アイシング用コルネ徹底解説:OPPシートとクッキングシートで作る方法、使い方、選び方

見る人を惹きつけるアイシングクッキー。その魅力的な見た目を実現するために必要不可欠なのが「コルネ」です。ケーキのデコレーションで生クリームを絞る絞り袋のように、アイシングを正確に、そして美しく絞り出すための重要なツールです。特に、繊細なラインや複雑な模様を描く際には、既製品の絞り袋では難しい表現も、手作りのコルネを使うことで可能になります。この記事では、アイシングクッキー作りに挑戦するすべての方に向けて、コルネの基本的な役割、OPPシートやクッキングシートを使った具体的な作り方、アイシングの詰め方や絞り方のコツ、材質による選び方を詳しく解説します。この記事を参考に、あなただけの美しいアイシングクッキー作りに挑戦してみましょう。

アイシングクッキーの魅力を高める「コルネ」とは?その重要性を解説

アイシングクッキーは、クッキーをキャンバスにして、メレンゲと砂糖で作ったアイシングで様々な模様を施すお菓子です。イラストやメッセージ、季節のモチーフなど、デザインは無限に広がり、見た目の美しさと美味しさの両方を楽しめます。誕生日やイベントのちょっとしたプレゼント、お祝いの気持ちを伝える贈り物としても最適で、お子様からご年配の方まで幅広い世代に喜ばれます。お店でも購入できますが、世界でたった一つのオリジナルアイシングクッキーを自分で作る喜びは、何物にも代えがたいものです。

このアイシングクッキー作りにおいて、アイシングを正確に、そして繊細に絞り出すために欠かせない道具が「コルネ」なのです。コルネは、一般的にケーキなどでクリームを絞る際に使う「絞り袋」と似た役割を持ちますが、アイシングの性質や細かい作業に適した形状をしています。特に、口金を使わなくても細い線を安定して描けるように工夫されており、アイシングの固さやデザインの複雑さに合わせて、先端のカット具合を調整できるのが大きな特徴です。市販の絞り袋でもアイシングは絞れますが、手作りのコルネを使うことで、より自由で精密な表現が可能になり、アイシングクッキーの完成度を高める上で非常に重要な役割を果たします。

コルネ作りの基本をマスター:OPPシートとクッキングシート共通の作り方

コルネは、OPPシートやクッキングシートといった身近な材料を使って簡単に手作りできます。基本的な作り方は共通しており、シートを円錐状に丸めてテープで留めるというシンプルな手順です。ここでは、シートの素材に関わらず共通して使えるコルネの作り方を詳しく解説します。この基本をマスターすれば、どの素材を選んだとしても、安定して使いやすいコルネを作れるようになります。

コルネ作りに必要な材料と準備

コルネ作りは、シンプルな材料で始められます。必要なものは、アイシングを入れるための「シート」と、シートを固定するための「テープ」です。シート選びはコルネの使い心地に大きく影響するため、それぞれの特徴を理解し、目的に合ったものを選ぶことが大切です。OPPシートは透明で中身が見やすく、丈夫です。ただし、文具用や梱包用としても販売されているため、食品に直接触れる場合は「食品用」「食品衛生法適合」と明記されたものを使用してください。一方、クッキングシートは手軽に入手でき、練習用にも適していますが、シリコン加工されていないものを選び、乾燥しやすい点に注意しましょう。テープは、シートをしっかりと固定できるものがおすすめです。セロハンテープやマスキングテープでも代用できますが、よりしっかりと固定したい場合は、幅広の養生テープなどが適しています。

コルネをコーン状に形成する基本手順

コルネを美しく成形するための基本は、使用するシートの種類に関わらず共通です。カットしたシートを丁寧に円錐形に巻き上げ、しっかりと固定することで、アイシングが漏れることなく、スムーズに絞り出せるコルネが完成します。以下の手順を参考に、一つずつ丁寧に作業を進めていきましょう。

ステップ1:シートを三角形にカットする

まずは、正方形のシートをご用意ください。OPPシートであれば、正方形にカット済みのものが便利です。クッキングシートを使用する場合は、ロール状のシートから必要なサイズを切り出し、正方形に整えます。次に、この正方形のシートを対角線に沿ってカットし、二等辺三角形を作ります。この三角形がコルネの基本形となります。シートのサイズが大きいほど、たくさんのアイシングを入れられますが、扱いにくくなることも考慮しましょう。一般的には、15cmから20cm程度のシートが扱いやすいとされています。

ステップ2:シートを内側に巻いてコーン状にする

二等辺三角形のとがった頂点を手前に向け、右側の角を頂点に重ねるように内側へ巻き始めます。この時、シートの端が頂点からコルネの先端まで一直線になるように意識すると、美しい円錐形を作りやすくなります。同様に、左側の角も頂点に重ねるように内側へ巻き込みます。左右のシートを少しずつずらしながら巻くと、先端がより細く尖り、繊細なアイシングを描く際に役立ちます。コルネの先端の仕上がりが、アイシングの出来栄えを左右するため、丁寧に調整しましょう。

ステップ3:先端を尖らせて固定する

両側のシートを巻き終えたら、コルネの先端が十分に尖っているかを確認します。左右のシートが重なり合う部分を指でしっかりと押さえ、外側からテープで固定します。このテープは、コルネの形状を維持し、アイシングの漏れを防ぐ重要な役割を果たします。シートが重なっている部分全体を覆うように、しっかりとテープを巻きつけましょう。テープが緩いと、アイシングを絞り出す際にコルネが崩れたり、隙間から漏れたりする原因となるため、しっかりと固定することが大切です。透明なOPPシートを使用する場合は、テープの位置や巻き方が外から見えるため、美しく仕上げるように心がけましょう。

ステップ4:上部を内側に折り込む

コルネの形を維持するために、コーン状に整えたら、コルネの上部を内側へ丁寧に折り込みます。この工程は、コルネの口をしっかりと閉じ、アイシングが漏れるのを防ぐために不可欠です。しっかりと折り込むことで、コルネ自体の強度が増し、アイシングをスムーズに出し入れできるようになります。折り込んだ部分をさらに内側に折り畳んだり、マスキングテープなどで軽く固定することで、アイシングが上から漏れ出すリスクをさらに軽減できます。ここまで完了すれば、基本的なコルネは完成です。次のセクションでは、さまざまなシート素材の特性と、それぞれの素材を最大限に活用したコルネ作りのポイントを詳しく解説していきます。

OPPシートで作る、頼りになるコルネ:特徴と選び方のポイント

アイシングクッキー作りのプロフェッショナルにも選ばれるOPPシートは、コルネ作りに適した素材です。最大の魅力は、その丈夫さと透明度、そして口金なしでも繊細な表現を可能にする機能性にあります。ここでは、OPPシートならではの特性、コルネ作りのメリット、そして用途に合わせたシートの選び方について詳しく見ていきましょう。

OPPシートの特性と、コルネ作りのメリット

OPPシート(延伸ポリプロピレンシート)は、透明フィルム素材です。薄いながらも、高い強度と耐久性を備えている点が特徴です。これらの特性が、コルネ作りに多くの利点をもたらします。

OPPシート製のコルネは、アイシングを絞り出す際の圧力に強く、破れにくいのがメリットです。長時間の作業や硬めのアイシングを使う際も、コルネが破損する心配が少なく、作業に集中できます。適度なハリがあるため、手に持った時の安定感があり、細い線を引く際に手の震えが伝わりにくく、正確な表現が可能です。

OPPシートの透明性も、大きなメリットです。コルネ内のアイシングの量や色、状態が一目で確認できます。アイシングの不足や色の混ざりをすぐに確認でき、複数の色を使う複雑なデザインにおいて、作業効率と仕上がりの美しさを向上させます。

特筆すべきは、口金なしでも細い線を安定して描ける点です。OPPシートで作るコルネは、先端を細く尖らせることができ、ハサミで少しカットするだけで、極細のラインを表現できます。複雑な模様や文字、繊細なレース模様を描く際に有利です。通常の絞り袋では難しい表現も、OPPシート製のコルネなら手軽に実現でき、アイシングクッキーの表現の幅を広げられます。

OPPシートで作る「ベース用」コルネと「細いライン用」コルネ

OPPシートはその強度と柔軟性により、さまざまなタイプのコルネを作ることが可能です。特に、基本的なデコレーションに使う「ベース用コルネ」と、繊細なデザインに特化した「細いライン用コルネ」を使い分けることで、アイシングクッキーの表現の幅が広がります。基本的な作り方は同じですが、先端の調整によって用途が大きく変わります。

「ベース用コルネ」は、主に広い面を塗りつぶしたり、アウトラインを描いたり、ドットなどの基本的な模様を施すのに適しています。上記で説明した手順で、正方形のOPPシートを対角線でカットし、二等辺三角形にしたものを巻いてコーン状に形成します。先端は細くしすぎず、適度な太さを残すことで、アイシングが詰まりにくく、スムーズに絞り出せるようにします。アイシングを詰めた後、先端をハサミで少しカットすることで、希望の太さのラインを引くことができます。一般的なアイシングクッキーの土台作りや、初心者の方が基本的なデコレーションを練習する際に扱いやすいでしょう。

「細いライン用コルネ」は、繊細な文字、複雑なレース模様、極細のアウトライン、精密な絵柄を描く際に役立ちます。基本的なコーンの形はベース用と同じですが、このタイプでは特に先端をしっかりと細く尖らせることが重要です。OPPシートはハリがあるため、先端を鋭角に形成しやすく、ハサミでのカットを最小限にすることで、針のような細い穴を作ることができます。これにより、口金を使わなくても、細く安定したアイシングのラインを引くことが可能です。使い慣れると、この細いライン用コルネで、アイシングクッキーに命を吹き込むような繊細なアートワークも実現できます。

手軽に作れる!クッキングシート製コルネ:使いやすさと注意点

専門的なOPPシートとは異なり、クッキングシートは入手しやすいため、アイシングコルネの代用品として広く使われています。特に、アイシングクッキー初心者や、一時的に多くのコルネが必要な場合、少量だけ異なる色のアイシングを使いたい時に便利です。ただし、クッキングシートの特性を理解し、注意点を守る必要があります。

クッキングシートの特徴とコルネ作りのメリット

クッキングシートは、スーパーや100円ショップで簡単に入手できるのが大きなメリットです。OPPシートよりも安価で、失敗を気にせず使えるため、アイシングクッキー初心者がコルネの巻き方を練習するのに適しています。ロールタイプで販売されていることが多く、必要なサイズにカットできるため、様々な大きさのコルネを作りたい時にも便利です。急にアイシングクッキーを作りたくなった時や、道具がない時でも、手軽にコルネを用意できるのは魅力です。アイシングを流し込んだ後、コルネを折ってテープで封をする際も、クッキングシートは比較的柔らかく扱いやすいです。

クッキングシート使用時の注意点:シート選びと乾燥対策

クッキングシートでコルネを作る際には注意点があります。最も重要なのは、「シリコン加工されていないクッキングシートを選ぶ」ことです。多くのクッキングシートには、食品がくっつくのを防ぐためにシリコン加工が施されていますが、シリコン加工されたシートはアイシングを絞り出す際に滑りやすく、テープで固定しても剥がれやすいです。作業中にコルネが破れたり、アイシングが漏れたりする原因になるため、未晒し(シリコン加工なし)のクッキングシートを選びましょう。商品パッケージに「ベーキングペーパー」や「未晒し」と記載されているものが適しています。

また、クッキングシートはOPPシートに比べて「水分が蒸発しやすい」というデメリットがあります。コルネに詰めたアイシングが比較的早く乾燥し始め、固まってしまう可能性があります。細い線を描いている最中に先端が詰まったり、アイシングの状態が変化したりすることがあるため、以下の対策を講じることがおすすめです。

  • 少量ずつ詰める: 一度に大量のアイシングをコルネに詰めず、使う分だけを少量ずつ詰めることで、乾燥のリスクを減らせます。
  • 早めに使い切る: コルネに詰めたアイシングは、できるだけ早く使い切るようにしましょう。長時間の作業になりそうな場合は、途中で新しいコルネを作り直すことも考えてください。
  • 湿らせた布で覆う: 作業中に一時的に手を離す場合や、他のコルネを使用している間は、使用していないコルネの先端を湿らせた布やキッチンペーパーで軽く覆っておくと、乾燥を遅らせることができます。

これらの注意点を守り、対策をすることで、クッキングシートでも十分に使えるアイシングコルネとして活用できます。手軽さを活かしつつ、素材に合わせた使い方をしましょう。

クッキングシートで作るコルネの簡単ステップ

クッキングシートを使ったコルネの作り方は、前述の「コルネ作りの基本:OPPシートとクッキングシート共通の作り方」と同じです。ここでは、クッキングシート特有のポイントを補足しながら、具体的な手順を改めて説明します。手軽にコルネを作りたい時に役立つ方法です。

ステップ1:クッキングシートをカットして三角形を作る

まずは、ロール状のクッキングシートから、作りたいアイシングコルネのサイズに合わせて正方形を切り出します。目安としては、15cmから20cm角程度が扱いやすいでしょう。切り出した正方形のクッキングシートを、対角線に沿ってカットし、二等辺三角形を作ります。この際、表面にシリコン加工が施されていない、未晒しのクッキングシートを選ぶようにしましょう。シリコン加工されたシートは滑りやすく、テープで固定する際にズレやすいため、綺麗な仕上がりを妨げる可能性があります。

ステップ2:三角形のシートを丁寧に巻き上げコーン型にする

カットした二等辺三角形の、最も尖った頂点を自分に向けて配置し、右側の角を三角形の頂点に重ねるように内側へ巻き込んでいきます。続いて、左側の角も同様に頂点に重ねるように巻き込み、コルネの先端をしっかりと尖らせます。クッキングシートはOPPシートと比較して柔らかいため、指でしっかりと押さえながら、均一なコーン型になるように丁寧に巻き上げることが重要です。先端部分が緩んでしまうと、アイシングが漏れる原因となるため、注意深く作業を進めましょう。

ステップ3:シートの重なりを固定しテープで留める

左右のシートを内側に巻き込み、先端を尖らせた状態を維持しながら、3枚のシートが重なり合う部分をしっかりと押さえます。この重なりがコルネの強度を左右するため、少し内側にずらしながら、しっかりと重ねて、外側からテープで固定します。クッキングシートは、OPPシートに比べてテープが剥がれやすい場合がありますので、気持ち強めに、そして広範囲にテープを貼ることをお勧めします。特に、アイシングを絞り出す際に力が加わる部分や、コルネの開口部付近は、重点的に固定すると良いでしょう。

ステップ4:コルネ上部を折り込み、安定させる

コルネがコーン状に固定できたら、コルネの上部、つまりアイシングを詰める開口部を内側へ丁寧に折り込みます。この工程により、コルネがより安定し、アイシングを充填する際にこぼれにくくなります。さらに、アイシングを詰めた後、この折り込んだ部分をさらに畳んでテープで封をすることで、上部からのアイシング漏れを効果的に防ぐことができます。クッキングシートは比較的柔軟性があるため、折り込み作業は容易ですが、しっかりと折り目をつけることで、使用中の形状を維持しやすくなります。

ステップ5:アイシングを充填し、先端をカット

コルネができ上がったら、いよいよアイシングを入れます。充填後、入口をしっかりと折りたたみ、テープなどで密封します。アイシングが上から漏れないように、何度か折り重ねたり、テープで広く固定するとより安心です。使用する直前にハサミで先端をカットします。理想の線の太さに合わせて、少しずつカットするのがポイントです。クッキングシートは乾燥しやすいので、アイシングを充填したらなるべく早く使い切るようにしましょう。

コルネへのアイシングの充填方法と効果的な活用法

コルネ作成後、次に重要なのはアイシングの適切な充填方法と効果的な活用法を習得することです。アイシングを適切に充填することで、絞り出しがスムーズになり、美しい仕上がりにつながります。また、コルネの持ち方や先端の切り方を工夫することで、より繊細で安定したデコレーションが可能です。ここでは、アイシングを無駄なく、綺麗に絞り出すための具体的な手順とヒントを解説します。

アイシングをコルネに美しく充填する手順

コルネにアイシングを充填する作業はシンプルに見えますが、いくつかの点を意識することで、その後のデコレーション作業の快適性が大きく向上します。アイシングを美しく、かつ効率的にコルネに充填するための手順を詳細に見ていきましょう。

ステップ1:コルネの準備と保持

まず、手作りコルネの先端がカットされていないか確認します。先端のカットは、アイシングを充填し封をした直前、または使用する直前に行うのが一般的です。コルネを持つ際は、片手で開口部を広げ、もう片方の手でアイシングを入れやすくします。利き手と反対の手でコルネを円錐形にしっかりと広げ、もう一方の手でアイシング入りのスプーンやパレットナイフを持てるように準備しましょう。コップや高さのある容器にコルネを立てかけると、両手が使え、より安定します。

ステップ2: アイシングの充填と脱気

コルネが自立したら、用意したアイシングを丁寧にコルネの中に詰めていきます。この際、コルネの口いっぱいまでアイシングを入れないように注意しましょう。コルネの高さの約3分の2を目安にするのがおすすめです。詰めすぎると、口を閉じるのが困難になるだけでなく、絞り出す際に上から漏れ出す原因となります。アイシングを詰めた後は、コルネの側面を軽くトントンと叩いたり、指で下方向に優しく寄せたりして、内部の空気を抜きます。空気が残っていると、絞り出した際に気泡が混ざり、線が途切れたり、均一でなくなったりすることがあります。

ステップ3: 開口部の確実な閉じ方

アイシングを充填し、内部の空気を抜いたら、コルネの開口部をしっかりと閉じます。まず、コルネの上部、アイシングが入っている部分より少し上を、両側から中央に向かって折り込みます。次に、その折り込んだ部分をさらに数回、下方向にしっかりと折り畳んでいきます。これで、アイシングが上から漏れるのを防ぐことができます。最後に、折り畳んだ部分をテープ(セロハンテープやマスキングテープなど)でしっかりと固定します。特に、クッキングシートでコルネを作成した場合は、OPPシートに比べて剥がれやすいことがあるため、丁寧にテープで留めることで、使用中の不安を軽減できます。

コルネの持ち方と先端のカット

アイシングを綺麗に絞り出すには、コルネの適切な持ち方と、目的に合わせた先端のカットが不可欠です。これらを正しく行うことで、手の震えを抑え、安定した線やデザインを描くことが可能になります。

安定したアイシングのための持ち方

コルネを持つ時は、利き手でコルネ全体を優しく包むように握ります。親指と人差し指でコルネの折り畳んで閉じた部分をしっかりと挟み、残りの指でコルネの下部を支えるようにします。この時、アイシングが手の温度で温まりすぎないように、できる限り指先で持つように意識すると良いでしょう。また、アイシングを絞り出す際は、コルネの上部を強く握りしめるのではなく、親指と人差し指で挟んだ部分を軽く押さえながら、アイシングが先端に向かって均等に押し出されるように調整します。手首を動かさずに固定し、指の力でコントロールすることで、安定した線を引くことができます。デコレーションをする際は、クッキーやケーキの表面からコルネの先端をわずかに浮かせて絞り始め、描きたい線に沿ってゆっくりと動かしていくのが基本です。

用途に応じた先端カットの秘訣(極細線、太線、星型など)

アイシングを詰めたコルネの先端をカットする最適なタイミングは、口をしっかりと閉じて、いよいよデコレーションを始める直前です。表現したい線の太さやデザインによって、カットする量と角度を微調整することが成功の鍵となります。ハサミを使って、ほんの少しずつ、慎重にカットしていくことを心がけましょう。焦って大きくカットしてしまうと、繊細なラインを描くことが困難になるため、注意が必要です。

  • 極細線を描く場合: 髪の毛のような細い線、繊細な文字、または緻密なレース模様を描く場合は、コルネの先端をハサミで、本当にごくわずかだけカットします。具体的には、先端の最も尖った部分を、ほんのわずかに切り落とす程度に留めます。これによって、まるで針で描いたかのような、極めて細く、シャープなラインを描き出すことが可能になります。特に、OPPシートで作られたコルネは、このような極細の線を表現するのに最適です。
  • 太い線や塗りつぶしを行う場合: デザインの輪郭を強調する太い線を描いたり、広い範囲を塗りつぶしたり、大きめのドットを配置するような場合には、コルネの先端をやや大きめにカットします。細い線を描くための穴よりも、数ミリ程度大きくカットすることで、アイシングがスムーズに流れ出し、均一な太さの線や面を作り出すことができます。
  • 特別な模様を描く場合(星型など): コルネの先端は通常、丸い形状をしていますが、ハサミの使い方を工夫することで、星型のようなユニークな効果を出すこともできます。例えば、先端をV字型にカットしたり、細かくギザギザにカットしたりすることで、絞り出すアイシングに独特の表情を加えることができます。ただし、このテクニックは少し高度であり、安定した模様を作り出すには練習が必要です。最初は基本的な丸い線から練習を始め、徐々に新しいカットに挑戦していくと良いでしょう。

適切なカット技術と持ち方を習得することで、アイシングクッキーのデコレーションは一段と楽しくなり、作品の美しさも向上します。日々の練習を通して、コルネがまるで自分の手の一部であるかのように、自由に操れるようになることを目指しましょう。

コルネ素材の徹底比較:OPPシート vs クッキングシート

アイシングコルネを作る際に最も一般的に使用される素材は、OPPシートとクッキングシートの2種類です。これらの素材はそれぞれ異なる特性を持ち、独自の長所と短所があります。ご自身のアイシングクッキー作りのスタイル、理想とする仕上がり、そして予算や入手経路などを考慮して、最適な素材を選ぶことが、快適なデコレーション作業への第一歩となります。ここでは、両方の素材の特徴を様々な角度から詳細に比較し、最適な選択をサポートするための情報を提供します。

透明性、強度、使いやすさの比較

コルネの素材を選ぶ上で、透明性、強度、そして使いやすさは特に重要な要素です。

透明性

  • OPPシート:非常に高い透明度。アイシングの色や残量を容易に確認可能。
  • クッキングシート:半透明または不透明。中身の確認は困難。

強度

  • OPPシート:耐久性が高く、硬めのアイシングにも耐える。
  • クッキングシート:OPPシートより強度が劣り、破れる可能性あり。

操作性

  • OPPシート:先端を細く尖らせやすく、極細ラインも描きやすい。
  • クッキングシート:柔らかいため円錐形にしやすいが、先端を尖らせるのが難しい場合がある。

費用

  • OPPシート:クッキングシートよりやや高価。
  • クッキングシート:安価で手軽に入手可能。

入手しやすさ

  • OPPシート:製菓材料専門店やオンラインストアで販売。
  • クッキングシート:スーパーマーケットや100円ショップで容易に入手可能。

使用目的による最適な選択

最終的にどの素材を選ぶかは、アイシングクッキー製作の目的と、あなたのスキルレベルによって決まります。

  • OPPシートが推奨されるケース: 「プロのような完成度を目指したい」「細かな模様や複雑なデザインを正確に描きたい」「長時間の作業や、少し固めのアイシングを使用することが多い」「道具の品質にこだわりたい」という方には、OPPシートが最適です。優れた耐久性と使いやすさは、あなたのデコレーション技術を最大限に引き出し、作品の品質を向上させます。特に、イベントや販売用のクッキーを作る際には、OPPシートの性能が役立ちます。
  • クッキングシートが推奨されるケース: 「アイシングクッキー作りの初心者で、まずは気軽に試したい」「コルネの作り方を練習したい」「コストを抑えたい」「一時的に大量のコルネが必要」「手に入りやすい材料で簡単にコルネを作りたい」という方には、クッキングシートが適しています。簡単に入手でき、価格も手頃なため、失敗を気にせずに練習できます。ただし、乾燥しやすいという性質があるため、アイシングの乾燥対策をしっかりと行うことが大切です。練習を重ねて技術が向上したら、OPPシートへの移行を検討するのも良いでしょう。

どちらの素材にも良い点と改善点がありますが、それぞれの特徴を理解し、用途に応じて使い分けることで、アイシングクッキー作りをより楽しく、効率的に進めることができます。まずは入手しやすいクッキングシートから始め、慣れてきたらOPPシートに挑戦してみるのもおすすめです。

まとめ

アイシングクッキーのデコレーションを成功させるために、コルネは非常に重要なツールです。適切なコルネを選び、アイシングを丁寧に扱い、練習を重ねることで、誰もが驚くような美しいアイシングクッキーを作ることができます。ぜひ、この記事で学んだことを活かして、あなただけのオリジナルアイシングクッキー作りに挑戦し、その楽しさを共有してください。あなたの創造的なアイデアが、素晴らしい作品として生まれることを願っています。

コルネは何で作るのが最適ですか?

コルネに最適な素材は、目的や求める仕上がりによって異なります。プロフェッショナルな仕上がりや繊細なデザインを希望し、耐久性を重視するなら「OPPシート」が最適です。一方、初心者の方の練習用や、簡単にコルネを作りたい場合は、手に入りやすい「クッキングシート」がおすすめです。それぞれのシートの利点と欠点を把握し、用途に合わせて選びましょう。

OPPシートとクッキングシート、どちらが良いですか?

OPPシートは透明で中身が見えやすく、非常に丈夫で破れにくいため、口金なしで非常に細い線を安定して描きたい場合に適しています。一方、クッキングシートは安価で手に入りやすく、気軽に試せるため、初心者の方の練習や一時的な使用に向いています。ただし、水分が蒸発しやすくアイシングが乾燥しやすいという欠点があります。使用目的や経験レベルに応じて使い分けるのが良いでしょう。

コルネの先端、どうカットするのが正解?

コルネにアイシングを充填し、口を閉じた後、描きたい線の太さに合わせてハサミで少しずつカットします。繊細な線を描きたい場合は、先端のほんのわずかな部分を切り落とす程度にしましょう。太めの線や、面を塗りつぶしたい場合は、数ミリ程度を目安にカットします。切りすぎてしまうと修正できないので、少しずつカットして、都度確認することが大切です。

アイシングをコルネに詰めるコツは?

コルネにアイシングを入れる際は、片手でコルネの口を大きく開け、もう片方の手でアイシングを優しく入れます。コルネの高さの3分の2くらいを目安にし、入れすぎには注意しましょう。入れたら、コルネを軽くトントンと叩いたり、指でアイシングを下方向に押して、内部の空気を丁寧に抜きます。最後に、コルネの上部を数回折りたたみ、テープでしっかりと留めて、アイシングが漏れないように密閉します。

コルネ