クレーム・ド・カシスとは?その魅力、歴史、製造、品質、多様な飲用法を徹底解説
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クレーム・ド・カシスは、黒スグリ(カシス)を基にした、甘美な味わいと濃密な紫色が際立つリキュールです。カクテル作りには欠かせない存在として知られる一方、ストレートでその風味を堪能したり、料理に奥行きを与える隠し味としても重宝されます。本稿では、クレーム・ド・カシスの基本情報から、その誕生背景、丁寧な製法、品質基準、さらには手軽に試せるカクテルレシピ、個性豊かなブランドまで、多角的に探求します。この深い知識を得ることで、あなたのお酒の楽しみ方や食卓での選択肢がより一層豊かになることでしょう。

クレーム・ド・カシスとは

正式名称「クレーム・ド・カシス(Crème de Cassis)」は、黒スグリ(カシス)を主要な原材料とし、その濃厚な甘みと鮮やかな深紫色が特徴的なリキュールです。その独特な色彩と芳醇なアロマは、多種多様なカクテルの基盤として重宝されるだけでなく、そのままグラスで味わったり、氷を加えても美味しくいただけます。しかしながら、多くの人が見過ごしがちな点として、「クレーム・ド・カシス」という呼び名は特定の銘柄を示すものではない、という事実があります。

「クレーム・ド・カシス」は分類名

多くの方がこれを特定の製品名と捉えがちですが、実のところ「クレーム・ド・カシス」は、カシスを原料とするリキュールの中でも、特定の基準を満たしたものにのみ許される「分類名」に他なりません。具体的には、1リットルにつき最低400グラムの糖分と、15度以上のアルコール度数を含むことが必須条件とされています。この厳格な基準は、そのリキュールが豊かな甘みと十分なアルコール度数を持ち合わせている証であり、多様なカクテルレシピにおいて理想的な基材となることを裏付けています。

「クレーム・ド」の意味とその適用

フランス語における「クレーム・ド」は、「~のクリーム」と直訳できる言葉です。この表現は、単に口当たりがなめらかであることだけでなく、そのリキュールが持つ濃密な甘さや、素材本来の豊かな香りと味わいを強調するために用いられます。実際、カシスに限らず、他の多くの甘口リキュールにもこの「クレーム・ド」の冠が与えられています。例えば、「クレーム・ド・カカオ(チョコレート風味)」や「クレーム・ド・フランボワーズ(ラズベリー風味)」のように、多岐にわたる果実や香料を基材とした製品に見受けられます。

多様な用途と魅力

クレーム・ド・カシスは、その鮮やかな深紅の色合いと、甘酸っぱく芳醇な風味で、世界中で愛されるカクテルの必須アイテムです。特に、辛口白ワインと合わせて作られる「キール」や、フレッシュなオレンジジュースで割る「カシスオレンジ」は、その代表的な楽しみ方として広く親しまれています。この多才なリキュールは、食前酒としてそのまま味わうだけでなく、デザートの風味付けや、時には料理の隠し味として、その活用の幅は非常に広いのが特徴です。

歴史

フランスでは古くから、ビタミンCを豊富に含むクロスグリ(黒すぐり)に薬効があると認識されており、他の多くのリキュールと同様に、薬用酒として飲用されていました。特にフランスのブルゴーニュ地方では、古くからクロスグリが栽培され、その実を使った飲み物が地域の人々の生活に深く溶け込んでいました。

薬用酒からリキュールへ

中世の修道院では、薬草や果実を用いて様々な薬用酒が造られていましたが、クロスグリもその重要な原料の一つでした。病気の治療や体力回復を目的として飲用され、その効能は人々に信じられていたのです。しかし、時が経つにつれて、その独特な美味しさが注目されるようになり、次第に薬用という目的を超え、純粋に味を楽しむための嗜好品、つまりリキュールへとその位置づけが変わっていきました。

近代クレーム・ド・カシスの誕生

現在のクレーム・ド・カシスとして知られるタイプのリキュールが確立されたのは、19世紀半ば、フランスのディジョンでの出来事です。それ以前からブルゴーニュ地方では、「ラタフィア・ド・カシス」(黒すぐりのマール酒を意味するリキュール)という黒すぐりのリキュールが飲用されていましたが、これに取って代わる形で、現代の洗練された製法で作られるクレーム・ド・カシスが誕生し、その名声を築き上げたのです。

ルジェ・ラグート社の貢献

クレーム・ド・カシスの歴史において、特にブルゴーニュ地方ディジョンに根ざすルジェ・ラグート社の功績は計り知れません。彼らは、黒すぐりをアルコールで丁寧に浸漬・破砕し、適切な量の砂糖を加えるという、当時革新的だった製法を確立しました。これにより、類稀なる品質を持つクレーム・ド・カシスが誕生し、現代のリキュール製造の基盤を築くとともに、その絶大な人気を不動のものにしたのです。

ブルゴーニュ地方の特産品

芳醇な香りが特徴のクレーム・ド・カシスは、やはりフランスのブルゴーニュ地方、とりわけディジョンの名を冠する特産品として世界的に認識されています。もちろん、フランス国内の他の地域や、ヨーロッパの様々な国々でも生産はされていますが、ディジョン産はまさにその発祥の地としての誇りを背負い、揺るぎない品質の象徴として愛され続けています。

フランス市場における位置づけ

フランス国内の酒類市場において、クレーム・ド・カシスは非常に重要な位置を占めています。フランス全体のリキュール生産量の約25%を占め、さらに果実系リキュールの中では実に約40%という圧倒的なシェアを誇ります。その市場での強い存在感は、流通チャネルに専用の棚が設けられるほどです。年間約1600万リットルものクレーム・ド・カシスが製造され、その大半はフランス国内で楽しまれ、残りが世界各地へと輸出されています。

製造法

優れたクレーム・ド・カシスを生み出す上で最も肝要なのは、原料である黒すぐりの鮮度管理です。これは、高級ワインの醸造におけるブドウの扱いと同様に厳格さが求められます。収穫された黒すぐりは、そのフレッシュな風味と豊かな栄養素、特にビタミンCの急速な分解を防ぐため、24時間以内に製造工程へと運ばれる必要があります。この厳密な時間管理こそが、クレーム・ド・カシス特有の豊かな味わいと香りを保証する不可欠な条件なのです。

原料選定と保存

クレームドカシスの卓越した品質は、厳選された黒すぐりの品種と、その状態に深く根差しています。フランスのブルゴーニュ地方では、特に濃厚な色と香りを持ち、リキュールに豊かな深みをもたらす「ノワール・ド・ブルゴーニュ」という品種が珍重されます。収穫されたばかりの黒すぐりは、最高の鮮度と風味を保つため、−30°Cという極低温で迅速に冷凍保存されます。

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浸出(マセラシオン)工程

凍結保存された果実は、中性スピリッツ(アルコール)と共に細かく破砕されます。その後、約5週間にわたり−5°Cという厳密に管理された低温環境下で、ゆっくりと浸漬(マセラシオン)の工程に入ります。この長時間かつ低温での浸漬こそが、黒すぐり本来の豊かな色、芳醇な香気、そして複雑な味わいの成分を余すことなくスピリッツへと移行させる鍵となります。徹底した温度管理により、繊細なアロマが損なわれることなく、クレームドカシスへと凝縮されていきます。

浸出後の工程

マセラシオン工程の終了後、丁寧に抽出された液体から黒すぐりの固形分を分離します。この時点での液体は、黒すぐり特有の強い酸味と高いアルコール度数を保持しており、本格的なクレームドカシスへと変貌を遂げる前段階にあります。

加糖と味の調整

最終段階では、厳選された砂糖を加え、黒すぐり由来の鮮烈な酸味と自然な甘みが調和するよう、繊細な味の調整を行います。これにより、まろやかで奥行きのあるクレームドカシスが誕生します。この糖分添加のプロセスは、「クレームドカシス」が法律で定められた1リットルあたり400グラム以上の糖度を満たす上で不可欠であり、その品質を保証する基盤となります。使用する砂糖の種類や、加えるタイミングのわずかな違いが、最終的なクレームドカシスの風味に大きく影響するため、各生産者は長年培った独自の技術と秘伝のノウハウを駆使しています。

ノンフィルター製法と最適な保存法

クレーム・ド・カシスの大半は、フィルターを通さない製法で造られています。このノンフィルター製法によって、カシス本来の芳醇なアロマと深みのある美しいルビー色が損なわれることなく保たれるのです。しかし、この製法ゆえに、温度の変化や空気との接触(酸化)には非常にデリケートな性質を持っています。そのため、一度開栓した後は、毎回きちんと密閉し、必ず冷蔵庫で保管することが強く推奨されます。適切な管理を徹底することで、その繊細な風味の低下を防ぎ、長期間にわたって最高の状態でお楽しみいただけます。

厳格な品質基準

クレーム・ド・カシスには、その優れた品質を守るために、詳細な基準が法的に定められています。フランスの法律では、カシス以外の一般的なフルーツリキュールの場合、1リットルあたり250グラム以上の糖分が含まれていれば、「クレーム・ド」という呼称を冠することができます。

クレーム・ド・カシスに課せられる独自の基準

ところが、クレーム・ド・カシスだけはこのルールから外れた、独自の厳しい基準が適用されます。具体的には、1リットルにつき400グラム以上の糖分を含んでいなければ、「クレーム・ド・カシス」と表示することは許されません。これは、カシス特有の際立った酸味と豊かな香りを活かしつつ、リキュールとしての重厚な甘さを確保するための、一段と厳格な要件です。さらに、アルコール度数も最低15度以上が必須とされており、市場に出回る多くの製品は16度から20度の範囲に調整されています。

最終的な品質を決める要因

クレーム・ド・カシスのクオリティは、単に黒すぐりの使用量や製造プロセスの洗練さだけでなく、原料となる黒すぐりそのものの質に大きく左右されます。特に、生育地の土壌や気候、つまり「テロワール」が、カシスの香りと味わいに決定的な影響を与える要素です。加えて、収穫のタイミング、選択される品種、そして果実の熟成度合いも、完成するリキュールの風味を決定づける極めて重要な要素となります。

地理的表示保護制度

ブルゴーニュ地方で丹精込めて栽培された特定の黒すぐりだけを使用したクレームドカシスは、厳格な地理的表示保護制度の下、その唯一無二の品質と明確な原産地が厳しく守られています。この制度は、消費者に安心と信頼を提供し、本物のクレームドカシスを識別する上で重要な役割を果たします。

クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン

ディジョン地方で収穫された高品質な黒すぐりのみを用いて造られたクレームドカシスは、厳格な法規制を満たすことで「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン (Crème de Cassis de Dijon)」の名称を冠することができます。クレームドカシス発祥の地であるディジョンで育ったカシスを用いることは、このリキュールの卓越した品質と由緒ある伝統を象徴しています。この特別な呼称は、使用される原料の明確な産地を保証し、最終消費者に対して最高水準の品質を約束するものです。

クレーム・ド・カシス・ド・ブルゴーニュ (AOC)

1997年からは、さらに厳しい品質を追求する取り組みとして、AOC(原産地呼称統制)「クレーム・ド・カシス・ド・ブルゴーニュ (Crème de Cassis de Bourgogne)」の認定取得が進められています。この制度は、使用する果実の厳密な量に加え、熟練の職人による伝統的な手作り製法を遵守することを義務付けています。AOCは、フランスのワインやチーズで広く知られる由緒ある品質保証システムであり、特定の地域の限定された品種、そして伝統的手法で生み出された製品にのみ与えられる特別な称号です。このAOC認定により、ブルゴーニュ産のクレームドカシスの最高級品質が確実に保証され、その国際的な評価と市場価値がさらに向上することが期待されます。

飲用法・利用法

濃厚な甘みが特徴のクレームドカシスは、ストレートで飲むには少し甘すぎると感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、よく冷やして少量ずつ食前酒としてゆっくりと味わうのも、また格別な楽しみ方です。最もポピュラーな飲用方法は、ソーダやワインなど様々な飲料で割って楽しむ、あるいは華やかなカクテルの重要な材料として使用することです。さらに、クレームドカシスはその独特で芳醇な香りを活かし、料理のソースやデザートの風味付けなど、食卓の様々なシーンでその魅力を発揮します。

代表的な飲用法:カクテル

クレームドカシスは、その魅力的な甘酸っぱさと鮮やかなルビー色で、多種多様なカクテル作りに欠かせない存在です。特に、白ワイン、スパークリングワイン、フレッシュジュース、炭酸水などで割るシンプルな飲み方が広く親しまれています。

カシスオレンジ

カシスを使ったカクテルの中でも、特に抜群の人気を誇るのが「カシスオレンジ」でしょう。その口当たりの良い甘さと飲みやすさから、特に女性の間で絶大な支持を得ています。ご家庭でも手軽に楽しめる、その基本レシピをご紹介します。

<簡単レシピ>カシスオレンジ

  • 【用意するもの】
  • クレームドカシス…30ml
  • オレンジジュース…120ml

【作り方】

  1. お好みのグラスに氷を満たします。
  2. クレームドカシスとオレンジジュースを注ぎ、軽くステア(スプーンなどで混ぜる)すれば出来上がりです!

「カシスオレンジ」のアルコール度数は約3%と比較的マイルドですが、糖分を含むためカロリーは意外と高めです。飲みすぎにはくれぐれもご注意ください。また、使用するクレームドカシスの銘柄によって、同じ「カシスオレンジ」でも風味が大きく異なります。お好みの味を見つけるために、色々なブランドを試すのも一興です。

キール

クレームドカシスと白ワインをブレンドして作られる「キール」は、フランス発祥の代表的なアペリティフ(食前酒)です。白ワインの爽やかさと、カシスの甘酸っぱい香りが絶妙に調和し、洗練された口当たりを楽しめます。伝統的にはブルゴーニュ地方のアリゴテ種ワインが用いられますが、辛口の白ワインであれば、どんな種類でも美味しく作ることが可能です。

キールロワイヤル

「キールロワイヤル」は、「キール」で使用する白ワインを、シャンパンやスパークリングワインに替えた、より一層華やかで豪華なカクテルです。お祝いの席での乾杯やパーティーシーンにぴったりで、グラスの中で弾ける泡と美しい色合いが、その場を一層盛り上げてくれます。

カーディナル

「キール」のバリエーションとして知られる「カーディナル」は、本来白ワインを使うキールに対し、赤ワインをベースにしたカクテルです。クレームドカシスの濃厚な甘みと赤ワイン特有の渋みが織りなすハーモニーは、奥行きのある風味を生み出します。赤ワインが苦手な方にもお試しいただきたい、飲みやすい一杯です。

カシスソーダ

クレームドカシスをソーダ水でシンプルに割った「カシスソーダ」は、その手軽さからは想像できないほどの爽快感と、カシス本来の華やかな香りが魅力です。食前や食事のお供として、また気分転換したい時にもぴったり。レモンやライムを一切れ加えることで、より一層引き締まった味わいを楽しめます。

カシスグレープフルーツ

クレームドカシスとグレープフルーツジュースをミックスした「カシスグレープフルーツ」は、カシスの芳醇な甘みとグレープフルーツの独特なほろ苦さが絶妙に融合した一杯。この組み合わせが、洗練された大人のテイストを創り出します。甘すぎるカクテルはちょっと…という方に特におすすめです。

カクテル以外の利用法

クレームドカシスは、その豊かな風味と美しい色合いから、カクテルベースとしてだけでなく、多様な料理やスイーツの隠し味、あるいは主役としてもその真価を発揮します。特有の甘酸っぱさと鮮やかなルビー色は、普段の食卓や特別な日のデザートに、魅力的な彩りと深みを添えてくれることでしょう。

デザートへの活用法

クレーム・ド・カシスは、ソルベ、ゼリー、ムースといったデザートのベースや、風味豊かなソースとして、製菓の世界では欠かせない存在です。例えば、バニラアイスクリームや温かいパンケーキに添える上品なソースとして、あるいはフルーツポンチに奥行きのある香りを加えるアクセントとして活躍します。さらに、ブラジルのアサイーボウルに見られるように、フレッシュフルーツやグラノーラに少量かけることで、より洗練されたデザート体験が生まれます。カシス特有の甘酸っぱさが、あらゆるデザートに奥深さと複雑なレイヤーをもたらしてくれるでしょう。

料理における秘めたる役割

クレーム・ド・カシスは、主に赤ワインの風味を引き立てる目的で、料理の奥行きを深める秘めたる調味料としても重宝されます。特に鴨肉やジビエといった肉料理のソースに少量加えるだけで、その一皿に芳醇な深みと豊かなコク、そして繊細なフルーティーな香りが添えられます。さらに、赤キャベツのマリネのような野菜ベースの料理においては、単なる甘味に終わらない、より複雑で奥深い味わいを演出する効果も期待できます。酸味と甘味が見事に調和しているため、その応用範囲は驚くほど広大です。

多岐にわたるクレーム・ド・カシスの銘柄

「クレーム・ド・カシス」という名称は、多様なブランドによって展開されており、各々が独自の製造方法や哲学を掲げ、個性豊かなリキュールを生み出しています。それぞれの銘柄が持つ独特の風味や特性を深く知ることで、ご自身にとって最高の逸品を発見する喜びが一段と増すことでしょう。

サントリー『ルジェ・クレーム・ド・カシス』

サントリーが日本市場に展開する『ルジェ』は、世界的に見ても非常に高い認知度を誇るクレーム・ド・カシスの一つです。街の酒販店やスーパーマーケットで容易に入手できる定番リキュールであり、自宅でのカクテルメイキングにおいても頻繁に選ばれています。ルジェの魅力は、その絶妙な甘さと豊かなフルーティーさの調和にあり、カシスオレンジのような代表的なカクテルはもちろんのこと、多種多様なドリンクベースとして優れた相性を見せます。長年にわたる品質の安定性と、手に取りやすい価格帯が評価され、世界中のバーテンダーや家庭の食卓で絶大な支持を集め続けています。

アサヒビール『BOLS(ボルス)』

アサヒビールが展開する『BOLS(ボルス)』は、世界中で認知されている著名なリキュールブランドです。ボルスは、その長い伝統と多岐にわたるフレーバーリキュールのラインナップで知られています。ボルスのクレーム・ド・カシスは、澄み切った色合いと豊かなカシスの香りが際立ち、プロのバーテンダーからも高い評価を得ています。カシス本来の風味を最大限に引き出す製法にこだわり、奥行きのある味わいを追求しています。

『フィリップ・ド・ブルゴーニュ』

プロのバーテンダーに愛用されるブランドとして名高いのが『フィリップ・ド・ブルゴーニュ』です。他のクレーム・ド・カシスと比較して甘さが控えめで、洗練されたスッキリとした風味が特徴です。単体で試飲すると、口の中でカシスの余韻がスーッと消える感覚に驚かされることでしょう。この軽やかな味わいは、カクテルに用いた際に他の素材の持ち味を損なわず、より上品でバランスの取れた一杯を創り上げるのに寄与します。伝統的な製法と厳選されたブルゴーニュ産カシスの使用が、その卓越した品質の秘密です。

その他の注目ブランド

  • ギヨモン(Guyot): ディジョン地方の伝統製法に根ざし、凝縮されたカシスの味わいと絶妙なバランスを実現しています。特に地元ブルゴーニュでの信頼が厚いブランドです。
  • ガブリエル・ブーディエ(Gabriel Boudier): ディジョンを拠点とする老舗として、優れた品質と先進的な製法で評価されています。そのクレーム・ド・カシスは、芳醇なアロマと奥深いコクが魅力です。
  • マサン(Massenez): アルザス発祥のリキュールメーカーですが、高品質なフルーツリキュールで名高く、クレーム・ド・カシスもまた、果実そのものの生き生きとした風味と香りが際立つ逸品です。

ブランドごとの味わいの違い

ここでご紹介したのはほんの一例に過ぎず、「クレーム・ド・カシス」には数多くのブランドが存在し、それぞれ異なる味の個性を持ち合わせています。これらの風味の違いは、原料となるカシスの品種、収穫された時期、浸漬にかける時間、砂糖の配合バランス、そして各メーカー独自の製造方法や哲学によって生み出されます。

あるブランドはより濃厚でしっかりとした甘みを持つ一方で、別のブランドはカシスのフレッシュな酸味や爽やかさを強調していたり、アルコールの存在感がより明確に感じられるものもあります。色合いの濃淡や粘度もブランドによって様々であり、それがカクテル全体の見た目や口当たりにも影響を及ぼします。ご自身の好みや、作りたいカクテルのイメージに合わせて、様々なブランドを試してみることで、クレーム・ド・カシスの奥深い世界をより一層堪能できることでしょう。

クレームドカシスでカクテル体験を格上げ

「カシスオレンジ」を飲む際、画一的な甘さを想像する方もいるかもしれません。しかし、これは選ぶクレームドカシスの種類に大きく左右される事実です。ベースとなるクレームドカシスを変えるだけで、カクテルの印象は劇的に変化し、まさに自宅でカクテルを作る醍醐味を存分に味わえるでしょう。

クレームドカシスがカクテルの風味に与える影響

たとえば、キレのある爽やかなタイプのクレームドカシスを選べば、甘さを抑えた大人のカシスオレンジが誕生します。一方、芳醇なアロマを持つクレームドカシスを選べば、深みと複雑さが加わった、より贅沢な一杯を楽しむことが可能です。同じレシピを用いても、主役となるクレームドカシスの個性一つで、そのカクテルの表情は驚くほど多様に変わるのです。

自宅で探求するクレームドカシスの魅力

プロのバーテンダーが供するカクテルも素晴らしいものですが、自宅で自分好みのカクテルを追求する時間もまた、特別な喜びを与えてくれます。様々な銘柄のクレームドカシスを試飲し、それぞれに合う割り材や、他のリキュールとの最高の組み合わせを見つけ出す過程は、まるで自分だけの隠れ家バーを築き上げるかのようです。ぜひ、いつもとは違うクレームドカシスを使って、「カシスオレンジ」をはじめとするお気に入りのカクテルに新たな光を当ててみてください。きっと想像以上の発見と、奥深い飲酒の世界が広がるはずです。

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まとめ

クレームドカシスは、単なる甘口のリキュールという枠を超え、その豊かな歴史、厳格な製造基準、そして無限とも言える多様な楽しみ方を通じて、計り知れない魅力を持つお酒であることがお分かりいただけたでしょうか。「クレームドカシス」という呼称が、特定の糖度とアルコール度数を満たした、高品質なカシスリキュールを指す分類名であることを理解することは、その真価を深く知るための大切な一歩です。フランス・ブルゴーニュ地方で誕生したこの深紅の液体は、カクテルのベースとしてはもちろん、デザートや料理の隠し味としても世界中で愛されています。数多あるブランドの中から、ぜひあなた好みのクレームドカシスを見つけ出し、日々の生活に彩りと豊かな風味を添えてみてはいかがでしょうか。

クレーム・ド・カシスとは何ですか?

クレーム・ド・カシスは、黒スグリ(カシス)を主原料とする、フランス由来の濃厚な甘みと比較的高いアルコール度数を特徴とするリキュールです。その名称はフランス語で「カシスのクリーム」を意味し、特定のメーカーの商品名ではなく、フランスの法律によって定められた分類を指します。具体的には、1リットルあたり400グラム以上の糖分と、最低15パーセントのアルコール度数を持つカシスリキュールにのみ、この「クレーム・ド・カシス」の呼称が与えられます。

クレーム・ド・カシスとカシスリキュールの違いは何ですか?

「カシスリキュール」という言葉は、黒スグリを基にしたリキュール全般を指す、より広範なカテゴリの総称です。これに対し、「クレーム・ド・カシス」は、そのカシスリキュールの中でも、フランスの厳格な品質基準を満たしたものに限定される特別な呼称となります。この基準とは、1リットルあたりの糖分が400グラム以上、アルコール度数が15度以上であることで、この規定をクリアした製品のみが「クレーム・ド・カシス」として認められ、その上質な味わいの証となっています。

クレーム・ド・カシスはどのように保存すれば良いですか?

クレーム・ド・カシスは多くの場合、素材の風味を活かすために無濾過で造られており、光や空気、温度変化にデリケートです。そのため、一度栓を開けたら、風味の劣化を最小限に抑えるため、毎回しっかりと蓋を閉め、冷蔵庫で保管することが強く推奨されます。まだ開封していないボトルについては、品質を保つために直射日光が当たらず、比較的涼しい暗所に置くのが適切です。

クレーム・ド・カシスを使った代表的なカクテルは何ですか?

クレーム・ド・カシスをベースにした人気カクテルは多岐にわたります。代表的なものとしては、オレンジジュースで割る爽やかな「カシスオレンジ」、白ワインと合わせた上品な「キール」、さらにシャンパンを加えた華やかな「キールロワイヤル」が挙げられます。その他にも、シンプルにソーダで割る「カシスソーダ」や、赤ワインと組み合わせる「カーディナル」などがあります。これらのカクテルは、手軽な材料で自宅でも簡単に作れるため、幅広いシーンで楽しまれています。

「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン」とは何ですか?

「クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン」とは、フランスのブルゴーニュ地方に位置するディジョンで収穫された黒すぐりのみを原料として製造される、特別なクレーム・ド・カシスに与えられる認証です。この呼称は、その原産地と品質の優位性を保護するための地理的表示保護制度によって厳格に管理されています。

クレーム・ド・カシスは料理にも使えますか?

はい、クレーム・ド・カシスはカクテル用途にとどまらず、料理やデザートにおいてもその多様性を発揮します。デザートでは、ソルベ、ゼリー、ムースといった冷菓の風味付けや、鮮やかなソースのベースとして最適です。また、料理においては、鴨肉やジビエの重厚なソースに深みを与えたり、赤キャベツのマリネのような野菜料理に隠し味として加えることで、芳醇な甘酸っぱさと美しいルビー色を添えることができます。

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