コーヒー専門店のメニューを見てみると、さまざまな名前が並びますが、その中でもよく見かけるのが「マキアート」、「カフェラテ」、「カプチーノ」です。それぞれ何が違うのでしょうか。

「マキアート」はイタリア語で「斑点をつけた」という意味があり、その名の通りエスプレッソに少しのスチームミルクを加えて、味わいを柔らかくしたものです。

それに対して、「カフェラテ」はエスプレッソよりもスチームミルクとミルクフォームを多めに取り入れたもので、「エスプレッソ2：スチームミルク8」の割合でミルクの風味を前面に出した飲み物です。フォームドミルクを浅くしてラテアートを施すことも特徴です。

そして、「カプチーノ」はエスプレッソ、スチームミルク、ミルクフォームを「エスプレッソ3：ミルク類7」の割合で混ぜ合わせ、ミルクの甘さとエスプレッソの苦みが絶妙に調和した、豊かな口当たりの一杯です。ミルクフォーム層を厚めにすることと、シナモンパウダーを振りかけることで、一層風味豊かになります。

また、カフェモカはカプチーノにチョコレートソースを加えたもの。コーヒーカップに先にチョコレートソースを入れ、そこにエスプレッソとフォームドミルクを同じ比率で加え、最後にチョコレートシロップをトッピングして完成します。

これらの違いを知ることで、それぞれの飲み物の特性を理解し、味わい深く楽しむことができます。マキアート、カフェラテ、カプチーノ、それぞれがもつ魅力を、ぜひ一つずつ味わってみてください。 

マキアートの美味しさを引き立てるエスプレッソ

まず一番初めに行うのはエスプレッソの抽出です。エスプレッソマシンを使用して、深煎りの細挽きのコーヒー豆を用いましょう。うまく抽出したエスプレッソの表面には、'クレマ'と呼ばれる泡が浮かんでいます。クレマが表面に浮いていることで、フォームミルクを美しく注げるため、エスプレッソマシンの指示通りにコーヒー豆等をセットし、エスプレッソをうまく抽出してみましょう。

フォームミルクの作り方

次にミルクの泡立てを行います。エスプレッソマシンに付属のスチーマーを使用すれば、ミルクを温めつつきめ細かな泡を作ることができます。また、ピッチャーやボウルにミルクを入れ、ハンディタイプのミルクフォーマーやミニ電動泡立て器を使用して泡立てる方法もあります。ミニ泡立て器を用いる場合は、先にミルクを電子レンジで温めることをお忘れなく。

エスプレッソとフォームミルクのハーモニー

エスプレッソをカップに30ml注ぎ、エスプレッソに色をつけるような感じでフォームミルクをゆっくりと10ml注ぎます。このうえに泡をのせてお好みのデザインを加えたら、繊細で見た目にも美しいマキアートの完成です。

 マキアートと名前の似ている飲み物は？

マキアートと名のつく飲み物には様々なバリエーションが存在します。その代表例として「ラテ・マキアート」があります。フォームドミルクを先にカップに注ぎ、そこへエスプレッソを入れるという、マキアートとは逆の手順で作られています。さながら白いキャンバスに茶色のシミを作るような仕上がりであり、その視覚的な美しさも特徴です。マキアートとの混同を避けるため、「エスプレッソ・マキアート」、「カフェ・マキアート」などと表現されることもあります。

また、「キャラメルマキアート」は名前からマキアートを連想しやすいですが、実はカフェラテを基底に作られるケースが多い飲み物です。エスプレッソとミルクの調和を楽しむカフェラテに、甘さと風味を加えるためのキャラメルソースやバニラシロップがトッピングされています。これらの甘い風味が混ざり合うことで、一段とリッチな味わいを楽しむことができます。

そして「マキアトーネ」もマキアート系の飲み物の一つです。マキアートよりもフォームドミルクの量が増えており、エスプレッソとのバランスが変わります。エスプレッソの量は変わらずフォームドミルクの量だけ全体の量が増えるので、マキアートよりもまろやかで、それでいてカプチーノほどのミルク感はありません。

以上のように、マキアートにはさまざまなバリエーションが存在します。一見似ているようでいて、それぞれが異なる特徴と魅力を持つのです。あなたも、これらマキアート系の飲み物の楽しみ方を追求してみませんか。

一杯のエスプレッソに熱いミルクをちょこっと注ぎ、最後に泡立てたミルクを飾ることで生み出されるマキアート。その名はイタリア語で「マーク」を意味し、まさに美味しい一日の始まりにマークをつけるかのような存在です。その誕生から現在までの歴史、そしてその芸術性と繊細な製法を探求していくことで、更なるコーヒー愛好家のために、これからの一日をより豊かに彩る一助となることでしょう。