甘酒には、米麹を原料とするものと、酒粕を原料とするものの2種類があります。米麹甘酒は、米のデンプンを麹菌で糖に分解したもので、米麹と種麹にお湯を加えて作られます。一方、酒粕甘酒は、清酒製造後の搾りかすである酒粕を水に溶かし、砂糖などを加えて作られます。米麹甘酒はすっきりとした自然な甘味が特徴で、ノンアルコールのため、子どもやアルコールが苦手な人にもおすすめです。酒粕甘酒は、清酒の香りと砂糖の甘みでまろやかな口当たりが楽しめますが、微量のアルコールをわずかに含んでいるため、子ども、妊娠中、授乳中の人は避けましょう。また、アルコールに弱い方も注意が必要です。
甘酒の主な栄養成分と健康効果
甘酒はアミノ酸などが豊富に含まれ、飲む点滴という異名を持つ日本特有の甘味飲料です。 (出典: 栄養補給飲料甘酒ミルクの研究(家政学雑誌), URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/kasei/69/0/69_92/_article/-char/ja/, 2017-07-08)脳のエネルギー源となるブドウ糖、腸内環境を整える食物繊維やオリゴ糖、エネルギー作りに欠かせないビタミンB群など、さまざまな栄養成分が含まれています。また、肌や髪の毛、筋肉など体のさまざまな部位に作用する成分も含まれているため、子どもや妊娠中の人にもおすすめです。甘酒は発酵食品であるため、便通改善や免疫力アップなどの効果も期待できます。

甘酒がもたらす健康・美容メリットの概要
米麹甘酒を毎日飲むと、疲れにくくなり、集中力が高まる効果が期待できます。米麹甘酒に豊富に含まれるブドウ糖は疲労回復効果や脳のパフォーマンス向上に効果的です。また、皮膚や髪の健康維持や、アレルギー症状の緩和に役立つビオチンも豊富。米麹に含まれるコウジ酸にはシミやそばかすの発生抑制や、美白作用もあるとされ、美しい肌を保つサポートをしてくれます。さらに食物繊維も多く含まれるため、便通改善や、腸内環境が整うことによる免疫力向上も期待できるでしょう。季節の変わり目に体調を崩しやすい方、毎日元気に過ごしたい方は、毎日1杯の米麹甘酒を続けてみてはいかがでしょうか。
甘酒を健康的に楽しむために:カロリーと飲み方のポイント
甘酒はカロリーが高めの飲み物です。おいしいからといって飲みすぎると摂取カロリーが多くなり、体重増加の原因になることがあります。日本食品標準成分表(文部科学省)によると、甘酒(一般成分表、食品番号16050)のエネルギーは100gあたり76kcalと記載されています。これは主に米麹甘酒を指すと考えられます。 (出典: 日本食品標準成分表2020年版(八訂), URL: https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=16_16050_7, 2020-12-25) 商品によりカロリーは異なりますので、あくまで目安としてご確認ください。ダイエットや健康管理を目的にカロリー計算をしている方は、購入する商品のパッケージをきちんとチェックしましょう。酒粕甘酒は甘みを足すために砂糖が使われている場合があり、砂糖の量が増えるほどカロリーは増える傾向にあります。
血糖値の急上昇にも要注意!
甘酒を飲んだあとの血糖値上昇が気になるときは、一度に飲む量を抑えてみてください。一度に150ml飲むのと、50mlを3回に分けて飲むのとでは、分けて飲むほうが血糖値の上昇幅は小さくなります。空腹時に糖分を摂取するのも血糖値が急上昇する原因です。甘酒を飲むのを食後にするだけでも、血糖値の上昇を緩やかにすることができるでしょう。甘酒にはとろみがあり、お米の粒も含まれるため腹持ちがよく、少量でも満足感があります。くわえて、温かい飲み物は空腹感を和らげてくれるため、間食や食事の置き換えで甘酒を飲む場合は温めてゆっくり飲んでみてくださいね。
甘酒を飲むタイミング:時間帯別の効果と活用法
甘酒の嬉しい効果│朝に飲む場合
甘酒は飲む点滴とも呼ばれるほど栄養豊富で、特に朝に飲むことで様々な嬉しい効果が期待できます。まず、甘酒に含まれるブドウ糖は脳のエネルギー源となり、朝から集中力や記憶力を高めるのに役立ちます。また、アミノ酸やビタミンB群は代謝を促進し、体を目覚めさせ活力を与えてくれます。さらに、食物繊維やオリゴ糖は腸内環境を整え、便秘解消や免疫力アップにも繋がります。朝食代わりに甘酒を飲むことで、手軽に栄養補給ができ、健康的な一日をスタートさせることができるでしょう。
甘酒の嬉しい効果│昼に飲む場合
昼食後に眠くなる人は少なくないのでは?午後に集中力が切れやすい人は、お昼に米麹甘酒を飲んでみてください。朝と同じく、米麹甘酒に含まれるブドウ糖が脳を活性化し、集中力や記憶力を向上させてくれます。午後の仕事や勉強に集中したいとき、大事な作業や試験などの前に甘酒を飲むと、脳がシャキッとするのでおすすめです。小腹が空く14時~15時ごろに間食として甘酒を飲むのもよいアイデア。優しい甘さとお米の粒感で空腹感が満たされます。夕方に飲めば程よい満腹感が得られて、夕食の量を少なめにできるかも。食べすぎを減らしたい方は、食事の前に甘酒を飲んでみてはいかがですか?
甘酒の嬉しい効果│夜に飲む場合
米麹甘酒に含まれるブドウ糖とビタミンB1は疲労回復にも効果的。1日の疲れがどっと押し寄せる夜に甘酒を飲むと体の緊張やコリがほぐれていく感じがしますので、ぜひ試してみてください。酒粕甘酒に含まれるアミノ酸にはリラックス効果や安眠作用があるといわれますので、寝る前に飲むのもおすすめです。米麹甘酒と酒粕甘酒の両方に含まれるパントテン酸には抗ストレス作用があるとされているため、ストレスが原因で寝つきが悪い方、眠りが浅い方にもよい効果をもたらしてくれるでしょう。夜の甘酒は便秘解消にも効果的です。22時~翌2時ごろは腸が活発に動くため、寝る前に食物繊維を摂取すると翌朝の便通がよくなる可能性が。睡眠中には肌のターンオーバーを促す成長ホルモンが多く分泌されます。甘酒にはコウジ酸にアミノ酸、ビタミンB群など美肌づくりに役立つ栄養素が豊富なので、美容目的で甘酒を飲む場合も夜に飲んでみてくださいね。
甘酒の嬉しい効果│運動の前後に飲む場合
酒粕甘酒には筋力アップや体力アップに役立つアミノ酸が含まれます。筋肉の素になるたんぱく質も豊富なので、運動の前後に飲むとトレーニングの効果をより高めることが可能です。疲労回復にも効果的なので、運動後の疲れた体を癒やす目的で飲むのもおすすめ。運動後にとろみのある飲み物は飲みにくいと感じるなら、水で薄めて飲んでもOKです。水分と栄養の補給、体の回復にも役立つ甘酒はスポーツと相性がよいドリンクだといえるでしょう。
甘酒を毎日楽しむための簡単レシピ
甘酒はそのまま飲んでもおいしいですが、毎日続けていると飽きてしまうかもしれません。「健康のために甘酒を飲みたいけれど、風味が苦手…」という方もいるでしょう。ここでは甘酒をおいしく飲み続けるために試してみていただきたい、おすすめのアレンジレシピを紹介します。甘酒ホットレモネード、豆乳甘酒、甘酒バナナスムージー、甘酒ドレッシングなど、様々なアレンジで甘酒を楽しみましょう。

甘酒ホットレモネード
温めた甘酒150ml~200mlに、大さじ1のレモン汁をくわえてよく混ぜましょう。レモンの酸味がプラスされ、爽やかな飲み口に仕上がります。甘酒のもったりとした甘さが苦手な方にもおすすめのアレンジです。
甘酒豆乳
甘酒と調製豆乳を1:1で混ぜて火にかけ、沸騰する手前まで温めてください。まろやかでクリーミーな口当たりになります。大豆をそのまま絞っただけの「無調整豆乳」を使うと、甘みが足りなく感じるかもしれません。糖分の摂りすぎに気をつけつつ、お好みで砂糖やはちみつをくわえて甘さを調整してみてくださいね。無調整豆乳は飲みづらいと感じる方は「調整豆乳」を使いましょう。ただし、調整豆乳は砂糖や食塩、油などをくわえて味を調整しているため、無調整豆乳に比べるとカロリーが高くなりやすい点には要注意です。
甘酒バナナスムージー
ミキサーに甘酒と牛乳を1:1の割合で注ぎ、バナナ1本をくわえて液状になるまで混ぜます。こっくりと甘く、スイーツ感覚で飲めるスムージーですので、お子さまでも飲みやすいでしょう。牛乳を豆乳やアーモンドミルク、オーツミルクに変えてもおいしくいただけます。
甘酒を使った自家製ドレッシング
甘酒は飲むだけでなく、調味料としても使えます。ボウルに甘酒とオリーブオイルを大さじ5ずつ入れ、酢を大さじ1~2、塩を小さじ1くわえてよく混ぜれば、おいしいドレッシングができあがります。ぴりりとした刺激が好きな方は、こしょうを適量くわえるのもおすすめです。お好みの野菜にかけてお召し上がりください。
まとめ:甘酒を毎日の健康習慣に
甘酒を習慣化させるなら、効果を発揮させたいものです。甘酒を飲む時間帯と摂取する甘酒の量を意識することで、甘酒の効果を最大限に引き出すことができます。朝に摂取すると、ブドウ糖が脳に送られることで脳の活性化につながります。昼に摂取すると、疲れた脳に糖分を届けることで脳の働きが戻り、集中力をアップしてくれます。夜の摂取は、甘酒に含まれるGABAの作用によって、ストレスの緩和が期待できます。健康維持やスタイル維持のために取り入れる場合には、150〜200mlまでの量を目安に摂取するのがおすすめです。夜の時間帯は、摂取したものが脂肪に変わりやすいので、特に注意が必要です。
甘酒は1日にどのくらいの量が適切ですか?
健康維持やスタイル維持のために取り入れる場合には、150〜200mlまでの量を目安に摂取するのがおすすめです。甘酒は糖分が高く、大量に摂取してしまうと体重の増加に繋がります。夜の時間帯は、摂取したものが脂肪に変わりやすいので、特に注意が必要です。
甘酒を飲むのに最適なタイミングはいつですか?
甘酒は、飲む時間帯によって得られる効果が異なります。朝に摂取すると、ブドウ糖が脳に送られることで、脳の活性化に繋がります。昼に甘酒を摂取すると、疲れた脳に糖分を届けることで脳の働きが戻り、集中力をアップしてくれます。夜の摂取は、甘酒に含まれるGABAの作用によって、ストレスの緩和が期待できます。心も体もリラックスさせることで、安眠に繋がるでしょう。
甘酒は毎日飲んでも大丈夫ですか?
甘酒は、一日あたり200mlを目安にすれば、ダイエット中でも毎日お飲みいただけます。ただし、毎日甘酒を摂取する場合は、おやつなどの代替として取り入れるのがおすすめです。チョコレートやクッキーといったお菓子は脂質を多く含みますが、甘酒は脂質が少ないため、脂質の摂取を抑えられます。その上、甘酒はビタミン、食物繊維、アミノ酸といった栄養素を豊富に含んでいるため、適量を守れば代謝を促進し、痩せやすい体質づくりにも貢献してくれるでしょう。