【完全版】プランターでも簡単!グリーンピースの育て方|初心者向け栽培ガイド

春の食卓に彩りを添えるグリーンピース。プランター菜園でも手軽に育てられることをご存知ですか?この記事では、初心者の方でも安心してグリーンピース栽培に挑戦できるよう、種まきから収穫までの全工程を丁寧に解説します。品種選びのポイント、水やりや肥料のコツ、病害虫対策まで分かりやすくご紹介。マンションのベランダや庭先で、新鮮な自家製グリーンピースを収穫する喜びを体験してみませんか?

エンドウ豆の種類と収穫時期

エンドウ豆は3種類に分かれ、実や莢の利用方法で収穫時期が異なります。秋に種をまき、苗の状態で冬越しさせるのが一般的で、冬の間に根を張り、春からの成長を促します。エンドウ豆は暑さに弱いため、この栽培方法が推奨されます。中間地では、10月下旬~11月初旬に種をまき、半年後の5~6月頃に収穫します。寒い地域では、3~4月に種をまく春まきが推奨され、8月頃から収穫が始まります。ただし、地域や品種、気候変動により、栽培時期が合わない場合があるため、状況に応じて時期を調整しましょう。収穫が遅れると、豆が硬くなり、味が落ちるため、適切な時期に収穫しましょう。

絹さやの収穫時期と見極め方

未熟な莢を食べるサヤエンドウの代表品種が絹さやです。収穫時期は、開花後12~15日後が目安です。莢の長さが6〜7cm程度に成長し、日が透けて中の豆が見える状態が最適です。この時期を過ぎると莢が硬くなり、風味が落ちるため、注意が必要です。軸の付け根からハサミで切り取るか、サヤをつまみ、軸の付け根から摘み取ります。早めに収穫することで、株への負担が減り、収穫期間を長くできます。

スナップエンドウの収穫時期と見極め方

莢と豆を一緒に食べるスナップエンドウは、豆が膨らみ、莢も厚みがあって緑色になった頃が収穫時期です。開花から約20~25日後が目安です。スナップエンドウは、莢がポキっと折れることが名前の由来です。採り遅れると、莢も豆も固くなり、甘みと食感が損なわれるため、莢の光沢や厚み、色合いを観察し、みずみずしいうちに収穫しましょう。軸の付け根からハサミで切り取るか、サヤをつまみ、軸の付け根から摘み取ります。早めの収穫を心掛けることで、株への負担が減り、収穫期間を長くできます。

実エンドウ(グリーンピース)の収穫時期、見極め方

サヤごと食べる種類もある実エンドウの中でも、特に人気が高いのがグリーンピースです。グリーンピースの収穫時期は、開花後およそ1か月が目安とされています。収穫のサインとしては、サヤの中の豆がしっかりと膨らみ、サヤ自体の光沢が薄れ、表面に少しシワが見え始めた頃が良いでしょう。さらに確実に判断するには、試しに一つサヤを収穫して中を確認し、豆が大きく育っていれば収穫適期です。収穫する際は、ハサミを使用し、軸の根元から丁寧に切り取るか、サヤを軸の根元から優しく摘み取ります。収穫時期を逃すと、豆が硬くなり風味が落ちてしまうため、注意が必要です。秋に種をまいた場合(10月下旬~11月初旬)、翌年の5~6月頃が収穫時期となり、春に種をまいた場合(3~4月)は、8月頃に収穫できます。最適なタイミングで収穫するために、こまめに株の状態を確認しましょう。早めに収穫することで、株への負担を減らし、収穫期間を長く楽しむことができます。

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エンドウ栽培の基礎知識:栽培時期と環境、土壌について

エンドウは、日当たりが良く、風通しの良い場所で育てることが大切です。湿度が高い環境を嫌い、風通しや水はけが悪いと根腐れを起こしやすくなります。そのため、栽培場所を選ぶ際には、これらの点に注意しましょう。また、エンドウは幼苗の方が寒さに強いため、大きく育ちすぎた苗で冬を越さないように、種まきの時期を考慮することも重要です。エンドウの生育に適した温度は、10~20℃程度です。温暖な地域では、10月下旬から11月初旬に種をまき、冬を越して翌年の5~6月頃に収穫するのが一般的です。寒冷地では、3~4月に種をまき、8月頃に収穫します。近年は、気候変動の影響で、従来の栽培時期が適さなくなることがあります。そのため、状況に応じて種まきの時期を調整したり、品種を変えるなどの対策が必要となる場合があります。草丈が20cm以下の小さい苗の状態で冬越しさせるのが、エンドウ栽培を成功させるための重要なポイントです。地域ごとの気候条件を考慮し、適切な時期に種をまくようにしましょう。

エンドウ栽培に適した土壌作りと連作障害への対策

エンドウは、水はけの良い、ふかふかの土壌を好みます。マメ科の植物は連作障害が発生しやすいため、土作りは非常に重要です。連作障害とは、同じ種類の野菜を同じ場所で繰り返し栽培することで、土壌の栄養バランスが崩れ、病気や生育不良を引き起こす現象のことです。エンドウは特に連作障害が起こりやすい野菜の一つで、根から分泌される特定の物質が原因となる場合があります。この物質は土壌に長期間残存し、エンドウの生育を阻害するため、同じ場所での栽培は4~5年以上の間隔を空けることが推奨されます。エンドウは酸性の土壌を嫌うため、土壌のpHを調整することも大切です。pHの目安は6.5~7.0の弱酸性~中性が理想的です。具体的な土作りの手順としては、種まきの2週間以上前に、堆肥を1m2あたり2kg程度混ぜ込み、土壌の通気性を改善します。同時に、苦土石灰を1m2あたり100g程度散布して酸度を調整します(以前に石灰を施用している場合は不要)。元肥は種まきの1週間前に、化成肥料(8-8-8の場合は1m2あたり50g、14-14-14の場合は同30g程度)を施し、土とよく混ぜ合わせます。マメ科植物の根には、空気中の窒素を固定し、植物が利用できる形に変える根粒菌が共生しています。そのため、肥料を過剰に与えると根粒菌の働きが阻害される可能性があるため注意が必要です。特に、窒素肥料は控えめにし、生育の様子を見ながら春先に追肥で調整するようにしましょう。土壌改良後は、排水性と通気性を確保するために畝を立てて準備完了です。秋に種をまいて越冬させる場合は、元肥を控えめにすることで、苗が過剰に成長するのを防ぎ、寒さに対する抵抗力を高めることができます。

プランターでのエンドウ栽培方法

エンドウをプランターで栽培する際は、つるが伸びるため、支柱を立てることを考慮して、深さ20cm以上のプランターを選びましょう。プランターの底には、水はけを良くするために鉢底石を敷き、その上から市販の野菜用培養土をプランターの8分目まで入れます。市販の培養土には、元肥が含まれている場合が多いため、別途元肥を加える必要はありません。種まきは、植え穴に3~4粒ずつ種をまき、軽く土をかぶせて、上から軽く押さえます。種まき直後はたっぷりと水を与え、その後は土の表面が乾いてから水やりをするようにします。冬の寒さ対策として、わらなどで株元を覆うマルチングを行い、寒さが厳しい場合は、霜や寒風が直接当たらない軒下などに移動させましょう。プランター栽培でも、日当たりと風通しの良い場所を選び、水の与えすぎに注意することで、エンドウは丈夫に育ちます。

エンドウの種まき時期と発芽から定植への道しるべ

エンドウの種まきは、一般的に秋、具体的には10月下旬から11月上旬にかけて行われ、冬を乗り越えて春に収穫を迎えるのが一般的です。ただし、寒冷地や秋まきの機会を逃した場合は、3~4月の「春まき」がおすすめです。直播栽培では、事前に準備した畝に、約30cmの間隔で植え穴を作ります。瓶の底などを使い、深さ2~3cmのくぼみをつけ、一箇所に3~4粒の種を点まきしましょう。土をかぶせたら、手のひらで軽く押さえ、土と種を密着させます。種まき後はたっぷりと水を与えますが、発芽までは水やりを控えることがポイントです。種まきから約1週間から10日ほどで発芽が始まります。また、種まき直後はカラスやハトなどの鳥に種を食べられてしまう可能性があるため、本葉が出るまでは寒冷紗でトンネルを作ったり、ペットボトルを半分に切って被せたり、防鳥ネットを張るなどして保護しましょう。鳥による被害が心配な場合や、より確実に育てたい場合は、ポットで育苗してから畑やプランターに定植する方法も有効です。

育苗から始める植え付けステップ

エンドウは、苗を育ててから畑やプランターに植え付けることも可能です。この方法なら、鳥害から種や小さな苗を守りやすく、生育を安定させることができます。育苗には、直径9cmの3号ポットを使用するのが一般的です。ポットに種まき用の土を入れ、一つのポットに3~4粒の種が重ならないように蒔きます。軽く土を被せて上から優しく押さえた後、たっぷりと水をやりましょう。そのまま育苗し、本葉が1~2枚になったら、生育の良い苗を2本残して間引きます。苗を2本残して育てることで、根張りが強くなり、結果として収穫量が増えるとも言われています。その後、本葉が3~4枚に成長したら、2本立ちのまま畑やプランターに植え付けます。セルトレイを使う場合は、96~128穴のトレイに2粒ずつ種を蒔き、本葉が2~3枚になったら間引かずに2本立ちのまま植え付けることも可能です。育苗中に一度間引きを行うことで、丈夫な苗を選び、その後の成長を促進できます。

エンドウをすくすく育てる栽培のコツ

エンドウ栽培を成功させるには、日当たりと水はけの良い場所を選び、連作を避けることが大切です。植え付け前に苦土石灰で土壌の酸度を調整し、完熟堆肥を混ぜ込んで土をふかふかにしておくことも重要です。エンドウはマメ科植物であり、根に共生する根粒菌が空気中の窒素を固定して植物に供給するため、元肥は適切に調整し、特に窒素分の過剰な施肥は根粒菌の働きを妨げる可能性があるため注意が必要です。市販の培養土を使用するプランター栽培の場合は、元肥が既に配合されていることが多いため、基本的に追肥は不要です。幼苗の状態で冬を越すために、適切な防寒対策を行いましょう。春になり苗が成長し始めたら、速やかに支柱を立てて蔓を誘引します。蕾が出始める頃と豆が肥大を始める頃に追肥を施すことで、生育を促し、豊かな収穫が期待できます。さらに、整枝・摘心や水やりなどの手入れを続けることで、収穫量と品質の向上が期待できます。

間引きと土寄せで株を強くする

エンドウの生育を良くするためには、間引きが欠かせません。間引きを行うことで、株元にしっかりと日光と風が届き、養分が効率的に行き渡るようになります。ポットで苗を育てている場合は、本葉が3枚程度に成長し、草丈が5cmほどになったら、最も元気な2本を選んで残し、残りの苗は間引いてから畑やプランターに植え付けます。直播栽培の場合も同様に、種まき後に本葉が3~4枚出てきたタイミングで1回目の間引きを行います。この際、間引いた後に軽く土寄せをして、株元を安定させましょう。2回目の間引きは、春先につるが伸び始める前の3月上旬頃に行うのがおすすめです。株間が30cm程度になるように、一箇所に2本立ちの状態で残るように調整し、生育の悪い苗や弱々しい苗はハサミで根元から切り取って間引きます。苗を2本残して育てることで、根張りがよくなり、収穫量が増えるとも言われています。間引きした若い苗は、「豆苗」として美味しく食べることができ、無駄なく活用できます。

冬を乗り越えるための徹底防寒策

グリンピース栽培において、幼い苗の状態で冬越しさせるのが理想的です。そのため、万全な防寒対策が欠かせません。小さめの苗は寒さに対する抵抗力が強く、草丈が10~15cm程度の苗で冬を越すのがベストです。逆に、20cm以上に育ちすぎた苗は寒さに弱く、枯れてしまうリスクも高まります。この点に留意しましょう。小さな苗で冬を越すと、冬の間にしっかりと根を張り、春先から地上部分が勢いよく成長するため、花芽が付きやすくなり、収穫量の増加にもつながります。具体的な防寒対策としては、苗の根元にたっぷりのもみ殻や藁、落ち葉、腐葉土などを敷き詰めたり、黒マルチを張ることで地温の低下を抑えます。これらの資材は風で飛ばされやすいため、周囲にエンバクなどを植えて防風対策をしたり、仮支柱を立ててトンネル支柱を設置し、寒冷紗や不織布、防虫ネットなどを被せてしっかりと固定することで、冷たい風や霜から苗を守ります。地域によっては、支柱を先に立てて、藁の束で苗を囲んで霜を防ぐ「藁囲い」という昔ながらの方法を取り入れている農家もあります。

乾燥気味を基本とする水やり

グリンピースは多湿を嫌い、根腐れを起こしやすいため、水やりは土が乾き気味になるように管理することが大切です。種をまいた時にしっかりと水を与えたら、発芽するまでは基本的に水やりは控えましょう。畑に直接植えた場合は、降雨だけで十分な場合がほとんどですが、乾燥が続くようであれば適宜水やりを検討してください。プランターで栽培する場合は、土の表面が乾いているのを確認してから、鉢の底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えましょう。水の与えすぎは、根に共生する根粒菌の活動を鈍らせ、生育不良の原因となるため注意が必要です。ただし、開花時期に乾燥が続くと「うどんこ病」が発生しやすくなるため、花が咲き始めてから土が乾いているようなら、株全体に水がかかるように水やりをすると、うどんこ病の予防になるだけでなく、実の付きも良くなります。

支柱とツルの誘引、ネット設置のコツ

グリンピースの草丈が20cmほどに伸び、葉の先から巻きひげが出てきたら、速やかに支柱を立ててツルを支える「誘引」という作業を行いましょう。気温が上がり、茎や葉が伸び始め、巻きひげが出始めた頃が支柱立てに最適なタイミングです。つる性の品種を育てる場合は、ネットをしっかりと張り、ツルが絡みやすいように準備します。例えば、2mほどの支柱を株の横にまっすぐ立てるか、複数の支柱を互いに斜めに立てかけ、キュウリ用のネットなどを張ると良いでしょう。風で株が倒れないように、早めに巻きひげをネットに絡ませることが重要です。なかなか絡まない場合は、紐などで軽く結んで誘引してあげましょう。つるなし品種の場合、ネットを張る必要はありませんが、茎が大きくなると倒れやすくなるため、支柱を立てて紐などで囲んで株を支え、転倒を防ぐと良いでしょう。日当たりと風通しが良くなるように、ツルの伸びる方向を調整し、等間隔になるように誘引します。誘引作業は、葉が密集したり絡まったりするのを防ぎ、株全体に光と風が均等に当たるようにする効果があり、病害虫の予防や、実付きを良くするためにも欠かせません。気温が上がるとグリンピースは急速に成長するため、ツルの誘引作業が大変になる前に、支柱を立てるタイミングで誘引の準備を始めるのがスムーズな管理のコツです。また、背丈が高くなってきたら、ビニールテープなどを横に張ってゆるやかに囲み、ツルが広がってしまわないようにするのも有効な方法です。

摘心と整枝による収穫量アップと品質向上

グリンピースは摘心を行わなくても育ちますが、適切な摘心と整枝を行うことで、豆の風味が増し、収穫量を増やすことが期待できます。グリンピースは、株元から伸びる「親づる」よりも、親づるから伸びる「子づる」、さらに子づるから伸びる「孫づる」の順に実がつきやすくなる傾向があります。この特性を活かして、親づると子づるを中心に伸ばし、適切な枝数になるように整枝します。目安として、畝の長さ1mあたり20〜25本程度の枝数が適切です。摘心の対象となるのは、子づるから伸びた「孫づる」のみです。具体的には、3月以降に伸びてくる生育の弱いツルや、花付きの悪いツル、株全体の風通しを悪くする重なり合ったツルなどを積極的に整理することで、株全体の風通しが改善されます。これにより、病気の発生を抑え、残されたツルに栄養が集中することで、良質なグリンピースをより多く収穫できます。また、グリンピースは気温が高くなると実がつきにくくなるため、4月以降に伸びてくるツルも取り除いておくと良いでしょう。

開花から収穫期にかけての追肥のタイミングと与える量

エンドウへの追肥は、種をまく時期や生育状況に応じて最適なタイミングを見極める必要があります。秋に種をまいた場合は、最初の追肥は種まきからおよそ1ヶ月後、冬を越えてつぼみが現れ始める3月上旬に行います。この時期に、畝の肩の部分に化成肥料をひとつかみ程度施します。2回目の追肥は、生長が著しく、花が次々と咲いている時期、具体的には花が咲き終わり、豆がふくらみ始める頃(開花期から収穫期にかけて)に行うと、実のつきが向上します。スナップエンドウやサヤエンドウは、次々に収穫するため、窒素の消費量が多くなります。この時期に肥料が不足すると、色つやが悪くなり、収穫量も減少してしまいます。春に種をまいた場合は、開花期と収穫期に追肥を行います。苗から育てている場合は、支柱を立てるタイミングと開花期を目安に追肥を行うと良いでしょう。追肥の量は、化成肥料を1平方メートルあたり、例えば8-8-8の肥料であれば40g、14-14-14の肥料であれば20g程度を目安に、株元に均等に施します。この際、同時に中耕(土を軽く耕す)、除草、土寄せ(株元に土を寄せる)を行うと、肥料の効果が高まり、株の安定にもつながります。その後は、収穫が終わるまでおよそ1ヶ月ごとに追肥を続けることで、安定した収穫量を維持することができます。

エンドウに発生しやすい病害虫とその対策

エンドウの栽培において特に注意すべき病気は、立枯病とうどんこ病、そしてハモグリバエやアブラムシなどの害虫です。これらの病害虫に対する適切な対策を行うことで、健全な生育と安定した収穫を目指すことができます。立枯病は、主に生育初期に水はけの悪い環境で発生しやすい糸状菌(カビ)による病気です。感染すると、葉が黄色く変色し、株全体が枯れてしまいます。この病気の菌は土壌中で長期間生存し、他の作物にも感染が広がる可能性があるため、感染した株は速やかに抜き取り、畑から離れた場所で処分することが重要です。一方、うどんこ病は、葉や茎などに白い粉状の斑点が現れることで発見できます。この病気は乾燥した環境で発生しやすく、放置すると葉全体が白く覆われ、光合成を阻害し、生育不良を引き起こします。病気の初期段階であれば、薄めた木酢液を噴霧することで症状の進行を抑えることが可能です。しかし、症状が進行し、葉全体が白く変色してしまった場合は、市販の適切な殺菌剤を散布して対処する必要があります。ハモグリバエは、茎葉が活発に成長し始める頃に発生しやすく、その幼虫が葉の表皮の下に潜り込み、葉肉を食害することで、葉に白い線で描いたような独特の模様を残します。被害が拡大する前に、被害を受けた葉を取り除くか、適切な殺虫剤を使用するなどして対策を行いましょう。アブラムシは、新芽や葉の裏に群生して植物の汁を吸い、生育を妨げるだけでなく、モザイク病などのウイルス病を媒介することもあるため、見つけ次第、早期に駆除することが重要です。粘着テープで除去したり、牛乳を水で薄めたものをスプレーしたり、市販の殺虫剤を使用するなど、状況に応じた対策を講じましょう。日当たり、風通し、水はけを良好に保つことで、これらの病害虫の発生を予防しやすくなります。

連作障害とその予防方法

エンドウをはじめとするマメ科の野菜は、同じ場所で繰り返し栽培すると、土壌中の栄養バランスが崩れたり、特定の病原菌や害虫が増殖したりすることで、生育不良や収穫量の低下を引き起こす「連作障害」が発生しやすい野菜です。この問題は、野菜の根から分泌される特定の物質によっても引き起こされることがあります。エンドウが分泌する物質は、土壌中に長期間残留し、エンドウ自身の生育を阻害する性質を持っています。したがって、エンドウの健全な栽培を維持するためには、同じ場所での栽培間隔を少なくとも4〜5年間空けることが不可欠です。この予防策を徹底することで、土壌の健康を維持し、エンドウが本来持っている生育能力を最大限に引き出すことができます。もし連作障害を回避できない場合は、土壌消毒や堆肥の大量投入、接ぎ木苗の利用などの対策も考えられますが、最も効果的かつ手軽な方法は、適切な輪作計画を立てることです。また、土壌改良として完熟堆肥を十分に施し、土壌の団粒構造を促進して微生物相を豊かにすることも、連作障害の発生を抑制する上で有効な手段となります。

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まとめ

今回は、家庭菜園愛好家からプロの農家まで、幅広い層に役立つエンドウの栽培について、特に重要となる栽培環境の整備、土作り、種まき、間引き、寒さ対策、水やり、支柱立て、つるの誘引、追肥、摘心・整枝といった一連の管理作業のコツ、そして収穫時期の見極め方について、品種ごとに詳しく解説しました。エンドウの栽培は、多湿に弱く連作障害に注意が必要な点など、やや手間がかかる部分もありますが、その努力は報われます。収穫したばかりのエンドウは、市販品では味わえない特別な甘さとホクホクとした食感が特徴で、食物繊維やビタミンなどの栄養も豊富に含んでいます。スナップエンドウやサヤエンドウは、収穫したてのものを生で食べるのが最高で、実エンドウ(グリーンピース)はスープや煮物、ご飯など、さまざまな料理で活躍します。収穫したむき身の豆は乾燥しやすいため、すぐに小分けにして冷凍用保存袋に入れ、冷凍保存することをおすすめします。冷凍しても味が落ちにくい特性があるので、ぜひたくさん収穫して、長期間にわたってその美味しさを楽しんでください。本記事で紹介した栽培のポイントを参考に、ぜひご自宅で新鮮なエンドウの収穫に挑戦してみてください。

エンドウ豆の種類と用途について

エンドウ豆は、大きく3つのタイプに分けられます。莢ごと食べる「サヤエンドウ」(別名:絹さや)は、若く柔らかい状態が特徴です。「スナップエンドウ」は、豆が大きく膨らんだ莢を丸ごと食し、甘みとシャキシャキした食感が楽しめます。そして、「実エンドウ」(一般的にグリーンピースと呼ばれる)は、莢から取り出した丸い豆を味わい、ほっくりとした食感と甘みが魅力です。

収穫時期を見分けるコツ

エンドウ豆の収穫適期は、種類によって異なります。「サヤエンドウ」は、莢の長さが6~7cmになり、中の豆がわずかに透けて見える程度で、莢にハリがある状態が目安です(開花後およそ12~15日)。「スナップエンドウ」は、莢がふっくらと膨らみ、鮮やかな緑色になった頃が収穫適期です(開花後約20~25日)。「実エンドウ(グリーンピース)」は、豆が十分に大きくなり、莢の表面の光沢が失われ、少しシワが寄り始めたら収穫のサインです(開花後約1ヶ月)。どの種類も、収穫が遅れると風味が落ちてしまうので、タイミングを逃さないようにしましょう。

連作障害を防ぐための対策

エンドウ豆を含むマメ科の植物は、連作障害を起こしやすい性質があります。そのため、過去5年間マメ科の植物を栽培していない場所を選ぶことが重要です。さらに、エンドウ豆は根から特定の物質を分泌し、それが土壌に残ると生育を阻害する可能性があります。輪作計画を立て、十分に完熟堆肥を施用することで、土壌環境を改善し、連作障害のリスクを軽減することができます。

土作りと元肥の注意点

エンドウ豆は、水はけの良いふかふかの土壌と、pH6.5~7.0の弱酸性から中性の土壌を好みます。種まきを行う2週間以上前に、1平方メートルあたり完熟堆肥を2kg、苦土石灰を100g程度を散布し、深く耕して土壌の酸度調整と通気性の向上を図ります。元肥は、種まきの1週間前に、化成肥料(N-P-Kが8-8-8の場合は1平方メートルあたり50g、14-14-14の場合は同30g程度)を施しますが、マメ科植物は根粒菌による窒素固定を行うため、肥料の与えすぎは根粒菌の働きを抑制する可能性があります。特に窒素肥料は控えめに施用することが大切です。これにより、苗が過剰に成長し、冬越しに失敗するリスクを低減できます。

エンドウの越冬を成功させるための効果的な寒さ対策とは?

エンドウは、草丈が10~15cmほどの小さな苗の状態で冬を越すのが理想的です。具体的な寒さ対策としては、まず苗の根元にたっぷりと、もみ殻、わら、落ち葉、腐葉土などを敷き詰めるマルチングを行い、地温の低下を抑制します。さらに、仮の支柱を立ててトンネル状の支柱を設置し、その上から寒冷紗や不織布、防虫ネットなどを被せて杭で固定することで、霜や冷たい風から苗を保護しましょう。一部の農家では、稲わらを束ねて苗の周りを囲む「藁囲い」も有効な手段としています。

エンドウへの追肥はいつ、どれくらいの量を与えるのが適切ですか?

エンドウの追肥時期は、秋に種をまいた場合は、1回目は種まきからおよそ1か月後の3月上旬頃(越冬後につぼみが現れ始めた時期)、2回目は花が咲き終わり、豆が大きくなり始めた頃(開花期から収穫期にかけて)に行います。春に種をまいた場合は、開花時期と収穫時期に施肥します。化成肥料を使用する場合、1平方メートルあたり、例えば8-8-8の肥料であれば40g、14-14-14の肥料であれば20g程度を目安として、株元に均等に撒きましょう。収穫期間中は、およそ1か月ごとに追肥を継続することで、安定した収穫量を維持することができます。追肥の際には、中耕、除草、土寄せを一緒に行うと、より効果的です。

摘心や整枝は必要ですか?また、どのように行うべきですか?

摘心や整枝は必ずしも必須ではありませんが、実施することで豆の品質向上と収穫量の増加が期待できます。エンドウは、親づる、子づる、孫づるの順に実がつきやすい性質があるため、親づると子づるを中心に育て、子づるから伸びる「孫づる」のみを摘心します。畝1mあたり20~25本程度の枝数が目安となります。具体的には、3月以降に伸びてくる弱々しいつる、花付きの悪い不良なつる、株全体が密集しすぎる原因となるつるなどを積極的に整理することで、風通しを良くして病気を予防し、残ったつるに栄養を集中させることが重要です。

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