでなく、遺伝子レベルでの分析も重要になってきました。遺伝子を詳しく調べた結果、スグリはユキノシタ科の植物とは異なる遺伝子を持っていることが判明したのです。このことから、スグリは独自の進化を遂げた植物であると考えられ、新しい科として分類されることになったのです。

スグリ科の特徴
スグリ科の植物は、主に北半球の温帯地域に分布しています。スグリの他にも、グーズベリーなどが属しています。スグリ科の植物は、多くの場合、小さな花をたくさんつけ、その後、特徴的な房状の果実をつけます。

スグリは漢字でどう書く?

スグリの漢字は、一般的に酸塊と書きます。

【なぜ「酸塊」と書くのか?】
酸っぱい: スグリの実が非常に酸っぱいことから、「酸」の字が使われています。
塊: 小さな実がたくさん集まって房状になっている様子を表しています。
つまり、「酸塊」という漢字は、スグリの実の酸っぱくて丸い特徴を端的に表していると言えるでしょう。

スグリの実を食べる方法

スグリの実は、日本の自然の恵みを凝縮した味わい深い秋の味覚です。赤く実った果実には甘酸っぱい風味と豊富な栄養素が含まれ、丸ごと食べられる貴重な山の恵みといえます。
9月から10月にかけての収穫期に、熟した赤い実をそっと手に取り、ほこりを拭き取ると、口に含んだ瞬間から甘酸っぱい果汁が広がります。中心にある種をパリッと噛み砕けば、ナッツのようなうま味も楽しめる絶品の味わいです。生で食べて自然の恵みを存分に堪能することができます。
生食以外にも、スグリの実を利用した加工品の幅は広がります。甘酸っぱい風味を生かしたジャム、シロップ、酢の物などが人気で、ワインやリキュールの原料にもなり、食生活に彩りを添えてくれます。
秋の味覚の季節に加え、乾燥させて保存すれば一年中楽しめる恵み豊かな実です。郷土の恵みを上手に生かし、豊かな自然の滋味を日々の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
すぐりの実とは

スグリの実を保存する方法

スグリの実は、ビタミンCが豊富な貴重な野菜です。傷みやすい実を長持ちさせるには、適切な保存方法が重要です。収穫後すぐに実を枝から取り除き、汚れを拭き取ります。次に半分に切って種を取り除き、ラップに包んで冷蔵庫に入れましょう。このように空気に触れる面積を少なくすれば、酸化による劣化を防げます。傷んだ実は早めに加工して長期保存に備えましょう。
スグリの実の加工品は人気の手土産にもなり、その独特の風味は喜ばれること間違いありません。ジャムやシロップ漬けにすれば、1年以上もスグリの美味しさを楽しめます。ヨーロッパでは700年も昔から栽培されてきたスグリの実は、加工の選択肢も多様です。甘酸っぱさと彩りが魅力的なジャムは、パンに塗るだけでなくお菓子にも応用できます。ジュースやゼリー、果実酒などにも加工されます。スグリの実の果実酒は、砂糖とアルコール、水を加えて15日ほど置くと完成します。ノンアルコールドリンクとしても、炭酸水と合わせて楽しめます。

まとめ

すぐりの実は、その小ささからは想像できないほど、栄養価が高く、抗酸化作用や抗がん作用、さらには生活習慣病の予防効果が期待できる魔法の実なのです。正月の縁起物としてだけでなく、年間を通して積極的に食べることで、健康増進や病気予防につながるでしょう。伝統食材の新しい魅力を発見し、賢明に日々の食生活に取り入れましょう。