甘くねっとりとした食感が魅力のイチジク。その美味しさの陰には、多様な品種が存在することをご存知でしょうか?世界中で栽培されているイチジクは、その種類によって見た目も味も大きく異なります。この記事では、代表的な品種から珍しい品種まで、イチジクの種類とその特徴を詳しく解説します。それぞれのイチジクが持つ個性を知れば、より一層イチジクを楽しむことができるでしょう。ぜひ、あなたのお気に入りのイチジクを見つけてみてください。
イチジクの品種
国内で栽培されるイチジクは、その品種が100を超えるほど多様で、栽培の歴史も古くから続いています。これらの品種は、果実の色や収穫時期によって分けられ、色の分類では、赤、青、白、黒などの種類があります。収穫時期では、夏のみに実る「夏果専用種」、秋に収穫を迎える「秋果専用種」、そして夏と秋の2回収穫できる「夏秋兼用種」が存在します。
さらに、イチジクの品種は大きく4つの系統に分類されますが、日本国内で栽培が可能なのは、「普通系」と「サンペドロ系」の2つに限られています。
桝井ドーフィン
国内で広く栽培されている、夏と秋の両方に収穫できるイチジクです。紫色の皮を持ち、上品な甘さとみずみずしい果肉は生で食べるのに最適です。また、ジャムなどの加工にも適しています。夏に採れる実は100〜200gと大きく、秋に採れる実は50〜110gとやや小ぶりになります。
蓬莱柿
古くから「蓬莱柿」の名で親しまれてきた、日本を代表するイチジクの品種です。その安定した収穫量と、桝井ドーフィンを凌ぐ甘さから「日本イチジク」とも呼ばれますが、日持ちはあまり良くありません。耐寒性が高いため、主に九州北部から中国地方にかけて栽培されています。
バナーネ
フランス生まれの白イチジク、夏と秋の二期なり品種です。熟すと皮は黄緑から黄色へと変わり、果肉は強い甘みがあり酸味はほとんど感じられません。夏に採れる実は最大280gにもなり、秋の実も130gと十分な大きさです。
ザ・キング
夏の味覚として知られるこの品種は、熟しても緑から淡い黄緑色の美しい外観を保ちます。果肉は大粒で鮮やかな赤色を呈し、高い糖度となめらかな舌触りが特徴です。一つあたりの重さは40gから200gと、その大きさが際立ちます。
ビオレソリエス
希少なフランス原産の黒イチジクは、その流通量の少なさから「幻」と称されています。秋に実をつける品種で、格別な甘さと芳醇な香りが魅力です。
コナドリア
富山県を中心に栽培される、夏に収穫される白イチジクは、その控えめな甘さと柔らかな果肉が特徴です。乾燥イチジクへの加工に適しています。
ブラウンターキー
夏と秋の両方に実をつける小ぶりなイチジクです。際立つ甘さと爽やかな酸味が調和し、皮ごと美味しくいただけます。耐寒性に比較的優れ、樹高もコンパクトなため、鉢植えでの栽培にも適しています。
トヨミツヒメ
福岡生まれのイチジクは、夏から秋にかけて収穫できる品種です。皮が薄いため、そのまま丸ごと食べられます。糖度は17度以上と非常に高く、メロンのような甘さを持ちながらも、後味はすっきりしています。一つあたり75〜100gと小ぶりなので、おやつに最適です。