カタラーナは、その豊かな風味とクリーミーな食感で、多くのスイーツ愛好家を魅了しています。このデザートは、スペインのカタルーニャ地方に起源を持ち、クレマ・カタラーナとも呼ばれています。表面をキャラメリゼされたカリカリの砂糖の層の下には、濃厚でなめらかなクリームが隠れており、一口食べるだけでその絶妙なバランスに驚きを感じることでしょう。今回は、カタラーナの歴史やその楽しみ方について徹底解説し、あなたの日常に新たなスイーツ体験をお届けします。
カタラーナについて
「カタラーナ」はスペイン北東部にあるカタルーニャ州の著名なデザートです。ガスバーナーなどを用いてカスタードクリームの表面を香ばしく焼き上げたもので、外側がパリッとし、中身は濃厚でトロリとした食感を楽しめます。日本ではカタラーナを冷凍してアイスクリームのように楽しむことがありますが、スペイン本場では冷蔵庫で冷やしたものや、できたての温かい状態を食すのが普通です。
カタラーナの起源については定かではありませんが、ある説では「プリンを失敗したこと」が始まりだと言われています。スペインの祝日「聖ヨセフの日」に修道女がプリンを作る過程で失敗し、トロトロ状態をコーンスターチで固めたのがカタラーナの元となったという話です。「カタラーナ」という言葉は略称で、正式名は「クレマ・カタラーナ」であり、「カタラーナ」の地名とスペイン語でクリームを指す「クレマ」が合わさってこう呼ばれるようになったと言います。
クレームブリュレとプリンの違いについて
「カタラーナ」と似たスイーツには、「クレームブリュレ」や「プリン」があります。それでは、これらのそれぞれがどのように異なるのかを見てみましょう。
次に、それぞれの特性とカタラーナとの違いを詳しくご紹介します。
クレームブリュレ
「クレームブリュレ(Crème brûlée)」は、フランス由来の「焦がしたクリーム」という意味のスイーツです。名の通り、カスタードクリームのトップをバーナーなどで焦げ目がつくまで熱したデザートです。
クレームブリュレとカタラーナは、卵、砂糖、牛乳または生クリームが基本材料で、同じような食材ですが作り方には違いがあります。カタラーナは、コーンスターチなどの粉類を加えた生地を鍋で加熱するため、濃厚でしっかりとした味になります。一方、クレームブリュレは、天板に水を張ったオーブンで湯せん焼きするので、しっとりとした口当たりで、より軽やかな食感を楽しめます。また、香り付けも両者の味わいを決める重要な要素です。カタラーナにはレモンの皮やシナモンが使われ、クレームブリュレにはバニラが加えられます。どちらもシンプルながら風味豊かな美味しさをご堪能いただけます。
カスタードプリン
プリンは、イギリスやフランスの伝統的なスイーツとして長年親しまれ、日本でも広く知られています。
使用する材料は卵や牛乳、砂糖であり、カタラーナやクリームブリュレと類似していますが、調理方法は焼く、蒸す、ゼラチンで固めるといったように多様です。通常は、カタラーナやクレームブリュレと異なり、表面を炙らずにカラメルソースをたっぷりとかけて楽しみます。
カタラーナの基本レシピを確認しよう!
手作りが難しそうに思われるカタラーナですが、実は卵や砂糖、牛乳、生クリーム、コーンスターチなど、手に入りやすい材料で簡単に作れます。必要なものはガスバーナーだけなので挑戦してみませんか?ここではカタラーナの作り方をご紹介します。
【材料】
卵黄 3個
牛乳 300cc
グラニュー糖 40g
コンスターチ 10g
シナモンスティック 2分の1本
レモンの皮(オレンジの皮でも可) 2分の1個分
キャラメリゼ用のグラニュー糖(カソナードでも可) 適量
【作り方】
まず、生クリームと牛乳を鍋に入れ、レモンの皮とバニラオイルで香りを加え、中火で沸騰させます。これにより、レモンやバニラの芳醇な香りを引き出し、上品で滑らかな味に仕上げます。
次に、卵黄、砂糖、コーンスターチをボウルで混ぜ、香り付けした牛乳を少しずつ加えて軽く混ぜます。この混合物を鍋に戻し、弱火でつややかになるまで木べらでじっくり混ぜます。火加減や混ぜ方に注意しないとダマや焦げができるので丁寧に作業します。クリームが完成したら、ザルでこして滑らかにし、粗熱が取れたら冷蔵庫で1時間ほど冷やし、カスタード生地を落ち着かせます。
最後にグラニュー糖をサッとまぶし、ガスバーナーでカリカリの焦げ目をつけて完成です。レモンの香りを牛乳に上手に移すことと、クリームを丁寧に裏ごしすることが、絶品のカタラーナを作る秘訣です。ガスバーナーを扱う際には十分注意して、ぜひ特別なデザートタイムをお楽しみください。
まとめ
スペイン発祥の伝統菓子「カタラーナ」は、クレームブリュレやプリンとは異なる、重厚なコクが特長です。
普段のデザートに加えることで、家庭での食事やおもてなし、またパーティーシーンに華やぎを添えてみてはいかがでしょうか。