忙しい現代社会において、健康維持と体重管理は多くの人々にとっての重要な課題です。様々なダイエット法が試される中、手軽に始められ、しかも効果的な方法として注目を集めているのが「ドライフルーツダイエット」です。天然の栄養素がぎっしり詰まったドライフルーツは、満足感を得つつカロリー摂取を抑えることができる優れた食材です。この記事では、ドライフルーツがもたらす驚くべき効果と、その成功の秘訣について詳しく探っていきます。
ドライフルーツダイエットが注目される理由
最近、ドライフルーツダイエットが注目されているのはなぜでしょうか？その人気の理由は、ドライフルーツが健康や美容に対して多くのメリットをもたらすためです。含まれる栄養素について詳しく探ってみましょう。
ドライフルーツの栄養素
果物を乾燥させることで作られるドライフルーツは、水分が少なくなり、その分栄養価が凝縮されています。通常の果物は約80%が水分ですが、ドライフルーツは水分が20%程度に抑えられており、栄養素が4～5倍になるのが特徴です。
ドライフルーツは少量で多くの栄養を摂取できるため、美容や健康の面で効果を期待できます。また、ダイエットにも良い影響を与えるでしょう。
では、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか？詳しく見ていきましょう。
食物繊維
ドライフルーツは豊富な食物繊維を含んでおり、品種によりますが、100gあたりおよそ7～12gの食物繊維が含まれています。その量は、例えば食物繊維で有名なごぼうの100gあたり5.7gよりも多く、ドライフルーツの食物繊維の豊かさが分かります。
食物繊維は、水溶性と不溶性の2つのタイプに分けられ、それぞれが腸の善玉菌を増やし、腸内環境を整えるのに役立ちます。
特に不溶性食物繊維は、腸で水分を吸収し膨張することで腸の動きを活発化し、便通を促進します。一方、水溶性食物繊維は水に溶けてゼリー状になり、満腹感を与え、血糖値の上昇を穏やかにする効果も持っています。
このように、便通を改善し腸を清潔にし、有害な老廃物を減少させる効果と、糖質の吸収を緩やかにする機能の二重の作用があり、これがダイエットに有効だとされています。さらに、食物繊維が豊富な食品は噛み応えがあり、満腹中枢を刺激するため、満腹感を得やすい理由でもあります。
カリウム
カリウムは、果物や野菜に豊富に含まれる重要なミネラルで、体内での水分と物質の濃度調整を助けます。特に、ナトリウム濃度を整えることで血圧の低下に寄与し、余分な水分の排出を促して美容にも効果的です。
カロテン
カロテンは、緑黄色野菜や果物に多く含まれる色素の一種であるカロテノイドの一つです。抗酸化効果を持ち、体内の活性酸素による細胞や物質の酸化を防ぎます。これにより、老化を遅らせることができるため、美容や健康に役立つ成分とされています。また、がんや動脈硬化などの病気の予防にも寄与することが知られています。
ドライフルーツが体重増加に繋がる理由とは
なぜドライフルーツがダイエットに不向きであるとされるのか、その理由について詳しくまとめてみました。
お腹が満たされない
ドライフルーツはたくさん食べるとすぐに空腹になると言われることがありますが、実際には誤解です。ドライフルーツは食物繊維が豊富で、むしろ満腹感を長続きさせます。
食べ過ぎて、あとで胃が重く感じることはありませんか？これは食物繊維が膨らんでいるからなのです。ただし、食物繊維を大量に一度に摂りすぎるとお腹が痛くなったりお腹が緩くなることがありますので注意が必要です。
カロリーや糖質が多い
ドライフルーツは水分が抜けることで栄養価が高まる反面、カロリーや糖質も高くなります。カロリーは私たちが生活する上で必要なエネルギーを意味し、例えばドライいちごでは100グラムあたり302kcalと、お茶碗一杯のごはんのカロリーを上回ります。
糖質も同様に、生のフルーツより多く含まれています。糖質は『炭水化物量－食物繊維量』を元に計算され、主にエネルギー源として役立ちます。摂りすぎは避けたいものの、糖質は生命活動において重要なため、それ自体が悪いわけではありません。適量を考慮しながら摂取するのが一番です。
ドライフルーツに含まれる果糖
フルクトースは、果物に多く含まれる糖で、中性脂肪やAGEと関連が指摘されています。
過剰なフルクトース摂取は中性脂肪を増やすとの研究がありますが、これは日々200kcalのフルクトースを摂取した場合です。この量は主に人工甘味料やジュースから来るもので、適量の摂取なら大きな問題は起こりにくいでしょう。
AGEは、体内でタンパク質と糖が結合してできるもので、健康に影響を及ぼします。果糖は血中でタンパク質と結合しやすいですが、肝臓で代謝されるため血中にはあまり流れません。
さらに、フルクトースはGI値が19と低い特性を持っています。たとえば、ドーナツはGI値75で高い一方で、プルーンは29で低いです。このため、適量のドライフルーツであれば、AGEに対する心配もあまり必要ないでしょう。
カロリーの比較
ダイエットをしていると、カロリーがとても気になります。以下に、生のフルーツとドライフルーツのカロリー（100gあたり）をまとめました。
マンゴー 生64kcal、ドライ320kcal イチジク 生54kcal、ドライ291kcal バナナ 生86kcal、ドライ299kcal レーズン 生59kcal、ドライ301kcal ブドウ 生50kcal、ドライ300kcal
ドライフルーツは、生のフルーツに比べて栄養が集中しているため、カロリーも高くなるようです。カロリーは、生のものの約5倍にも達します。ダイエット効果を期待する一方で、過剰に摂取しないよう注意が必要です。
1日に適したドライフルーツの摂取量
ドライフルーツの適切な摂取量は、1日80gが理想的です。この量ならおやつとして楽しんでも問題ありません。ただし、その日の食事内容に応じて量を調整することが大切です。
毎回80gを計るのが面倒な場合は、手のひらいっぱいを基準にすると良いでしょう。
ドライフルーツを活用したダイエットのコツ
ドライフルーツを取り入れたダイエットを行う際に、注意すべきポイントが存在します。これらをしっかりと実践することにより、より高いダイエット効果が期待できます。
添加物や砂糖を使わないタイプにする
ドライフルーツを選ぶ際は、添加物や砂糖が入っていないタイプが理想的です。市販品には保存料や砂糖が使われているものが多いため、注意が必要です。せっかく糖質の低いドライフルーツでも、シロップや砂糖が加えられると高糖質になります。
また、英語表記のある輸入ドライフルーツは避け、成分を確認しやすい国産のものが安心です。
砂糖不使用の場合でも、素材の自然な甘さが活かされており、満足感があります。天日干しの方法で作られたものは、砂糖なしでも甘みと栄養がしっかり詰まっています。
素材と製法にこだわりたい方は、オーガニックで無添加のものがおすすめです。
セミドライタイプ
ドライフルーツは、完全に乾燥したものと、少し水分が残ったものに分けられます。
これらの違いは主に水分量にあります。完全に乾燥したものは水分が少なく、カリッとした食感が楽しめて、ついつい食べ過ぎてしまうこともあるかもしれません。
一方で、セミドライのものは水分がありジューシーで、しっかりとした咀嚼感と満足感があり、ダイエット中は少量で満たされたい場合におすすめです。ドライのものをヨーグルトに一晩漬け込むと、セミドライのようになり、また違った食感が楽しめます。
複数のタイプを組み合わせる
ドライフルーツは、その種類によって含有する栄養素に違いがあります。鉄分が豊富なものもあり、また食物繊維がたっぷり含まれているものもあります。一種類でも栄養価は高いのですが、複数種類を組み合わせることで、一層多くの栄養を取り入れることができます。
ミックスタイプのドライフルーツを選べば、さまざまな種類を手軽に楽しむことができます。ダイエットを成功させるためには、日々の継続が鍵です。いろいろなドライフルーツの風味を楽しみ、日常の食事に変化を持たせましょう。
食べるタイミング
食事を取るのは、朝か午後のおやつの時間が理想的です。これらの時間帯は代謝が活発になるため、ダイエットに効果的です。
お腹が空きすぎると血糖値が急上昇しやすくなり、そのため脂肪が蓄積しやすくなります。ダイエット中は、極度の空腹を避けるためにドライフルーツを少量食べるのが良いでしょう。
なお、ドライフルーツを夜間に食べると脂肪になりがちなので、避けた方が賢明です。
一日の間食は20kcalが目安とされていますが、ダイエット中の場合は100kcal以内に抑えるのが推奨されています。
ドライフルーツを食べる際は、少量ずつゆっくりと噛むようにしましょう。小さな容器に入れるか、個別包装のものを用意して食べ過ぎを防ぐことをお勧めします。
運動もおこなう
ドライフルーツを食べるだけで自然に痩せることは期待できません。ダイエットを成功させるためには、栄養バランスを意識した食事を心がけるとともに、適度な運動を組み合わせることが重要です。
効果的なダイエットには、体が痩せやすく太りにくい状態を作ることが必要です。それには、基礎代謝を向上させることが求められます。
基礎代謝を向上させるためには、無理のない範囲での運動が効果的です。ウォーキングや水泳といった有酸素運動が特に推奨されており、さらに余裕があれば筋力トレーニングを追加することで、より痩せやすい体を作り上げることができます。