料理やお菓子作りの際に登場することの多いサワークリームとクリームチーズ。見た目や用途が似ているため、どちらを使えばよいのか迷うこともあるでしょう。それぞれ異なる特徴を持ち、適した料理や効果も異なります。この記事では、サワークリームとクリームチーズの基本的な違いを理解し、どちらを選ぶべきか判断するための手がかりを提供します。これを読めば、次回のお料理が一段と美味しくなること間違いなしです。
サワークリームとは
生クリームは一般的に、牛乳を遠心分離機にかけて乳脂肪を凝縮し、殺菌処理を施したものです。食品衛生法に基づき、乳脂肪分が18％以上であることがクリームとしての条件とされ、合成添加物の使用は禁じられています。
乳脂肪分が20％程度のクリームは泡立ちが難しく、通常はコーヒー用に用いられています。一方、乳脂肪分40～50％のものは泡立ちが良いので、デザートやお料理に重宝され、ホイップクリームとしても幅広く使われます。
クリームと似た製品であるホイップクリームやコーヒークリームには、乳脂肪の一部または全部を植物由来に置き換えたものがあります。これらの商品は乳等省令により、「クリーム」という名称での販売が認められておらず、風味は落ちるものの、分離しにくく安定性があるため、手頃な価格と日持ちの良さから人気があります。
ここでの注目はサワークリームです。これは、クリームを乳酸菌で発酵させたもので、別名発酵クリームとも呼ばれます。適度な酸味と特有の風味を持つこのクリームは、乳脂肪分が40％ほどで、料理にコクを加えるのに最適です。酸味はさわやかな味わいを演出し、0.7％という酸度は保存性が高いことを示していますが、泡立ちはほとんどしません。それでも、滑らかな質感と豊かな味わいがサワークリームの魅力です。
クリームチーズとの違い
クリームチーズはサワークリームに似ている乳製品ですが、より多くの人に馴染みのある存在かもしれません。両者を区別する要素は何でしょうか。クリームチーズはフレッシュチーズとして分類され、その製造過程では乳が殺菌され、乳酸菌とレンネットが加えられてカードを形成します。このカードからホエーを取り除き、クリームを加えることで、白くて滑らかな質感が生まれます。一般的なクリームチーズの乳脂肪分は約30%です。
サワークリームとクリームチーズは、共に乳に乳酸菌を加えて発酵させる点で類似していますが、テクスチャーとフレーバーが異なります。サワークリームは酸味の強いペースト状で、一方のクリームチーズは濃厚でかためのテクスチャーを持ちます。また、材料の違いとして、サワークリームは主に生クリームから作られるのに対し、クリームチーズは牛乳とクリームの組み合わせで作られます。
サワークリームの活用法
サワークリームを知ったら、次はその活用法を探ることです。使い道に制限はなく、多様な楽しさが広がっています。おなじみの活用法からオリジナルのアレンジレシピまで、いくつかの料理をご提案します！
ビーフストロガノフに添えて
ビーフストロガノフといえば、やはりサワークリームの存在が欠かせません。濃厚なデミグラスソースで煮込んだ牛肉に、このさわやかな酸味を持つクリームを添えることで、さらに食欲をそそります。
ディップ
サワークリームと明太子を混ぜるだけで絶品ディップが作れます。パンや野菜につけて食べれば絶品に。
サワークリームを使ったケーキ
サワークリームは焼き菓子の素材としても優秀です。クリームチーズほど重たくはありませんが、独特のコクを出し、上にはたっぷりのサワークリームムースを乗せた二階建てのケーキが楽しめます。ラズベリージャムとのコンビネーションも抜群で、サワークリームは特にベリー系との相性が良いと感じさせてくれます。
サワークリームを代替する方法とは
サワークリームの特性を理解したところで、次は手軽に手に入る材料でサワークリームの代わりに利用できる方法をご紹介します。
生クリームとレモン汁
生クリーム1カップにレモン汁を大さじ2~3を入れ、よく混ぜ合わせます。酸味を帯びたほど良いとろみがついたら出来上がりです。
サワークリームは通常、生クリームを乳酸菌で発酵させたものなので、脂肪分的にはこの生クリームの代替方法がもっとも近いものと考えられます。
水切りヨーグルトとレモン汁
ヨーグルトをざるに乗せ、1/3量になるまで水分を抜き、少しのレモン汁を加えてかき混ぜれば、別の材料として利用できます。
ヨーグルトはサワークリームに比べて脂肪分が控えめなので、淡泊な風味を楽しみたい場合にも最適な選択肢です。
クリームチーズとレモン汁
柔らかくしたクリームチーズに少量のレモン汁を加え、しっかりと混ぜ合わせたものを使うことも可能です。
クリームチーズは脂肪分が高く、こってりとした風味を楽しむことができます。リッチな味わいを求める場合には、この方法で代用するのが良いでしょう。
生クリームとヨーグルト
生クリームと水切りヨーグルトを3対1で混ぜ、冷蔵庫で冷やして固まれば完了です。
レモン汁を使わないため、穏やかな酸味が特徴で、まろやかな風味が楽しめます。