ベトナムコーヒーとは
コーヒーは世界中で愛される飲み物であり、そのブレンドや調理法によって、特異な風味と香りを生み出します。特に、南東アジアの一角に位置するベトナムでは独自のコーヒー文化が花開いており、舌を奪うような味わいが全世界のコーヒー愛好家から注目を集めています。今回は、そんなベトナムコーヒーの魅力に迫る旅にお連れしましょう。ベトナムコーヒーの深い味わいと独特の飲み方、またそれがどのようにして生まれ、現在ではどのように楽しまれているのか。一杯のコーヒーから見えてくるベトナムの歴史と文化を、一緒に味わいましょう。
ベトナムコーヒーとは
ベトナムのコーヒー豆の特徴
ベトナムは、世界第二位のコーヒー生産大国であり、特にロブスタ種の生産量がダントツに多いことがその特徴です。ロブスタ種は、他の主要種のアラビカ種に比べカフェイン含有量が2倍近くもあり、独特の強い苦さとコクがあります。さらにベトナムは火山灰土壌と熱帯モンスーン気候という特殊な環境下で生育させられ、独自の風味が際立つコーヒー豆が生産されています。
ベトナムにおける注目の淹れ方には、フィンと呼ばれる小型のドリップポットを使用する方法があります。これにより、一層濃厚なベトナムコーヒーが味わえます。この他にも個性的な特性が豊富なベトナムコーヒーは、世界中のコーヒーラバーからの注目度も高まっています。
具体的な生産状況としては、約260万人がコーヒーの生産に関わっており、その生産地は主に標高500m程度の高原や南部に集中しています。収穫されたコーヒーの実は、天日干しか機械乾燥によるナチュラル精製が主流です。
またベトナムでは、コーヒー豆のサイズと欠点豆数によって格付けが行われています。特に、スクリーンサイズが16以上、欠点豆が300g中の60個以下であれば最高ランクのグレード1とされ、スクリーンサイズが12.5以上、欠点豆が同90個以下のものはグレード2とされます。
強烈な味わいを追求するコーヒーラバーにとっては、格付けに基づく品質の高いベトナムコーヒーは見逃せない一杯と言えるでしょう。
ベトナムコーヒーの淹れ方
ベトナムコーヒーの醍醐味は、ベトナム独自のコーヒーフィルター、カフェ・フィンを使った現地の淹れ方にあります。その強烈なまでの美味しさを体験してみましょう。
<用意するもの>
・コーヒー粉 12~15g(深煎り、中挽き)
・湯 120ml前後
・練乳 20~25g
・カフェ・フィン
・耐熱グラス
・細口ドリップポット
・スプーン
<手順>
1. コーヒー粉をカフェ・フィンにセットします。
2. 少量の湯を注いで芳醇な香りを引き出す「ブルーム」を行います。
3. 次に、湯をゆっくりと注ぎ足し、カフェ・フィンの蓋を閉じます。
4. 数分間待つことで、ゆっくりとコーヒーが落ちてきます。
5. 淹れたてのコーヒーに練乳を加え、よく混ぜ合わせます。
コーヒー粉の粗さに注意することが重要です。中挽きより細かい粉を使うと、フィルターを通り抜けてしまう可能性があります。また、カフェ・フィンの中蓋がネジ式の場合、締め加減によってコーヒーの濃さが変わります。強く締めると濃いコーヒーが抽出されるため、好みに合わせて調節しましょう。
ベトナムコーヒーはとても濃厚なものなので、お好みに応じて湯や氷で薄めることも可能です。ベトナムの風味を心ゆくまで堪能し、豊かなコーヒーの時間を満喫してください。
まとめ
ベトナムコーヒーはその独特の風味と飲み方が魅力となり、世界中のコーヒー愛好家を虜にしています。コーヒー一杯から見えるベトナムの豊かな歴史と文化、そして心を込めた調理法が存分に反映され、その深い味わいと独特の飲み方が楽しめます。そしてそのコーヒーが如何にして生まれ、その豊かな風味がどのように世界中の人々に愛されるようになったのか、その全てがベトナムコーヒーの魅力と言えるでしょう。まさに、一杯のコーヒーからベトナムの歴史と文化が語られ、現在では全世界でその特別な味わいが楽しまれています。