コーヒー豆は基本的に「アラビカ種」と「ロブスタ種」の２つが大半を占めていますが、今回はロブスタ種、または別名「カネフォラ種」と呼ばれるものを中心に解説します。

このロブスタ種は本来西アフリカ出身で、どこにでも病気に負けず、低温に耐えられる強靭な植物です。そして、その育成が容易であることから広範囲に栽培が広まり、大量生産へと繋がりました。

しかし、味わいの点では苦味が強く、ほどよい重みが特徴的で、アラビカ種に比べると少し酸味が弱めです。このため、特に高品質のコーヒーブレンドにはあまり選ばれませんが、一方でその個性的な風味はエスプレッソや即席コーヒーによく使用され、深みとコクを求める人々から支持されています。

従って、ロブスタ種は、育てやすさとコストパフォーマンスから大規模な生産が可能な一方で、その特徴的な風味から一部のコーヒー愛好家からは絶大な評価を得ています。見た目以上に深い魅力を持つコーヒー豆、それがロブスタ種なのです。

日本では、アラビカ種のコーヒーが大半を占めており、特別な店でしかロブスタ種のコーヒーを楽しむことは少ないかもしれません。しかし、ロブスタ種に対する評価やイメージが一面的なもので、その存在が軽視されてしまっていることに疑問があります。

アラビカ種とロブスタ種（カネフォラ種）の主な違いは、含まれている成分のバランスと言われています。特に、コーヒーの風味を作り出す少糖類の含有量がアラビカ種と比較し低く、そのためにアラビカ種特有のフルーティな香りやコクが控えめに感じられます。

加えて、ロブスタ種はカフェインの含有量がアラビカ種の約2倍あり、これはロブスタが強い苦みを持つ主な要因とされています。しかし、その苦みはクロロゲン酸類という成分の影響が大きいと言われています。

多様な加工品や、ご自宅で手軽に楽しめるインスタントコーヒーにはロブスタ種が良く使われています。その苦みと焦がし香が製品の風味を引き立て、濃厚な味わいを作り出します。また、熟練したバリスタが手掛けるエスプレッソなどでは、強烈なコクと豊かなクレマが口の中に広がり、アラビカ種とは一線を画す味わいを楽しめます。

近年、アラビカ種とロブスタ種を組み合わせたハイブリッド種も出てきています。その中でも、ロブスタの生産地である西アフリカで生産されている「アラブスタ」や、病害に強く大量生産が可能な「カチモール」、そしてコロンビアで開発された「カスティージョ」などが注目を浴びています。

コーヒーはその人の好みやシチュエーションにより、最適な種類や淹れ方が変わります。それぞれの特性を理解し、自分にとっての最高の一杯を見つけてみてはいかがでしょうか。そして、もしカフェなどでハイブリッド種のコーヒーを見かけたら、ぜひ試してみてください。

ロブスタのコーヒー豆は、コーヒー豆専門店でもあまり出会えない貴重な存在です。それだけに、その一度きりの出会いとなるかもしれないロブスタのコーヒー豆が持つ、独特の味わいを存分に楽しむべきでしょう。

ただ、そのままストレートで飲むと強い苦みを感じることもあるため、ロブスタ独特の楽しみ方をここでご紹介します。

まず、その一つとして考えられるのが、アラビカ種との絶妙なブレンドです。ロブスタの強烈な苦みは、アラビカ種とブレンドすれば、その味わいをより深くすることができます。さらにロブスタはアラビカ種に比べてカフェイン含有量が多いため、ぐっと目を覚ますひと時に、ロブスタをブレンドするのも良いかもしれません。

次におすすめなのが、アイスコーヒーとしての堪能です。ロブスタのコーヒー豆は氷をたっぷりと加えてアイスとして楽しむ分には、その独自の風味や苦みを引き立てます。冷えた状態で飲むことで、ロブスタの緊張感が緩和され、喉越しの良さへと結びつくと感じる人も少なくないでしょう。

最後にご紹介するのが、ベトナムコーヒーでの楽しみ方です。ロブスタ種の豆が大半を占めることで知られるベトナムでは、コンデンスミルクを用いてコーヒー豆のコクと甘みを補う独特のコーヒーが飲まれています。デザートタイプのベトナムコーヒーは、一度飲めばその味を忘れられないほどの魅力があります。

それでは、ベトナムコーヒーの作り方をご紹介します。はじめに、ロブスタのコーヒー豆を粗挽きにします。次に、コーヒーカップにたっぷりのコンデンスミルクを入れておきます。そして、ペーパーフィルターをセットして、カップに直接コーヒーを抽出するだけです。

まとめとして、「ロブスタ コーヒー」はその独特な風味と手間暇かけて育てられた豆の特性から独特の風味が生まれ、一杯のコーヒーから極上のリラクゼーションを提供します。既成のコーヒールーティンに飽きた方、カフェ風の癒しの時間を自宅で再現したい方には最高の選択です。ロブスタ コーヒーで、新たなコーヒーライフをお楽しみください。