モカマタリとは

モカマタリとは

 

コーヒーの世界は広大な深淵で、その中には多種多様な種類、風味、そして異なる文化の数々が詰まっています。その中で、エクソチック且つ特異な一角を占める"モカマタリ"という名前を耳にしたことはありますか?モカマタリは、人々のコーヒーに対する認識を揺るがす、非常に特別な存在です。この記事では、まだあまり知られていないモカマタリの特性や魅力について一緒に堀り下げていきましょう。

モカマタリとは

モカ・マタリは、バニーマタル地区のイエメンで育てられるコーヒー豆のブランドです。この地域で収穫されたコーヒー豆は、モカ港を通じて世界に輸出されていました。イエメンやエチオピアなどのコーヒー豆は「モカ」と総称され、モカ・マタリはその中のひとつです。地域ごとに名前が異なり、バニーマタル地区が「マタリ」と呼ばれるようになったと言われています。イエメンのコーヒー豆は生産量が少なく、その希少性からモカ・マタリは高価なブランドとして知られています。

 

モカマタリの風味

モカマタリとは、具体的にはイエメンの「マタリ」地区で栽培されるモカ種のコーヒー豆の一つであり、その香りと風味は一級品です。

その風味とは、最初の一口で、果実がギリギリまで熟しているかのような香りと、ワインのような甘い香りが広がる感じ。そして、それに続いてビターチョコレートのような深みとクリームのような滑らかさが感じられることでしょう。強くて、繊細な風味が魅力で、他のどんなコーヒー豆にも見られない特性を持っています。

この特別なモカマタリの風味を堪能するためには、淹れ方が重要です。フレンチプレスやドリップ式でじっくりと豆の風味を引き出し、さらに飲む直前に豆を挽くと、その独特の風味がよりいっそう際立つでしょう。

「甘さが、舌上で舞い、後から来るビターさが滑らかに収束する」- これがモカマタリの魅力。この優雅な風味、他では味わえないおいしさを是非とも一度ご体験ください。

 

モカマタリの特徴

モカマタリという名前に見知らぬ方もいらっしゃるかもしれません。コーヒー愛好家やバリスタなら耳にしたことがあるでしょう。これはエチオピアから来たコーヒーの一種で、フルーティな香りと特異な風味が特徴です。通常のコーヒーらしい苦味や酸味はほとんど感じないでしょうが、まろやかな甘さが特徴的です。

豆の選び方や淹れ方によって異なる風味が楽しめる点は、モカマタリがコーヒーの真骨頂を堪能するための良い手段でしょう。ハイブリッド種であることから、他のコーヒーよりも風味が豊かで、個性的です。

しかし、農場や気候による風味の変化が少なく、安定した味を求められるため、モカマタリのバランスを保つのは難しく、細心の栽培が必要とされています。

モカマタリの全面的な魅力を引き立てるためには、専門店で選んだ豆を使うこと、自宅で淹れる際には配慮深く豆と対話することが重要となります。モカマタリを体験し、その味わいを一度でも試せば、新たなコーヒー体験の門が開かれることでしょう。

コーヒーの起源であるイエメンやエチオピアのような地域では、古くからコーヒーの栽培が行われ、その地域の豆は昔ながらの方法で製粉されています。これにより他の国のコーヒー豆と比較したとき、製粉の品質が低く、豆の形状やサイズ、品質のバラつきが散見されます。最高品質の「No.9」の豆でさえ、全体の3割は低品質の豆とされています。

この伝統的な方法が、他のコーヒーには見られないモカマタリの独特な風味を生む一方で、焙煎時の選択が重要となります。

等級・グレード

モカマタリの中で特に大豆で、欠点の少ない豆を選別したものを「アールマッカ」と称します。次に品質が高いとされるのは「No.9」、その次に「No.8」「No.7」…と等級付けされています。日本ではNo.9までが最もよく見られます。

しかしながら、これらの等級付けには明確な基準が存在しないと言われています。先に述べた様に、No.9でも多くの欠点豆が混入していることがあります。

 

モカマタリとモカの違い

コーヒー豆の世界に興味をお持ちの皆さん、今回は「モカ」そして「モカマタリ」についての話題をお届けします。それらの名前が示すものは一体何でしょうか?

よく耳にする「モカ」、実はこれは特定のコーヒー豆の品種ではなく、産地を示しています。これはエチオピアのモカ地方で育てられる豆のことを指しています。つまりイエメンとエチオピアで採れた、お互いに風味に共通点を持つコーヒーの総称です。名前の由来はイエメンの「モカ港」で、エチオピア産の豆もこの港から世界へと届けられたため、この名前で呼ばれるようになりました。

ここからさらに細分化すると、「モカマタリ」の名前が登場します。これは元々イエメンで育てられていた品種の名前で、現在でもイエメンはもちろん、エチオピアやケニアで採れる豆も「モカマタリ」と呼ばれています。つまり「モカマタリ」は「モカ」のサブカテゴリーと考えていただければ分かりやすいでしょう。

この二つの違いを実際の味わいで考えてみましょう。「モカ」はその産地が持つ特色を色濃く反映し、果実のようなフルーティーさと深みのある香りが特徴です。反対に、「モカマタリ」はコーヒーの世界でも王様のような存在で、一度嚙えばその濃厚な味わいと複雑な風味が舌に広がります。その風味深さは他の品種と比較しても一目瞭然で、スパイスやチョコレートの香りが感じられる特別なコーヒーです。

「モカマタリ」が「モカ」よりも高価である理由も、この味わいの差で理解できます。そしてこれらの違いを知っていただければ、次にコーヒーを選ぶ際に、その背景や味わいの差を感じて選んでいただけるでしょう。コーヒーは単なる一杯の飲み物ではなく、それぞれの豆が持つ風味から、世界各地の気候や土壌、そして人々の努力を感じることができる、一杯の旅です。

 

モカマタリの飲み方

モカマタリは、ユニークな風味と芳醇な香りが特徴です。その魅力を最大限に感じるための飲み方について説明いたします。

まず、新鮮なコーヒー豆を使用し、淹れる直前に挽くことが重要です。くどすぎない苦味を楽しみたいのなら、中挽きがおすすめです。一方、細すぎると苦味が、粗すぎると酸味がそれぞれ強調されますので注意が必要です。

抽出法については、フレンチプレスやドリップ式が有名ですが、モカマタリの香りを充分に活かすためには、ハンドドリップが最良です。粉と熱湯のバランスを熟知し、丁寧に注ぐことで華やかな香りと深い風味の一杯が完成します。

モカマタリはブラックでも美味しいですが、ラテとしても楽しむことができます。ミルクを加えて風味と甘さを増せば、異なる味わいが楽しめます。特に、バニラの香りが引き立つフレーバリングが良く合います。

焙煎度合いについては、中深煎りのハイロースト以上が優れています。ハイローストからシティーローストでは、特有の香りが強調され、苦味が緩和され味わいがすっきりします。しかし、シティーロースト以上になると酸味が抑えられ、苦みとコクが増すので注意が必要です。

モカマタリは魅力的な風味と香りを持つコーヒーですが、その楽しみ方は人それぞれです。自分だけの一杯を求める旅は、あなたのコーヒーライフをさらに豊かにすることでしょう。

 

まとめ

絶妙な風味と独特の歴史を持つモカマタリを一度試せば、あなたのコーヒー観は一変することでしょう。優れた香りとフルーツ感溢れる味わいで高評価を得ているこのコーヒーは、質にこだわるコーヒー愛好家たちにとって、新たな発見になるかもしれません。

モカマタリ