
水分補給は健康的な生活習慣の基本であり、適切な水分摂取は様々な利点をもたらします。毎日コップ一杯の水を意識的に飲む習慣は、多くの人にとって簡単そうに見えますが、実際にはそうした習慣を持つ人は少数派です。水をよく飲む人は、健康面や生活面で特徴的な傾向があり、その習慣から得られる恩恵を最大限に享受しています。
水をよく飲む人の4つの特徴
水の飲み過ぎが引き起こす症状
水は生命の源であり、健康的な生活に欠かせない存在です。しかし、過剰に水を摂取すると、思わぬ症状を招く恐れがあります。水の飲み過ぎが引き起こす主な症状は、水中毒、水太り、トイレに行く回数の増加の3つです。
水中毒
短時間で大量の水を摂取すると、水中毒になる可能性があります。体内のナトリウム濃度が著しく低下すると、頭痛、吐き気などの症状が現れます。重症化すると昏睡状態や命に関わる事態にもなりかねません。適切な水分補給が肝心です。
水太り
水太りは、体内に過剰な水分が留まることで引き起こされます。細胞が多くの水分を保持するため、むくみや体重増加を招きます。塩分の過剰摂取や運動不足、新陳代謝の低下があれば、水太りしやすくなるでしょう。
トイレに行く回数の増加
水分を過剰に摂取すると、尿の生成量が増え、トイレに行く回数が多くなります。特に夜間に多量の水分を摂ると、睡眠を妨げられる可能性があります。質の良い睡眠を阻害しかねませんので、注意が必要です。
適度な水分補給は健康維持に不可欠ですが、過剰な摂取は有害な症状を引き起こす恐れがあります。一日の目安量を守り、水分バランスを適切に保つことが重要なのです。
水を効果的に飲む際の注意点
水分補給の重要性と具体的な方法について、以下のようにまとめられます。
水分補給のポイント
1. こまめな水分補給
1日の必要水分量は個人差がありますが、おおよそ1.2リットルが目安です。一度に大量に飲むのではなく、6~7回に分けてコップ1杯程度ずつ飲むことをおすすめします。こまめな水分補給により、脱水や消化不良を防ぐことができます。
2. 常温の水または白湯の摂取
水の温度は常温または白湯がよいでしょう。冷たい水は吸収は早いものの、体を冷やしすぎる可能性があります。常温の水や白湯なら、胃腸への負担も少なく体温を奪いません。
3. 水を飲むタイミング
起床後、食事前後、入浴前後、就寝前などに意識的に水分を摂取しましょう。のどが渇いてからでは遅く、脱水や熱中症のリスクが高まります。特に高齢者や運動時には喉の渇きを感じる前からこまめな水分補給が重要です。
4. 野菜や果物から水分を摂取
飲料水だけでなく、もやし、キュウリ、レタスなどの野菜や、柑橘類の果物から水分を摂ることもできます。これらには水分のほかビタミン、ミネラル、食物繊維も豊富に含まれており、健康や美容に良い影響を与えます。
※1 厚生労働省「食事摂取基準」より

1日に必要な水分量の目安と計算方法
人間の体は約60%が水分で構成されており、水分は体内で様々な役割を果たしています。健康を維持するためには適切な水分補給が欠かせません。健康な成人の場合、1日に必要な水分量の目安は1.2リットルですが、暑い日や運動時には多めに摂取する必要があります。1日の摂取量を把握するのが難しい場合は、メモリ表示付きのポットを使うと便利です。1回ごとの摂取量を記録することで、1日の水分摂取量を簡単に管理できます。気候や活動量に合わせて、こまめな水分補給を心がけましょう。
※1 年齢や活動量、気候などにより個人差があります。体重1kgあたり30mlの水分が目安とされています。
まとめ
水をよく飲む人は、体内の水分バランスを適切に保ち、集中力の向上、疲労感の軽減、免疫力の強化などの恩恵を受けています。また、水分補給を習慣化することで、食事の際の過剰な塩分摂取を抑え、便秘などの生活習慣病のリスクを低減できます。健康的な生活を送りたい人にとって、水分補給は欠かせない日課であり、その実践は多くの利点をもたらします。
よくある質問
水を飲むとどんな効果があるの?
水を飲むことには多くの健康効果があり、適切な飲み方を心がけることで様々なメリットを得ることができます。厚生労働省も、こまめな水分補給を推奨しています。
水を飲むことの主な健康効果には、血流改善、便秘解消、体温調節、そしてリラックス効果があります。血流が改善されることで、体内の老廃物や過剰な物質の排出が促進され、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防にも役立ちます。また、適切な水分摂取は便秘解消にも効果的で、腸内環境の改善につながります。
体温調節においても水は重要な役割を果たします。日本救急医学会のガイドラインでは、熱中症予防のための水分補給として、0.1〜0.2%の濃度の食塩水(水1リットルに対して塩1〜2グラム)を推奨しています3。これは、水分だけでなく適切な塩分摂取も重要であることを示しています。
水を飲むメリットとして、アンチエイジング効果も期待できます。水分補給により細胞内の水分量を保つことで、肌荒れや小じわの防止につながります3。さらに、水に含まれるカルシウムイオンとマグネシウムイオンには鎮静作用があり、ストレス軽減やリラックス効果も得られます3。
適切な水の飲み方としては、1日約1.2リットルを目安に、小分けにして飲むことが推奨されています。1回にコップ1杯程度(150〜250/ml)の量を、1日6〜8回に分けて飲むのが理想的です。また、喉が渇く前に水分を補給することが大切で、特に高齢者や運動中の人は注意が必要です。
水分補給には、糖分や塩分、カフェインなどの余計な成分を含まない水が最適です。特に天然水やミネラルウォーターは、生命活動に必要なミネラルを含んでいるため、理想的な選択肢となります。
これらの健康効果やメリットを最大限に活かすためには、日常的に水を飲む習慣を身につけることが重要です。水分補給を意識することで、より健康的で活力ある生活を送ることができるでしょう。
水を飲んでいつから効果が出る?
水を飲んでから効果が現れるまでの時間は、個人の体調や環境によって異なりますが、一般的には比較的早く効果が現れ始めます。特に体温調節に関しては、水分摂取後すぐに効果が表れ始めることが知られています。
サントリーグローバルイノベーションセンターが実施した研究によると、起床後と就寝前2時間以内に習慣的に水分を摂取することで、体温上昇もしくは低下抑制の効果が認められました。この研究では、8週間の介入期間中に、対照群が季節変動で体温が低下したのに対し、介入群は習慣的な水分摂取によってその低下を抑制したことが示されています。
また、日本救急医学会のガイドラインでは、熱中症予防のための水分補給として、0.1〜0.2%の濃度の食塩水(水1リットルに対して塩1〜2グラム)を推奨しています。これは、水分だけでなく適切な塩分摂取も重要であることを示しており、このような適切な水分補給を行うことで、より効果的に体温調節機能を維持できると考えられます。
解説すると、水を飲むことによる体温調節の効果は、主に以下のメカニズムによって生じます。水は体内で血液などの体液となって全身を循環し、体温が上がったときには皮膚への血液の循環を増やし、汗を出すことで熱を逃がして体温を調節します。このプロセスは水を飲んでから比較的短時間で始まりますが、最適な効果を得るためには継続的な水分摂取が重要です。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、成人の1日の水分摂取の目安は約1.2リットルとされています。この量を定期的に摂取することで、体温調節機能を含む様々な生理機能を最適に保つことができます。
*参考.サントリーグローバルイノベーションセンター(株).アジア初!(※1)健常人を対象にした
「習慣的な水分摂取による健康増進効果」に関する研究を実施。
起床後と就寝前2時間以内の習慣的な水分摂取には、
血圧低下、体温上昇もしくは体温低下抑制、
腎機能低下抑制、血中老廃物希釈への効果があることを確認。.2020/7/13https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/SBF1003.html
*参考.ソフトバンクニュース.1日に必要な水分量って? 専門家が教える正しい水の飲み方.2023-09-25.https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20230925_01