春の香りを食卓へ!人気のよもぎ餅(草餅)からよもぎご飯まで:生・乾燥よもぎ、もち米・米粉活用レシピ徹底解説
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春の訪れとともに、生命力に満ちた新芽を出す「よもぎ」。この野草は、古くから日本の食文化に深く根ざし、特に春の代名詞とも言える和菓子「よもぎ餅(草餅)」として、多くの人々に愛されてきました。その独特の清々しい香りと風味は、まさに春の息吹を感じさせてくれます。本記事では、料理研究家である小島喜和氏が推奨する、もち米を基盤とした本格的なよもぎ餅の作り方をはじめ、旬の生よもぎはもちろん、一年を通して手軽に利用できる乾燥よもぎ、さらにはもち粉や上新粉といった米粉を用いたバラエティ豊かな人気レシピを幅広くご紹介します。また、甘さ控えめな「よもぎご飯」という、新たな春の味覚の提案も。よもぎの適切な摘み方、下準備のポイント、効果的な保存法、そして美味しく調理するための秘訣まで、よもぎに関するあらゆる情報を網羅的に解説します。この詳細なガイドを通じて、ご家庭で季節のよもぎを最大限に活かし、食卓を彩る喜びをぜひご体験ください。

春の風物詩「よもぎ餅(草餅)」の魅力とは?その歴史と植物の奥深さ

毎年春になると、日本の各地で親しまれる伝統的な和菓子「よもぎ餅」。その鮮やかな緑色と独特の香りは、多くの人々に春の到来を告げます。しかし、この草餅がどのような歴史を歩み、どのような植物の恩恵を受けているのか、その背景に迫ってみましょう。

草餅の変遷:江戸時代に「よもぎ」が主流化するまで、かつては「御形(ごぎょう)」を使用

現代において、草餅といえば「よもぎ餅」を指すのが一般的です。しかし、その起源をたどると、異なる植物が用いられていた時代があることが明らかになります。
春の季語としても親しまれる草餅の歴史は古く、そのルーツは平安時代に中国から伝来した行事食にあるとされています。当時、旧暦の3月3日に行われていた「上巳(じょうし)の節句」という風習が、日本の桃の節句の起源となりました。この節句では、邪気を払い、身を清める願いを込めて、草の持つ香気や薬効に期待し、草餅が食されていたのです。
初期の草餅には、春の七草の一つである母子草(ははこぐさ)、別名「御形(ごぎょう)」が使われていました。そのため、「母子餅」という名で広く知られていましたが、「母子をつく」という言葉が、親と子を杵で搗く行為を連想させ縁起が悪いという解釈が広まりました。このため、江戸時代に入ると、より優れた薬効と旺盛な繁殖力を持つよもぎを使った草餅が主流となっていきました。このような歴史的背景の変化が、今日のよもぎ餅の形を確立するに至ったのです。

よもぎ餅に欠かせない「よもぎ」とは?その特徴と驚くべき効能

よもぎ餅に使われるよもぎは、日本の野山や空き地、河川敷など、様々な場所に広く自生するキク科の多年草です。その生命力は非常に強く、春に芽吹き、夏にかけて茎を伸ばしながら成長します。秋には60~120㎝ほどの高さに達し、茎と葉は枯れますが、根は土中で休眠し、翌春には再び新しい芽を出すというサイクルを繰り返します。
よもぎは単なる身近な野草に留まらず、古くからその多様な薬効が重宝されてきました。漢方では「艾葉(がいよう)」として生薬に利用され、止血、鎮痛、抗炎症作用などが期待されています。食用としてだけでなく、お茶として飲んだり、香りを吸入したり、お灸の「もぐさ」や入浴剤として活用されるなど、まさに古来より人々の健康を支えてきた万能薬と言えるでしょう。そのデトックス効果や血行促進作用から、「ハーブの女王」と称されることもあります。

よもぎ餅作り、旬の「生」と通年の「乾燥」を使い分ける利点

よもぎ餅を作る際のよもぎは、季節に応じた選び方が美味しさの秘訣です。生よもぎを使用できるのは、おおよそ3月下旬から5月上旬にかけての、短い春の期間に限られます。
この時期に収穫されるよもぎは、まだ若く、葉が非常に柔らかでアクも少ないのが特徴です。そのため、最も豊かな香りと鮮やかな緑色を持つ、極上のよもぎ餅に仕上がります。成長するにつれてよもぎはアクが強くなり、葉や茎も硬くなって食感が落ちるため、柔らかいうちに摘み取ることが肝心です。
一方、一年を通じてよもぎ餅を楽しみたい方には、乾燥よもぎや、細かく粉末状にしたよもぎパウダーが非常に重宝します。これらを活用すれば、いつでも手軽によもぎの風味を味わうことが可能です。乾燥よもぎは生よもぎとは異なり、香りがより凝縮され、深みのある味わいが楽しめます。たとえば、<富澤商店>の国産 よもぎパウダー(40g) 604円(税込)のような市販品を利用すれば、気軽に本格的なよもぎ餅作りができます。※取扱い:富澤商店

よもぎ餅(草餅)をさらに美味しく!人気の食べ方アレンジ

よもぎ餅は、そのままでも十分美味しいですが、様々な工夫を凝らすことで、さらにその魅力を引き出すことができます。
最も定番の食べ方は、甘さ控えめのあんこを添えるか、砂糖を混ぜたきな粉をまぶしていただく方法です。よもぎ特有のほろ苦さと、あんこの優しい甘み、きな粉の香ばしさが絶妙に溶け合い、口の中に至福のハーモニーが広がります。
また、温かいぜんざい(お汁粉)に加えても、格別の味わいです。温かい汁の中でよもぎ餅がとろりと柔らかくなり、よもぎの清々しい香りがぜんざいの風味を一層豊かにしてくれます。さらに、軽く焼いたり揚げたりして、醤油をつけ海苔を巻けば、香ばしい磯辺焼き風に。工夫次第で多様な食べ方が楽しめるのも、よもぎ餅が愛される理由の一つです。

【本格レシピ】生よもぎともち米で作る、とろける「よもぎ餅(草餅)」

ここでは、料理研究家の小島喜和さんが手掛ける、もち米を主役にした本格的なよもぎ餅のレシピをご紹介します。もち米を使用することで、餅生地はふんわりとろけるような伸びの良い食感に仕上がり、米粉を使った柏餅のような歯切れの良いタイプとは異なる、独特の柔らかさが魅力です。
小島さん曰く、「もち米は香りに癖がなく、よもぎ本来の香りをストレートに感じられます」とのこと。今回のレシピで使用するのは、小島さんの故郷、高知県・土佐清水市の庭で採れた、非常に若い状態の生よもぎです。アクが少なく柔らかいため、たっぷりと混ぜ込んでもよもぎの清々しい香りを存分に堪能できるでしょう。よもぎの種類や収穫時期によって風味や色合いが異なるので、お好みに合わせて量を調整してみてください。

<材料>(作りやすい分量)

  • もち米:300g
  • 生よもぎ(下処理済み):80g
  • 重曹:小さじ1(よもぎのアク抜き用)
  • 片栗粉(または餅とり粉):適量(バットに広げる用)
  • 水:適量(もち米の蒸し工程用、分量外)
  • あんこ、きな粉、砂糖:お好みで(仕上げ用)
【準備しておきたいおすすめ食材】
  • もち米:例えば<富澤商店>の新潟県産 こがねもち(もち精米)(1kg)1,436円(税込)のような、餅つきに適した良質なもち米を選ぶことで、餅本来の風味と食感が格段に向上します。※取扱い:富澤商店
  • あんこ:手作りも良いですが、市販品を選ぶ際は、よもぎの風味を活かすために甘さ控えめのものをおすすめします。
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  • 「美味しいもち米の選び方」
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もち米の適切な下準備:浸水と水切り

もち米を美味しく仕上げるためには、事前の準備が鍵となります。まず、もち米は丁寧に研いだ後、十分に水に浸しておくことが肝心です。蒸し器を使用する際は、最低でも6時間、理想的には一晩(8〜12時間)浸水させることで、米の芯までしっかりと水分が行き渡り、ふっくらとした食感に仕上がります。調理の15分前にはザルにあげて、表面の余分な水分をしっかりと切っておきましょう。水気が残っていると、蒸しムラが生じたり、べたつきの原因となったりすることがあります。炊飯器で調理する場合は、1時間程度の浸水でも十分ですが、同様に直前に水気を切る工程を忘れないでください。
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  • 「炊飯器でもち米を上手に炊く秘訣」

あんこの理想的な固さに調整

よもぎ餅に添えたり、中に包み込んだりするあんこは、手で扱いやすい固さであることが重要です。もしあんこが柔らかすぎて成形しにくい場合は、鍋に移してごく弱火で加熱し、木べらでゆっくりとかき混ぜながら水分を飛ばしましょう。あんこの表面につやが生まれ、適度な粘り気と固さになったら火を止めます。加熱しすぎると硬くなりすぎるため、注意が必要です。

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1. よもぎの厳選と丁寧な洗浄:食べられる部分を見極めて準備

まず、摘んできたばかりの生よもぎの中から、食用に適した部分を慎重に選び分けます。よもぎの茎を握り、葉先に向かって撫でてみて、もしゴワゴワと硬い葉があれば、これらは成長しすぎていたり、枯れていたりする可能性が高いため、取り除いてください。これらの葉は茹でても筋っぽさが残り、なめらかな口当たりを損ねる原因となります。
次に、茎を広げ、一番上にある最も若くて柔らかい新芽の茎(画像で赤く示されている部分)を根元から摘み取ります。この部分は他の葉や茎に比べて色が鮮やかで非常に柔らかいため、茎ごと利用することができます。残りの葉も丁寧に摘み取っていきましょう。全ての選別が終わったら、水を張ったボウルの中で土や汚れをよく洗い落とし、ザルにあげて水気を切ります。画像で赤く示されている部分が可食部です。今回は185gのよもぎから、約80gの可食部が取れました。

2. よもぎのアク抜きと鮮やかな色を保つ処理:重曹を活用

大きめの鍋に1〜2リットルの水を注ぎ、強火にかけて沸騰させます。沸騰したら、重曹(水1リットルに対して小さじ1の割合)を加えます。重曹を加えることで、よもぎ特有の強いアクが効率的に取り除かれ、同時に繊維が柔らかくなり、茹で上がりの色も鮮やかな緑色に保たれます。
この工程のポイントは、重曹の量と茹で加減です。重曹が少なすぎるとアクが十分に抜けず、多すぎるとよもぎ本来の風味が失われやすくなります。また、茹ですぎも香りを飛ばす原因となるため注意が必要です。よもぎを鍋に加え、柔らかくなってきたら、茎を指でつまんで火の通り具合を確認します。すぐに繊維がつぶれるくらいの柔らかさになっていたら、速やかに火を止めましょう。
火を止めたら、すぐにザルにあげて熱湯を切り、冷水を張ったボウルによもぎを移します。水の中でよく揉み洗いし、茹で汁の色が完全に抜けきるまで、2〜3回水を交換しながら丁寧にアクを抜きます。よもぎの生育状態によってアクの量は異なるため、水にさらす時間は調整が必要です。今回は非常に若い芽であったため、約1分程度の浸水でしたが、途中で少量味見をして、アクが抜けているかを確認することをおすすめします。

3. ゆでたよもぎのペースト作り:フードプロセッサーですり潰し、なめらかに

アク抜き後のよもぎは、ざるにあげて軽く水気を絞り、粗く刻みます。これをフードプロセッサーに入れ、細かくなるまで攪拌してください。もしフードプロセッサーがない場合は、根気強く包丁で細かく叩くように刻む必要があります。よもぎは繊維質が多いため、フードプロセッサーを利用すると格段に作業が楽になります。この際、ある程度の水分がないと機械が空回りすることがあるので、水気を絞りすぎないよう注意しましょう。
フードプロセッサーで細かくなったよもぎは、すり鉢に移し、すりこ木を使って丁寧にすり潰し、均一なペースト状にします。この工程で、もし写真に見られるような太い繊維が残っているようでしたら、口当たりが悪くなる原因となるため、この段階でしっかりと取り除いておくことが大切です。
よもぎの量を多く加えると、餅全体の水分量が増え、仕上がりが柔らかくなりすぎることがあります。そのため、お好みのコシや硬さに調整したい場合は、厚手のキッチンペーパーやガーゼで包み、余分な水分を適度に取り除いておくと良いでしょう。水分加減を調整することで、理想のよもぎ餅の食感を実現できます。

●下処理済みよもぎの保存方法:香りを保ち、いつでも活用

一度下処理を済ませて茹で上げたよもぎは、その状態のまま保存が可能です。茹で上がった後、粗く刻んだ状態、またはペースト状にした状態で、一食分ずつラップにしっかりと包み、保存用密閉袋に入れて冷蔵庫か冷凍庫で保管しましょう。
冷蔵保存であれば3日程度、冷凍保存であれば1ヶ月ほど、その風味を損なわずに美味しく保てます。冷凍したよもぎを使用する際は、自然解凍させてから調理に使いましょう。このように旬の時期にまとめて準備しておくことで、一年中いつでも手軽によもぎ餅作りを楽しめるようになります。

4. もち米の蒸し工程:蒸し器や炊飯器でふっくら仕上げる

あらかじめ準備しておいたもち米を、蒸し器で丁寧に蒸し上げます。今回はステンレス製の蒸し器を使用しました。蒸し器の下段には、十分な量の水を張っておきます。上段の内側には、水で濡らして固く絞った蒸し布を敷き、その上にもち米を広げ入れます。
ここでポイントとなるのが、もち米を平らにならすのではなく、あえて指で蒸し布の底が見えるように数カ所でくぼみを作るように広げることです。これにより、蒸気の通り道が確保され、もち米全体に熱が均一に行き渡り、蒸しムラを防ぐことができます。蒸し布の端を中心にかぶせるようにもち米を包み、蓋をして強火にかけます。
沸騰してから約15分間加熱したら、一度火を止め、蓋を取って蒸し布を広げます。このタイミングで、手で全体に水100ml(分量外)を均等に振りかけることで、もち米の表面が潤い、よりふっくらとした仕上がりになります。もち米の上下を優しく混ぜてから再度蒸し布で覆い、蓋をして再び強火にかけます。再度沸騰したら、さらに5分加熱すれば蒸し上がりです。
炊飯器で炊く場合:もしご家庭に蒸し器がない場合は、炊飯器の「もち米モード」を利用することも可能です。水に浸しておいたもち米を炊飯器に入れ、指定された水分量で炊き上げてください。ただし、餅つき機にかけることを考慮すると、少し硬めに炊き上げる方が、餅にした際のコシや食感がより良くなります。

5. 餅つき機での最終工程:もち米とよもぎを練り合わせて餅にする

蒸し上がったばかりの熱いもち米を、速やかに餅つき機(または餅つき機能付きのホームベーカリーやパンニーダー)に移します。熱いうちに作業を行うことで、もち米が餅になりやすく、より滑らかな口当たりの餅に仕上がります。そこへ、手順3で準備したよもぎのペーストを加え、餅つきを開始します。
餅つき機が回りにくいと感じる場合は、時折、水で濡らしたゴムベラを底から差し込み、もち米とよもぎを返すようにすると、材料が均一に混ざりやすくなります。もち米とよもぎが完全に一体となり、なめらかな餅状になったら、つき終わりの合図です。つきすぎると餅のコシが失われてしまうことがあるため、適切な見極めが肝心です。
つき上がった餅は、片栗粉(または餅とり粉)をたっぷりと敷いたバットに移し、水(分量外)で濡らした手でのばし広げます。この時、餅がバットにくっつかないよう、片栗粉をしっかりと敷き詰めることが重要です。餅の内部に粉が入ると固くなる原因となるため、表面にのみ薄くまぶすよう注意しましょう。私の実家では、片栗粉の代わりにきな粉を敷いていました。きな粉の香ばしい風味が好みであれば、この方法も大変おすすめです。
平らな状態でのばして2日ほど冷ますと、よもぎ入りのし餅(切り餅)としても楽しめます。この場合は、お好みの大きさに切り分けて、焼いたり煮たりと様々な料理に活用してください。

【初心者向け】よもぎ餅の楽しみ方:シンプルを極める基本レシピ

初めてのよもぎ餅作りや、手間をかけずにその風味を堪能したい方へ、最適な食べ方をご提案します。餅つき機から取り立ての、とろけるようなお餅の味わいを、最大限に引き出す方法です。

よもぎ餅にきな粉をまぶして味わう。お好みであんこを添えて

できたてのよもぎ餅を、手でちぎって一口大に丸めます(ちぎったままでも素朴な趣があります)。餅が手につきやすい場合は、打ち粉(片栗粉など)を軽くまぶすとスムーズに作業できます。
次に、お好みの甘さに調整したきな粉を用意し、丸めたよもぎ餅にたっぷりと絡めます。香ばしいきな粉と、よもぎの爽やかな香りが織りなす、どこか懐かしい優しい甘さが口いっぱいに広がります。さらに風味を加えたい場合は、控えめな甘さのあんこを添えることで、より奥深い味わいのハーモニーを楽しめます。
なお、熱々の餅を無理に扱う必要はありません。もし熱くて作業しづらいと感じる場合は、常温で1時間ほど冷ますと、より形を整えやすくなります。冷めてもその美味しさは変わらないのが、よもぎ餅の魅力の一つです。

【中級者向け】よもぎ餅の味わい方:あんこを包む匠の技

よもぎ餅の魅力をさらに深める、あんこを包み込むスタイルに挑戦してみませんか。少し手間はかかりますが、完成した時の見た目の美しさと、口にした時の感動は格別です。

よもぎ餅であんこを包む:美しい姿と絶品の味わいを両立させるコツ

よもぎ餅であんこを包む際は、まずあんこを1個あたり20~30gを目安に丸めて準備しておきましょう。餅の大きさに合わせて、あんこの量を調整してください。
次に、よもぎ餅を1個45~50gになるようにちぎり取り、計量します。この時も、餅が手にくっつかないよう、打ち粉(片栗粉など)を軽くつけると作業効率が上がります。もし餅が熱くて扱いにくい場合は、初心者向けと同様に、1時間程度置いて冷ましてから作業すると良いでしょう。
計量したよもぎ餅を手のひらでゆっくりと押さえつけながら、直径約10㎝の円形に広げます。この工程で大切なのは、外側を薄めに伸ばすことです。外側が均一に薄いと、あんこを包んだ際に合わせ目が分厚くならず、美しく、そして食べやすい仕上がりになります。
伸ばした餅の中央にあんこを乗せ、餅であんこを優しく包み込んでいきます。あんこを内側に押し込みながら、餅の端を中央に寄せ集めて、しっかりと閉じ合わせます。閉じ口を下にして、両手のひらで転がすようにして丁寧に形を整えれば完成です。口に入れた瞬間、よもぎの爽やかな香りとあんこの上品な甘みが一体となり、至福のひとときを味わえます。

【実食】よもぎ餅。春をそのままいただくような、目の覚める香り高い味わい!

今回は、心を込めて手作りされた特別なよもぎ餅を堪能しました。使用されたよもぎは、早春のやわらかな新芽だけを贅沢に摘んだもの。その目を見張るような鮮やかな緑色は、まさに春の生命力を映し出し、見た目からも豊かな季節の恵みを感じさせます。
口にした瞬間、澄み切ったよもぎの香りがふわりと鼻腔をくすぐり、まるで野山に足を踏み入れたかのような、清々しい感覚に包まれます。これこそが、春そのものを味わう贅沢と言えるでしょう。これまで米の粉ベースのよもぎ餅は試したことがありましたが、今回初めてもち米仕立てを体験。その一口で、もち米が推奨される理由を肌で感じました。もっちりとしていながら口どけの良いもち米の生地が、よもぎ本来の繊細な風味を最大限に引き出し、他に類を見ないほどの絶妙なハーモニーを生み出しています。
さらに驚いたのは、時間が経ってもそのやわらかさが持続することです。通常、もち米のお餅は固くなりやすいものですが、生よもぎを加えることで、つきたてのふんわりとした食感が長く保たれると教わりました。この特別な時期にしか味わえない、日本の四季を感じさせる逸品を、ぜひご自宅でも再現してみてください。手作りのよもぎ餅は、日々の喧騒を忘れさせてくれる、心温まるご褒美になるはずです。

様々な楽しみ方!人気のよもぎ餅レシピ3選とその魅力

春の訪れを感じさせるよもぎ餅には、使う材料や道具によって実に多彩な作り方が存在します。ここでは、「採れたての生よもぎと米粉(上新粉・もち粉)」、「手軽な乾燥よもぎと米粉(上新粉・もち粉)」、「本格派の乾燥よもぎともち米」という、人気の高い3つの製法をご紹介。それぞれが異なる食感や風味を持つため、ぜひお好みのレシピを見つけて、その違いを食べ比べてみるのも一興です。

【よもぎ餅レシピ①】生よもぎ×米の粉(上新粉、もち粉)

まずご紹介するのは、餅つき機がなくても、採れたての生よもぎを使った本格的なお餅が手軽に作れる人気のレシピです。生のよもぎが持つ、清々しくもやさしい香りはそのままに、上新粉ともち粉をブレンドして作る生地は、適度なコシと独特の歯切れの良さが特徴。もち米で作る場合とはまた異なる、素朴で洗練された味わいが楽しめます。春の訪れを五感で感じたい、でも手間はかけたくないという方にぴったりの、手軽ながらも本格的な味わいを求める方におすすめしたい一品です。

<材料>(作りやすい分量)

  • 上新粉:100g
  • もち粉:100g
  • 生よもぎ(下処理後、ペースト状):80g
  • 砂糖:20g(お好みで増減)
  • ぬるま湯(50℃):約180ml~200ml
  • 片栗粉(または餅とり粉):適量
1. よもぎの下処理とペースト化
まず、生よもぎの鮮度を保ちながら、丁寧に選別、洗浄、そしてアク抜きを行います。これらの準備が終わったら、しっかりと水気を切り、フードプロセッサーなどを使ってなめらかなペースト状にしてください。この丁寧な下処理とペースト化の作業こそが、出来上がるよもぎ餅の鮮やかな色合いと豊かな風味を決定づける、非常に重要な工程となります。
2. 粉類の混合とぬるま湯での練り込み
広口のボウルに、上新粉ともち粉を計量して入れ、お好みで甘みを加えるために砂糖も加えて、泡立て器などで均一になるように混ぜ合わせます。砂糖を加えることで、口当たりがまろやかになり、よもぎの風味と絶妙なハーモニーを生み出します。次に、およそ50℃に温めたぬるま湯を、全量を一度に入れずに少し残しつつ、ゴムベラで粉全体をまとめるように混ぜ始めます。このぬるま湯の温度は、粉のデンプン質が最適な状態で糊化し、なめらかな生地を作るために肝心です。熱すぎると餅が硬く、冷たすぎるとまとまりにくくなります。
3. よもぎの投入と生地の揉み込み
手順1で用意したよもぎペーストを、2で混ぜ合わせた粉類のボウルに加え、まずはゴムベラで全体になじませるように混ぜます。その後、手でじっくりと揉み込む作業に移りましょう。目標は、耳たぶくらいのやわらかさで、滑らかな感触の生地にすることです。もし生地が硬いと感じる場合は、残しておいたぬるま湯を少量ずつ加えながら、粉っぽさがなくなるまで丁寧に、そして均一になるように揉み込みます。この工程を丁寧に行うことで、よもぎの鮮やかな緑色が生地全体に行き渡り、見た目にも美しい餅の素が完成します。
4. 成形と蒸し工程
しっかりとまとまった生地を、おおよそ8等分に分けます。それぞれの塊を手のひらで転がしながら、少し平らな小判型に整えましょう。中央部分を軽くへこませておくと、蒸気による熱が生地の中心まで届きやすくなり、ムラなく火が通ります。準備ができた餅生地を、湯気が十分に上がった蒸し器に並べ、蓋をして約15分から20分間、しっかりと蒸し上げます。蒸しすぎると硬くなったり、風味が損なわれたりする可能性があるので、指定の時間を厳守して、ふっくらとした状態に仕上げましょう。
5. 蒸し上がりの仕上げ
蒸し上がった餅は、すり鉢や大きめのボウルへと移しましょう。すりこ木を用いて、餅生地が粘り強く、滑らかになるまで丹念についていきます。この丁寧な作業が、餅本来の風味を引き出し、驚くほどきめ細やかな舌触りを生み出す秘訣です。全体が一つにまとまり、理想の質感になったら、仕上げは完了です。
6. 食べ方
お召し上がりの際は、手に少し水をつけ(手水)、一口サイズにちぎったり、可愛らしく丸めたりして形を整えます。お好みに合わせて、甘さ控えめのあんこや、香ばしいきな粉をたっぷりとまぶしてお召し上がりください。摘みたてのよもぎが織りなす繊細な香りと、米粉ならではのしっかりとした歯応えは、もち米とは一線を画す独自の美味しさを提供します。

【よもぎ餅レシピ②】乾燥よもぎ×米の粉(上新粉、もち粉)

本レシピでは、一年を通して入手しやすい乾燥よもぎと、米から作られる上新粉、そしてもち米由来のもち粉を組み合わせるため、非常に手軽によもぎ餅作りを楽しめます。乾燥よもぎが持つ濃厚な香りと、上新粉が織りなす小気味よい歯切れの良さ、そしてしっかりとしたコシがこのレシピの魅力です。旬の生よもぎが手に入らない時期でも、本格的で風味豊かなよもぎ餅を味わいたい方に最適な一品です。

<材料>(作りやすい分量)

  • 上新粉:100g
  • もち粉:100g
  • 乾燥よもぎ:10g
  • 水:35ml(乾燥よもぎを戻す用、分量外)
  • 砂糖:20g(お好みで増減)
  • ぬるま湯(50℃):約200ml~220ml
  • 片栗粉(または餅とり粉):適量
1. 乾燥よもぎの戻し方
まず、乾燥よもぎを美味しく調理するために、適切な下準備を行いましょう。小さめの容器に乾燥よもぎを入れ、目安として水35ml(レシピで指定された分量とは別に用意する水です)を加えて、じっくりと水分を吸わせてふやかします。よもぎが水を吸い込むと、ふっくらと柔らかくなり、同時にその特徴的な香りが豊かに立ち込めます。この際、戻し汁にはよもぎの旨味が溶け出しているので、捨てずにそのまま生地に混ぜ込むことで、風味豊かな仕上がりになります。
2. 粉類の混合とぬるま湯での練り込み
次に、大きめのボウルに上新粉ともち粉を計量して入れ、お好みで甘さを加える場合は砂糖も混ぜ合わせます。粉類が均一に混ざったら、約50℃に温めたぬるま湯を少しずつ加えながら、ゴムベラを使って粉全体がしっとりするまでざっくりと混ぜていきます。この段階で、粉と水分がしっかりと馴染むように意識することで、後からの作業がスムーズになります。
3. よもぎの投入と生地の揉み込み
手順1でしっかりと戻したよもぎを、香りの豊かな戻し汁ごと2のボウルに加えます。最初はゴムベラで粉とよもぎを馴染ませ、その後は手を使い、生地全体を丁寧に揉み込んでいきましょう。乾燥よもぎは生よもぎよりも繊維がしっかりしていることがあるため、入念に揉み込むことで、口当たりの良いなめらかな生地に仕上がります。耳たぶ程度のやわらかさになるまで、手のひらでしっかりと練り上げ、もし硬すぎるようであれば、少量のぬるま湯で調整してください。
4. 成形と蒸し工程
きめ細かくまとまった生地を、おおよそ8等分に切り分けます。それぞれの塊を手のひらで小判形に整え、中央を軽くへこませると、蒸した際に火が通りやすくなります。準備が整ったら、十分に蒸気が上がった蒸し器に生地を並べ入れ、中火で15分から20分程度、じっくりと蒸し上げます。蒸し上がりの目安は、生地全体が透明感のある色になり、中心までしっかりと熱が通っているかを確認してください。
5. 蒸し上がりの仕上げ
蒸し上がったばかりの餅は、すり鉢や大きめのボウルに移し、すりこ木で丁寧に搗(つ)いて一体感を出します。この作業によって、餅本来の粘り気と、多くの人が好むもちもちとした弾力のある食感が生まれます。完成したら、手水で手を濡らしながら一口大にちぎったり丸めたりして、お好みのあんこやきな粉を添えてお召し上がりください。乾燥よもぎが持つ奥深い香りが際立つ、人気の高い一品です。

【よもぎ餅レシピ③】乾燥よもぎでも本格!もち米で絶品よもぎ餅

旬の生よもぎが手に入らない時期でも、本格的なよもぎ餅を味わいたい方におすすめのレシピです。もち米を使うことで、餅生地ならではの豊かな伸びとしっかりとしたコシが楽しめ、乾燥よもぎの芳醇な香りが口いっぱいに広がります。餅つき機をお持ちであれば、ご家庭でも驚くほど手軽にプロのような仕上がりを実現できます。さらに、完成した餅をのし状にして2日ほど置けば、お正月にも重宝するのし餅(切り餅)としても保存・活用できる、人気のよもぎレシピです。

<材料>(作りやすい分量)

  • もち米:300g
  • 乾燥よもぎ:10g
  • 水:35ml(乾燥よもぎを戻す用、分量外)
  • 重曹:小さじ1(よもぎのアク抜き用、お好みで)
  • 片栗粉(または餅とり粉):適量
  • 水:適量(もち米の蒸し工程用、分量外)
1. 乾燥よもぎの準備:ふっくら戻して下処理
まず、乾燥よもぎを小さめの容器に入れ、分量外の水35mlを加えて十分にふやかします。乾燥よもぎがしっかり水分を吸収し、柔らかくなったら、軽く水気を絞ってください。この戻したよもぎを包丁で細かく刻むか、フードプロセッサーを使ってペースト状にすることで、餅生地に均一に混ざりやすくなります。この細かくする工程は、なめらかな食感と美しい緑色の餅を作る上で非常に重要です。よりまろやかな風味を求める場合は、戻した後に軽く茹でて重曹でアク抜きを施すと、一層美味しく仕上がる人気のよもぎレシピに近づきます。
2. もち米の適切な浸水と水切り
もち米はまず丁寧に研ぎ洗いした後、最低6時間以上、理想としては一晩(8〜12時間)たっぷりの水に浸しておきます。これにより、米粒の芯までしっかりと水分が吸収され、最終的にふっくらとした弾力のある餅に仕上がります。使用する約15分前になったら、ざるに上げて余分な水分を徹底的に切っておきましょう。
3. もち米の丁寧な蒸し上げ方
蒸し器の下段には十分な量の水を張り、上段には水で湿らせて固く絞った蒸し布を敷き詰めます。水気を切ったもち米をその上に均一に広げ、適度に空気の通り道ができるように軽く凹凸をつけます。蒸し布で全体を覆い、蓋をしてから強火にかけます。蒸気が勢いよく上がってから約15分間蒸したら、一旦火を止め、もち米全体に水100ml(分量外)を振りかけ、上下を入れ替えるように混ぜます。再び蒸し布と蓋で覆い、強火でさらに5分間蒸し上げて、芯までふっくらと仕上げます。
4. 餅つき機を使った餅つき作業
蒸し上がったばかりの熱いもち米を、速やかに餅つき機(または餅つき機能付きのホームベーカリー、パンニーダーなど)へ移し替えます。続いて、先に用意しておいたよもぎのペーストを投入し、餅つき機の電源を入れて餅をつき始めます。もち米とよもぎが均一に混ざり合い、きめ細やかで弾力のある餅になるまでしっかりとついてください。もし機械の動きが鈍くなったら、水で濡らしたゴムベラで底から持ち上げるように補助するとスムーズに進みます。
5. よもぎ餅の成形と保存方法
つき上がったばかりの温かい餅を、打ち粉として片栗粉(または餅とり粉)をたっぷり広げたバットの上に移動させます。水で濡らした手を使い、餅を好みの厚さに均一に伸ばし広げてください。餅が作業台や手に張り付かないよう、粉は惜しみなく使うことが重要です。ただし、餅の内部に粉が混入しないよう、表面にのみ薄くまぶすように注意して作業を進めましょう。食べやすいサイズに手でちぎったり、丸めたりして、お好みに応じてあんこやきな粉を添えてお召し上がりください。また、平らに伸ばした状態で2日ほど冷まし、のし餅として固まってから切り分け、保存することも可能です。

旬の香りを食卓に!簡単「よもぎご飯」人気レシピ

よもぎ餅作りは少し手間がかかると感じる方も、気軽に春の訪れを食卓で感じられるのが「よもぎご飯」です。豊かな香りのよもぎとふっくらご飯が織りなす、シンプルながらも奥深い味わいは、どこか懐かしさを感じさせます。まるで沖縄の食卓に並ぶハーブ料理のように、旬のよもぎを日々の食生活に取り入れてみませんか。素朴で心安らぐ一品を、ぜひお試しください。

材料(2合分)

  • 米:2合
  • 生よもぎ(新芽の部分):40g~50g
  • 塩:小さじ1/2

1. お米を炊く:よもぎご飯に最適なご飯の炊き方

まず、米2合を丁寧に研ぎ、お使いの炊飯器の通常の水量でセットします。よもぎご飯を美味しく作るポイントは、炊き上がりのご飯を少しだけ硬めにすることです。こうすることで、後からよもぎを混ぜ込んだ際に水分が多くなりすぎず、ご飯の一粒一粒がしっかりと際立ち、風味豊かな仕上がりになります。もし炊飯器に硬めモードがない場合は、通常の水加減から大さじ1〜2杯程度水を減らして炊くと良いでしょう。炊飯ボタンを押し、香ばしいご飯が炊き上がるのを待ちます。

2. よもぎの下処理と刻み:風味を最大限に引き出す準備

清潔な鍋に十分な量のお湯を沸騰させます。丁寧に洗った生よもぎを熱湯に入れ、約1分間を目安に手早く茹でましょう。ここで使用するのは、柔らかく風味豊かな新芽の部分が最適です。硬さのある茎や古い葉は口当たりが悪くなるため、このレシピでは使用を避け、別の機会に天ぷらなどでお楽しみいただくのがおすすめです。
茹で上がったよもぎは、すぐに冷たい水(氷水があればさらに効果的)にとって冷まします。この工程で、よもぎの鮮やかな緑色を保ち、色止め効果を高めます。しっかり冷めたら、手でギュッと水気を絞りましょう。巻きすなどを使うとより効率的ですが、手でしっかりと絞り切れば問題ありません。ここで水気を徹底的に切ることが、ご飯と混ぜた際にベタつきを防ぎ、ふっくらとした仕上がりにする秘訣です。
水気をしっかりと絞ったよもぎをまな板に移し、包丁で丁寧に細かく刻みます。細かく刻むことで、よもぎがご飯全体によく混ざり合い、口にしたときに均一な風味と香りが広がります。均一な大きさに揃えることで、見た目も美しく、より一層食欲をそそる仕上がりになります。

3. ご飯とよもぎを混ぜ合わせる:春の香りを食卓へ

炊きたてのご飯を飯台や大きめのボウルに移し、細かく刻んだよもぎと塩小さじ1/2を加え、しゃもじでご飯粒を切りながら混ぜ合わせます。ご飯を潰さないように、優しく、でも均一に混ぜ込むのが肝心です。ご飯の余熱がよもぎの香りを引き出し、鮮やかな緑色がご飯全体に美しく広がります。
ほのかに緑がかったご飯は、見た目にも春の訪れを感じさせ、食欲を刺激します。一般的に甘い餡と組み合わせることが多いよもぎですが、塩味のご飯にすることで、意外性のある、さっぱりとした美味しさが楽しめます。沖縄ではよもぎを「フーチバー」と呼び、ジューシー(炊き込みご飯)や汁物といった塩味の料理に欠かせないハーブとして親しまれています。このよもぎご飯も、日々の食卓に彩りと健康をもたらす、手軽な一皿となるでしょう。
年に一度、旬のよもぎを家族や友人と一緒に摘み、皆でよもぎご飯を作る時間は、きっと心に残る春の思い出となるはずです。素朴ながらも滋味深い、よもぎの豊かな風味を存分にお楽しみください。

まとめ

本記事では、春の訪れを告げる「よもぎ」を主役にした、古くからのよもぎ餅(草餅)と、現代的なよもぎご飯の調理法を詳しく解説してきました。料理研究家・小島喜和氏が推奨するもち米を用いた本格派の製法から、生よもぎ、乾燥よもぎ、米粉を使った多様なアプローチまで、よもぎの下準備、適切な保存法、そして味わい深い食べ方といった、よもぎ料理のあらゆる側面を網羅しました。よもぎが持つ独特の香りと優れた効能は、春の食卓に彩りを添えるだけでなく、心と体の健康維持にも寄与することでしょう。この包括的なガイドを参考に、ぜひご自宅で旬のよもぎを活かした料理に挑戦し、日本の豊かな食文化に触れる喜びを体験してください。手作りの温かいよもぎ料理を通じて、ご家族や親しい方々と共に、麗らかな春の恵みを心ゆくまで分かち合いましょう。

よもぎ餅はなぜ「草餅」と呼ばれるのですか?

現代の草餅に主に用いられるのは「よもぎ」ですが、その起源は平安時代に中国から伝来した伝統的な行事食にまで遡ります。当時の主役は春の七草の一つである「母子草(ゴギョウ)」でした。この「草」が、そのまま「草餅」という名称の由来となったとされています。時代が下り江戸時代になると、「母子をつく」という言葉が不吉であるという理由から避けられるようになり、薬効に優れ、生命力旺盛なよもぎが代わりに使用されるようになりました。しかし、一度定着した「草餅」という名称はそのまま現代に受け継がれています。

よもぎのアク抜きは必ず必要ですか?重曹を使う理由は何ですか?

はい、よもぎのアク抜きは、特有のえぐみや苦味を取り除き、本来の風味を際立たせる上で極めて重要な工程です。特に葉が大きく育ったよもぎほどアクが強くなる傾向にあります。重曹(ベーキングソーダ)を使用することで、アク成分が効率良く排出されるだけでなく、よもぎの繊維質が柔らかくなり、茹で上がりの鮮やかな緑色が損なわれにくいという利点があります。これは、重曹のアルカリ性がよもぎに含まれる緑色の色素であるクロロフィルの分解を抑制し、美しい発色を保つ効果があるためです。

生よもぎと乾燥よもぎで作るよもぎ餅では、味や食感に違いがありますか?

もちろんです、両者にはそれぞれ異なる魅力と特徴が存在します。生よもぎを用いたお餅は、摘みたての草木を思わせる爽やかで清々しい香りが立ち、その鮮やかな緑色が食欲をそそります。もち米を使えば、ふんわりとろけるような口どけと伸びの良い食感が楽しめ、米粉を用いれば、コシがありつつも歯切れの良い、しっかりとした食べ応えになります。一方、乾燥よもぎは、香りが凝縮され、より深く野趣あふれる風味が特徴です。季節を問わず一年中手軽に作れる利点がありますが、生よもぎが持つ繊細な香りは得られにくい傾向にあります。食感については、どちらのよもぎを使う場合でも、使用する粉の種類(もち米か米粉か)によって決まります。


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