リング状の特徴的な形をした、何度でも食べたくなる美味しさを持つパンがベーグルです。円形に成形され、中心に穴を開けたその姿は一見するとドーナツに似ていますが、湯通しをする工夫により、独特のもちもちとした食感が特長となっています。

その魅力の一つは、食感だけでなく味わいの多彩さにあります。シンプルなプレーンから始まり、ポピーシード、セサミ、チーズ、そしてカレーなど、さまざまな風味が楽しめます。また、ブルーベリーやチョコレートチップを練り込んだものなど、甘いベーグルもあります。

ベーグルの楽しみ方も豊かで、ただそのまま食べるだけでなく、サンドイッチにすることでさらに味わい深くなります。スモークサーモンとクリームチーズの組み合わせは定番ですが、好みでアレンジするのも一つの楽しみ方です。

また、ベーグルの美味しさはその食べ方で変わることも魅力の一つです。そのまま食べても良いですが、トースターで軽く焼くと、外側がパリッとして食感の変化を楽しむことができます。このように、一つひとつ、日々異なる味わいを提供するベーグルは、その新鮮さが特長といえるでしょう。

ベーグルとパン、どちらも全世界で食べられている食品ですが、シンプルな外見からは予想できない栄養成分の違いがあります。特にこの記事で強調したいのが「脂質」に関する内容です。

ベーグルの特徴の一つは、その製法からくるモチモチとした食感ですが、これは製造過程で油脂を使わない点によるものです。一方、パンは製法や種類によりけりで、バターやマーガリンを使った製品では脂質量が多いことが一般的です。

では、具体的な脂質量を確認してみましょう。

・ベーグル（100gあたり） 脂質：1.2g

・フレンチブレッド（100gあたり）脂質：2～3g

・バターロール（100gあたり）脂質：10g以上

このデータからも明らかなように、パンとベーグルでは脂質量に大きな差が見られます。脂質摂取を抑えたい方々にとっては、ベーグルが適していると言えます。

しかし、脂質は体を健康に保つ上で重要な栄養素でもあります。美容や健康に欠かせない栄養素を摂取するためには、ベーグルとパンの適切な使い分けが必要かもしれません。食生活においても、味や食感だけでなく、栄養バランスも考慮しましょう。

次は「ベーグル」と他の種類の「パン」の糖質量を比較してみましょう。

よく食べられるホワイトブレッド（食パン）は一切れ（約30g）で糖質約15gです。他方、プレーンフレーバーのベーグルは一個（約100g）で糖質約52.1gとなり、糖質量がベーグルの方が高いことがわかります。では、その原因は何なのでしょうか。

その理由は、ベーグル独特の製法によります。一般的なパンとは違い、ベーグルは一度湯煎した後に焼き上げます。この作業が糖質の結晶化を促進し、結果として糖質量が増えるのです。

また、ベーグル以外のパン類を比較してみると、フランスパンが100gあたりの糖質量で最も多い54.8gを示しました。ベーグルは、クロワッサン（49.6g）、コッペパン（47.1g）と比べても糖質が多めであることが確認できます。

ただし、糖質量だけに注目して食事制限をするのは危険とも言えます。ベーグルはタンパク質も豊富で、満足感を得られるため、適度に摂取すれば健康的な食事となります。ただし、糖質を控えたい場合は、全粒粉やライ麦を使用したパンを選ぶことをおすすめします。バランス良く食事を楽しむことが、健康的な食生活を送るポイントです。

ベーグルは食べ方によって、その魅力をさらに引き立てることができます。

初めに紹介するのは、トーストです。ベーグルの表面を軽く焼くことで、香ばしさが増し、中のモチっとした感触が更に引き立ちます。風味のあるデンマークやチーズを用いたベーグルは、これをトーストすることでより一層その味わいが際立つでしょう。

続いて、サンドイッチも一押しです。レタスと厚切りのベーコン、そして新鮮なトマトを間に挟むことで、シンプルだけど飽きがこない一品に仕上がります。ベーグルは生地がしっとりと固く、たくさんの具材を挟んでも崩れにくいという特性があります。

そして、そのままでも十分に美味しいベーグル。プレーンなものには、ジャムやクリームチーズを惜しみなく塗ってスイーツとして食べることも可能。チーズを溶かすなど、自分好みにアレンジするのも楽しいでしょう。

これらの食べ方の選択は、その日の気分やシチュエーションによって変えることができます。朝のスタートに、ランチタイムの一品に、または夜食としても、簡単にいろいろな表情を持つベーグルを活用してみてください。

もちろん、料理の過程や食事の卓上で、少しでも脂質やカロリー、糖質を気にするなら、ちょっとした調整が必要となります。例えば、ベーグルサンドを低カロリーにするためには、具材や調味料に注意が必要です。特に、脂質や糖分が多いジャムやチョコレートクリームなどは控えめにしたり、避けたりする工夫が必要です。栄養バランスを考えた食材を利用し、たんぱく質や野菜をたっぷりと使用するのもポイントになります。

また、食べ過ぎを防ぐためには、しっかりと噛むことが大切です。ベーグルはその重量感があり、他のパンと比べて噛みごたえがあるので、満足感が得られます。よく噛んで食べると、少量でも満腹感が得られ、食欲も抑えられます。さらに、噛むという行動は、脳内物質の分泌を促し、内臓脂肪の分解を進め、脳の働きを活性化し、消化を助ける唾液の分泌を増やすといった効果もあります。

ベーグル柔らかい菓子パンよりもカロリーやコレステロールが低いのが魅力です。ここでは、家庭でも簡単に作れるベーグルの基本レシピをご紹介します。

材料

スーパーカメリア（強力粉）・・・250g

きび砂糖・・・10g

塩・・・4g

白神こだま酵母（またはドライイースト）・・・3g

ぬるま湯・・・135g

湯・・・約1リットル

ハチミツ・・・大さじ1

POINT: 他の強力粉でも作れますが、グルテン含有率が高い粉ほど生地の引きが強くなります。シンプルな材料で粉の味を楽しめるので、いろいろな粉で試して自分好みのベーグルを見つけてみてくださいね＾＾

作り方

ボウルに材料を順番に入れます。砂糖と塩は対面に置き、酵母はぬるま湯に浮かべるように振り入れ、溶けるまで少し待ちます。

酵母が溶けたら、全ての材料を均一に混ぜ合わせます。水分が少ないため、混ぜにくいですが、ホームベーカリーやフードプロセッサーではなく、手でしっかりと混ぜてください。

生地がひとまとまりになったら、台の上に取り出し、乾燥を防ぐためにボウルを逆さにしてかぶせ、5分ほど置きます。

その後、台の上で3分ほどしっかりと捏ねます。生地がつるつるしていなくても大丈夫です。

捏ね終わったら、生地を4つ（または5つ）に分割し、それぞれを丸めて閉じ目を下にし、乾燥しないように濡れ布巾を掛けて15分休ませます。これは生地の弾力を取るためのベンチタイムです。

ベンチタイムが終わったら、閉じ目を上にし、めんぼうで約15×10㎝の長方形に伸ばし、上から一巻きずつしっかりと巻いていきます。

巻き終わりが外れないようにしっかりと閉じます。

片方の先端をつぶし、もう片方を包み込むようにして、輪を作ります。

オーブンの天板にクッキングシートを広げ、打ち粉を振った上に成型した生地を並べます。夏場は常温で、冬場はオーブンの発酵機能などを使い、約30℃で20分発酵させます。発酵中は固く絞った濡れ布巾で乾燥を防ぎましょう。

発酵が終わったら、湯を沸かし始め、オーブンを200℃に予熱します。

沸かした湯にハチミツを入れて溶かし、オーブンの予熱が完了してから、生地を湯の中に入れます。湯の温度はふつふつと小さな泡が立つ程度。片面1分ずつ茹でた後、すぐにオーブンに入れて20〜25分焼きます。

焼き上がったら、網にのせて粗熱を取れば完成です。

ベーグルはその美味しさから多くの人に愛されていますが、糖質については注意が必要です。一般的なベーグル1つに約50gの糖質が含まれるため、ダイエットや健康管理を意識する方にとっては、摂取量をきちんとコントロールすることが重要となります。全粒粉などの健康的な材料を使ったベーグルや糖質制限の食品を選ぶなど、賢い選択をしましょう。