羊羹冷凍
日本の伝統的な和菓子のひとつである「羊羹」。その風味豊かな味わいと、特有の食感が多くの人々に愛されています。だが、この美味しい羊羹をもっと長く楽しみたい、新たな食感を楽しみたいという方に朗報です。それが「羊羹冷凍」というポイントです。その名の通り、冷凍保存を利用して羊羹を新たな角度から楽しむ方法です。何もかも一度に食べきらなくて良い、いつでも羊羹の美味しさを堪能できるというメリットから、この冷凍羊羹が注目されています。では、羊羹を冷凍するとその味や食感はどのように変化するのでしょうか。また、どのように保存し、解凍するのが最善なのでしょうか。本記事ではその全てをご紹介します。今からあなたの羊羹体験が大きく広がることでしょう。
【種類別】羊羹を冷凍保存する方法
「羊羹」は、美しい見た目と、繊細な味わいから日本独特の和菓子で、その種類もブロック状の「練り羊羹」やゼリー状の「水羊羹」など多岐に渡ります。一度に大量に手に入れたり、長期保存したいときは冷凍保存はおすすめですが、種類によっては保存方法が異なります。
まず、「練り羊羹」の冷凍保存方法です。食べやすいサイズにカットした後、一つひとつをラップで包みます。これは羊羹が乾燥しないようにするためです。その後、ジッパー付きの保存袋に入れ、冷凍庫へ。使用するときは、必要な分だけ取り出し、冷蔵庫で自然解凍します。
一方、「水羊羹」の場合、形が崩れやすいので、そのまま冷凍するのは避けたいです。専用のプラスチック容器や耐熱ガラス容器に入れ、それをジッパー付きの保存袋に入れると、冷凍庫での保存が可能です。使用する際も、冷蔵庫で自然解凍します。
いずれの方法でも、羊羹を長期保存することが可能です。ただし、冷凍は早めに行うことが大切で、一度解凍したものを再び冷凍するのは避けてください。
また、手作りの羊羹の場合、添加物が含まれていないため、市販の羊羹と比べて日持ちが難しいです。冷蔵保存でも、約2~3日で食べてしまうことをおすすめします。
ただ、手作り羊羹でも冷凍すれば約2週間は保存できます。手作り羊羹を冷凍する場合は、分けてから早めに冷凍保存することをおすすめします。
以上の方法を活用すれば、羊羹を長く、そして美味しく保存できます。ただし、3ヶ月を目安にすべて消費しましょう。
羊羹を冷凍保存・解凍する時の注意点
羊羹を冷凍で保存して後で美味しく頂くためには、いくつかの注意点が存在します。
まず、羊羹は空気に触れないよう、徹底的に密封することが重要です。「密封」が肝心な点で、これが怠られると羊羹は冷凍焼けを引き起こし、そのためにその風味や食感を損ねてしまいます。その対策として、ラップでしっかりと包み、その上から再度密封可能な袋や容器に入れて保管するのが良い方法となります。
また、羊羹を冷凍する際は一本丸ごとではなく、適量ずつに小分けにすることが重要です。小分けにすることで、好きな時に好きな量だけ食べたいときに便利に解凍できます。
羊羹を解凍する際も、電子レンジを使うのは絶対に禁物です。急な加熱は羊羹の味や風味を台無しにしてしまうだけでなく、夏など暑い時期には細菌が繁殖しやすい状態にする元となります。したがって、自然解凍や冷蔵庫でじっくりと解凍するのが理想的です。
また、羊羹は一度解凍したら再び冷凍するのはおすすめしません。再冷凍の際には水分が多い羊羹が細菌の繁殖に繋がり、食中毒を引き起こす危険性があります。
これらの方法を意識して羊羹を保存すれば、その長期間に渡る美味しさを堪能することが可能になります。和菓子好きのあなたにとって、この情報が役立てばと思います。
羊羹の劣化を見抜くポイントとは?
冷凍保存する前に羊羹の新鮮さを確認しましょう。
不適切に管理された羊羹を食べると、食中毒の危険性があります。そのため、以下のような状態の羊羹は冷凍保存を避けてください。
新鮮な羊羹から劣化を見分けるポイント
・表面の色が褪せているか、艶がない
・硬くなっている、弾力がない
・独特の甘い香りが薄れている
・食べたときに固さを感じる、甘さが感じられない
これらのような症状が現れた羊羹は、冷凍保存ではなく、廃棄を検討しましょう。カビの生えた部分だけを取り除き、残りを食べるのは危険です。カビの胞子が羊羹全体に広がっている可能性があります。
ということで、羊羹を冷凍保存する前には必ず新鮮さを確認し、安全にお楽しみください。
『羊羹は30年持つ』という噂の真偽
SNSやネットニュースで2019年頃に流行った「羊羹は30年持つ」という噂。その情報によれば、「羊羹は賞味期限が1年ではあるが、実質的には30年間持つ」とのこと。しかしその真相は...
全ての羊羹が30年間保存可能なわけではなく、「一部の製品だけに限った話」ということが前提です。
水分の少ない「練り羊羹」は、製造直後の熱い状態でパッケージに封入することが多いため、酸素との接触が遮断され、細菌やカビの繁殖が抑えられるという特性があります。しかしそうであっても、各製造メーカーが指定する練り羊羹の賞味期限は、未開封状態に限り、製造から1年程度が平均となるようです。
実際のところ、30年という長期保存は食品の安全性や風味の保持を考えると難しく、また品質も維持できないだろうとされています。原型となった中国の羊頭糕(ヤンタオガオ)ならば乾燥させた羊肉と糯米粉の組み合わせにより、長期保存が可能だとも言われていますが、現代の羊羹はその再現度が低いと断言できます。
よって、「羊羹は30年持つ」という噂の真実性については、厳にして偽と結論づけられます。
まとめ
羊羹を冷凍することで味が濃縮し、食感はしっとりからサクサクへと変化します。保存はラップでピッタリと包み、解凍は冷蔵庫内でゆっくりと。これにより、羊羹の美味しさをいつでも、どこでも味わうことが可能になります。新たな羊羹の楽しみ方を手に入れ、伝統的な和菓子の深い世界を更に堪能しましょう。