ブラックコーヒー 効果
日々の生活の中で、より良い健康と活力を追求するための小さな秘訣が存在します。それは、あなたの朝のルーチンとしても、午後のエネルギーブースターとしてもあつかわれる、シンプルでありながら効果的な“ブラックコーヒー”です。実はブラックコーヒーは数々の健康効果を秘めています。この記事では、ブラックコーヒーが私たちの身体に及ぼす効果を深掘りします。香り高く淹れられた一杯のコーヒーが、どのように我々の生活に影響を与えるのか、一緒に見ていきましょう。コーヒーを飲む人には必読です。
記事監修者 紹介
県立広島大学 人間文化学部 健康科学科 2013.4-2017.3
管理栄養士/栄養士 取得
阪神調剤薬局 (管理栄養士/登録販売者/事務) 2016.4-2020.6
飲食店を営む家で育ち、食事を通して多くの人の元気を支えたいという思いで管理栄養士を目指しました。調剤薬局では栄養相談会を実施したり地域のイベントでの講演など、地域の方の健康を支えるサポートをしていました。出産を機に退職しましたが、「食事を通して多くの人の元気を支えたいという思い」は変わらずフリーの管理栄養士として活動しています。
ブラックコーヒーとはどんなコーヒーのこと?
「ブラックコーヒー」は一体どういった種類のコーヒーなのでしょうか。それはミルクやシロップ、砂糖等、一切のフレーバーを添加しないコーヒーの事を指します。その名の通り、ブラックな色に見えますが、それはコーヒー豆の純粋な色と風味がそのまま楽しめるからこそです。
このブラックコーヒーの魅力は何と言ってもコーヒー豆そのものの、深い苦みと豊かな香り、そして繊細な風味を直に体験できることでしょう。豆の種類や焙煎の程度、挽き具合や抽出法といった細部までが、その味わいを大きく左右します。
さらに、低カロリーであるため、健康志向が高まる中、カロリーを気にせずに自然の美味しさを楽しむことができるブラックコーヒーは、多くの人々に愛されています。
しかし、一方で、ブラックコーヒーの苦みは、一部の人々にとっては好ましくないと感じる場合もあります。でもそんなあなたにも是非試していただきたいのが、豆の種類や抽出法を変えるという方法です。選ぶ豆や抽出法によって大きく味わいは変わりますので、新たなブラックコーヒーの美味しさに出合うかもしれませんね。
なお、通常のブラックコーヒーは4kcal/100g程度しかありませんが、缶コーヒーやペットボトル入りのものには、ブラックと表示されていても微量の糖分が含まれていることがあります。*1
完全無糖のブラックコーヒーを希望される場合は、商品選びの際に、「無糖」表示のものを選ぶことをお勧めします。
海外でも同様、ブラックコーヒーはミルクを加えないコーヒーを指すことが一般的です。ただし、砂糖は入っていてもブラックコーヒーと呼ぶことが多いため、無糖を希望する場合は、「砂糖なし」と要望を伝える必要があります。
*1:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
ブラックコーヒーを飲むメリットは?期待できる3つの効果
ミルクや砂糖を一切加えず素朴なままのブラックコーヒーには、健康効果が期待されます。今回はそれらのメリットを、3つのポイントにて紹介いたします。
まず一つ目は、カフェインによる脳の活性化作用です。コーヒーのカフェインは頭をクリアにして集中力や記憶力を高め、仕事や学習の効率を高める効果が期待できます。また、疲れを軽減させてくれる効果もありますから、日々の活動がよりダイナミックになるでしょう。
二つ目は、体をクリーンに保つ働きです。ブラックコーヒーに含まれる抗酸化物質は体内のデトックスをサポートします。これにより体内から有害な酸化物質を排出し、老化の防止や疾病のリスクを下げる可能性を秘めています。
そして三つ目はダイエット効果です。カフェインは一時的に代謝を促進し、体のエネルギー消費と脂肪の分解を高める効果が期待できます。これにより体重管理がしやすくなるとされています。*2
以上のように、ミルクや砂糖を加えないブラックコーヒーには健康にとって多くのメリットがあるのです。ただし、カフェインの摂取は個々で違う作用をするので、その日のコーヒーの量は適量を心がけましょう。バランスの取れた食事と共にコーヒーを楽しむことで、その効果を最大限に引き出すことができます。
*2:室山 幸太郎, 衣畑 加代子, 山下 久仁子, 室崎 伸二, 山本 佳弘, 渡辺 裕彦, 曾根 良昭.「チアミン、アルギニン、カフェインおよびクエン酸を配合したお茶がヒトの軽運動時エネルギー消費量に及ぼす影響」.日本生理人類学会誌(2005年10巻3号 93-99)
ブラックコーヒーにはデメリットもある?飲み方に注意しよう
ブラックコーヒーはその深い味わいと香りで一日を始める多くの人々を魅了しています。抗酸化物質が多量に含まれており、集中力を向上させたり気分を高揚させると言われています。一方で、ブラックコーヒーにも気をつけるべき点があることを理解しなければなりません。
ブラックコーヒーは直接コーヒー豆から抽出し、添加物を一切含まないものです。ただし、豊富に含まれるカフェインは、一日の推奨摂取量である約400ミリグラム(大体ブラックコーヒー4杯分)を超えてしまうと、体調に悪影響を及ぼす可能性があります。特に過剰摂取は、不安感や心拍数の増加、睡眠障害といった体調不良を引き起こしたり、胃に刺激を与えて胃腸の問題を引き起こすことがあります。*3
また、空腹時のコーヒー摂取は口臭の増悪や胃腸への負担といった側面もあります。さらに、カフェイン依存症のリスクもありますので、ブラックコーヒーの飲み方には工夫が必要です。
それぞれのカフェイン耐性は異なるため、自分に合った量を見極めることが大切です。また、他のカフェインを含む食品との関連性も考慮に入れるべきです。
その香りと風味のあるブラックコーヒーは、飲み方に気を付けることで、健康的に楽しむことができます。ブラックコーヒーの力を理解し、身体の調節に役立てることを試してみてください。
*3:Health Canada Reminds Canadians to Manage Caffeine Consumption(2010)
ブラックコーヒーダイエットとは?おすすめの飲み方を解説
「ブラックコーヒーダイエット」とは、カフェインの持つ脂肪燃焼効果を最大限に活用したダイエット法です。ただし、この方法ではただブラックコーヒーを飲むだけでなく、特定の飲み方が推奨されています。
まず最初に、ダイエットの際はブラックコーヒーをホットで飲むことをお勧めします。コーヒーは血行を促進する効果もありますが、同時に冷え性を引き立てる可能性もあるためです。実験では、ホットコーヒーを飲用した後、即刻体温が上昇する一方で、1時間後には手足が冷える結果が出ています。そのため、代謝を向上させるにはホットのブラックコーヒーを選ぶのが最善です。
冷え性でダイエットに困っている方には、ホットのシナモンコーヒー(ブラック)の摂取も良い方法です。
次に、カフェインの脂肪燃焼効果を最大化するためにはブラックコーヒーの摂取タイミングも重要です。特に、食後30分以内、運動30分~1時間前、または入浴30分前にブラックコーヒーを飲むことを試してみてください。
ただし、夜間に入浴をする場合や、睡眠時間直前は避け、適切なタイミングを選択することが重要です。なぜなら、カフェインが質の良い睡眠を妨げる可能性があるからです。
また、過度のコーヒー摂取は避け、適度な量を守るように心掛けましょう。
まとめ
ブラックコーヒーは抗酸化作用が含まれるポリフェノールが豊富で、肝機能向上、血管機能の保持、脳機能の向上などに貢献します。また、コーヒーに含まれるカフェインは、短期的な集中力向上や適度なダイエット効果も期待できます。美味しく香り高い一杯から得られる健康への恵みは計り知れないのです。