ホンジュラス コーヒー
ホンジュラス コーヒー

豊富なミネラルを含む土壌、理想的な気候条件、熟練した農家の手によって丹精込めて育てられる、ホンジュラス産のコーヒー。その名もホンジュラス・コーヒーは、コーヒー愛好家の間でその深い風味と豊かな香りを持つ一杯を求めて非常に評価が高い存在です。今回は、そのホンジュラス・コーヒーの魅力、生産過程、そしてその風味の秘密に迫ます。この記事を読んで、あなたもホンジュラス・コーヒーのファンになることでしょう。

ホンジュラスコーヒーについて

一口飲むとその厚みと豊かさに困惑するほどのホンジュラスコーヒーを体験したことはありますか。その味わいはホンジュラスのユニークな気候と地理的条件が作り出す独特の環境から生まれています。

中央アメリカの中心に位置するホンジュラス共和国。ここは、国土の大部分が山岳地域となり、肥沃な火山土壌と理想的な高地環境が存在する恵まれた土地です。これらの条件は、ゆっくりと成熟するコーヒーチェリーが産出すれば、深みのある風味と均一な酸味を作り出します。

ホンジュラス産のコーヒーは、フルーツの風味が特徴として存在し、洋梨やリンゴ、桃などの味覚と同じような感覚をもたらします。深く焙煎すると、中心的な風味は、チョコレートの香りやカラメルの甘さが加わり、さらに味わい深くなります。

ビブラントな風味と特徴的な香りにより、ホンジュラスコーヒーは世界中でその品質と美味しさを称賛されています。その独特な味わいは、あなたのコーヒーの時間を一層魅力的なものにすることでしょう。

ホンジュラスの約11万2千平方キロメートルという面積は、日本の約3分の1に当たり、人口は約959万人(2018年)です。その適度の気候と豊かな火山性の土壌、そして高地環境は、優れた品質のコーヒー豆を生産するための条件をそろえ、ホンジュラスはコーヒーの産地として非常に適しています。

コーヒーの栽培は1970年にホンジュラス・コーヒー協会(IHCAFE)の設立以降、推進されてきました。しかし、伝染病の問題で2001年には深刻な状況に陥りました。それにもかかわらず、国が一丸となって農業再生を推進し、16年と17年にはコーヒー豆の生産量が世界第5位となりました。現在では、ホンジュラス産の"スペシャルティコーヒー"が増えつつあります。

ホンジュラスでのコーヒー豆の生産は年間約7,450,000袋(2018年)で、そのうちの多くが輸出されています。収穫は11月から3月の間で、特性の栽培方法として小規模な農園でシェードツリー(日よけの木)の有機樹木と一緒に植え付けされる。ホンジュラスでは、誰がどの部分で生産したのかを示すトレーサビリティのシステムを採用しており、生産の過程を的確に把握することが可能になっています。

ホンジュラス コーヒー

ホンジュラスコーヒーの格付けとCOE

ホンジュラスコーヒーはコーヒー愛好家からそのピカントな風味が支持され、その品質は世界でも評価されています。そんなホンジュラスコーヒーの品質を示す重要な指標となるのが「格付け」と「COE(Cup of Excellence)」という言葉です。ここでこれらの要素について解説し、ホンジュラスコーヒーへの理解を深めていきましょう。

ホンジュラスコーヒーの「格付け」とは、その品質を特定のランクに分ける評価システムです。その基準として用いられるのが、コーヒーの栽培地に位置する標高であり、ホンジュラスの最高品質種であるSHGは標高1200m以上で栽培されたものとされています。その下には900m-1200mのHG、さらに600m-900mのCSが位置する。

一方、「COE」は全世界のコーヒープロデューサーが一堂に会する、コーヒー業界で一際有名な品評会であり、最高品質のコーヒーとその産地を表彰します。COEの選ばれしコーヒーは、多段階の審査を経て選ばれます。国際審査員による最終審査では、87点以上のスコアを獲得しなければならず、平均90点以上ならばさらに名誉あるプレジデンシャル・アワードを受賞することができます。

ホンジュラスの農園はこうしたCOEの対象となり、中には実に30もの農園が入賞し、その中で6つの農園がプレジデンシャル・アワードも受賞しています。これはホンジュラスが高品質なコーヒー生産地であることを明示しています。

このような格付けパラーメータとCOEの実績は、ホンジュラスコーヒーが高品質である確証となり、コーヒー愛好家が選択する理由となっています。ただ単にコーヒーを飲むだけでなく、その品質やプロデューサーの労力、地域の特性を感じ取ることができ、確かな品質を享受できるからです。

ホンジュラスコーヒーの特長とおすすめの焙煎度

ホンジュラス産のコーヒーはその強靱さと、同時に優雅なフルーツの香りと甘さが特徴的です。栽培地ホンジュラスの自然豊かな環境と土壌の肥沃さから生まれる独自の風味と香りは、甘さと酸っぱさのバランスが取れた爽快な味わいとなります。表現するならば、フルーツのような甘酸っぱさとナッツのような風味が見事に調和したコーヒーと言えるでしょう。

このフレーバーを最も引き立てるための焙煎度合いはミディアムからミディアムダークとなります。これにより、コーヒーの本来の香りと甘さを最大限に感じることが出来るのです。また、風味をより強調したいなら、深煎りも試しいただけます。

ご自身の好みの焙煎度合いでぜひホンジュラスコーヒーを試してみてください。その豊かな風味と香りは、まるで新たな世界を開くかのような体験となるでしょう。ただし、焙煎による味の変化は非常に大きいため、プロの焙煎士に依頼することをおすすめします。

まとめ

ホンジュラス産のコーヒーは、その栽培環境と製法が生み出す深い風味と豊かな香りが魅力です。時折ほのかに感じるチョコレートやナッツの香りも特徴的で、味わい深い一杯を楽しむことができます。更なる深みを求めてホンジュラスコーヒーの世界へ足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

よくある質問

ホンジュラスとは?

ホンジュラス共和国は、中央アメリカ中部に位置する共和制の国で、西にグアテマラ、南西にエルサルバドル、南東にニカラグアと国境を接し、北と東はカリブ海、南はフォンセカ湾を経て太平洋に面しています。首都はテグシガルパで、日本の約3分の1ほどの国土を持ち、人口は約950万人です。公用語はスペイン語で、宗教はカトリックとプロテスタントが中心となっています。

ホンジュラスは中央アメリカに位置し、基本的に熱帯性気候に属していますが、地域によって気候の特徴は異なります。国土は多くの山岳地帯を含み、標高が高い内陸の高原地域では比較的涼しい温帯夏雨気候が見られます。ここでは乾季と雨季がはっきり分かれており、乾季は11月から4月、雨季は5月から10月です。標高約1000メートルの首都テグシガルパは年間の平均気温が20~25度前後で、雨季には激しい夕立があり短時間で止むことが多いですが、乾季は晴れの日が続き観光に適しています。

ホンジュラス共和国は1821年にスペインから独立し、エルサルバドルやニカラグアなどと共に一時「中米連邦共和国」を形成しましたが、1838年に分離独立しました。20世紀以降は自由党と国民党の二大政党体制が続き、軍部の影響やクーデターを経ながら民政へと移行してきた歴史を持ちます。

経済の基盤は農業で、主産品はコーヒーとバナナです。特に火山性土壌で育つホンジュラス産コーヒーは高品質として世界的に知られていますが、国内では依然として貧困率が高く、国民の約3分の1が極度の貧困状態にあるとされています。洪水や干ばつなどの自然災害が頻発し、これらが農業生産と経済に深刻な影響を及ぼしてきました。

さらに、都市部ではギャングによる暴力や治安悪化も深刻な社会問題です。その一方で、温暖な気候と美しいカリブ海沿岸のビーチ、マヤ文明の遺跡群など観光資源も豊富で、近年は観光業や新規産業の育成にも力を入れています。

ホンジュラスの人々は家族や地域のつながりを大切にし、陽気で人懐っこい国民性が特徴です。若者の間ではサッカーやバスケットボールなどのスポーツが人気で、子どもたちは厳しい社会状況の中でも学びや遊びを通じて力強く生きています。

ホンジュラス共和国は世界一危険な国ですか?

ホンジュラス共和国はかつて“世界一危険な国”と呼ばれた時期があり、現在でも中米の中で治安が不安定な国の一つとされています。特に首都テグシガルパや北部の商業都市サン・ペドロ・スーラでは殺人・強盗・誘拐などの凶悪犯罪が多く、人口10万人あたりの殺人発生率は約25〜38人と世界でも上位に入ります。この数値は、中南米諸国の中でもベネズエラやエルサルバドルと並ぶレベルの高さです。

ただし、すべての地域が危険というわけではありません。治安悪化の多くは麻薬取引やギャング(マラス)による抗争が関係しており、一般の住民や観光客を狙ったものではない場合もあります。近年、政府の治安対策や軍警察の活動により犯罪件数は減少傾向にありますが、公共交通機関や夜間の移動などでは依然として注意が必要です。

また、観光地の中には比較的穏やかで安全に過ごせる地域も多く、ルイン・デ・コパンのマヤ遺跡やカリブ海沿岸のロアタン島などは、外国人旅行者の訪問地として人気があります。つまり、ホンジュラス共和国は「世界で最も危険な国」ではなく、地域ごとの安全格差が大きい国といえるでしょう。

現地の人々は家族や共同体を大切にする強い絆を持っており、特に地方では温かく親しみやすい人が多いのも特徴です。安全に訪れるには、外務省などの渡航情報を確認し、危険地域を避けて慎重に行動することが重要です。

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