緑色のマジパンで覆われた、まるで宝石のような美しいケーキを見たことはありませんか？それは「プリンセスケーキ」という、スウェーデン発祥の伝統的なケーキです。その名の通り、王女も愛したと言われる上品な見た目と、しっとりとしたスポンジ、濃厚なクリーム、甘酸っぱいジャムが織りなす絶妙なハーモニーは、人々を魅了してやみません。この記事では、プリンセスケーキの歴史から、その特徴、本場での食べ方まで、徹底的に解説します。ぜひ、この魅惑的なケーキの世界を覗いてみましょう。
スウェーデンを代表する洋菓子、プリンセスケーキの味わい
スウェーデンを代表するお菓子、プリンセスケーキ。スウェーデン語では「Prinsesstårta」と綴り、「prinsess（王女）」と「tårta（ケーキ）」という言葉から成り立っています。ここでは、親しみやすい「プリンセスケーキ」という名称で統一しますが、もしご興味があれば、スウェーデン語でケーキを「tårta」と呼ぶことを覚えてみてください。将来、スウェーデンを訪れる際、役立つかもしれません。初めてこのケーキを目にする方は、その独特な外観に驚くかもしれません。しかし、スウェーデンでは、キッチン雑貨のデザインにも用いられるほど、広く愛されている存在なのです。この記事では、プリンセスケーキの内部構造や、その味わいの魅力について詳しくご紹介していきます。
プリンセスケーキの基本
スウェーデンで愛されるケーキの代表格、それがプリンセスケーキです。特別な日やパーティーなど、人が集まる場面でよく見かけられます。実はこのプリンセスケーキ、北欧の中でもスウェーデンにしかないと言われています。スウェーデンのお菓子を象徴するものとして、しばしば取り上げられます。人口約1,000万人のスウェーデンで、最も売れているお菓子がこのプリンセスケーキ。年間なんと50万個も消費されているそうです。
プリンセスケーキはどんな味？
プリンセスケーキの特徴は、鮮やかな黄緑色のマジパンシートで全体が包まれている点です。このマジパンは、アーモンドと砂糖を混ぜて作られ、食用可能です。マジパンは、その加工しやすさから、洋菓子の装飾によく用いられます。粘土のように成形でき、繊細な細工も可能です。プリンセスケーキには、粉砂糖がふりかけられるのが一般的で、ホールケーキの場合は、マジパンで作られたバラなどの装飾が施されることが多いです。ケーキの中身は、マジパンシートの下に、生クリーム、カスタードクリーム、ラズベリージャムの層が重なっており、マジパンの独特な食感が楽しめます。
プリンセスケーキのさまざまなバリエーション
一般的にプリンセスケーキは黄緑色をしていますが、その色は必ずしも固定ではありません。作り手の裁量によって、様々な色に変化します。例えば、黄色に着色されたものは「Carl Gustaf-tårta」、ピンク色に近いものは「operatårta」という別の名前で呼ばれることもあります。写真にある白いケーキも、プリンセスケーキとして販売されていました。また、中身の構成も作り手によって様々です。厳格なルールはなく、家庭ごとに独自のスタイルが育まれてきたスウェーデンの伝統的なお菓子ならではの自由さで、「だいたいこんな感じ」という共通認識があれば、自由に作られているようです。
スウェーデンの遊び心から生まれた、愛らしいプリンセスケーキ
スウェーデンの街角で見かけるお菓子屋さん。そのショーウィンドウを飾るケーキの中に、時折、黄緑色でカエルを思わせるものが混じっています。これは「プリンセスケーキ」の変わり種で、「Prinsessgroda（プリンセスグローダ）」という名前。スウェーデン語で「groda」は「カエル」を意味します。ケーキを意味する「tårta（トータ）」と「groda」の言葉遊びなのか、単に黄緑色だからそう名付けたのか、なぜこのような形になったのかは謎ですが、スウェーデンらしいユニークな発想が光るケーキです。