ホイップクリームの保存方法と長持ちさせるコツ

ホイップクリームは、その軽やかで甘い風味がデザートや飲み物を引き立てるため、私たちの食卓に欠かせない存在です。しかし、その繊細な状態を保ちながら、どのようにして長く楽しむことができるでしょうか。保存方法によっては、風味が損なわれたり、固化したりすることも。この記事では、ホイップクリームを鮮度を保ちながら保存するための効果的な方法と長持ちさせる賢いコツを紹介します。これを読めば、クリームの美味しさをしっかりキープすることができます。

生クリームとは何か?ホイップクリームとの違いや基本情報

生クリームには多くのバリエーションがあり、選ぶ際に悩んでしまいますね。その種類について詳しくご説明いたします。

生クリームとは何か?

生クリームは牛乳から作られています。牛乳を遠心分離すると、脂肪分が豊富なクリームと、脂肪分が少ない脱脂乳に分離されます。このようにして得られたクリームは、広く「生クリーム」として利用されています。

脂肪分18%超のみが「生クリーム」と認定

法律により「生クリーム」と認められるためには、厚生労働省の省令に従って、脂肪分が18%以上である必要があります。

純粋な生クリームは添加物フリー

生クリームは、添加物を全く使用していないことが一番の特徴です。

市販の生クリームのパッケージには、「純生クリーム」や「動物性脂肪」といった表記が見られることもあります。

生クリームにはホイップ用とコーヒー用の二つのタイプが存在する

生クリームには、ホイップ用とコーヒー用の2種類があります。それぞれの特性は以下の通りです。

・ホイップ用:脂肪分30〜48%・コーヒー用:脂肪分18〜30%

ホイップ用は、コーヒー用に比べて脂肪分が高く、安定した泡立ちが可能です。

市販のホイップ用クリームには、35%や40%などの数字が表示されていることがあり、これは脂肪分の割合を示しています。脂肪分が少ないほど、クリームは軽くさっぱりとした味わいになります。

コーヒー用クリームは、脂肪分が少ないため、ホイップには不向きです。したがって、コーヒーや紅茶をマイルドにするため、またアイスクリーム、スープ、ソースの調理に適しています。

※参照:雪印メグミルク株式会社「クリーム研究室」

生クリームとホイップクリームの栄養価やカロリーにはどのような差があるのか?

スーパーの棚を見渡すと、「生クリーム」だけでなく「ホイップ」と呼ばれるクリームも目に入ります。

「ホイップ」は、植物性の油脂や添加物が入ったクリームで、生クリームのすべてまたは一部がヤシ油やパーム油などに置き換わっているものです。

生クリームとしての基準を満たすには、脂肪分が18%以上であることが必要です。これを満たさない場合や添加物が含まれる場合、「ホイップ」として販売されます。

したがって、これらのクリームは「ホイップ」と名付けられます。

次に、両者のカロリーと栄養について見ていきましょう。

生クリームのカロリーは100gあたり404kcalであるのに対し、ホイップは353kcalです。牛乳由来の生クリームは、ビタミンAやKが豊富なのに対し、

ホイップでは植物油からビタミンEが多く得られます。これにより、ホイップのビタミンE含有量は生クリームを上回ります。

ホイップクリームは3つのカテゴリーに分類される

ホイップクリームは、その成分が動物性脂肪または植物性脂肪、添加物の有無によって大きく三つに分類されます。

1. 動物性脂肪を含む製品に添加物を加えたもの2. 動物性と植物性脂肪の混合に添加物を加えたもの3. 植物性脂肪に添加物を加えたもの

特に、2や3の種類は、商品のラベルに「植物性脂肪」と示されていることが多いです。

また、2のタイプは、動物性と植物性の両脂肪が含まれるため、「コンパウンドクリーム」としても知られています。

パッケージディスプレイにはバリエーションによって差異が存在する

「種類別」や「名称」の表示に注目すると、生クリームとホイップの違いが際立ちます。

実際に購入した商品を比較してみました。

・生クリーム(タカナシ乳業「特選北海道 純生クリーム35」)…種類別:クリーム

・ホイップ(雪印メグミルク「ホイップ 植物性脂肪40%」)…名称:乳等を主要原料とする食品

法律によると、ホイップはクリームとして分類されないため、「乳等を主要原料とする食品」という表記が使われています。

このような表示を確認することも、生クリームとホイップを区別する一つのポイントとなります。

【種類ごとの特長】生クリームとホイップクリームの使い道の違い

生クリームとホイップには、それぞれ異なる長所と使用方法があります。以下に、それぞれの特徴を表にまとめてみました。

濃厚な風味を楽しみたい場合には、ホイップ用の生クリームを選ぶと本格的な味わいが得られます。反対に、さっぱりとした軽さを求めるのであれば、ホイップクリームが適しています。

さらに、たっぷりとクリームを使いたいときには、ホイップの方がコストパフォーマンスが優れています。

それぞれのメリットとデメリットを考慮しながら、状況に応じて生クリームとホイップを上手に使い分けると良いでしょう。

泡立ちの差は?生クリームとホイップクリームを徹底比較!

実際に生クリームとホイップクリームを泡立てて試してみました。

クリーム200mLに砂糖20gを加え、泡立ててみた結果をお見せします。

写真の左側は生クリーム(乳脂肪36%)を泡立てたもので、右側はホイップクリーム(植物性脂肪40%)を泡立てたものです。

写真では見にくいかもしれませんが、生クリームはホイップクリームと比べると少し黄色味を帯びています。この色の違いは、乳脂肪の色の影響です。

対照的に、ホイップクリームは純白に仕上がります。白さを強調したいデコレーションには、ホイップクリームが適しています。

生クリームは比較的短時間でしっかりと泡立ちます。ただし、泡立て過ぎると舌触りがざらつくことがあるため、慎重な泡立てを心がけましょう。

【保管テクニック】生クリームやホイップクリームを長持ちさせる方法

生クリームは保存が難しい食材ですが、質を維持しつつ長期間保存する方法があります。

この方法はホイップクリームにも応用できるので、ぜひ試してみてください。

基本は冷蔵収納

クリームは通常、冷蔵保存が推奨されます。

開封していない生クリームの保管テクニック

生クリームは未開封のまま、冷蔵庫の通常の保存スペースに保管するのが良いです。理想的な保存温度はおおよそ5℃であるため、温度が0℃近くになるチルド室や冷気の直接当たる場所での保存は避けるべきです。

さらに、生クリームは振動で泡立つことがあるため、冷蔵庫のドアポケットに置くのはおすすめしません。

余った生クリームの賢い保存術

開封後に使いきれなかった製品は、クリップで封をしたり、清潔な容器に移して密閉し、できるだけ速やかに消費するよう心掛けましょう。目安として4日以内の使用を推奨します。

消費期限

未開封の生クリームは通常、約1〜3週間の賞味期限があります。ホイップクリームの場合、1ヶ月ほど保存可能なものもあります。

生クリームの冷凍保存方法

驚かれるかもしれませんが、意外にも生クリームは冷凍可能です。保存期間は約1ヶ月。短期間で使い切るのが難しい場合は、冷凍保存を検討してみてください。

泡立てる前のクリームを冷凍保存する方法

1. 少量の液体を製氷皿やシリコンカップに注ぎ、ラップで覆って冷凍します。2. 凍った後は冷凍保存袋や専用の容器に移して保存を続けます。

<解凍方法> 凍った状態のまま、直接調理に使用します。特に、泡立てる前のクリームは解凍すると分離したり質感が悪くなる可能性があるため、加熱時間が十分に取れるスープなどの料理に適しています。

泡立てた生クリームを冷凍で保存する方法

1. クリームが冷凍中に分離しないよう、しっかりと角が立つまで泡立てます。2. ラップを敷いた金属トレイの上に、泡立てたクリームを少量ずつ絞り出し、ラップを優しくかぶせて冷凍します。3. クリームが完全に凍ったら、1個ずつラップで包んで冷凍保存用容器に入れて保管します。

<解凍方法>暖かい飲み物に加えたり、加熱調理する際には凍ったまま使用します。デコレーションやケーキの生地に混ぜたい、または加熱せずに使いたい場合には、事前に冷蔵庫で30分ほど解凍します。

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