羊羹は、日本の伝統的な甘味として多くの人に愛されています。しかし、賞味期限が過ぎると風味や食感が劣化してしまうことが懸念されます。そこで役立つのが冷凍保存。羊羹を冷凍することで、長期間保存が可能になるだけでなく、新鮮さを保ちながら美味しさをキープできます。本記事では、羊羹の冷凍保存の最適な方法について詳しく解説し、その利点とともに実践的なテクニックをご紹介します。
【タイプ別】羊羹の冷凍保存テクニック
羊羹には、「練り羊羹」や「蒸し羊羹」など製法によって異なるいくつかの種類があります。それぞれの特徴に合った保存方法を以下でご案内します。
練り羊羹を凍らせて保存する際の方法
開封前の練り羊羹は常温で長期間の保存が可能なものがほとんどなので、冷凍する必要は基本的にありません。しかしながら、一度開封すると品質が劣化しやすくなるため、1週間以内に消費するのがおすすめです。
もし1週間で食べきれない場合は、ラップで包んでから密封できる保存袋に入れて冷凍庫で保管してください。
蒸し羊羹の冷凍保存方法
小麦粉や葛粉を使って蒸し固めた「蒸し羊羹」は、練り羊羹に比べて保存が利かず、約2週間の消費期限となっています。
砂糖の量が少ないため、蒸し羊羹は冷凍保存が適しています。正しい保管方法を活用すれば、味や質を長期間維持できます。未開封の蒸し羊羹は、そのまま保存袋に入れ、冷凍庫で保存するのがおすすめです。
開封後は、少量ずつ切り分けてラップで包み、保存袋に密封した後、冷凍庫で保管してください。
水羊羹を冷凍して保存する際の注意点
凝固したあんこを使用して作られる「水羊羹」は、その名の通り非常に水分量が高い和菓子です。このため、多くの商品は賞味期限が短く、保存方法に注意が必要です。冷凍保存を活用することで、水羊羹の保存期間を延ばすことが可能です。未開封の場合はそのまま保存袋に入れて冷凍することができます。しかし、開封後は水分が多く取り扱いが難しく、冷凍保存には向かないため、早めに食べることを推奨します。
自家製羊羹を冷凍する方法
市販品と比べて手作りならではの素朴さを楽しめる「手作り羊羹」は、添加物が使用されていないため、保存期間が短いのが特徴です。常温での保存は、季節にもよりますが、1日程度が目安です。冷蔵庫で保存する場合も、2〜3日以内に食べることを推奨します。
しかしながら、冷凍保存を利用すれば、手作り羊羹でも約2週間は品質を保つことができます。羊羹を冷凍庫に入れる際は、小分けにしてすぐに冷凍するよう心がけましょう。
冷凍保存や解凍時の注意事項
羊羹を冷凍保存する際にはいくつかの注意が必要です。さらに、解凍する際にもおいしく楽しむためのポイントがあります。
1.封を施す
羊羹を冷凍する際には、空気に触れないようにすることが大切です。しっかりと密封することを心がけてください。
もし密封せずに冷凍すると、冷凍焼けが起こり、風味や食感が悪くなってしまいます。冷凍焼けを防ぐためには、ラップでしっかりと包んでから、密閉可能な保存袋や容器に入れるようにしましょう。
2.分割して管理する
羊羹をそのまま冷凍すると、大きすぎて解凍後に一気に食べる必要が生じます。冷凍する際には、ひとり分ずつに小分けしておくと良いでしょう。
小分けにして冷凍しておけば、食べたい時に必要な分だけ解凍できるのでとても便利です。
3.自然解凍や冷蔵庫での解凍がおすすめ
電子レンジで羊羹を解凍するのは避けましょう。
急速な加熱は風味や味を落とすだけでなく、酵素の働きが活発になる温度にさらされやすく、劣化を促進します。通常は常温でゆっくりと自然解凍するか、暑い時期には冷蔵庫で時間をかけて解凍するのが安全です。
4.一度解凍したものを再び凍らせない
羊羹を再冷凍するのは避けた方が無難です。
冷凍した羊羹は水分量が多く、細菌が繁殖しやすい状況になります。そのため、解凍後に再冷凍し再び解凍することで食中毒の危険性が増す可能性があります。
羊羹の状態変化を見極める方法とは?
冷凍前には羊羹の状態をしっかりチェックしましょう。カビがあったり劣化しているものを食べると、食中毒のリスクが高まります。そのため、以下のような兆候が見られる羊羹は冷凍せずに処分してください。
カビが見つかった場合、表面だけを取り除いても内部にカビの芽が残っていることがあります。カビの部分を取り除けば安全、という考えは誤りです。冷凍前には、必ず劣化の有無を確認してください。
長期保存された羊羹はおすすめできない
水分が少ない「練り羊羹」は、成形後すぐに熱いうちに密閉されることが多いため、酸素が遮断され、細菌やカビの繁殖が極めて難しいとされています。しかし、練り羊羹でも、多くのメーカーが設定している賞味期限は、未開封の状態で製造から約1年ほどが一般的です。