家庭菜園でグリーンピースを育てよう!初心者でも失敗しない栽培方法

家庭菜園で採れた新鮮なグリーンピースは、格別な味わいです。春の食卓を彩るグリーンピース栽培に挑戦してみませんか?グリーンピースは、プランターでも育てやすく、初心者の方でも気軽に始められます。この記事では、種まきから収穫までの詳しい手順や、栽培を成功させるためのポイントを分かりやすく解説します。ぜひ参考にして、自家製グリーンピースの収穫を楽しみましょう!

グリーンピースとは?家庭菜園で育てる魅力と基礎知識

グリーンピースは、「実エンドウ」とも呼ばれ、豆苗、キヌサヤエンドウ、スナップエンドウといった様々な種類がある「エンドウ」の仲間です。これらのエンドウ属は、若いサヤを食べるキヌサヤエンドウ、サヤと実の両方を味わうスナップエンドウ、そしてふっくらとした実を賞味するグリーンピースなどがあり、栽培方法の基本は共通しています。そのため、複数の品種を同時に育てることで、収穫時期をずらし、長期間にわたって色々な味を楽しむことができます。グリーンピースは比較的涼しい気候を好む性質を持ち、一般的には秋に種をまき、翌年の初夏に収穫時期を迎えます。しかし、栽培期間が長いため、追肥や収穫のタイミングが収量や味に大きく影響する可能性があり、初心者には少し難易度が高いかもしれません。ただし、適切な管理をすることで、家庭菜園でも十分に美味しい実を収穫できます。生育に適した温度は10〜20℃で、比較的冷涼な環境を好みます。幼苗期には寒さに強く、草丈が10〜15cm程度の小さな苗の状態で冬を越させるのが理想的です。そうすることで、寒さによるダメージを軽減し、その後の成長を促進することができます。冬の寒さ対策としては、敷きワラや寒冷紗を使ったトンネル栽培などが効果的です。春になり、ツルが伸び始めたら、早めに支柱を立てて誘引を行いましょう。また、健全な生育を促し、立ち枯れ病やうどんこ病、アブラムシなどの病害虫の発生を予防するためには、日当たり、風通し、そして特に水はけの良い場所を選ぶことが大切です。湿度が高く、株元の風通しや水はけが悪いと、根腐れを起こしやすくなります。グリーンピース栽培で特に注意すべき点として、マメ科植物特有の連作障害が発生しやすいことが挙げられます。これを避けるために、過去5年間マメ科の野菜を栽培していない場所を選ぶようにしましょう。

栽培の第一歩:理想的な土壌づくりと元肥の重要性

グリーンピース栽培を成功させるためには、水はけの良い、ふかふかの土壌を作ることが重要です。理想的な土壌環境を実現するために、種まきの2週間以上前に、完熟堆肥を1平方メートルあたり2kg程度を目安に撒き、土壌の通気性と保水性を高めることが有効です。さらに、グリーンピースは酸性の土壌を嫌うため、土壌のpHを調整することも大切です。以前の栽培で苦土石灰を使用している場合は不要ですが、そうでない場合は、苦土石灰を1平方メートルあたり100g程度、またはコップ1杯(180~200g)を目安に撒き、できるだけ深く耕して、適切な土壌環境(弱酸性から中性)を整えましょう。土壌の準備が完了したら、畝を立てて種まきの準備をします。元肥は種まきの1週間前に施用します。化成肥料を使用する場合は、成分比8-8-8の肥料であれば1平方メートルあたり50g、14-14-14の肥料であれば同30g程度を撒き、土とよく混ぜ合わせます。ここで重要なのは、マメ科植物の根には、空気中の窒素を植物が利用できる形に変える根粒菌という微生物が共生していることです。土壌中の窒素分が多すぎると、根粒菌の働きが弱まり、植物の生育に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、肥料の与えすぎには注意が必要です。市販の野菜用培養土をプランターで使用する場合は、すでに元肥が含まれていることが多いため、追加の元肥は不要な場合もあります。

失敗しない種まきと鳥による被害への対策

グリーンピースの種まきは、一般的に10月下旬から11月初旬の秋に行います。幼苗の状態で冬を越し、春の成長を経て、翌年の5月から6月頃に収穫を迎えるのが一般的です。ただし、寒冷地では3月から4月に種をまき、8月頃に収穫する春まき栽培も可能です。種まきの方法は、まず、ビンの底などを利用して深さ2~3cmのくぼみを作り、1か所につき3~4粒の種を点まきするのが基本です。畑に直接種をまく場合は、畝に植え穴を作って種を入れます。種をまき終えたら、軽く土を被せ、手のひらで表面を軽く押さえて、土と種を密着させます。その後、たっぷりと水やりを行い、種が土になじむようにしますが、発芽するまでは水やりは控えめにすることが、根腐れを防ぎ、健全な発芽を促すためのポイントです。種まき後の初期段階で特に注意が必要なのは、鳥による食害です。鳥に種を食べられないようにするために、寒冷紗でトンネルを作ったり、半分に切ったペットボトルを種をまいた場所に被せたり、ネットで畑全体を覆うなど、鳥害対策をしっかりと行いましょう。もし鳥害が心配な場合や、より確実に苗を育てたい場合は、畑に直接種をまくのではなく、ポットに種をまいて育苗し、ある程度育ってから畑やプランターに植え替える方法も有効です。

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発芽後の初期管理:間引き、土寄せ、そして寒さ対策

種まきから6~10日ほどで、グリーンピースの芽が出始めます。発芽後は、植物が健全に成長するための初期管理が非常に重要になります。畑に直接種をまいた場合は、本葉が3~4枚になった頃が、最初の間引きを行う最適なタイミングです。この時点で、1か所につき元気な苗を2本残すように間引きを行い、残った苗の株元に土寄せをして安定させます。もしポットで育苗した場合は、ポット苗が5cmほどに成長したら、生育の良い2本を残して間引きし、その後、畑やプランターに定植します。さらに、春になってツルが伸び始める前には、2回目の間引きを行います。この際は、30cm間隔で1か所に2本立ちになるように、生育の悪い苗や弱々しい苗をハサミで切り取って間引きましょう。間引きした若苗は「豆苗」として美味しく食べることができます。冬の寒さから幼苗を守るための防寒対策も欠かせません。小さな苗の方が寒さによるダメージを受けにくいため、大きく育ちすぎた苗で冬を越させないように注意しましょう。仮支柱を立てた上で、防虫ネットや寒冷紗、不織布などをトンネル状にかけて苗を覆うことで、冷たい風や霜から保護します。トンネルを設置する際は、風で飛ばされないように杭でしっかりと固定しましょう。さらに、株元に枯れ草や腐葉土、ワラ、もみ殻などをたっぷりと敷き詰めるマルチングを行うことで、地温を維持し、乾燥を防ぐことができ、寒さ対策として非常に効果的です。マルチング材が風で飛ばされやすい場合は、周りにエンバクなどを撒いて防風対策をすることも有効です。

生育期の管理:水やり、追肥、支柱立て、誘引、整枝

グリーンピースを元気に育てるには、生育段階に応じた手入れが欠かせません。水やり、肥料、そしてつるの管理がポイントです。種をまいた直後はたっぷりと水をあげますが、発芽までは控えめにします。発芽後は、水の与えすぎは根腐れの原因となるため、土の表面が乾いてから水を与えるようにしましょう。畑に直接植えた場合は、雨水だけで十分な場合が多いですが、乾燥が続くようであれば適宜水を与えます。プランター栽培では、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるのが基本です。ただし、水のやりすぎは根に住み着く根粒菌の活動を妨げ、生育不良につながるので注意が必要です。肥料は、植物の成長に合わせて与えるタイミングを変えます。秋に種をまいた場合は、種まきから1か月後と開花時期に、春に種をまいた場合は、開花時期と収穫時期に追肥を行います。苗から育てる場合は、支柱を立てる時期と開花時期を目安に肥料を与えましょう。化成肥料を使う場合は、肥料の成分によって量を調整します。例えば、8-8-8の肥料なら1平方メートルあたり40g、14-14-14の肥料なら1平方メートルあたり20g程度が目安です。肥料は株の根元に直接置くのではなく、少し離れた場所にまくのが一般的です。肥料を与える際には、軽く土を耕したり、雑草を取り除いたり、株元に土を寄せたりする作業を一緒に行うと効果的です。収穫が終わるまで、月に一度肥料を与え続けることで、収穫量を増やすことができます。グリーンピースの茎葉が伸びてきて、巻きひげが出始めたら、すぐに支柱を立ててつるを誘引します。つるは2メートルほどまで伸びるので、十分な高さの支柱を選びましょう。支柱を立てるタイミングは、茎が20センチくらいに成長し、巻きひげが伸びてきた頃が目安です。支柱の立て方には、株の横にまっすぐ立てる方法や、複数の支柱を組み合わせて立てる方法、竹の枝を株ごとに立てる方法などがあります。つるあり品種の場合は、キュウリネットなどを張ると、つるが絡みやすくなり、安定して生育します。つるなし品種の場合は、ネットは必要ありませんが、茎が倒れないように支柱を立てて、紐などで囲ってあげると良いでしょう。グリーンピースが倒れるのを防ぎ、日当たりと風通しを良くするために、つるを支柱に誘引しましょう。誘引することで葉が密集するのを防ぎ、風通しが良くなるため、病気予防にもつながります。暖かくなるとつるはどんどん伸びるので、早めに支柱を立てて誘引の準備をすることが大切です。摘心や整枝も、収穫量と品質を向上させるために重要な作業です。グリーンピースは摘心しなくても育ちますが、摘心することで味が良くなり、収穫量も増える傾向があります。株元から伸びる親づると、親づるから伸びる子づるは残し、子づるから伸びた孫づるのみを摘心します。また、3月以降に伸びた弱いつるや、花付きが悪いもの、密集しているつるなどを整理することで、株全体の風通しが良くなり、病気を防ぐ効果が期待できます。

美味しいグリーンピースの収穫時期と見極め方

グリーンピースは、花が咲いてからおよそ1か月で収穫時期を迎えます。一番美味しい状態で収穫するためには、収穫時期を見極めることが大切です。収穫時期のサインとしては、まず、実が莢の中でしっかりと膨らんでいることが挙げられます。次に、莢の表面の光沢がなくなり、少しシワが出てきたら収穫の合図です。これらのサインが見られたら、実際に莢を一つ採って開けてみましょう。中の実が丸々と太っていれば、収穫に適した状態です。収穫する際は、茎や株を傷つけないように、ハサミを使って莢の付け根から丁寧に切り取ります。収穫が遅れると、実が硬くなり、風味が落ちてしまうので注意が必要です。秋まきの場合は、11月初旬に種をまいてから約半年後の5~6月頃に収穫時期を迎えます。春まきの場合は、3~4月に種をまき、8月頃に収穫が始まります。適切な時期に収穫することで、柔らかくて甘い、採れたての美味しいグリーンピースを味わうことができます。

グリーンピースがかかりやすい病気と対策

グリーンピースを栽培する際には、いくつかの病害虫に注意が必要です。特に注意したいのは、立ち枯れ病とうどんこ病です。立ち枯れ病は、生育初期に水はけの悪い土壌で発生しやすいカビが原因の病気です。感染すると、葉が黄色く変色し、最終的には株全体が枯れてしまいます。この病気の原因となる菌は土の中に残り、他の作物にも感染する可能性があるため、発病した株はすぐに抜き取り、畑から離れた場所に処分しましょう。うどんこ病は、葉や茎、莢などに白い粉のようなものが付着する病気で、進行すると光合成を阻害し、生育が悪くなります。初期であれば、薄めた木酢液をスプレーすることで症状の進行を抑えることができますが、症状が進んで葉が白く変色してしまった場合は、園芸用の殺菌剤を使用します。これらの病気を予防するためには、日当たり、風通し、水はけの良い環境を保つことが最も効果的です。また、アブラムシなどの害虫もグリーンピースにつきやすいので、見つけたら早めに駆除するか、必要に応じて農薬を使用しましょう。

グリーンピースの保存方法

収穫したばかりのグリーンピースは、鮮度が大切です。特に、莢から出した豆は乾燥しやすいので、すぐに使い切れない場合は適切な方法で保存しましょう。おすすめの保存方法は、新鮮なグリーンピースを莢から取り出し、小分けにして冷凍保存袋に入れて冷凍庫で保存する方法です。冷凍することで、風味を長期間保つことができ、調理する際にも解凍せずにそのまま使えるので便利です。グリーンピースは冷凍しても味が落ちにくいので、たくさん収穫できた際にはぜひ冷凍保存を活用して、いつでも美味しいグリーンピースを楽しみましょう。冷凍する前に軽く塩茹ですることで、色鮮やかで風味豊かな状態で保存することができます。

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まとめ

家庭菜園で人気のグリーンピースは、秋に種をまき、初夏に収穫できるエンドウ豆の一種です。栽培の成功には、質の高い土壌づくりから始まり、適切な時期の種まき、発芽後の間引きと土寄せ、幼苗期の徹底的な寒さ対策、生育期間中の適切な水やり、追肥と支柱立て、つるの誘引、そして摘心・整枝といった、各段階での丁寧な管理が不可欠です。特に、マメ科植物特有の連作障害を避けること、根粒菌の働きを考慮した肥料と水やり、鳥による被害への対策は、栽培を成功させる上で重要なポイントとなります。さらに、立ち枯れ病やうどんこ病といった病気への対策も、健康な生育には欠かせません。手間は少しかかりますが、収穫したばかりのグリーンピースは甘みがあり美味しく、食物繊維や栄養も豊富です。むき身にした豆は乾燥に弱いため、小分けにして冷凍保存用の袋に入れれば、風味を損なわずに長期間保存できます。この記事が、皆さんのグリーンピース栽培のお役に立ち、ご自宅で収穫した新鮮な味を楽しんでいただくきっかけになれば幸いです。畑はもちろん、プランターでも栽培できるので、ぜひ挑戦してみてください。

グリーンピースは初心者でも育てやすいですか?

はい、グリーンピースは比較的、園芸初心者の方でも育てやすい野菜と言えます。冷涼な気候に適しており、一度栽培方法を習得すれば、他のエンドウ豆の仲間にも応用できます。ただし、連作障害、鳥害、適切な寒さ対策、そして水やりや追肥のタイミングなど、注意すべき点もいくつか存在するため、この記事の栽培ガイドを参考に、各工程を丁寧に進めることが成功への近道です。

グリーンピースの種まきはいつ行いますか?

グリーンピースは涼しい気候を好むため、一般的には10月下旬から11月上旬にかけて秋に種まきを行います。幼い苗の状態で冬を越し、翌年の初夏に収穫時期を迎えるのが一般的な栽培の流れです。ただし、寒冷地では3月から4月にかけて春に種をまくことも可能です。

グリーンピースの収穫時期の見極め方を教えてください?

収穫時期は、開花してからおよそ1ヶ月後が目安となります。具体的な目安としては、莢が十分に膨らんで丸みを帯び、莢の表面にあったツヤがなくなり、全体的に少しシワが寄り始めたら収穫に適した状態です。最終確認として、実際に莢を一つ開けてみて、中の豆が十分に大きく育っているかを確認すると良いでしょう。収穫が遅れると豆が硬くなり、風味も低下してしまうため注意が必要です。

グリーンピースは続けて同じ場所で栽培できますか?

いいえ、グリーンピースは連作に弱い作物です。同じ場所で繰り返し栽培すると、生育不良などの問題が発生しやすいため、少なくとも過去5年間はマメ科植物を栽培していない場所を選んでください。

グリーンピースの土づくりで大切なことは何ですか?

グリーンピースは、水はけが良く、ふっくらとした土壌を好みます。植え付けの2週間以上前に、完熟堆肥を1平方メートルあたり2kgを目安に混ぜ込み、土壌の通気性を高めることが重要です。また、酸性の土壌を嫌うため、必要に応じて苦土石灰を1平方メートルあたり100g程度(またはカップ1杯分)を散布し、深く耕しておきましょう。プランターで市販の培養土を使用する場合は、肥料が含まれている場合があるので、元肥は不要なこともあります。

グリーンピースの冬の寒さ対策はどのようにすれば良いですか?

まだ小さいうちに冬を越す必要があるため、寒冷紗や不織布でトンネルを作って覆ったり、株の根元にもみ殻、枯れ草、わら、腐葉土などを敷き詰めるマルチングをすると効果的です。小さい苗の方が寒さに強いので、大きく育ちすぎた苗で冬を越さないように、種をまく時期を調整しましょう。トンネルやマルチングの資材が風で飛ばされないように、しっかりと固定することも大切です。

グリーンピースへの水やりで気を付けることはありますか?

はい、グリーンピースは多湿を嫌います。種をまいた時にしっかりと水を与えたら、芽が出るまでは水やりを控え、発芽してからも乾燥気味に育てることが大切です。水をやりすぎると根腐れの原因になるだけでなく、根に共生している根粒菌の活動が弱まり、生育が悪くなる可能性があります。畑に直接植えている場合は、基本的に雨水だけで十分ですが、プランターで育てている場合は、土の表面が乾いたら水を与えるようにしましょう。

グリーンピースは摘心や整枝をした方が良いですか?

グリーンピースは、特に手を加えなくても成長しますが、摘心や整枝を適切に行うことで、品質の向上と収穫量の増加につながります。具体的には、根元から伸びる主となる「親づる」と、そこから派生する「子づる」はそのまま残し、「子づる」からさらに伸びる「孫づる」のみを摘み取ります。加えて、生育が弱々しいつるや、花の付きが良くないつる、密集しすぎているつるなどを整理することで、株全体の風通しが改善され、病害の予防にも貢献します。

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