美しいアルプスの山々と歴史的な建造物が魅力のオーストリア。観光だけでなく、訪れる人々を魅了するのはその豊かな食文化です。特に、お菓子はオーストリアを訪れた際にぜひ楽しみたい一品。今回は、オーストリアで絶対に味わうべき伝統のお菓子ベスト5を紹介します。これらを味わえば、オーストリア旅行がさらに特別なものになること間違いなし。さあ、甘くて贅沢なスイーツの世界へ飛び込んでみましょう!
ウィーンで楽しむべき!絶品オーストリア菓子
オーストリアは、長い歴史を持つ菓子文化が栄えてきた国です。特にウィーンはその中心地であり、豪華で美しいケーキが多く作られています。これらのケーキは、歴史的に多くの貴族や王族に愛されてきました。しかし、ウィーンのスイーツは一般的に甘くて重めのものが多く、好みが分かれることもあります。そこで今回は、日本人の味覚にも合うオーストリアのスイーツを厳選してご紹介いたします。
アップルシュトゥルーデル (Apfelstrudel)
薄く伸ばした生地でリンゴ、レーズン、ナッツ、シナモンを包み、焼き上げたスイーツ「アプフェルシュトゥルーデル」は、ドイツ語で「アプフェル」が「りんご」、「シュトゥルーデル」が「渦巻き」を意味します。
この焼き菓子はオーストリアの伝統的なデザートとして特に知られており、その起源はバルカン半島や中東の焼き菓子に影響を受けたとされていますが、バクラヴァとの直接的な関係は明確ではありません。
また、ハプスブルク家のマリア・テレジアにも供されたデザートとされ、ウィーン市立図書館には1696年の最古のレシピが保管されていますが、その正確な出所についてはさらなる研究が必要です。
カーディナルシュニッテ (Kardinalschnitte) の魅力
オーストリアの首都ウィーンを象徴する伝統的なスイーツの一つに「カーディナルシュニッテン」があります。このスイーツは、メレンゲとスポンジ生地を層状に重ね、クリームやジャムを挟むのが特徴です。
「カーディナルシュニッテン」という名前は宗教的な意味を持ち、黄色と白の生地がバチカンを象徴し、赤いジャムが枢機卿の色を表しているとされています。
このお菓子は、1933年にウィーンの菓子店「L.Heiner」で初めて作られたとされ、その後広まりました。
ザッハートルテ (ザッハートルテ)
オーストリア・ウィーン発祥の著名な名物、それがザッハートルテです。このケーキはアプリコットジャムを塗ったチョコレートスポンジ生地をチョコレートの糖衣で包んだもので、1832年にフランツ・ザッハーによって考案されました。
ザッハーは当時16歳で、クレメンス・メッテルニヒの邸宅で働いている際、病気のために欠勤したシェフの代わりにこのデザートを急遽考案し、貴族たちに大変喜ばれたとされています。
フランツ・ザッハーの次男が1880年に開業したホテル・ザッハーでこのケーキは人気を博しましたが、宮廷ご用達の菓子店デメルとの間で、ザッハートルテの販売権をめぐり対立が生じました。
その結果、7年にわたる裁判を経て、ホテル・ザッハーは「オリジナル・ザッハートルテ」を、デメルは「デメルのザッハートルテ」をそれぞれ販売することが認められました。
オーストリアの伝統的デザート、カイザーシュマーレン
小麦粉、卵、砂糖、牛乳を使った生地を焼き、小さなサイズにカットし、粉砂糖を振りかけて仕上げるデザートがあります。このデザートは、オーストリアの皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が好んだという言い伝えがあり、その名前には「Kaiser」(皇帝)という意味が込められています。お好みに応じて、ジャムやフルーツコンポートを添えて楽しむことができます。
リンツァートルテ (Linzertorte)
オーストリアのリンツ市で生まれたリンツァートルテは、アーモンドパウダーやシナモン、クローブを使用した生地にレッドカラントジャムを挟んで焼き上げたお菓子です。普段から楽しまれていますが、特にクリスマスシーズンに人気があります。リンツァートルテは「リンツァー・マッセ」として知られる生地を用い、トルテの一種として世界的に有名ですが、「世界で最も古いトルテ」という表現には議論があるため、その起源については注意が必要です。