甘くてジューシーなメロンは、夏の食卓を彩る人気の果物です。一口食べれば、とろけるような甘さと芳醇な香りが口いっぱいに広がり、至福のひとときを与えてくれます。そんなメロンですが、実は日本各地で栽培されており、それぞれに特徴があることをご存知でしょうか?この記事では、日本を代表するメロンの産地を徹底解説!各産地のメロンの特徴や美味しい食べ方、選び方まで詳しくご紹介します。
メロン生産量日本一はどこ?
メロンの収穫量が多い都道府県をランキング形式でご紹介します。
データは農林水産省が発表した令和3年産指定野菜の作付面積、収穫量及び出荷量に基づいています。
1位 茨城県
茨城県は、なんと23年連続でメロン生産量日本一を誇る「メロン王国」です。その収穫量は年間36,500トンにも達し、出荷量も全国トップクラスを維持しています。
全国シェアの約25%を占める茨城県は、メロン以外にもピーマンやレンコンなど、様々な農産物の産地として知られています。
温暖な気候、太平洋からの潮風、そして水はけの良い土壌が、メロン栽培に最適な環境を作り出しています。
特に有名な品種は、ユニークな名前を持つ「イバラキング」でしょう。
2位 熊本県
メロンの収穫量で熊本県は全国第2位を誇り、その年間収穫量は25,400トンにも達します。
熊本県はメロンの産地として知られていますが、実はスイカの生産量も日本一です。
どちらも甘く、非常に美味しくいただけます。
熊本県におけるメロン栽培は昭和30年代後半に始まり、当初はプリンスメロンが中心でした。現在では多種多様な品種が栽培され、全国各地に出荷されています。
中でも「アンデスメロン」は、その名前から海外の品種と思われがちですが、熊本県を代表するメロンの一つです。
3位 北海道
第3位に輝いたのは、広大な北海道。その収穫量は年間20,400トンに達します。北の大地もまた、日本を代表するメロンの産地なのです。「夕張メロン」は、その名を知らない人はいないほど、日本中で有名ですね。
北海道特有の、昼夜の寒暖差が大きい気候が、甘みが凝縮された極上のメロンを育み出しています。
4位 山形県
ランキング4位に登場するのは山形県です。年間10,400トンの収穫量を誇りますが、ここから収穫量に大きな差が見られます。
水はけの良い砂丘地は、意外にもメロン栽培に非常に適しています。
余分な水分をコントロールすることでメロンの糖度を保ち、昼間の強い日差しと夜の涼しさ、そして良質な地下水が甘く美味しいメロンを育んでいます。
特に、オリジナル品種である「山形メルティ」が注目を集めています!
5位 青森県
全国メロン収穫量ランキング、第5位にランクインしたのは青森県。その収穫量は年間9,650トンに及びます。
青森県では、雨除けトンネル栽培が主流で、多種多様なメロンがバランス良く生産されています。
特に、つがる市は県内有数のメロン産地として知られ、砂丘地帯特有の寒暖差を利用した栽培が特徴です。
青森県産のメロンといえば、やはり「つがるメロン」が有名でしょう。
6位 愛知県
愛知県はメロンの生産量で全国6位にランクインし、その年間収穫量は9,610トンに達します。
この地でのメロン栽培は明治時代に始まり、長い歴史を誇ります。特に、温室栽培に注力しており、中でも「マスクメロン」は、徹底した管理体制の下、一株からたった一つの実のみを丁寧に育てています。
7位 千葉県
全国メロン収穫量ランキング、第7位に輝いたのは千葉県。その収穫量は年間7,880トンに達し、関東地方で唯一のランクインを果たしています。
千葉県は、落花生の産地として知られる一方で、メロン栽培にも注力しています。特に、高級マスクメロンの栽培が盛んです。
注目すべきは、その温室栽培における組織的な取り組みです。県内には、海上、山武、君津、安房の4つの温室組合が存在し、これらが千葉県温室組合連合として一丸となってマスクメロン栽培に取り組んでいます。
各組合が連携し、組織的に栽培に取り組む姿勢からは、マスクメロンへの並々ならぬ情熱が感じられます。
8位 静岡県
全国メロン収穫量ランキング、第8位にランクインしたのは静岡県。その収穫量は年間6,470トンに達します。
静岡県産のマスクメロンは、卓越した糖度と品質を誇り、メロンの中でも最高級品として知られています。
その栽培方法もまた独特で、他の地域ではあまり見られない工夫が凝らされています。地面から隔離された隔離ベッドと呼ばれるプランターのような場所で栽培されるのです。
この栽培方法の利点は、メロンの成長に必要な水分量をコントロールできる点にあります。必要な時に必要なだけ水分を与えることで、きめ細かく、見た目も味も優れたメロンを育てることが可能になります。
まさに、外観も中身も高品質なメロンを生み出すための重要な秘訣と言えるでしょう。
9位 秋田県
秋田県はメロンの生産量で全国9位にランクインしており、その年間収穫量は2,980トンに達します。
この地域では、昼夜の寒暖差を巧みに利用したメロン栽培が盛んです。日中に光合成で養分を蓄え、夜間は活動を抑制することで、蓄えたエネルギーを糖分へと効率的に変換させています。
特筆すべきは、「秋田甘えんぼメロン」という独自の品種が存在することです。
10位 鳥取県
鳥取県が年間収穫量983トンで10位に。惜しくも1,000トンを割り込む結果となりました。
鳥取県では砂丘を利用した栽培が盛んです。ランキング上位にも砂丘地域が多く見られることから、メロン栽培における砂丘の優位性が改めて示されました。