パンナコッタ プリン違い
デザートの王道であるプリンとパンナコッタ。どちらも滑らかな食感と上品な味わいが魅力的ですが、実は作り方や食感、風味などに違いがあります。今回は、プリンとパンナコッタの違いについて詳しく解説していきます。ぜひ、お気に入りのデザートを見つける参考にしてください。
プリンとは?もともとの意味は茶碗蒸し!
プリンは、もともとはイギリスで生まれた、余剰の食材を無駄なく活用するための料理でした。当初は、残った肉や野菜を卵に浸して蒸した、日本の茶碗蒸しに近い一品料理として親しまれていました。しかし、時代とともにその姿を変え、現代では砂糖やバニラなどを加えた甘いデザート食品として定着しました。
プリンの語源は、フランス語の「プランタン」に由来します。これは、本来はスペイン風の卵料理を指していました。日本にも江戸時代に「プランタン」として伝わり、のちに「プリン」と呼ばれるようになりました。このように、プリンと茶碗蒸しは表面上は異なりますが、実は系統を同じくする親戚料理なのです。
一方で、イギリスでは「プディング」という言葉で、プリンを含む蒸し料理全般を指しています。日本に伝わった際には、このうちのカスタードプディングが「プリン」として定着しました。現代の日本では、家庭でも手軽に作れる大人気のスイーツとなっています。
パンナコッタとは?伝統的な家庭菓子
パンナコッタは、つるんとなめらかな食感が特徴的なイタリア生まれの乳製デザートです。その名の由来は、「panna(生クリーム)」と「cotta(煮る)」を合わせた言葉で、生クリームを煮て固めたものだと分かります。
素朴な味わいながら上品な風味が魅力で、世界中で親しまれるようになりました。発祥地は北部ピエモンテ州の農村地帯で、当初は家庭で手作りされていた伝統的なお菓子でした。日本でも1990年代初めにファミリーレストランやスーパーで販売が始まり、簡単に作れる家庭菓子としてブームになりました。
作り方は、生クリームと牛乳に砂糖を加え、ゼラチンで固める簡単な工程です。プルプルッとした舌触りに、さっぱりとした味わいがクセになります。フレッシュなベリーやカラメルソース、コーヒーなどとも相性が良く、アレンジを楽しむことができる上質なデザートなのです。
プリンとパンナコッタの違いは?
プリンとパンナコッタは、両者とも乳製品を主体とした優雅な洋風デザートですが、その製法や食感には大きな違いがあります。
この違いは、料理工程の最後に液体を固める際に、卵を使用するかゼラチンを使用するかに起因しています。プリンは卵custardを焼き固めた伝統的なフランス料理で、卵に生クリームや牛乳を加え、オーブンで焼き上げることで滑らかな食感に仕上がります。一方のパンナコッタはイタリア料理で、生クリームを加熱した後に冷やし、ゼラチンで固めた乳製品デザートです。焼かずに作る分、より滑らかでクリーミーな味わいが特徴となっています。
見た目は似ているようですが、プリンとパンナコッタの歴史やレシピを見ていくと、それぞれ全く異なるスイーツだということがわかります。主な違いは以下の通りです。
プリン: 主な材料は卵(全卵)、牛乳、砂糖。色は淡い黄色で、卵の凝固作用によりしっかりとした食感。素朴な味わいが特徴。
パンナコッタ: 主な材料は牛乳、生クリーム、ゼラチン、砂糖。色は白色で、ゼラチンで冷やし固めるため滑らかでツルンとした食感。濃厚な味わいが特徴。
このように、プリンとパンナコッタは製法や食感、味わいに大きな違いがあり、それぞれの魅力を堪能するのが素晴らしい贅沢といえるでしょう。
プリンやパンナコッタとよく似た他のスイーツは?またその違いは?
プリンに似たスイーツとしてババロアやクリームブリュレが、一方パンナコッタに似ているスイーツとしてムースやブランマンジェが挙げられます。世界中で愛されているこれらのスイーツですが、それぞれの違いを理解するのは簡単ではありません。
そこで、プリンやパンナコッタとそれに似たスイーツの違いを紹介していきます。
プリンとババロアの違いは、ババロアでは泡立てた生クリームを使うことで、ふんわりとした軽い舌触りと濃厚な味わいが生まれることです。一方プリンは全卵を使い、黄色くてしっとりとした食感の素朴な味わいが特徴です。
次にプリンとクリームブリュレですが、クリームブリュレは卵黄と生クリームを使うことで滑らかでクリーミーな味わいになります。さらに表面をキャラメリゼすることで独特の香ばしい風味が加わります。
一方のパンナコッタとムースの違いは、ムースが泡立てたメレンゲや生クリームで作られ、フワフワの食感が特徴的なのに対し、パンナコッタはミルク寄りの濃厚な味わいで滑らかな口当たりが魅力となっています。
最後にパンナコッタとブランマンジェは、ブランマンジェがアーモンドミルクを使うことでアーモンド風味になる点が異なります。作り方や見た目はパンナコッタとよく似ていますが、この風味の違いが大きな特徴です。
このように世界のスイーツには、それぞれ由来や作り方、使用する材料の違いから様々な個性が生まれています。その違いを知ることで、一つ一つのスイーツの魅力をより深く味わえるはずです。
まとめ
プリンとパンナコッタは、卵の使用量や加熱方法が異なります。プリンは卵を多く使い、オーブンで焼き上げるため、しっかりとした食感になります。一方、パンナコッタは卵を使わず、ゼラチンで固めるため、滑らかでクリーミーな食感が特徴です。また、プリンはカラメルなどの風味が強いのに対し、パンナコッタは生クリームを使うため、より上品な味わいが楽しめます。