バターとマーガリン

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バターとマーガリン

バターとマーガリンは、多くの家庭の台所に置かれている定番の調味料です。しかし、実はその起源や製法、栄養価などにおいて大きな違いがあります。この2つの食材の特徴を理解することで、上手に使い分けができるようになり、より美味しく健康的な料理を作ることができるでしょう。

バターよりマーガリンのほうが健康によい?新常識とは?

健康を気にされている方は、バターとマーガリンのどちらが良いかについて長年議論されてきました。かつては、マーガリンが健康に良いと言われていましたが、最近の研究では見方が変わってきています。

マーガリンには人工的なトランス脂肪酸が含まれており、動脈硬化や心疾患のリスクを高める可能性があると指摘されています。一方、バターは動物性の飽和脂肪が多いものの、トランス脂肪酸は含まれていません。

しかし、バターを過剰に摂取することも体に良くありません。健康的な食生活を送るには、バランスの取れた脂肪の摂取が推奨されています。特に、オメガ3系の不飽和脂肪酸は心血管系の健康に有益とされています。

つまり、トランス脂肪酸が含まれていないバターのほうが、健康面で有利といえます。ただし、あくまでも適量を守ることが重要で、過剰に摂取しないよう気をつける必要があります。

長年マーガリンは悪でした

長らく「マーガリンは健康に悪い」と考えられてきましたが、近年の製造技術の進歩により、その見方が変わりつつあります。かつてマーガリンが悪評されていた理由は、製造工程で生じる人工的なトランス脂肪酸が心疾患リスクを高めるためでした。

しかし、現在ではトランス脂肪酸を含まない高品質マーガリンが登場し、バターよりも飽和脂肪酸が少なく、良質な植物性油脂を使用しているため、健康面で高く評価されるようになってきました。

さらに、ビタミン等の栄養素が強化されたマーガリンも多く、バランスの良い食生活に適したスプレッド(塗り物)としての役割が期待されています。

マーガリンへの評価が転機を迎え、食の質向上と健康志向の高まりから、新たな地位を確立しつつあると言えるでしょう。
バターとマーガリン

バターとマーガリンの違い

原料と製造方法の違いから生まれるバターとマーガリンの本質的な差異。それが、健康面での認識の違いを生み出してきました。近年のマーガリン製造技術の進化により、従来の悪イメージから脱却しつつあります。

バターは牛乳から作られる動物性油脂で、香り豊かなコクと風味が魅力です。一方のマーガリンは、植物性油脂を主原料とする人工的な食品でしたが、トランス脂肪酸の低減が進んでいます。

かつてのマーガリンは、植物油を固形化するため水素添加物を使用し、生成されるトランス脂肪酸が健康リスクの要因とされてきました。しかし近年、その添加物の使用が制限され、トランス脂肪酸を含まないマーガリン製品が増えています。

現在のマーガリンを選ぶ際は、原材料表示から水素添加物不使用のものを見つけるのが賢明です。バターとはまた違った特徴を持つマーガリンも、健康に配慮された製品が増えてきたのです。料理の用途に合わせ、両者の長所を理解し上手に活用することが大切だと言えるでしょう。

飽和脂肪酸とは

飽和脂肪酸は、動物性の食品や一部の植物性油脂に多く含まれる脂肪酸です。人体にとって適量であれば重要なエネルギー源となりますが、過剰に摂取すると血中コレステロール値の上昇を招き、動脈硬化などの循環器疾患リスクを高める可能性があります。そのため、日本人の食事摂取基準において、推奨される上限値が設けられています。

バターやマーガリンといった加工油脂には、飽和脂肪酸が多く含まれています。例えば、バター大さじ1杯(約12g)に含まれる飽和脂肪酸量は、1日の摂取上限に対して高い割合を占めています。一方、マーガリンは水素添加されていない製品であれば、バターに比べて飽和脂肪酸の含有量が低くなる傾向にあります。また、コレステロール含有量もマーガリンのほうが少ないです。

近年、アメリカや日本の食品事業者による自主的な取り組みにより、加工食品に含まれるトランス脂肪酸の低減が進んでいます。トランス脂肪酸は、善玉コレステロールを減少させ、悪玉コレストロールを上昇させるなど、動脈硬化などのリスクを高める作用があるためです。がんの発症にも関連する可能性が指摘されていて、健康被害を最小限に抑えるための対策が重要視されています。

健康的な食生活を送るためには、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂取量に気を付けることが求められます。栄養表示を確認し、バランスの取れた食事を心がけましょう。
バターとマーガリン

健康のためにとりたい油とは

健康を守るために適切な油の選択と摂取方法を意識することが重要です。良質な油を選び、バランスの取れた食生活を心がけましょう。

不飽和脂肪酸が豊富なオリーブオイルや魚油は、動脈硬化の予防や血液をサラサラにする働きがあり、健康維持に適しています。一方、加熱調理には酸化しにくいごま油や米油がおすすめです。

開封後は密閉して冷暗所に保管し、長期保存は避けて少量ずつ新しい油を購入するなど、賞味期限と保存方法にも気をつける必要があります。

健康的な油の選び方と使い分けを心がけ、不飽和脂肪酸を意識的に摂取することで、生活習慣病のリスクを下げられます。適切な油の摂り方を実践し、健康的な食生活を送りましょう。

現代ではバターよりマーガリンの方が体に良い

マーガリンは植物油を原料とし、飽和脂肪酸が少なく、植物性ステロールが血中コレステロールを下げる働きがあると言われていました。一方のバターは動物性脂質が主成分で、飽和脂肪酸が多く含まれているため健康上の懸念がありました。しかし近年、飽和脂肪酸ほどトランス脂肪酸に注意が必要だと指摘されています。

マーガリンを選ぶ際は、トランス脂肪酸不使用のものを選ぶ必要があります。健康維持には、運動と栄養バランスの良い食生活が不可欠です。過去の常識が時代とともに変化し、新たな見解が生まれるのは珍しいことではありません。健康的な生活を送るには、最新の知見に注目し続けることが重要といえるでしょう。
バターとマーガリン

まとめ

バターは動物性の乳製品で風味が良く、マーガリンは植物性油脂を主原料とした植物油脂の代替品です。バターは飽和脂肪が多く、マーガリンは一般に不飽和脂肪が多いため健康面ではマーガリンが勝ります。しかし、バターの風味は料理に深みを与え、焼き菓子に良い食感を生み出します。状況に応じてそれぞれの長所を生かした使い分けが賢明です。

バターマーガリン