和菓子の日とは

和菓子といえば、日本人にとって懐かしい風味や季節の移ろいを感じさせてくれる伝統的なお菓子。その美味しさと芸術性に、世界中から注目されています。ところで皆さん、"和菓子の日"と聞いてピンと来ますか?この日は、単に和菓子を楽しむだけでなく、その歴史や文化を讃え、後世に伝えるために定められた日なのです。今回は、そんな「和菓子の日」の起源からその意義、過ごし方の提案まで幅広くご紹介していきます。
和菓子の日とは
「和菓子の日」について聞いたことがありますか?それは美味しくも伝統的な和菓子を大切にするための日で、年に一度、6月16日に設けられています。
和菓子の日は、1989年に誕生し、和菓子への理解を深め、愛着を育む特別な日として制定されました。この日が選ばれた背景には、寒い冬を乗り越え、新たな春を迎える節分を過ぎた時期という意味が込められています。これは、季節の移り変わりを大切に感じる日本人の美意識を表しています。
さらに、「一」や「六」は、「いち」と「ろく」の読みから、「一緒に和菓子を楽しもう」という心温まるメッセージが込められています。したがって、この日は和菓子を楽しむだけでなく、和菓子が持つ文化や伝統を共有し、受け継いでいく日でもあるのです。
それぞれの地域において、様々な記念イベントが開催されます。和菓子作りのワークショップや試食会、講演会などがあり、和菓子の世界を探求できます。日本の美意識と四季の美しさを静かに感じながら、和菓子という伝統文化を大切に守りつつ、更に育てていきましょう。

和菓子の日の由来・歴史とは?
"和菓子の日"は文化的な日であり、その起源は日本の食事慣習を基盤に持っています。食事の最後の甘味を「菓子」として提供する風習が一汁三菜の日常から次第に広まり、和菓子が一般的に浸透したとされています。
また、中国の古代陰陽五行に基づいて定められた六つの季節の転換期、「ソハツヒ」、「ヨウヒメヒ」、「ショウボウノヒ」、「チュウボウノヒ」、「カンナザキノヒ」に次ぐ「ゲンナロクノヒ」(12月16日)が、甘い和菓子を楽しむ日とされ、「和菓子の日」が設置されました。
全国的に和菓子の日にはさまざまなイベントが実施され、和菓子作りの体験教室や試食会などを通じて和菓子の魅力が豊かに体験できる機会が広がっています。のみならず、その美しさと独特な甘さから見える和菓子の魅力は、食文化だけでなく、日本の四季の風情を表現する芸術作品であると言えます。
この日を通して、和菓子の魅力を再発見し、日本の伝統文化への尊敬の念が育まれることを願います。この祝日の背後には、仁明天皇が疾病流行を受けて848年(嘉祥元年)に元号を「承和」から「嘉祥」に変更した歴史があります。「嘉祥」とは、「めでたい」を意味し、病を除去し福寿を招くために設立されました。
嘉祥元年の6月16日に、16という数字にちなんで菓子を祭壇に供えたことから、「嘉祥」という菓子を食べて厄を除き、福を招く行事が始まりました。
しかし、明治時代以降の西洋文化の影響により、「嘉祥」の習慣は衰えました。これを受けて和菓子の素晴らしさを再度伝えるため、全国和菓子協会は1979年に6月16日を「和菓子の日」と定めました。こうした努力で、「嘉祥」の風習は現代に生き続け、和菓子の日の由来として活きています。

和菓子の日にはどんなイベントがおこなわれるのか?
和菓子専門店では、日本の季節感を見事に表現する独特の和菓子を一部無償で試食できる特別な祭典を設けるところが多く、新製品の和菓子がリリースされたり、比較的食べやすい定価のセットも販売されることがよくあります。さらに、日本の伝統的な茶道と深く結びついている和菓子を満喫できる祭典や、和菓子作りの実践教室も各地で开かれています。
加えて、地元の和菓子舗や町興しごとによって主導される和菓子祭りや和菓子市場も盛大に開催され、地元の技術者が互いに技術を競う和菓子コンテストが行われることがあります。これらの祭りは、和菓子という日本の伝統文化に触れるだけでなく、地元の資産としての和菓子の魅力を再評価させることができます。
さらに、学校や幼稚園でも、和菓子の日をテーマにしたイベントが開催されることがあり、子供達が初めて和菓子作りに挑戦するきっかけとなります。和菓子の日は、日本の文化である和菓子を味わい、その深い意味を理解する絶好の機会と言えるでしょう。
まとめ
「和菓子の日」は日本の美と伝統を称える機会であり、和菓子の魅力を再認識し、伝統を守りつつ新たな創造性を加えることで、その価値を高めていきます。是非この機会に、和菓子の深い歴史と芸術性を感じながら、楽しみながら学び、次世代へと伝える大切さを思い出しましょう。